三浦・三崎産の葉血引(ハチビキ)
今朝、沼津魚市場に行くと、
入港していた漁船が水揚げした魚の仕分けをしており、
魚も多かったこともあり、
その準備に追われていました。
仕入れるかどうかは別にして、売場に並ぶ魚は気になるもので、
黄色のコンテナの魚は、神奈川県三浦・三崎の漁船が水揚げしたものでした。
三崎の漁船が沼津で水揚げすると聞くと不思議かもしれませんが、漁獲したところが、地元よりも遠ければ、近い漁港で水揚げするのは常のことで、値段が出やすい、つまり魚価が高くなる傾向にある漁港で水揚げするのも、同様です。
さらに言うと、漁港の休市日も関係したりするので、地元の漁船かどうかは無関係で、魚の味の良し悪しを決めるのは、漁場以上に、その魚の生態以外の何物でもありません。
ただ、魚の場合の産地は、水揚げ地が産地になるので、極端な言い方をすれば、アメリカで獲れた魚でも、沼津産になることもあり、表示というのは、かなりいい加減なものです。
ですので、漁場と水揚げ地を明記しなければ、表示というのは、意味を成しませんし、表示のための表示、つまり食品表示法のためでしかなく、美味しさとは無関係で、産地はあくまでも目安でしかありません。
コンテナの魚を見ていると、
良さげな葉血引(はちびき)が目に入り、セリの時間のかなり前だったので、
この1本を先取りさせてもらうことにしました。
葉血引は、
目鯛(めだい)や、
鯥(むつ)など同様、深場の魚と共に水揚げされる魚の一つです。
目鯛、鯥に比べ、流通量も少なく、マイナーな魚ですが、先月初めて食べて以来、好きな魚の一つとなり、その時の様子については、こちらをお読み下さい。
仕入れた葉血引は、常の通りの下処理をしたら、
脱水シートに挟み、冷蔵庫にしまっておきました。
葉血引のようなマイナーな魚を目にすることが出来るのは、自ら魚市場に行っているからのことで、それにより、様々な知識を得られることは、色んな意味で、成長する機会を得ていることになります。
魚同様、野菜、肉も食材というか素材ですが、魚というか、天然の魚とは異なり、人の手によって、生産され、平たく言えば、養殖ものです。
天然素材の美味しさは、養殖と比べるまでもなく、それを学ぶべく魚市場に行くことは、料理人の基本で、今思うと、料理人の振り出しが東京の鮨屋で、誰かしらが交替で、築地に仕入れに行っていたので、その素地が出来たことには、幸運だと思います。
4時起きで魚市場に行くことは、夜も遅くなる仕事ゆえ、楽ではありませんが、料理人としての技量を高めるだけでなく、魚屋さんのように、自分と同じ経営者と情報交換などをすることで、人としての在り方も学ぶことが、魚市場では出来るのです。
そう意味では、自分にとっての魚市場は、まさに学校そのもので、どんな仕事でも、生涯勉強である以上、この考えを忘れることなく、日々の仕事に臨んでいきます。
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