御祝い用の鯛(たい)の焼物
先日、お持ち帰り用の鯛の焼物を御用意させて頂き、

これまでにも、何度も御用意したことがあるのですが、詳しさに欠けるので、今回は、仕入れ、仕込み、仕上げまでについて、お話しさせて頂きます。
また、御覧のように、自分が御用意する鯛の焼物は、以前お話しした時同様、

切身にしたものを、

盛り付けたもので、言わば焼いた活造りのようなものです。
鯛は、沼津産の養殖の真鯛で、

活かしの0,9キロのものを使いましたが、仕入れる大きさは、召し上がる人数など、お客様のご要望に応じて、仕入れることにしています。
今回は、ご自宅でお食い初めの食事会の御席を設け、召し上がるのは、赤ちゃんのご両親、両家の祖父母の6人で、その人数を考慮に入れ、0,9キロのものを仕入れることにしました。
鯛は、活かしのまま持ち帰ることにし、

【佳肴 季凛】に戻ったら、

取り出し、

目隠しをし、

頭と尾の付根に、

包丁を入れたら、

神経を抜いておきました。
目隠しをするのは、鯛が動かなくするためで、神経を抜くのは、死後硬直を遅らせることにより、鮮度を保つためですが、焼物に仕立てるとは言っても、こういうひと手間が、仕上がりというか、味の決め手になるのです。
味の決め手と言えば、天然ものが望ましいのですが、天然ものの値段は、相場次第で、値段に限らず、入荷の約束も出来ないので、ご注文を頂いても、お値段のことを伝えることも出来ません。
そうなってしまうと、お客様にとっても、色々と不都合が生じてしまうので、養殖ものを使うことにしています。
締めた後、血抜きのため、しばらくの間、海水につけておいたら、

鱗を取り、頭を落とし、水洗いしたら、

三枚に卸し、

頭と中骨も、

冷蔵庫にしまっておきました。
煮たり、焼いたりと加熱調理する場合、翌々日くらいの方が、養殖ものでも旨味が増しますし、これが天然のものでしたら、さらに後の方が、美味しく召し上がることが出来ます。
ただ、その間、キッチンペーパーを取り替えたり、余分な水分を拭き取らないと、仕上がった時の味を著しく損ねるので、そういう手当は欠かせません。
今回の場合、鯛を仕入れたのが火曜日で、ご注文を頂いたのが、金曜日でしたので、木曜日に、

上身も下身も、

切身にしました。
腹骨付き、皮付きのままですが、焼いた時に身が反らないように、

皮目には、包丁を入れてあります。
切身にしたら、

若狭地に15分ほど、漬けておき、若狭地とは、料理人により、レシピは異なりますが、自分の場合、一番出汁、日本酒、味醂、赤酒、薄口醤油を同割にしたものです。
そして、ご注文を頂いた金曜日に、

中骨と頭に、

ひれを立たせるため、 爪楊枝を刺したら、それぞれにひれに、

焼いた時に焦げないようにするため、化粧塩をしておきました。
あとは、

切身、

頭と中骨と、全てのパーツを焼き上げたら、盛り付けるのですが、盛り込み料理や大皿の料理の難しさは、盛り付けによって、見栄えが大きく変わるのが、最も難しいところです。
器に、

松の枝を置き、頭と中骨の下には、

アルミホイルで包(くる)んだ大根を台にし、ここまで出来たら、冒頭の写真のように盛り付け、

大根と人参は、梅の型に抜き、下茹でしてから、甘口八方と呼ばれる出汁で味を含ませたもので、大根と人参の隣にあるはじかみは、殆ど全てのものを手作りしている自分ですが、その中でも、数少ない既製品です。
はじかみの隣に、

玉子焼を盛り付け、仕上がったら、

ラップをし、

風呂敷に包んだら、お客様がお取りになるのを、待つばかりとなりました。
鯛の焼物に限らず、料理のご要望に関しては、可能な限り対応させて頂いておりますので、お気軽にお問い合せ下さい。
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2019.7.30|お持ち帰り(テイクアウト) 魚 |permalink|コメントはまだありません
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