真鰯の丸煮の仕込み
一昨日、昨日と、真鰯についてお話ししてきましたが、今日は、“三部作”の最後です。
頭を落とし、水洗いした真鰯は、生臭みを取るだけでなく、煮崩れにくくするため、
塩をしておきます。1時間ほどすると、
このように、水が出て来ます。その後、
水洗いして、
ざるに上げておき、一晩冷蔵庫にしまっておきます。これも、煮崩れにくくするためです。明くる日の昨日、
鍋に入れたら、
水をはり、骨を柔らかくするため、
酢を入れ、そこに、
昆布を入れ、
火にかけます。火加減は、
煮崩れさせないために、弱火です。しばらくすると、
アクが出てくるので、
丁寧に取り除きます。この作業をしながら、2時間くらい経つと、
このようになり、このまま冷ましておきます。鍋肌は、
アクで汚れているので、
別の鍋を用意し、
移し替え、煮汁にも、
アクやかすが残っているので、
キッチンペーパーで濾し、
このまま一晩おいておきます。そして、今日、
水を足し、日本酒も加え、
再び火にかけます。まだアクも出てくるので、
丁寧に取り除きます。アクが出て来なくなったら、
砂糖を入れます。マクロビオティック(玄米菜食)を基本に据えているだけでなく、自然な甘味をつけたいので、
てんさい糖を使っています。その後、
濃口醤油を加えます。ご覧のように、有機丸大豆で作った醤油です。その後、煮汁の詰まり具合を見ながら、
たまり醤油、
赤酒、
仕上げに、味醂を入れ、煮詰めて、
仕上げます。熱々でも美味しいのですが、濃い目の味付けですので、冷めても、十分美味しいのが、“丸煮”の良さでもあります。お出しする時は、
天に白髪葱をあしらいますが、針生姜や木の芽なども、あしらうこともあります。また、御飯のおかずだけでなく、酒の肴にも、相性がよいだけでなく、それほど、値段も高くないのも、真鰯の良さでもあります。
和食離れが進んでいると、よく耳にしますが、こういう料理こそ、後世に残し、日本料理の伝統を受け継ぎ、伝えていけるよう、日々の仕事に、打ち込む姿勢を、持ち続けたいものです。
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