4本全てBIGちゃんこと、特大の天然とらふぐ
大きいサイズの
天然のとらふぐは
数が揃いにくのですが
今朝のとらふぐは
4本全て
似たようなサイズでした
2025年4月9日
Vol.4606

いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
静岡県富士市の
日本料理店【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝の沼津魚市場の
活魚売場の生簀には

神奈川県産の
とらふぐ(天然)が

6本入荷していました

このうちの4本は
注文しておいたものですが
計量待ちでしたので
構内を歩いていると

西伊豆・仁科(にしな)産の
鯵(アジ)の仕分けを
しているところでしたので

死後硬直前のものを選んだら

血抜きのため
えらを抜いたら

氷入りの海水の中で
冷やしておきました
他の魚の計量に
追われていたこともあり
とらふぐの計量は
遅々として
進んでいません
最低でも20分は
掛かりそうだったので
バックヤードに行き

鯵の下処理を始めました

不慣れな作りとは言え

いつものように
下処理を終えました

魚市場の都合がいいのは

氷と海水が
ごく近くにあることです
特に、の氷は
一度使ったものですので
溶けるのを待つだけのものですが
これの量だと
ワンコインというわけには
いきません

その後、鯵を袋に入れ
氷詰めしておきました
朝の30分は
普段の1時間に
相当するので
かなりの節約です
再び、活魚売場に行くと

計量を始めるところで

4本で10キロで

この姿を見れば
萌え燃え・・・
一択しかありません
そして、今度は
とらふぐを締める準備です
生簀から取り出したら

締めたら
とらふぐ同士が
噛み付き合わないようにするため
くちばしを落としてから

氷入りの海水の中へ

血抜きをしたら
荷造りをし
魚市場から撤収
【佳肴 季凛】にもどると

ふぐのぼり君が
「おはよう、親方
こういう流れで
仕入れをして来たんだね」
と、声を掛けてきました
「おはよう
そうだよ」
と、自分
まな板のとらふぐを
見ると

「僕達の何倍も大きいね」
と、訊いてきました
「そうだよ
4本で10キロの
1本2,5キロ平均なんだけど
こういう特大サイズのことを
何て呼んでいるのか
知ってる?」
「えぇ~っ
分かんないよ」
「そっかぁ
昨日来たばかりだから
知らないのも
当然だよね」
「うんうん♬」
「2,5キロ以上
4キロ未満のサイズを
BIGちゃん
っていうんだよ」
「へぇ~
それって
魚市場共通なの?」
「いや、ふぐ好きの自分が
ふぐ愛の想いを込めて
付けただけだよ」
「そこまでしちゃうの!?」
「するさ
“ふぐに魅せられし料理人”として
その美味しさを
全世界の人に
知って欲しいから
付けたんだよ」
「ヤバっ!
ってことは
サイズごとに
名前があるとか・・・?」
「もちろん!
①0,5キロ未満
チビとら
②0,6キロ以上
2,5キロ未満
並とら
③2.5キロ以上
4キロ未満
BIGちゃん
④4キロ以上
ジャンボちゃん
こんな感じ」
「それこそ、出世魚じゃん!
こんなことまでする
料理人って
そもそも、いるの?」
「多分、いないと思うよ」
「そうだよね
ふぐ好きってのは
聞いていたけど
いやはや・・・」

卸したとらふぐを
水洗いをしてくれるのは

いつものように
女将兼愛妻(!?)の
真由美さんです
「はじめまして
真由美さん♬」

「ふぐのぼり君
はじめまして♬」
「名前を覚えてくれたの?」
「もちろん♬
昨日、うちに来たのは
知っていたよ」
「わぁ。嬉しいな
じゃ、親方のブログを
読んでくれたんだね」
「そうだよ」

とらふぐを卸し終えたら

手直しをしたら

真由美さんが拭き上げてくれ

とらふぐの仕込みが
終わりました

「とらふぐの下処理って
こんなにも
手が掛かるんだね」
「そうだよ
皮の下処理もあるから
これで
お仕舞っていうわけには
いかないんだよ」
「ここまで手が掛かるんだぁ」
「そうだよ
魚ではあるけど
他の魚とは
卸し方から
味わいまで
全部が他の魚とは
違うんだよ
そういう唯一無二
みたいなところが
とらふぐの魅力なんだよ」
「へぇ~
そういう見方も
あるんだね」
「だからこそ
その魅力にハマったから
“ふぐに魅せられし料理人”
になっちゃったんだよ」
「へぇ~
そうだったんだぁ」
卸してから
刺身にするにせよ
ちりや唐揚などの
加熱調理をするにせよ
天然のとらふぐの場合
最低でも2日
掛かります
というのは
繊維質が強く
水分が多い身質だからです
特に、今日のような
BIGちゃんのような
大きいサイズの場合
3日か4日経った頃
歯応えと旨味のバランスが
黄金比率に達します
大きいからと言って
大味ということはなく
繊細さを束ねたような
味わいです
それを考えると
楽しみでなりません

「おかずに
鯵の開きを焼いたんだね
んまそぉ
そんじゃ、また明日」
by 熱血君
コメントを残す