目下のところ、トップシーズンの水魳(ミズカマス)こと、大和魳(ヤマトカマス)
少し前までは
素通りしていた
水魳ですが
ここ一か月で
抜群に良くなり
目下のところ
一押しの魚です
2024年10月17日
Vol.4513

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ミニふぐちゃんが
やって来ました

「おはよう、親方
水カマスだよね?
今日も仕入れて
来たんだぁ」
「おはよう
水魳だよ
今、一番いい魚だね
それこそ
抜群、最高、絶好調
まぁ、トップシーズンだね」
と、返しました
「そこまで
言っちゃう?」
「日にもよるけど
入荷がある時は
それこそ
何トンのレベルだよ
毎日、市場に
行くわけじゃないけど

「それって、凄くね
で、今日のは
どこ産なの?」
「今日のは

由比のだよ」
由比(ゆい)とは
桜海老で有名で
静岡市の漁港です
「由比の水カマスも
沢山獲れたの?」
「昨日の浜(=産地)の
水揚げは
よく分かんなけど

今日持って来たのは
100キロくらいだね」
「じゃあ
今朝の沼津の魚市場に
入荷はあったの?」

「入荷する前に
戻って来たから
正確なところは
わかんないけど
予定表には
川奈のが100キロって
書いてあったよ」
川奈とは
東伊豆の伊東の漁港です
「今日の水カマスは
何にするの?」
「酢で締めて
刺身に使ったり
揚物だよ」
「揚物って
天ぷらとか・・・?」
「いやいや、フライだよ」
「フライ!?
季凛みたいな日本料理店で
フライって
ありなの?」
「そりゃ、ありだよ
より美味しい食べ方で
出すのが
大事だからね

こんな感じだけど
生パン粉を使っているから
サクサク、ふわふわ!」
「サクサクは分かるんだけど
ふわふわって
どういうこと?」
「魚に脂があるから
ふわふわになるんだよ」
「油で揚げるから
脂の有る無しは
関係ないんじゃね?」
「大いにありなんだよ
こういうフライを食べたら
変なフライは
食べられないよ」
「そうなんだぁ
魚の種類は
関係あるの?」
「無いよ
脂が絶対条件だよ
で、今は
水魳が断トツ!」
「でも、こういうのって
市場に行っているから
分かるんでしょ?」
「そうだよ
たださぁ、水魳自体は
知ってはいたけど
夏前までは
素通りしていた魚なんだよ」
「え゛~っ」
「水魳って
なんちゃんって
赤魳(アカカマス)みたいな
扱いだから
大したことが無いと
思っていたんだけど
その良さを知ったら
虜(とりこ)になっちゃったよ」
赤魳とは
本魳(ホンカマス)とも呼ばれる
いわゆる魳(カマス)のことです

「そんなに良いんだぁ~
市場に通っているだけのことは
あるじゃん!」
「そうだよ
魚市場へ行って
リアルの魚を見れば
自然環境、経済状況とか
色んなことが
分かるんだよ」
「ってことは
学校じゃん!」
「そんでもって
魚のことを
教えてくれる先生が
漁師で
自分が生徒で
魚菜食文化の
日本料理を支えてくれる
漁師の応援団なんだよ」
「なるほどね~
応援団なら
熱くなるわけだ
よぉっ、熱血料理人!」
「あはは・・・
それはそれとして
魚の時季は
大体の目安があるけど
入荷や水揚げが増えて来たら
様子を見ながら
仕入れるようにしているよ」
「水カマスが増えてきたのは
いつぐらいからなの?」
「先月の半ばくらいからかな~
その中に
肥えているのを
見るようになって
中には
水魳には思えない
サイズが出て来たんだよ
そうなってからは
よく仕入れているけど
今月に入ってからは
抜群だね」
「へぇ~」
水魳は
鱗(うろこ)を取り
頭を落としたら
水洗いします

三枚に卸したら

酢締め用と
揚物用に分けます
酢締めの方は
皮と

身に塩をしておきました

最終的には
このようになったのですが


一方のフライ用は

血合い骨を抜いてから

塩、胡椒をし
パン粉をつけます
酢締めにしたものも
血合い骨を
抜かなくてはなりません

抜いた血合い骨は
出汁を取るため
ゴミ箱行きとはなりません
また、頭と中骨も
同じ様に
出汁を取るため
焼いておきました

身も美味しいので
出汁も然りです
寒さを感じるまでは
良い水魳の
入荷があると
予想していますが
こればかりは
自然のことゆえ
神のみぞ知る

「明日は
バスが来るんだって
FIGHT」
by ふぐとらちゃん
コエタス
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