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HOME ≫ ブログ ≫ とらふぐを締める位置が、他の魚と異なる理由

とらふぐを締める位置が、他の魚と異なる理由



魚を締めるとは

刃物を使って

魚を即死させ

血を抜き

鮮度を保つことです 


その方法は

魚によって

違いがあり

とらふぐの場合

他の魚とは

異なります



2024年10月11日


Vol.4509


いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい

美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ

西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の

店主兼熱血料理人の

志村弘信が

今日も認(したた)めます 





「おはよう、親方🐡

がっつり

仕入れて来たね~」



と、ふぐとらちゃん 


「おはよう🐡


遠州灘のとらふぐでしょ



伊豆・土肥(とい)産の

勘八(かんぱち)に



東伊豆の水魳(みずかます)

なんだけど


水魳は

この中から




2,0キロ選んだんだよ」 



水カマスは、通称で

正式な名前は

大和魳(ヤマトカマス)です 


「水カマスの

えらの辺りが

赤いけど・・・」


「朝獲れの魚だったから

締めたんだよ



えらを切って

氷入りの海水で

冷やしたら


えらを抜いてから



持って来たんだよ」


「活きていないけど

締めたってこと?」



「そうだね

死後硬直する前だから

締めたんだよ


小魚の場合

血抜きをしなくても

味に大きな差は

ないんだけど

した方が

雑味がなくなるから

するんだよ」 


「へぇ~

カンパチは

どうやって締めたの?」


「暴れないように

眼を隠したら


頭の付根と

尾びれの付根に

包丁を入れたら



即、氷入りの海水で

冷やし込むんだよ


一気に冷やすのは

締めると

体温が上がって

身が焼けるのを

防ぐためで


焼けるっていうのは

加熱したように

身がふやけることなんだけどね」



「神経を抜かないの?」



「神経を抜いた方が

いいんだけど

何よりも、血抜きだね


血は内臓と同じだから

内臓が残っていると

身が傷むのが

早いからね


あと、勘八を締めた方法が

一般的な魚の締め方だよ


頭の付根に

包丁を入れると

姿に傷がつくから


水カマスみたいに

えらに包丁を入れるだけでも

構わないよ」






「そうなんだぁ~

で、とらふぐは

包丁の痕が

残っているだけけど

締め方が違うの?」


「違うんだよ

一般的な魚の場合

鱗(うろこ)を取って

頭を落として

内臓を抜いてから

卸すんだけど

とらふぐっていうか

フグ類は

卸し方自体が

違うからだよ」 


「どういうこと?」


「卸していく途中で

説明するね」


「うん」



とらふぐは

有毒部位があるので

内臓を取り除くことと

卸すことを

同時にする魚です


皮を剥いたら

顎(あご)の部分を掴んで



かまと内臓を

同時に外します


この時に

頭の付根を

包丁で押さえないと

外しにくく


骨を切らずに

急所の辺りに

包丁を入れるように

するのです


また、構造上

えらに包丁を

入れにくいので

背骨を切らずに

包丁を入れるのです


手前側に入れるのは

左手で、ふぐを抑え

右手で、包丁を持つからです


また、とらふぐの場合

他の魚と身質が違うので

死後硬直後でも

身の弾力が

無くならないので

神経を抜く必要がありません


さらに言うと

繊維質が多く

水分が多いため


歯応えと甘味が

味わえるふぐ刺に

仕立てるには

天然のとらふぐの場合

最低でも

2日を要します 


つまるところ

とらふぐは

他の魚とは

全くの別ものと

言っても過言ではありません


それを言ったのが

希代の美食家にして芸術家の

北大路魯山人

(きたおおじ ろさんじん)で



“ ふぐのうまさというものは

実に断然たるものだ

と私は言い切る

これを他に比せんとしても

これに優る何物をも

発見し得ないからだ”

と、言っています


全くもって

その通りにして

それゆえ

“ふぐに魅せられし料理人”

になってしまったのです 


それだけでなく

あの愛くるしい姿とは

似ても似つかぬ

美食であるのも

ふぐ料理の魅力でもあります 


卸し終えたら

水洗いし



拭き上げ


12本のとらふぐの

仕込みが


終わりました



また、勘八も



水魳も


血抜きをしてあるので

身に透明感が

残っています 


締め方次第で

身の持ち方にも

違いがあり


このような技術が

生まれたのも

魚菜食文化でもある

日本料理の

偉大な知恵です 


魚を生で食べる

他の料理文化には無い

伝統を引き継ぎ

後世に繋ぐ努力を

怠るわけにはいきません  





「14日は

休みだけど

夜は予約があるんだって

そんじゃ、また明日🐡」

by 熱血君



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