鍋用に下拵えをした泥抜き済みのすっぽん(天然)
泥抜きを終えた
天然のすっぽんを
鍋用に
下拵えをしました
2024年8月14日

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます


まな板に乗せると

熱血君が
やって来ました

「まな板に乗せた
ってことは
卸すんだよね?」
「そうだよ」
「どうして
仰向けにするの?」
「仰向けにすると

首を使って
起き上ろうとする習性が
あるんだけど

その時に
首を掴(つか)んで

首の付根に
包丁を入れ
締めるんだよ」
「おっ
掴むチャンスじゃん!」
間髪入れずに
掴み
一気に締めました
なお、あまりにも
グロテスクなので
写真はありません
「やぁ~、確かに
凄かったね
それこそ
事件だよ、事件」
「まぁね
四つ足だから
かなりリアルだしね」

「爪も鋭いよね」
「そうだよ
天然は養殖の
倍くらいの大きさだし
腕の力も強いよ
だから、首を掴む時は
こっちも
本気だよ」
「親方も
かなり真剣な
表情だったもん」
卸し終えたすっぽんです

「卵があるってことは
メスだったんだね」

「っていうか

甲羅の尻尾が
出ていないから
見た目で
分かるんだけどね」

「殻付きの卵ってことは
産卵が近い
ってことなの?」
「夏場が
産卵の時季なんだけど
年に2~3回くらい
産卵するらしいよ」
「へぇ~
で、どれくらいで
孵化するの?」
「2か月くらい
なんだって」
「詳しいじゃん!」
「すっぽんの味とか
調理の仕方には
まぁ~ったく
関係ないけど
訊かれても
困らないように
調べておいたんだよ」
「熱心だね!」
「まぁ~ね
今日の卵の数は
大小50個くらいあったけど
少ない時で10個
多いと50個も
産むんだって」
「50匹のスッポンかぁ・・・
何か凄過ぎだね
そんなに
うじゃうじゃしていたら
逃げたくなるよ」
「あはは・・・
でも、すっぽんは
臆病だから
向かって来ることは
無いから
大丈夫だよ」
「そうなの!?
噛み付いたら
雷が鳴るまで
離さない
って言われているから
獰猛かと
思ったよ」
「確かに
そうだよね
これから
お湯に落として
皮を剥くから
離れてくれる?」

「その前に
もう一つ
訊きたいんだけど・・・」
「何を訊きたいの?」

「バットの中にあるのは
全部食べられるんでしょ?」
「そうだけど・・・」
「食べられない部分
ってあるの?」
「食べられるけど
使わないのが
胆のうだよ」
「苦いもんね
でも
薬になりそうだね」
「あとは
これだよ

分かる?」
「水みたいだけど・・・」
「泥抜きしていた時に
飲んだ水なんだろうけど
おしっこだよ」
「そりゃ、無理だよ
臭いの?」
「しっかりと
においがするから
破かないように
注意して
外さなきゃならないんだよ」
「そりゃそうだよね」
「中身のおしっこも
使えないけど
当然、膀胱(ぼうこう)も
使わないよ
っていうか
きれいにしても
こんな袋みたいじゃ
何だか
よく分かんないしね」
「ほぼほぼ全部
食べられるってことは
凄いよね」
「そうなんだよ」
湯通しをしたら
薄皮を剥きます
女将兼愛妻(!?)の
真由美さんが
剥いたら

自分が手直しをし
下処理が終わりました

「ここまでになると
ちゃんとした
食材って感じだよね」

「そうだね」
「すっぽん鍋に
仕込むんでしょ?」
「そうだよ
すっぽんの美味しさを
味わうなら
鍋一択だね
それに、天然は
生食NGだから
活血(いきち)も
使わないんだよ」
「天然ってことは
出汁の出方も
違うの?」
「そりゃ、違うよ
上品で濃厚な
美味しさは
他の食材には
無いからね」
「何に似ているの?」
「似ているものは無いよ
ただただ
すっぽんの味
唯一無二にして
天下無双!
とらふぐ、鱧(はも)と
同じなんだけど
すっぽんは
他の食材には
代えられないんだよ
しかも、仕込みも
特殊だから
これらが出来るようになれば
和食の中では
免許皆伝とも
言われているんだよ」
「へぇ~
親方、やっぱ
スっゲ~じゃん!」
「恐縮でございます♬」
「今日
すっぽん鍋に
仕込むの?」
「いや
今日はまだ
卸したばかりで
身が活きているから
明後日かな
その方が
旨味が増すからね」
「ってことは
天然の旨さが
倍増じゃん!」
「倍じゃなくて
2乗かな・・・!?」
「わぁ~
普通に
すっぽん鍋にして
お客さんには
出すの?」
「ちょっと
考えることが
あるんだよね~」
「なんなのぉ~?」
「今の時季の食材と
合わせて
バージョンアップ
させようと
思っているんだよ」
「ムムム・・・」
「まぁまぁ
御覧(ごろう)じろ
ってことで・・・」
「引っ張るなぁ~www」
すっぽん鍋に仕込むのは
明後日で
それを
料理としての
すっぽん鍋として
お出しするのは
さらに
その後になります
こういうワクワクするような
食材を仕込むことが
出来るのは
料理人として
最大の喜びです
命あるものを
頂く以上
どんな食材も
ぞんざいには出来ません
食材に対しては
常に真摯に
向き合うことを
忘れるわけには
いかないのです

「明日は
お弁当の注文が
あるんだね
そんじゃ、また」
by ふぐとらちゃん
コエタス
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