林檎(りんご)のアイス
Twiiterも、お読み下さい。リアルタイムの『佳肴 季凛』がご覧になれます。
昨年の暮れから、デザートとしてお出ししているのが、
“林檎(りんご)のアイス”です。
いうまでもありませんが、このアイスに欠かせないのが、りんごです。今回使ったのは、広く知られた品種の“ふじ”です。
まず、りんごをきれいに洗ってから、
芯をくり抜きます。それを、オーブンに入れて焼きます。
大きさにもよりますが、200度で、20分というのが、目安です。このままでも、十分美味しく、とりわけ、焼いた時に出るりんごの果汁の濃厚さは、言葉では表現出来ません。
それから、皮を剥き、残った芯や種を取除いたのが、こちらです。
さらに、これをフードプロセッサーにかけ、りんごのピューレにします。これとは別に鍋の中に、マスカルポーネチーズと卵黄を入れ、良く混ぜ合わせます。
普通は、これを牛乳で伸ばすのですが、マクロビオティックを基本に据えている当店では、豆乳で伸ばしていきます。
勿論、この豆乳も、無農薬・有機栽培の大豆で作られたものです。そこに砂糖、ふやかしたゼラチンを入れ、溶けたら、漉します。専門用語でいうところの“アングレーズソース”の出来上がりです。
そこに、風味付けのために、りんごのリキュールを入れます。
さらに、その中に、先程のりんごのピューレを入れ、良く混ぜ合わせます。
これが、冷めたら、泡立てた卵白と生クーリームを入れます。
これで、“アイスの種”の出来上がりです。
今度は、この“アイスの種”をアイスクリームマシンに入れます。
20~30分ほどで固まったら、出来上がりです。
この“りんごのアイス”ですが、焼くことでりんごの旨味が凝縮されるだけでなく、りんごの酸味が和らぎます。
ここからは、あえて自分の独断と偏見で、お話しさせてもらいますが、これまで作ったアイスの中でも、もっともプロの料理人らしいアイスが、この“りんごのアイス”です。
手間ひまをかけることによって、りんごというごくありふれた食材が、格調高い逸品に仕上がっているのが、その何よりの理由です。
これまでにも、何度かお話ししたことがありますが、日本料理店のデザートといえば、かつては走りや旬の果物を切ってお出しするのが、常でした。
しかしながら、最近ではフレンチやイタリアンの影響もあり、デザートも献立を構成する一品と考えられるようになってきました。
ただ、あまりに手をかけすぎたり、本来の良さが失われては意味がありませんので、シンプルでありながらも、奥深い表現を組み込むことも重要です。
また、手造りすることによって、オリジナリティーを出すことが出来るだけでなく、コストを抑えることも出来ます。
料理人の中には、「既製品やフルーツを切るだけで十分。」と言う人も、多くいますし、それはそれで間違っているとは、思いません。
ただ、自分としては、数あるお店の中から、わざわざ『佳肴 季凛』に足を運んでいただく以上、デザートだけでなく、どんな料理にも、出来る限りの手間ひまをかけたいものです。
そうは言っても、思うような一品というのは、なかなかどころか、全然と言っていいほど浮びません。でも、この道を選んでしまった以上、或る種の“諦めの境地”で進むしかありません。
★★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
をご堪能出来る、特別ランチコース(全9品)を御用意致しました。
ランチで忘年会を、お考えのお客様向けのコースです。
もちろん、ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
この時季ならではの本物の味を、是非ご賞味下さい。
皆様のお越しお待ち申し上げております。
(全9品 4,200円)
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店主 志村
2011.1.6|デザート 野菜・果物(フルーツ) |permalink|2件のコメント
活締めの“いなだ”の刺身
今回のお話しの前に、お知らせが二つほどあります。
一つは、昨年の暮れから、何度か取り上げてきました西京漬ですが、この度、『贈答用 西京漬』のページとして、新しくアップしました。ご覧下さい。
もう一つは、今月の『旬の素材』のページも、更新しました。こちらも、お読み下さい。
今日が、沼津の魚市場の平成23年の初市で、それと同じく、『佳肴 季凛』も初日でした。
市場の構内には、初荷の幟が、いくつも立てられていました。
さて、そんな今日は、『旬の素材』に関連するもので、そのページの右側の写真にある“いなだ”が、今日のお話しです。
“寒鰤”というより、“鰤”の若魚である“いなだ”は、体長30~50センチぐらいのもので、重さとしては、2~3キロほどの大きさの魚で、活きたまま入荷してくることもしばしばあります。
活きたまま入荷してきても、“いなだ”は死んでしまうことも、比較的多いのです。というのも、“いなだ”は泳ぎまわるので、壁にぶつかったりしてしまうからです。
ただ、状態の良いものでしたら、1日や2日くらいなら、活かしておくことも可能です。そういう時は、活かしたまま仕入れてきたりもします。
水槽から取り出した“いなだ”です。
活締めにしてから、皮を引いたばかりの“いなだ”の皮目の色は、
このように、鮮やかな赤い色をしていますが、時間が経つと、茶褐色に変わってしまうので、刺身で使うには、不都合な面もあります。
ですので、“いなだ”は時に、市場価値がないような値段で取引されることもあります。特に、死んだものは、買手がつかないことすらあります。
だからと言って、味が劣るわけではありません。このように、活きたものでしたら、歯応えもあり、成魚である“鰤”のような脂の乗りは無くても、旨味は十分に味わえます。
ただ、自分が仕入れて、使う時は、その日もしくは、明くる日のランチタイムまでと決めていますから、他の魚以上に、鮮度を重視する魚でもあります。入荷もまちまちですが、入荷している時は、是非召し上がってみて下さい。
★★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
をご堪能出来る、特別ランチコース(全9品)を御用意致しました。
ランチで忘年会を、お考えのお客様向けのコースです。
もちろん、ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
この時季ならではの本物の味を、是非ご賞味下さい。
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(全9品 4,200円)
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店主 志村
毎日欠かさず・・・
あけまして、おめでとうございます。真由美です。
5日まで、お休みを頂いていますが、私が毎日欠かさずしているのが、ぬか床をかき混ぜることです。
ぬか床を混ぜるのは、私の役目で、『佳肴 季凛』のお料理の中で、唯一私が作っているのが、ぬか漬けです。漬ける野菜は、親方である志村さんが決めるのですが・・・。
普段の休みの日でも、欠かさずかき混ぜているので、愛着はひとしおです。
明日の夕方には、明後日の営業に備えて、野菜を漬けます。多分、大根、胡瓜、京人参だと思います。
新年も皆様のご来店、お待ちしております。今年も、どうぞよろしくお願い致します。
最後は、志村さんからです。志村さんのTwitterも、よろしくお願いしますね。
★★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
をご堪能出来る、特別ランチコース(全9品)を御用意致しました。
ランチで忘年会を、お考えのお客様向けのコースです。
もちろん、ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
この時季ならではの本物の味を、是非ご賞味下さい。
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店主 志村