いよいよ、鱧(はも)入荷!
今朝の沼津の魚市場の活魚の生簀です。
この様子を見た自分は、小躍りどころか、トリプルアクセルをしてしまうほどの心境でした。この魚は、
“鱧(はも)”です。この精悍な顔を見るのは、約半年振りです。待ちに待った今年初の鱧の入荷です。国産の“鱧”の入荷は、今のところ殆どなく、これは中国産です。
“鱧”と言えば、骨切りが欠かせません。骨切りには、専用の包丁を使うのですが、こちらも半年振りです。
“将に骨切りせんとす。”
今日の夕方一番最初の仕事でした。これから、秋口までの毎日の日課です。
ところで、昨年好評頂いた鱧料理が召し上がれるランチコースも、御用意致します。また、今年は、夜の献立にも御用意致しますので、この時期ならでは味覚を是非ご堪能下さい。
ちなみに、こちらが昨年の鱧料理のランチメニューです。
詳細については、しばらくお待ち下さい。
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店主 志村
追伸 最後になってしまいましたが、今月の“旬の素材”を更新しましたので、こちらもお読み下さい。
今月はランチ特集
こんにちは、真由美です。めっきり春らしくなってきましたね。
ところで、『佳肴 季凛』が、いつも載せているフリーペーパーがこちらです。
富士市や富士宮市にお住いの方、特に女性の方はご存知ですよね?『ma-ne』というフリーペーパーです。『ma-ne』だけでなく、フリーペーパーがスーパーなどの店頭にあると、つい手に取ってしまう私です。やっぱ、フリーペーパーは女性の愛読書ですよね。
そんな今月号は、ランチ特集です。
うちのお店のような日本料理店は、ランチなどやっていないように思われているので、『佳肴 季凛』も、通常のページでなく、今月は特集のページに載せることにしました。
春らしく、水色の枠で囲まれています。書いてある内容は、ごく普通の記事ですが、目にすることがありましたら、是非手に取って、ご覧になって下さい。
ここには写っていませんが、キャッチコピーの“菜食健美なランチメニュー”で、皆様のお越しお待ちしております。
最後は、紙面だけでなく、ランチメニューを作る料理人の志村さんからです。
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店主 志村
既製品の鰆(さわら)の西京漬け
先日、沼津の魚市場の構内を歩いていると、こんな箱が目に入って来ました。
“さわら西京味噌漬け”と書かれています。“鰆(さわら)”が、好きで好きで堪らない自分ですから、素通り出来る訳がありません。
こんな風に、切身になって、味噌が入ったものが、真空パックになっています。所謂、既製品というやつです。ただ、この切身を見ると、幅が小さいのです。というのも、この切身は、“鰆”の若魚である“さごち”とか“さごし”と呼ばれるものだからです。
“鰆”には違いないのですが、“鰆”ではないのです。実際、市場でも区別されて売られていますし、値段も全然違うのです。
さて、この箱の横を見ると、
こんな風に、書かれています。
この“鰆”というか、“さごち”の産地は、韓国で、加工地が中国です。使われている調味料を見ると、既製品らしくなく、“味の素”などの旨味調味料や、保存料、酸化防止剤などが入っていません。
この箱をしばらく、見ていたら、市場の職員が、
「季凛さん、一つどうですか?ランチなんかに、使えませんか?」と、自分に声を掛けてきました。
「俺が、使うわけないじゃん。西京焼にするなら、セリ場にある“鰆”で作るに決まってんじゃん!それも、御前崎(産)に、決めているし・・・。」
「そ、そうでした。富士市で一番“鰆”が好きな料理人に向かって、失礼しました。」
と、そんなやり取りをして、その場を後にしたのでした。
既製品の良し悪しを、ここではお話ししませんが、自分で作ったものだからこそ、お客様にも、自信を持ってお出し出来ます。
『佳肴 季凛』の料理は、ランチでお出ししているデザートも、全て手造りです。どうぞ、ご安心してお召し上がり下さい。
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店主 志村
熱血料理人の魚
沼津の魚市場の活魚の生簀に入っている“鯛(たい)”です。
その隣には、“平目(ヒラメ)”が入っています。
どちらも、“タイ”、“ヒラメ”と名前と目方が書かれています。入荷してくる魚は、その日によって、種類や大きさも様々です。普段は、このような状態で、生簀に入っています。
そんな先日、
このように、「魚 ①」と書かれた札が貼られていました。
魚市場ですから、魚などの海産物が入荷するのは、当たり前なのですが、魚とって、一体!?同じ札に書かれた①とは、一匹のことです。
その魚とは、
これです。ちなみに、その隣にいるピンク色をしているのは、“鯛”です。
魚市場の人ですら、名前が分からないのですから、食べれるのかどうかも分かりません。
また、このような分からない魚や珍しい魚は、大体の場合、店内に水槽のある居酒屋さんや鮨屋さんなどが、鑑賞魚として、買うことが多いのです。
気になったので、本やネットで調べてはみたものの、名前が分からないのですから、どうにもこうにもなりません。
ちなみに、その本とは、
『日本産魚類大図鑑』なる本です。この本は、その名の通り、日本国内やその周囲に生息している魚の本です。もし、これに載っていない魚は、新種の魚と判断されるのです。
その本の内容ですが、
こんな感じです。実はこの本、専門書、学術書の範疇に入るものですが、一介の料理人の自分が持っているのは、水産学部卒の友人にもらったからです。
その友人は、今は全くの畑違いの仕事をしているので、2,3年前、自分に譲ってくれたのです。
この本を隈なく、見ていけば、先日の魚の名前が、恐らく見つかるはずです。もし見つからなかったら、晴れて新種の魚の仲間入りです。
その時は、名前を付けることになるのですが、実は一つ候補があるのです。“熱血料理人”が名付けた魚ということで、“ネッケツ”という名前にするつもりです。どんなもんでしょう?
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店主 志村
鍋磨き
包丁を砥ぐのが、
その日の最後の仕事で、どんなに遅くなっても、欠かすことはしません。料理人である以上、魂と言うべき包丁をぞんざいに扱うことは出来ません。
また、砥がないで、そのままにして仕事を終えれば、明くる日の仕事は、包丁を砥ぐことから始めなくてはならないからです。
急な仕事が入った時に、そんなことをしていたら、仕事が遅れてしまいますし、プロである以上、常に「いざ、鎌倉」に備えるのは、当然の心構えですから、何があっても、包丁を砥がずに、仕事を終えることをしないのは極当たり前のことです。
包丁と同じ位に大事な道具が、鍋です。鍋と言うと、一般には洗うものだと思われがちですが、料理人にとっては、包丁同様、鍋は砥ぐとまでは言いませんが、磨くものなのです。
包丁のように、毎日磨くことはありませんが、時間に余裕がある時は、磨くこともしばしばです。
これが、
使った鍋です。洗ってはあるので、汚れていません。これから、この鍋を磨くのです。磨く時は、爪や指の間が黒くなってしまわないように、
手袋をします。
磨く時は、
目の細かいスチールウールで作られた“ボンスター”を使います。
これを適当な長さに切って、クレンザーと酢を混ぜたものを、つけながら磨きます。
このように滑らないように、鍋の下に、使い古しのタオルを敷きます。このまま、ひたすら磨きます。
鍋がきれいになったら、水で洗い流してから、普通の洗剤で洗います。その後、タオルで拭いて、ようやく一丁上がりです。磨き終えた鍋は、
こんな感じです。新品同様の輝きです。
ところで、お気づきかもしれませんが、日本料理で使う鍋は、このように取っ手がついていません。「どうやって持つの?」と、思われるかもしれませんが、
このようにして、持つのです。この道具は、“やっとこ”というもので、
ペンチのようなものです。取っ手がないので、このように、重ねることが出来るので、片付ける時も、場所を取らないので、都合がいいのです。ちなみに、手が無い鍋なので、“だるま鍋”とも呼ばれています。
どんな凄腕の料理人でも、鍋が無ければ、芋一つ煮ることは出来ません。ですから、ぞんざいに扱うことは出来ません。
また、本当に美味しいかどうかはともかく、きれいな鍋で、料理が作られれば、美味しく感じられるはずです。衛生面から見ても、然りです。
少なくとも、自分がお客として、食べる時は、そうあって欲しいと思っているので、きれいな鍋で料理を作るのです。
また、自分で食べて、美味しいと思うものをお客様にお出しするのが、自分のスタイルですから、そうしないと納得がいかないのです。
プロの料理人である以上、どんな小さな道具でも、大事にする気持ちだけは、いつまでも失いたくありません。なぜなら、そこがプロのプロたる所以だからと、頑なに信じているからです。
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店主 志村
ひじきご飯の作り方
『佳肴 季凛』でお出ししているお持ち帰り用のお弁当は、
二段重ねの折詰めの松花堂(しょうかどう)弁当です。ここ最近、お弁当のご飯は、
“ひじきご飯”です。嬉しいことに、召し上がったお客様には、
「『佳肴 季凛』のお弁当らしく、ヘルシーなご飯ですね。」とか、
「マクロビオテイックっぽいお弁当で、体に良さそう。」と、言われたりもします。
また、「“ひじきご飯”の作り方やレシピを教えて欲しい。」と、言われたりするので、“ひじきご飯”の作り方をお話ししたいと思います。
ひじきは乾燥したものを使うのですが、予め水で戻しておきます。米一合に対して、ひじき(水でもどしたもの)が30グラムです。
これを、薄口醤油、塩、味醂、日本酒、で味を調えた出汁で、煮含めます。ひじきを入れるのは、味をつける前でも、後でも構いません。出汁の分量は、米一合に対して、200ccです。
その時のポイントとして、出汁を多目にしておく必要があります。
味付けは、お好みですが、目安としては、やや薄味の温かいそばの汁の味くらいの感じです。その時、味醂を多くすると、焦げやすいので、控えめの方が良いかと思います。
ひじきの煮汁でご飯を炊くのですが、必ず煮汁を冷ましてから、炊くようにします。
煮汁を漉して、キッチンペーパーに残ったひじきです。炊き上がる直前に、釜に入れるようにします。
これを、お米と一緒に、釜に入れ、
蓋をして、炊きます。
炊き上がる直前に、ひじきを入れます。そうして、炊き上がって、10分程蒸らして出来上がったのが、
こちらです。あとは、混ぜ合わせて出来上がりです。ひじきの香りが何とも言えません。お好みで、胡麻油を混ぜても構いません。
この“ひじきご飯”は、ひじきだけですが、お好みで油揚げを入れても美味しく出来ます。
あとよく聞かれるのが、出汁についてです。一般的には、鰹出汁ですが、自分は、普段使っている魚のアラを焼いて、一度出汁を取った鰹節や昆布、野菜の手くずで煮出した出汁を使っています。
中に入っているのが、平目のアラ、煮干、鰹節、昆布、するめ、人参、キャベツ、長葱です。中身は、その日によって、色々ですが、肉や養殖の魚だけは、絶対に入れません。
もっとも、肉は普段でも使うことはありますが、養殖の魚は殆どといっていいほど使いませんが・・・。
こういう出汁を使えば、鰹出汁よりも味わい深いし、余分な食材を入れる必要もありません。
ご家庭で作る炊き込みご飯というと、炊く時に、全ての材料を入れて炊くようですが、こうすると、きれいに美味しく、炊くことが出来ますし、このやり方が、日本料理店ならではの炊き方です。
是非、一度お試し下さい。
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店主 志村
久しぶりの鰆(さわら)と・・・
今朝の沼津の魚市場には、
沢山の“鰆(さわら)”が入荷していました。その横にも、
“鰆”が並んでいました。どちらも、静岡県御前崎産の“鰆”です。これまで、当ブログをお読みになって頂いている方はご存知かと思いますが、“鰆”は自分が好きで好きで堪らない魚です。
ちなみに、“鰆”に関するブログは、昨年の11月始めに、「これでもか!」と言うくらい書いてありますので、宜しかったら、お読み下さい。
これでも飽き足らない方は、こちらを。
そんな“鰆”ですが、1月の終わりを最後に、入荷はあっても仕入れることがなかったのですが、今日は久しぶりに仕入れることにしました。
これが、
今朝仕入れた“鰆”(二本)です。
仕入れたからと言って、在庫がなかったわけではありません。
恋焦がれてやまない“鰆”が買手がつかずにいるのですから、素通りできるわけがありません。また、そんな時は、決まって、市場のセり人が、電話を掛けてくるのです。今朝もそうでした。
時には、市場に行かない日ですら、電話もかかってきたこともあります。さすがに、そういう時は、心を鬼にして、セリ人にと言うより、“鰆”に三行半を突きつけるのです。この時は、まさに断腸の思いです。
帰りの道中、小躍りするほどの気分であったのは、言うまでもありません。
『佳肴 季凛』に戻って、切り身にしたのが、
こちらです。“鰆”を、全部切り身にし終えると、