夏近し
今日は、定休日でしたが、沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。いつものように、生簀のある活魚売場に行くと、
活かしの大分県産の鱧が入荷していました。
また、大分県産のものだけでなく、
中国産の鱧も、ありました。これらの横には、
輸送途中で死んでしまった鱧があり、3,2キロで、7本のものを、自分は、仕入れることにしました。
鱧とは別に、生簀には、
地物の障泥烏賊(あおりいか)が、いました。ちなみに、沼津近郊では、
芭蕉烏賊(ばしょういか)とも呼ばれており、札にも、このように書かれておりました。その後、別の売場に行くと、
活きてはいないものの、
水揚げされて間もない障泥烏賊が、
入荷していました。もちろん、これらも、地物で、相場次第では、仕入れる気もあったのですが、結果的に、高見というより、高値の見物となってしましました。
そんなセリの状況と前後して、
貝類を扱う売場に行き、
宮崎県産の岩牡蠣を、
15個のうちから、5個だけ選り抜きました。
その後、ひと通りの仕入れを終え、【佳肴 季凛】に戻り、仕込みをしましたが、GW明けから、定休日でも、完全なオフはなく、仕込みをしていたので、最低限の仕込みに留め、
鱧も卸すだけにし、骨切りも明日の仕込みとしましたし、出汁を取るためのアラも、
掃除をしておくだけにしました。
障泥烏賊は、この2,3年不漁が続いているものの、どれも、これからの時季、美味しくなるものです。マスコミの報道でも、夏日とか、気温上昇などの“季語”らしきものを、目にする機会が、増えて来ました。
夏近くして、揺蕩(たゆた)う美食、いと多し。
和食の季節の移ろいは、どこまでいっても、魅惑の一言に尽きます。
大分県産の落ち鱧
今朝は、沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。いつものように、一番最初に、
生簀のある活魚売場に、向かいました。生簀の手前に並んでいた発泡スチロールの中に、
大分県産の鱧があり、札に書かれているように、12本で、6,0キロでした。御覧のように、活きてはいません。というより、活きたまま、箱詰めされてきたのですが、途中で死んでしまったもので、“落ち鱧”と呼ばれています。
ちなみに、この鱧の隣には、
山口県産の鱧もありましたが、自分好みのサイズよりも大きい7~800グラムサイズのものでしたので、仕入れることはしませんでした。
“落ち鱧”は、
鱧料理のマストアイテムでもある“落とし”には、仕立てることは出来ませんが、その他の料理に仕立てることも出来るので、仕入れることも、しばしばです。
ただ、“落ち鱧”は、お腹にエサがある状態で、死んでいるので、時には、その臭いが身についてしまうこともあり、注意が必要です。【佳肴 季凛】に戻ると、他の仕込みの前に、
死んでしまってから、時間が経っていないこともあるので、〆てから、
お腹を裂き、はらわたを出しておきます。その後、
水洗いをしてから、卸し、
ちゃんとした状態で、身が使えるので、12本全て、骨切りをし、
頭や骨などのアラの部分は、こんがり焼いてから、出汁を取れるようにしておきました。
国産の鱧の入荷が増え始めてきたこともあり、鱧のシーズンも、いよいよです。当店の『鱧料理』については、こちらをご覧下さい。
三重県産の鱧の仕込み
今日は、沼津の魚市場に、
仕入れに行って来ました。構内を歩いていると、
地物の障泥烏賊(あおりいか)の水揚げが、ありました。もっと早い時季に、水揚げがあるのですが、この2,3年は、量が少なく、今年は、かなりの不漁で、高値安定が続いていましたが、これら以外にも、水揚げがあり、
まずまずの値段で、この障泥烏賊(1,6キロ)を、仕入れることが出来ました。この障泥烏賊以外にも、
小肌(佐賀)、蛍烏賊(富山湾)などを仕入れ、沼津の魚市場を、後にしました。【佳肴 季凛】に戻る前に、
宅配便の営業所に立ち寄り、
三重県熊野から届いた荷物を、受け取りました。【佳肴 季凛】に着き、中を開けると、
活〆にされた17本の鱧が、入っていました。また、活〆にされているだけでなく、
お腹を開いて、胃袋や腸なども、取り除かれています。残っているのは、肝臓や真子(卵巣)、白子(精巣)などです。ここまでされているのは、自分の要望で、活〆にされても、お腹に餌が残っていると、その臭いが、身についてしまうからです。
水洗いをしてから、
ランチの営業時間までに、
全て卸し終えておきました。卸し終えた後のあらの部分は、
出汁を取るために、こんがり焼いておきました。ちなみに、鱧の出汁とは、このようなものです。
とりあえず、今日のうちに、ここまでやっておく予定でしたが、鱧の下拵えの関所とも言うべき、骨切りも、
時間の余裕があったので、することにしました。既に、夜の営業時間でしたので、
料理をお出ししながら、
全て終えることが出来ました。ちなみに、先ほどの刺身は、会席料理の【凛】(おひとり 4,000円のもので、生の本鮪(那智勝浦)、蛍烏賊(富山湾)、小肌(佐賀)、湯葉の四種盛りでした。
細い鱧などの身は、
鱧しんじょう蒸しを仕込むために、身と皮の部分に、
分けておきました。皮は、あら同様、出汁を取るのに使います。鱧しんじょう蒸しの仕込み方については、こちらをご覧下さい。
とりあえず、ここまで下拵えをしておいたので、明日の仕込みが一つ減ったので、ほっとした気分で、一日を終えることが出来ました。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な【西京漬】をご用意いたしております。
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店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
今季初入荷の活鱧
今朝は、沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。
活魚売場の生簀にある籠の中に入っていたのは、
鱧(はも)で、中国です。例年、沼津の魚市場に、入荷してくる一番最初の産地で、3月の終わりにも、入荷がありました。
この中から、
選り抜抜いた鱧の目方は、
0、73キロの1本で、自分の好みのサイズの0,5~0,6キロよりも、少し大きかったのですが、GWも終わり、暦の上でも、夏となったので、仕入れることにしました。
また、今朝は、鱧同様、夏が旬の岩牡蠣も、
選り好みして、宮崎産のものを、5個仕入れて来ました。
【佳肴 季凛】に戻り、鱧は、
水槽に入れておき、明日か明後日、卸す予定ですが、当店の夏の定番の『鱧料理』をお出し出来るのは、今しばらくとなりそうです。詳細については、お電話にて、お問い合わせください。
一カ月ぶりの鱧は、三重県産
今朝は、仕込みをする前に、
宅配便の営業所に向かい、
荷物を取りに行きました。中に入っていたのは、
鱧で、定置網で水揚げされた三重県産のものです。三重県から、鱧が入荷するのは、1カ月ぶりのことで、鱧自体も同様です。
この鱧が、水揚げされた直後は、
こんな感じで、この中から、
自分好みのサイズで、良さそうなものを選ったもので、全部で、15本ありました。
お腹の部分は、
はらわたというより、胃袋を抜いてもらってあります。というのも、胃袋がお腹にあるまま死んでしまうと、食べたものの臭いが、身についてしまうからです。
卸す前に、残っているはらわたを取り除き、
水洗いを終えたら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、きれいに拭いてもらい、自分は、
卸すことにしました。一方の真由美さんは、“鱧しんじょう蒸し”を仕込むために、
先日仕込んで、真空パックしておいた袋から、しんじょう地を取り出し、
丸く形を整えていました。“鱧しんじょう蒸し”については、こちらをご覧下さい。
鱧を卸し終えた自分は、
鱧の下拵えの関所とも言うべき、骨切りに取り掛かりました。骨切りを終えたら、
決めた大きさに包丁し、バットに並べたら、
刷毛を使い、打粉をし、
形を取ったものに乗せ、
蒸しました。
蒸している合間に、アラの部分は、出汁を取るために、
きれいに掃除しておきました。鱧のアラで取る出汁は、このようなものです。
活きた鱧の入荷がないので、『鱧料理』のコースをご用意することは出来ませんが、入荷のタイミングが良ければ、お出し出来そうな時季も、そろそろです。
今シーズン初の活鱧の入荷はあれど・・・
今朝は、
沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。いつものように、一番最初に、
生簀のある活魚売場に行きました。この時点で、気になったのが、オレンジ色の籠で、全部で5個ありした。
近づいて見ると、
籠の中身は、中国産の鱧(はも)でした。今シーズン初の活鱧です。最初の籠に入っていたのは、3本(2,45キロ)で、1本あたり800グラムくらいの大きさでした。その隣の籠は、
4本で、3,55キロですので、同じく900グラムサイズでした。さらに、その隣の3番目の籠は、
3、4キロで、3本でしたので、1本の大きさが、1キロUPのものでした。その隣の4番目の籠は、
2,6キロで、4本入っていました。これまでの中で、一番小さいサイズです。
そして、最後の籠の鱧は、
4本入りで、3,45キロで、900グラムサイズのものでした。
結果的に、18本の鱧の入荷があったのですが、自分が好んで使う500~600グラムの大きさのものが、無かったので、今日は仕入れませんでした。
例年、鱧の入荷は、4月に入ってからですが、今年は、一カ月ぐらい早い初入荷でした。産地はともかく、コンスタントに入荷するのは、まだ先だと思われますが、自分好みのものがあれば、仕入れてくる予定です。
“暑さ寒さも、彼岸まで”とはよく言ったもので、冬から春、そして初夏へと、季節は少しずつ、移りつつあります。
今年初入荷の鱧(はも)は、三重県産
今朝は、沼津の魚市場へ、仕入れに行って来ました。着くと、東伊豆の定置網で、
水揚げされた石鯛(いしだい)を、
仕分けしているところで、
お祭り状態でしたが、素通りしました。
その隣に、
目を移すと、
同じ定置網で、水揚げされた鱧(はも)が、ありましたが、どれも大きいので、これまた素通りしました。
とはいうものの、仕入れるべきものは仕入れて、市場を後にし、帰り路、
宅配便の営業所に立ち寄り、
三重から届く荷物を、受け取りました。荷物と言っても、禁漁期に入っているので、活けの天然のとらふぐでは、ありません。
【佳肴 季凛】に着き、中を確認すると、
活〆にされた鱧で、鱧が入荷するのは、去年の9月以来のことです。
また、自分の要望で、
はらわたを抜いてもらってあります。こんな風にするのは、お腹の中に、食べたものが残ったままで、締めたり、死んでしまうと、その臭いが、身についてしまい、使い物にならなくなってしまうからです。
ところで、活きていた時は、
こんな様子で、
全部で、660本ほど入っていたとのことです。ちなみに、この2枚の写真は、送り主の魚屋さんが送ってくれたもので、前回のお話しの主人公でもあります。
今朝の鱧は、全部で、11本あったのですが、はらわたを完全に抜き取り、
水洗いして、骨切りしてから、
鱧料理の定番でもある“落とし”にしてみました。
ただ、自分がお出しする時は、その日に締めたものしかしません。また、落としだけでなく、
天ぷらにしてみました。どちらも、皮や骨が硬いということもなく、美味しく食べることが出来たので、早速、お客様にお出ししてみました。
鱧が、本格的に入荷するのは、ゴールデンウイーク前後で、当店の【鱧料理】のコースも、それ以降となる予定です。“暑さ寒さも、彼岸まで”という言葉のように、春も間近で、季節は確実に、移ろっています。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)『春支度』を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
シーズン終盤の鱧(はも)は、和歌山&大分産
昨日に引き続き、今朝も沼津の魚市場に、行って来ました。
今日の仕入れのメインは、鱧でした。この問屋さんの奥に行くと、
水槽には、鱧。こちらの水槽にも、
鱧。この中から、
1本取り出し、
秤にかけると、
鱧の目方は、0,57キロでした。ここの水槽に入っていた鱧の産地は、
和歌山県でした。その後、市場構内の売場に行くと、
大分産の鱧があったので、仕入れることにしました。9月も半ばを過ぎたこともあり、鱧の横には、
ボストン産の鮟肝(あんきも)が、入荷しており、今朝は、
地物の太刀魚をはじめ、
高足蟹や、
伊勢海老も、入荷していました。これらの入荷が増えてくると、市場は秋から冬の気配を感じます。ひと通りの仕入れを終え、【佳肴 季凛】に戻ったら、
活きた1本の鱧は、夕方卸すので、籠に入れておき、水槽へ。夕方になり、
水槽から取り出し、締め、お腹を開くと、
鱧の子が、どっさり。その後、卸してから、骨切りをし、落としに仕立て、鱧料理のコースの刺身に、
生の本鮪(銚子)、新子(佐賀)、帆立(北海道)と共に盛り付け、お出ししました。
昨日と今日で、仕入れた鱧は、合計で9本で、そのうち1、2本の鱧が、骨や皮が硬いものがあり、時季の終わりを感じました。ただ、味は、まだまだいけますし、しばらく入荷もありそうな感じですので、鱧料理をご希望の方は、事前にお問い合わせ、ご予約をお願い致します。そんな当店の鱧料理については、こちらをご覧下さい。
★★★期間限定 会席料理【秋ごよみ】 ★★★
(全9品 お一人:3,000円)
お陰様で、9月18日をもちまして、当店は六周年を迎えます。そんな感謝の想いを込めた夜の会席コースを御用意致しました。
なお、お召し上がり頂ける期間は、10月5日(日)までとなっております。本物の素材が奏でる逸品の数々を、是非ご堪能下さい。
パールアガーで寄せている“鱧(はも)の子の煮凝り”
この時季、コース料理の先付でお出ししているのが、
“鱧(はも)の子の煮凝り”で、天に盛り付けてあるのは、枸杞の実を土佐酢に漬けたものです。
“鱧の子の煮凝り”の仕込み方については、以前お話ししたことがありますが、何年か前から、使っている凝固剤を、
パールアガーというものに変えました。パールアガーは、ゼラチンと寒天の両方の利点を持ち合わせています。詳しい説明については、こちらをお読み下さい。
仕込み方ですが、鍋に、下拵えをした鱧の子を入れたら、出汁、日本酒、薄口醤油、塩、味醂を入れて、火にかけます。
沸いてくると、アクが出てくるので、
丁寧に取り除きます。取り除いたら、
分量に合わせて量ったパールアガーを、
鍋に入れます。ホイッパーでよく混ぜたら、
流し缶に流して、
冷蔵庫で、冷やします。パールアガーは、ゼラチンのように、冷めないでも、固まるのが特徴ですが、そのような性質ながらも、食感は、ゼラチン同様のものです。
お出しする時は、切り出してから、包丁をし、天地、左右を入れ替え、市松模様になるように、盛り付けます。このように出来るのも、寒天のように、室温で溶けたり、崩れない特徴が、あるからです。
9月も半ばになり、鱧の入荷はありますが、段々と皮や骨が固くなってくるので、仕入れる機会も減って来ます。自然を相手にしていると、夏から秋と季節の移ろいを、否が応でも感じぜずには、いられません。
★★★期間限定 会席料理【秋ごよみ】 ★★★
(全9品 お一人:3,000円)
お陰様で、9月18日をもちまして、当店は六周年を迎えます。そんな感謝の想いを込めた夜の会席コースを御用意致しました。
なお、お召し上がり頂ける期間は、10月5日(日)までとなっております。本物の素材が奏でる逸品の数々を、是非ご堪能下さい。
まだまだ鱧は、入荷中
ここ最近、お話ししている魚は、天然のとらふぐが、殆どですので、ついこの前まで、話題にしていた鱧は、何処と思われるかもしれませんが、昨日の沼津の魚市場には、
発泡スチロールに入って、和歌山産の鱧が、並んでいました。蓋を開けると、
こんな感じでした。この隣には、
同じく和歌山産で、水揚げ直後に、活〆された鱧も、入荷していました。
また、和歌山産だけでなく、
大分産の活けの鱧も、入荷していました。
お盆から、秋のお彼岸過ぎまでは、夏の魚と冬の魚の端境期ですので、これといったものもありませんが、どちらのものも堪能出来る時季でもあります。走りと名残を味わうのも、日本料理ならではの一興かもしれません。
★★★期間限定 会席料理【秋ごよみ】 ★★★
(全9品 お一人:3,000円)
お陰様で、9月18日をもちまして、当店は六周年を迎えます。そんな感謝の想いを込めた夜の会席コースを御用意致しました。
なお、お召し上がり頂ける期間は、10月5日(日)までとなっております。本物の素材が奏でる逸品の数々を、是非ご堪能下さい。