カウンターで、4年振りにランチの海鮮丼
常連さんともなると
定番メニューにはない
海鮮丼も
御用意することもあります
その海鮮丼とは・・・

3月28日(Vol. 4,341)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「この丼ものって
親方達が
お昼に食べているのと
違う感じじゃね?」
と、熱血君
「違うよ
っていうか
今日のお客さんのランチメニューだよ」
「えっ!?
丼ものなんてメニュー
いつから始めたの?」
「始めてないよ
常連さんからの
注文だよ」
「へぇ~
でも、どうやって
注文してくれたの?」
「ブログをいつも
読んでくれているんだけど
時々、投稿している
丼ものを
また食べたいって
言われたから用意したんだよ」
「でも、いきなり来ても
用意出来ないでしょ?」
「出来ないよ
今日までの流れを
話すね
①行けそうな日を
いくつか選んでもらう
②それに合わせた仕入れをする
ただし、こちらの
仕入れ状況に
合わせてもらうのが条件
③仕入れが出来たら
お客さんに連絡して
正確な日時を決める
④そして、来店
っていう感じ」
「へぇ~
ちょっとした
予約料理じゃん」
「そうだよ
お互いの我が儘(まま)を言える
関係だから
為せる業(わざ)だよ」
「だから、席も
カウンターなんだね」
「そういうこと」
「で、丼ものの内容とか
料理を出す流れを
話してよ」
「はいよ~」
丼ものだからと言って
全て一度に出すことはしません
ご来店されたら
丼ものの準備です

器に
酢飯をよそったら

刻み海苔を散らします

葉血引(はちびき)

寿司海老

蛍烏賊を盛付けました

寿司海老は既製品で
ちらし寿司用の
切落しです
その上に
野菜、胡麻、わさびを
盛付けました

野菜は
人参(オレンジ、黄)・胡瓜
茗荷・アーリーレッド
を塩水に浸けて
しんなりさせたものです

これらとは別に
紅たで、ねぎ、大葉も
盛付けました
三色丼が出来上がったら
先付のグリンピース豆腐を
お出しし

そして、メインと共に

味噌汁

味噌汁の具は
蜆(しじみ)です

食事が終わったら
デザートの
シャインマスカットのアイスと共に

ホットコーヒー

「親方
あと、丼ものを
食べられる条件とか
縛りみたいなものってあるの?」
「あるよ
※通常のランチメニューが
経験済なことだよ
うちのランチの特徴は
会席スタイルの
コース仕立てだから
これを卒業してもらわないと
次には
進めないんだよ」
※通常のランチメニュー

「だから
常連さん用なんだね」
「そういうことだよ」
「そこまでになるには
通い詰めないと
ならないの?」
「その辺は
まぁまぁアバウトで・・・
そうそう
4年前の同じ日にも
丼ものを食べたんだよ」
「マジで?」

「でも、どうやって
4年前っていうのが
分かったの?」
「食べた時の写真を
見せてくれたからだよ
4年前に用意したことは
覚えていたけど
まさか同じ日とはねぇ」
「ふぅ~ん
4年に一度ってことは
閏年的メニュー?
常連さんって
何でもありなんだね」
「さっきも言ったけど
お互いのことを
分かっているからね」
「いいじゃん、いいじゃん!」
これまでにご用意した
通常のランチメニュー以外の
お食事は
海鮮丼しかありません
ご要望次第で
可能な限り
対応させて頂きますが
その前に
通常のランチメニューの
クリアをお願いします

「4月5日は
お休みするんだって
そんじゃ、また」
by ミニふぐちゃん
沼津魚市場と食遊市場での歩数と距離
仕入れに行くと
歩かなくてはなりません
魚市場と食遊市場で
仕入れをする時
どれくらい歩くのか
計ってみました

3月25日(Vol.4338)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
帰って来ると
ふぐとらちゃんが
やって来ました

「おはよう、親方
定休日なのに
市場へ行って来たの?」
「おはよう
そうだよ
明日は
市場が休みだからね」
「先週とかも
行ってなかった?」
「先週だけじゃなく
先々週も行って来た


だから、三週連続ってことだね」
「たいへんじゃん」
「今年から
火曜日休みが
増えたからね」
「そうなんだぁ~」
「たださぁ
月曜日に行った方が
休み明けの火曜日の仕込みが
楽になるから
いいんだけど
その辺は
何とも言えないね」

「ふぅ~ん
野菜とかもあるけど
食遊市場にも
寄って来たの?」
「寄って来たから
明日は買い出しの
必要もないから
仕込みに集中出来るのが
いいよ
さっき言ったように
そういう意味では
休みの日の仕入れは
ありなんだよ」
「へぇ~
話は変わるけど
魚市場も食遊市場も
広いんでしょ?」

「特に魚市場はね

第一市場(しじょう)
と
沼津魚類協同組合市場冷蔵庫
の南北
INO
の東西

塩干(えんかん)売場

を主に歩くんだけど
第一市場とINOの距離が
1,5キロくらいだから
何だかんだで
魚市場にいる時で
2~3キロくらいは
歩くと思うよ」
「そんなに歩くの!?」
「まぁ
色々と見ながら
歩いているから
それほど退屈でもないよ
仕入れのことで
頭が一杯だしね」
「そうだよね~」
「市場に着いた時からの
歩数を見てごらん」
「ほぉ~い♬」
ということで
魚市場に着いた時は
0歩です

ということで
INO構内を
歩き始めました
先ずは地魚の売場

次に活魚売場

地物の魚の売場と
活魚売場の間にある
西伊豆・戸田(へだ)の
トロール(底引き網)漁の売場は
99,99%パスしています

好みの魚が少ないだけでなく
競りが始まる時間が
遅いためです
INO最後は
伊豆半島周辺の魚メインの売場

金目鯛などを
仕分けしている最中で

その中にいた
葉血引(はちびき)をGETし

1,8キロでした


活魚売場から
INOの入口までは
約200メートルくらいです

活魚売場の手前に
大物売場があるのですが
距離にして50メートル程度なので
あえてノーカウント
大物売場とは
鮪(まぐろ)の売場のことです
INOの後は
第一市場と
市場冷蔵庫前の売場へ移動
沼津で1、2を争う
水産会社の売場

九州、紀伊半島の
魚を扱う問屋の売場

こちらの売場は
“高級海鮮問屋”で

鮑(あわび)

栄螺(さざえ)

伊勢海老(いせえび)を
扱っており

売場面積に対しての
キロ単価は
他の売場の群を抜きます
地続きの第一市場です
大手水産会社と肩を並べる
水産会社の売場

ここでは
※【西京漬】用の
サーモンや鰤(ぶり)などを
仕入れています
※【西京漬】

ここから先の売場で
仕入れるのは
鯵(あじ)などですが

今朝は入荷も少なく
ガラ~ン

ここが第一市場の
ほぼ端っこで
市場冷蔵庫前の端までは
およそ
400メートルくらい

最後に塩干売場へ行き

春の代表的な食材の
富山産の
蛍烏賊(ほたるいか)を
仕入れました
この時点で
歩数を確認すると

2630歩にして
2,0キロ
魚市場の後
車で15分ほどの
食遊市場に着き

歩数計を見ると

3148歩(2,4キロ)
車に荷物を
積んだりしているだけでも
意外と歩くものです
食遊市場での仕入れを終えると

4835歩(3,6キロ)
「で、最終的には
何歩になったの?」
「こんなとこだね」

「4967歩で
3,7キロかぁ
なかなかの運動じゃん!」
「そうだね
気に入った魚を仕入れて
そこそこの運動をして
5000歩も動いているなら
身体も心も
健康的だね」
「ってことは
一日の間で
結構な距離を
動くことになるってことは
良いことじゃん」
「十分な朝の散歩だね」
「しかも
親方の食生活は
マクロビオティックが
基本だから
色んな意味で
健康的じゃん」
「結果的には
そうなるね」
「」
医者でも学者でもない
一介の料理人として
言えるのは
マクロビオテイック
(玄米菜食)は
完璧ではありませんが
健康的な生活を送るには
かなり有効な食生活なはずです
実際、20年近く前は
この時季になると
花粉症に悩まされていました
が、しかし
マクロビ的食生活を
するようになってからは
さほど悩まされることはありません
マクロビオティックについての

身体の健康については
先のことも
何が有効かも
分かりません
ただ、良くないもの
つまり
ケミカルな物=添加物を
出来るだけ
摂らないことに尽きます
そのために
自ら食材を吟味し
丹精込めて
料理を作り続けるのです

「明日発送する
お取り寄せアイテムだね
そんじゃ、また」
by 熱血君
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
誕生日プレゼントに、鰍(いなだ)のフライ
魚のフライと言えば
鯵(あじ)フライですが
それ以外にも
オススメのフライがあるんです
そんなフライとは・・・

Vol.4336(3月23日)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

昨日
沼津魚市場で仕入れた
静岡県由比(ゆい)産の
イナダ(鰍)です
イナダは、鰤(ぶり)の幼魚で
ワカシ
↓
イナダ
↓
ワラサ
↓
ブリ
と、名前を変えていく
いわゆる、出世魚です
出世魚とは
成長するにつれ
名前が変わる魚と
思われていますが
元々はそうではありません
出世つまり
段々と価値が上がった場合に
出世魚の称号を
もらうことが出来ます
そもそも、出世魚とは
ある歴史上の人物にちなみ
名前が4回変わるものです
その人物とは
豊臣秀吉で
日吉丸
↓
木下藤吉郎
↓
羽柴秀吉
↓
豊臣秀吉
と変わりました
秀吉の出自は
農民と言われているように
成り上がりだったのです
秀吉はさておき
イナダは鰤同様
鱗(うろこ)が細かいので
すき引きと呼ばれる
包丁を使う方法で
鱗を取り除きます

頭を落とし
はらわたを抜き
水洗いしたら
三枚に卸したら

柵取りしました
背の節(ふし)の皮に
包丁を入れたら
バーナーでFIRE

ランチメニューの刺身で
お出ししました

ランチタイムが終わったら
自分達のランチタイムにも
登場し

自分は
野菜増し増しの
鰍丼(いなだどん)の特盛で

女将兼愛妻(!?)の
真由美さんは
あえて、別物の
鰍の刺身定食でした
そして、あくる日の今日

残りを切身にし
塩、胡椒をしたら

パン粉をつけたら

フライにしました

鰍のフライの奥にあるのは

ハッシュドポテトです

「揚げててで
んまそう~
4人家族分にしては
多くね?」
と、熱血君
「多いよ
っていうか
うちらの家族分だけじゃなく
常連さんの誕生日プレゼントも
兼ねているんだよ」
「誕プレ~
超豪華じゃん!」

御菓子の化粧箱に
ラップを敷いたら

揚物を詰め
生野菜も一緒に

「使わない器があるのに
どうして
こんな風にしたの?」
「器だと
返してもらう手間が
省けるからだよ」
「そういうことね
親方は
こういう余興みたいな料理って
意外と楽しむから
訊いてみたんだよ」
「あはは・・・」
常連さんの誕プレとは別に
自分達も昼ごはんの
おかずにしました

イナダはスーパーなどでも
並んでいるように
リーズナブルな値段で
買うことが出来る魚の
一つでもあります
魚のフライの典型と言えば
鯵(あじ)フライですが
いなだのフライは
切身ですので
食べ応えもあるのも
魅力です
ただ、刺身用で売られていても
色変わりが早いことが
欠点でもあります
なので
柵で購入出来るような時は
揚物にすると
色変わりを
気にする必要がありません
片栗粉をつけて
揚げてから
野菜あん掛けにすると
なかなかのおかずになります
魚の消費量を
肉のそれが
上回ってから
久しいのですが
魚を売る側も
その美味しさを
上手く伝えていかないと
ますます魚を
食べてもらえなくなってしまいます
基本的に
肉は、牛、鶏、豚の
3種類しかありません
それに対して
魚は種類も豊富で
生食もOKですし
加熱調理も出来ます
魚菜食文化である
日本料理を
生業としている以上
その魅力を
伝えるのも
和食の料理人の使命です
さらには、魚を獲ってくれる
漁師なくして
魚菜食文化は
成り立ちません
そのためには
料理人たるもの
自ら魚市場に出向き
現状を把握して
彼らの代弁者として
声を出し続ける
使命があるのです

「鹿のもも肉の
叩き風なんだって
んまそう~
そんじゃ、また」
by ミニふぐちゃん
漁師直で仕入れた血抜き済の葉血引(はちびき)
漁港が併設されている
沼津魚市場での仕入れは
直接、漁師から
仕入れることも可能です
そんな今朝の魚とは・・・

Vol.4333(3月20日)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です

「おはよう、親方
今日は色々と
仕入れて来たね」
と、熱血君
「おはよう
そうだね」
「アジがあって

ホタルイカもあるし~

カキとシジミも

え~っと

あとは

親方がお気に入りの
ハチビキもあるじゃん」
「そうだよ
葉血引は
昨日の時点で
入荷が分かっていたからね」
「どういうこと?」
「これだよ」

「そういうことね」
やり取りの相手は

「しかも、この漁師の
葉血引(はちびき)だから
間違いないよ」
「市場で仕入れて来たから
問題ないんじゃないの?」
「まぁ
昨日の流れから
見ていてよ」
「はぁ~い♬」

ということで、
時計の針を
市場時間に戻します
今朝
沼津魚市場に行くと
綾ト丸の船頭が
魚の仕分けをしている最中で

それこそ、グッドタイミング
クーラーボックスから

魚を出していると

お目当ての
葉血引(はちびき)現る

秤にかけてもらい
無事にGET

「ここまでは
いつもと
変わんないんじゃね?」
「じゃ、これを見てごらん」

「えらが切れている
ってことは
血抜きがしてあるってこと?」
「そうだよ

仕入れた葉血引以外の魚も
血抜きされているよ」
「おぉ~
それこそ
札付きじゃん!
こうやってあると
違うものなの?」
「そうだよ
値段も高くなるからね」
「じゃ、どんな魚でも
血抜きをすれば
いいんじゃね?」
「そうなんだけど
全部の漁師が
やるとは限らないんだよ」
「どうしてなの?」
「手間もかかるし
血抜きをすると
目方が減るからだよ」
「どれくらい減るもんなの?」
「5~6%ぐらいって
聞いたことがあるよ」
「少ないじゃん」
「そう思うだろうけど
魚の値段は
キロ単価×目方
で決まるから
毎回のことだから
目方が増えれば
5%を無視するわけには
いかないんだよ」
「そうなんだぁ~」
「ただ、使う側にしてみれば
鮮度が良いに
超したことはないから
値が張っても
血抜きした魚の方が
いいんだよ」
「特に
親方みたいなタイプは
そうだろうね」
鱗(うろこ)を取り
水洗いをしたら

半身だけ
卸しました
卸した身は
皮に包丁目を入れたら
バーナーでFIRE

その後
蛍烏賊、湯葉と共に
ランチの刺身で
お出ししました

骨付の身の方は

このまま取っておくので
さらなる血抜きのため
針金を通すと

血が出て来ました

血抜きがされているので
この程度ですが
されていない場合は
この倍は出ます
血抜きすることで
魚の鮮度は
かなり違ってくるのです
いわゆる生臭さというのは
皮や鱗のぬめり
内臓に原因があります
なので
これらさえ取り除けば
生臭いということは
ありません
魚に限らず
食材は下処理次第で
如何様にも
味の差が出るのです
骨付の身を
キッチンーパーで包んだら
弱めの真空パックをし
氷詰めにしておきました

「こうしておくと
持ちは違うものなの?」

「かなり違うよ
氷温状態の食材は
「凍るまい」という根性で
細胞内のでんぷん
たんぱく質を分解し
不凍物質を作り出すからだよ」
「凄っ!」
「この不凍物質はね
遊離アミノ酸類
糖類などの
うまみ成分なんだけど
これらが増えることで
味が良くなるんだよ
で、さらにさらに
氷温だと
有害微生物が増えにくいから
衛生的に安全な状態で
保存が出来るわけ」
「マジで凄くね!?」
「それだけ
下処理、保存の仕方って
大事なんだよ」
「この状態で
どれくらい持つの?」
「今日が水曜日だから
日曜日までは
余裕だね
ここんところ
風が吹いているし
明日、明後日も
魚は無さそうだから
丹精しないとね」
「もし、この葉血引が
終わっちゃったら
どうするの?」
「そういう時のために
秘密兵器があるから
平気だよ」
「抜かりないねぇ~
でもさぁ
漁師直で
仕入れが出来るって
いいよね」
「まぁね
そのために早く行って
興味がある魚を
持って来る漁師と
仲良くなれば
仕入れだけじゃなく
色んなことを
教えてくれるから
市場は学校みたいなもんだよ」
「市場が学校なんて
初めて聞いたよ!」
「あはは・・・」
市場が学校というより
料理というものは
生涯、勉強です
ということで
明日も
学校へ行ってきます

「うど&かきの天ぷらなんて
冬と春のコラボじゃん
そんじゃ、また」
by ミニふぐちゃん
カウンターの天ぷらコース用の魚介類の仕入れ
Vol.4328
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です

今日(3月15日)は
明日の天ぷらと刺身メイン
のコースの仕入れ
についてお話しします

「おはよう、親方
今日の仕入れは
細々(こまごま)しているけど・・・」
と、熱血君
「おはよう
そうなんだよ
明日の夜
天ぷらと刺身メインの
予約をもらっているから」
と、伝えると
「天ぷらってことは
カウンターで用意するの?」
「そうだよ」
「わぁ~、いいなぁ
どんな仕入れか気になるよ」
「今から話してあげるから
お待ち下さいませ(笑)」
「はぁ~い♬」
今日の仕入れは
明日のコースのものが中心でした
天ぷら用と刺身用に分けて
お話しします
今更ですが
全て、沼津魚市場で
仕入れて来たものです
先ずは天ぷらから
~天ぷら~
①鮑(あわび)

韓国産の養殖で
ここ数年で
国産の天然ものは
激減しています

仕入れたのは
50グラムサイズのものです
②稚鮎(ちあゆ)

琵琶湖産で
春先の天種(てんだね)の定番です

③牡蛎(かき)

広島産
加熱調理用とありますが
鮮度が落ちているから
加熱用ではありません
加熱用と生食用の違いは
養殖海域の違いです
また、生食用は
減菌のため
出荷の前に洗浄してあります
なので、加熱用よりも
味が落ちてしまうのです
なので
牡蛎は加熱したものが
断然美味しく食べるに限ります
④鰖(たかべ)

今朝、沼津市西浦の定置網で
水揚げされた地物です

いわゆる朝獲れですので
鮮度バリバリ

水揚げ直後なので
死後硬直前

大きくなっても
20~25センチ程度ですが
小さくても
脂の乗りが
良いのが特徴です
油で揚げるから
脂の有無は
関係ないように思われますが
脂があるほど
食べた時の食感が
フワフワします
~刺身用~
①黒鯛(くろだい)

地物の活魚で

市場で締めたものです

この時季の黒鯛は
産卵前で
最も脂が乗っており
それこそ
今が旬
②ひがんふぐ

南伊豆産のもので
黒鯛と同じく

活魚を締めて
持ち帰って来ました

漢字で書くと
彼岸河豚となるように
この時季、入荷が多くなります
明日のコースでお出しするのですが
今日のひがんふぐは
あえて使いません
というのも
明日の時点では
身が締まり過ぎているので
美味しくないからで
明日お出しするのは
月曜日に仕入れたもので


「そんなわけで
こんな仕入れだったんだよ」
「へぇ~
天ぷらの定番の
海老とかは出さないの?」
「出さないよ
ブログを読んでくれている常連さんだし
出来るだけ
変わったものを出してあげたいしね
ただ、牡蛎は
お客さんからのリクエストだよ」
「牡蛎の天ぷらって
あんまり聞かないけど・・・」
「牡蛎の揚物って
フライが一般的だけど
天ぷらにした方が
牡蛎感が残るし
フライよりも
オススメだよ」
「んまそう~」
「前に来た時に
そんな話をしたから
今回のリクエスト」
「ふぅ~ん
明日が楽しみだなぁ~」
「乞うご期待!」
ということで、
明日は、天ぷら&刺身のコースについて
お話しします
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
眼仁奈(めじな)の薄造りと真鰯(まいわし)の天ぷら
Vol.4327
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です

今日(3月14日)は
眼仁奈(めじな)の薄造りと
真鰯(まいわし)の天ぷら
についてお話しします
「おはよう、親方

マイワシは分かるんだけど

この大きい黒い魚の名前は?」
と、ミニふぐちゃん
「おはよう
そう言えば
初めて仕入れて来たかも
それなら分かんないよね

名前って言えば
これ知ってる?」
「何、この黒いのは?」
「レコードだけど・・・」
「知らない」
「そっかぁ~

さっきの画像だけど
クリックかタップしてくれる?」
「あはは・・・
何これ~
もろに昭和って感じだけど」
「自分の生まれる前のだけどね」
「そんなことより
名前を教えてよ~」

こんなやり取りをしていると
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが
鱗(うろこ)を取り始めてくれました

「おはよう、真由美さん♬
この魚のお名前、なんて~の?」
「さっきの曲の歌詞が
うつったの?」
「ヤバッ、何度も見ていたら
うつっちゃったよ」
「ミニふぐちゃん、笑える~
知らなくて
訊いたら
メジナって言ってたよ」
//
そうなのぉ、親方
\\
「そうだよ
眼仁奈(めじな)」
「へぇ~」
「ただ、沼津辺りだと
クシロって言うんだけど

西の方では
グレって呼んでいるよ」
「ふぅ~ん」
「あと、黒メジナっていうのも
いるよ」

「そうなんだぁ~」
「ただ、沼津は
区別していないかもね」
「かもって?」
「見たことはあるけど
そこまで
気にしていなかったんだよ」
「親方でも
そういうことあるんだぁ」
「そんなの沢山あるよ
特に、沼津は
漁港が一緒だからね」
「また、メジナみたいのを
仕入れて来てよ」
「そうだね

じゃあ、このメジナと一緒に
入っていた魚は?」
「そりゃ分かるよ

イワシっていうか
マイワシね
【鰯の丸煮】に仕込む魚でしょ?」
「そうだよ」
【鰯の丸煮】

眼仁奈の下処理は
普通の魚同様
鱗を取り
水洗いまでしたら

三枚に卸し
皮を引きます

「白身で
皮目の模様が
薄いピンクできれいだね」

「脂も軽く乗っているから
いい感じだよ」
「刺身にするの?」
「刺身は刺身でも
身が活きているから
薄造りにして

お昼の会席料理の刺身で
出すんだよ」

「んまそう~
会席料理って言ってたけど
ランチメニューとは違うの?」
「夜の会席料理(4,400)と
同じような感じ
そろそろ見えるから
準備するよ」
「はぁ~い」
ランチの営業が始まるまでに
真鰯の下処理も
終えることが出来

尾びれがついているものは
三枚に卸してから

酢締めにしました

この時季ですので
脂も十分に乗っています

卸し身のうち
酢締めにしなかったものは

眼仁奈の薄造り同様
天ぷらにして
眼仁奈の薄造り同様
会席料理の揚物として
お出ししました
水洗いを終えた真鰯は

クッキングシートを敷いた鍋に並べ
水と酢を注ぎ

火に掛けたら
【鰯の丸煮】の仕込みが
ようやくスタート
仕込みの目途もついたので
昼ごはんを食べることにし

おかずは天ぷらで
天種は、真鰯
蓮根、大葉です

「んまそう~
脂がある魚を
揚げると
どうなの? 」
「どうもこうも
脂が乗っていると
フワフワで
たまんないの何の」
「いいなぁ~
薄造りと天ぷらを出した会席料理って
仕込みをしている最中に
予約が入ったみたいだけど・・・」
「そうだよ
でも、メジナと真鰯を仕入れたお陰で
献立を差し替えることが出来て
良かったよ」
「そうなんだぁ~
親方みたいに
自分で市場に行っているから
こういうことも
出来んじゃね?」
「まぁね
ただ、行き当たりばったり
みたいな感じだけどね(笑)」
そここそが
魚市場に行っている
メリットです
さらに言うと
眼仁奈のように
未体験の魚を
仕入れることが出来る
沼津魚市場は
仕入れ先であるのと同時に
学びの場なのです
学びの場であるということは
料理人たるもの
生涯勉強と考えている自分にとっては
勉強の余地が大いにあります
そして、新鮮な魚を仕入れるのと同様
新たな知識、経験を
得ることが出来るのです

「今夜のふぐ刺も
んまそう~
そんじゃ、また明日」
by 熱血君
誕生日プレゼントの鰍(いなだ)の刺身
Vol.4320
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です

今日(3月7日)は
誕生日プレゼントの
鰍(いなだ)
についてお話しします

「おはよう、親方
ブリみたいだけど
この魚は?」
と、熱血君が訊いてきました
「おはよう
鰤の幼魚の
鰍(イナダ)だよ」
と、自分
「魚へんに秋って
書くんだね」
「そうだよ
たださぁ、カジカって
淡水魚も
鰍って書くんだよ」
「えっ!?
それじゃ
区別がつかないじゃん」
「さらに、厄介なのが
海水魚にも
カジカっているんだよ」
「ますます複雑じゃん!」
「これが
淡水魚のカジカで

海にいるカジカは
何とかカジカって言って
50種類くらい
いるようだよ」
「へぇ~」
「山育ちの自分は
子供の頃
川でカジカを取りに
行ったことがあるから
馴染みがある魚なんだよね」
「そうなんだぁ
何だか話が
複雑になりつつあるけど・・・」
「そうだね
まぁ、この辺にしておくよ」
「でも、気になるのが
魚へんに
春、夏、冬がつく魚もいるの?」
「どれもこれも
いるんだよ」
「やっぱりね」
「春がサワラ(鰆)で
夏がワカシ(魚夏)
冬がコノシロ(鮗)
ただ、ワカシは当て字だから
一つの漢字では
無いみたい」
「へぇ~
で、ワカシって?」
「ワカシも
鰤の幼魚で
イナダよりも
小さいものだよ
夏の後が秋だから
意味としては
合っているよね」
「うまく出来ているね~」
「その次に大きいサイズが
ワラサで
鰤の手前だから
稚鰤って書くんだよ」
「漢字って
頭がいいね
生成AIにも勝てるんじゃね?」
「どうなんだろうね
鰤の呼び名についても
話したいけど
この辺にしておくね」
「うん♬
鰤を仕入れて来るのは
よく見るけど
イナダは
あんまり仕入れて来ないよね?」
「そうだね
ただ、今朝は
由比(注)のが
結構あったんだよ」

「わぁ、沢山!」
(注)由比(ゆい)
桜海老で有名な漁港で
沼津から40キロくらい
西に位置しています
コンテナに入っていたのは
各2、3本ずつで
それでは多いので

この1本を
フライングゲットさせてもらいました

「しずまえって
書いてあるけど
これって
どういう意味なの?」

「 静岡市には
用宗(もちむね)、清水、由比の
3つの港があって

この海沿いの地域で
水揚げされる魚介類を
しずまえ鮮魚って
呼ぶんだよ」
「へぇ~」

「色んな魚が水揚げされるけど
さばふぐを仕入れることが
一番多いね」
「で、イナダは
何に使うの?」

「常連さんの誕生日プレゼント!」
「わぁ~っ
いいじゃん、いいじゃん!」
いつもながらの下処理をし
柵取りしたら

皮に包丁目を入れたら

バーナーでFIER

炙ったら
皮目を下にして
冷まします

腹の方は

切身にしたら

塩、胡椒をし
フライにするため
パン粉をつけておきました

いなだのフライと言うと
聞き慣れないかもしれませんが
アジ科ということで
大きめの鯵フライ
と言った感じで
少なくとも
フィッシュバーガーの
フライとは別物ですし
刺身で食べるよりも
おすすめです

いなだの刺身を盛付けると

「んまそう~
このお皿って
季凛のじゃないんじゃね?」
「そうだよ
近所の常連さんだから
器を借りて来たんんだよ」
「言われてみれば
『何か作った時に
鍋とかタッパ持参で
来てね』って
よく言っているもんね
使い捨ての容器だと
面倒だったりするしね
ただ、わさびが無かったけど・・・」
「チビッ子がいるから
無しにしたんだよ」
「ふぅ~ん
で、これって・・・?」

「自分達のお昼だよ」

「やっぱ、来たか・・・
で、フライは?」
「フライは、明日だよ」
「いいなぁ~
ねぇ、親方
僕の誕生日にも
何か作って欲しいんだけど・・・」
「もちろんだよ」
「わぁ~い!」
イナダに限らず
魚市場に行くことで
色んな魚を目にすることが出来るだけでなく
今日のような余興が
楽しむことが出来ます
というよりも
本業よりも
こちらの方が
楽しかったりして・・・

「明日のバスの席は
グループごとなんだね
そんじゃ、また」
by ミニふぐちゃん
肩星鰯(かたぼしいわし)のような小魚が好きな理由
Vol.4314
いらっしゃいませ
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基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です

今日(3月1日)は
肩星鰯(かたぼしいわし)に限らず
小魚が好きな理由について
お話しします

今朝、沼津魚市場に行くと
沼津市西浦の
定置網漁船・冨久豊丸(ふくほうまる)が
水揚げをしているところでした

台の上に乗っているのは
鯵(あじ)です

鯵以外で
目に付いたのが
肩星鰯(かたぼしいわし)でした

朝獲れと言うより
今朝獲れですので
死後硬直はしていません

鱗(うろこ)も
びっしり

好みのサイズを
1キロ分
選(よ)り

【佳肴 季凛】に戻ると
ミニふぐちゃんがやって来ました

「おはよう、親方
カタボシイワシ、久々じゃね?」
「どうかなぁ
ただ、ここ最近
水揚げが増えてきたような
気がするけどね」
「親方って
こういう小魚
意外と好きじゃね?」
「そうだね
色んな意味で好きだよ」
「色んな意味って?」
「料理の道に
転んだきっかけが
鮨屋だったことかな」
「鮨屋と小魚って
どういう繋がりなの?」
「鮨屋って、最初に
貝類とか小魚の仕込みを
覚えなくちゃならないんだよ」
「寿司を握る前に?」
「そうだよ
鮨ねたが無きゃ
握れないじゃん
だから、その前に
魚の仕込みを
覚えなくちゃならないんだよ」
「言われてみれば
そうだよねぇ
で、どうして
小魚とかが
最初なの?」
「包丁を使う
基本の仕込みだからだよ」
「へぇ~」
「特に、貝類は
開き方、下処理が
それぞれに違うからね
お陰で
貝類の仕込みって
ほぼほぼ覚えたよ」
「鮨屋で使う貝類って
沢山あるよね?」
「主なところだと
赤貝、青柳(あおやぎ)、鮑(あわび)
北寄貝(ほっきがい)、鳥貝(とりがい)
海松貝(みるがい)、白みる
帆立(ほたて)、平貝(たいらがい)、蛤(はまぐり)
知っているとは思うけど
鮨ねた以外にも
貝類は沢山あるからね」
「アサリとかでしょ?」
「そうそう
貝類の話は置いといて
鯵、小肌(こはだ)とかの
仕込みを覚えたら
穴子を覚えて
その後に
普通の魚の三枚おろしを
やらせてもらえるようになるんだよ」
「そんなに順番があるの!?」
「そうだよ
で、最後が
鮪(まぐろ)の柵取り」
「長っ!」
「あくまでも
鮨屋の話だよ
和食っていうか、日本料理は
こういう小物を
沢山使うことは少ないからね」
「そうなの!?」
「鮨屋と和食って
似ているけど
実は、別物なんだよ」
「ふぅ~ん」
「鮨屋時代の先輩に
『お前は鮨屋が
最初だったから
細かい仕事に
抵抗が無いんだよ』
って言われたことがあるんだけど
確かにそうなんだよ
『だから、フグ類の
水洗いも嫌がらないんだよ』
とも言われたよ」
「フグって
親方の仕込みしか
見たことないから
よく分かんないんだけど・・・」
「とらふぐに限らず
ふぐ類って
身欠(みがき)って言って
卸した状態のものが
売られているんだよ
だけど
人が触った魚を扱うのは
たぁ~っまんなく嫌だから
仕入れることはしないけどね」
「言われてみれば
どんなに小さいフグでも
そのまんまを仕入れているもんね」
「小物の仕込みが
料理人としての始まりだから
それをパスするってことは
自分自身を否定するようなものだから
それは出来ないんだよ」
「へぇ~
人に歴史あり
って言うもんね」
「ってことだから
仕込みを始めるよ」
「はぁ~い♬」
肩星鰯は
鱗を取ったら


頭を落とし

はらわたを取ります

鱗が残っていることもあるので
丁寧に水洗いをしなくてはなりません

その後
三枚に卸すと

鮮度バリバリですので
中骨が
そり返っていました

「こんなの初めて見たよ!」

「実は、自分も初めてなんだよ」

「マジで!?」
「でも、自分が仕入れた魚が
ここまで新鮮だと思うと
してやったりの気分だね」
「」
卸し終えた身に
塩をあてること20分

塩が溶けたら
水洗いします
二番酢(一度酢〆に使った酢)に
くぐらせたら
新しい酢に漬けること5分
酢から上げたら
昆布で挟んでおきました

「これはこれいいんだけど
さっきよりも
量が少なくね?」

「あはは、バレた?」
「そりゃ、わかるでしょ」
小さめのところを
たたきにして

昨日仕入れた
葉血引(はちびき)と共に

オン・ザ酢飯

昨日の葉血引については
こちらを


「やっぱ、こう来たか・・・
真由美さんは
食べ過ぎちゃうから
別盛なんだよね
しっかし
親方の盛が凄過ぎ!」
「この時間(2時過ぎ)まで
特に食べていないからね」
「そうかもしんないけど・・・。」
「今夜の予習だよ」
「予習!?」
そして、今夜の会席料理の刺身

葉血引、肩星鰯、湯葉の
三種盛です

「確かに、予習だけど・・・」
「でしょ」
「湯葉は抜きにしても
こういうのが
地魚の刺身だよね
それもだけど
今日のお昼こそ
地魚丼だね」
「まぁね
折角、魚市場に
自分で行っている以上
鮮度バリバリの魚を仕入れて
魚の美味しさを
知って欲しいからね」
今朝の肩星鰯に限らず
魚市場で仕入れるのも
料理人としての原点でもあります
最初の鮨屋は
今は無き築地に
仕入れに行ってました
当時は、注文した魚を取りに行くのが
基本でしたが
そういう中でも
自分の練習のために
色んな魚を仕入れたものです
その時も
店で使わないような
小物が殆どでした
仕入れることも
仕込むことも
小物が原点で
今でも、その習慣は
変わりません
“三つ子の魂百まで”
“雀踊り百まで忘れず”
とは、よく言ったものです
そういう気持ちと姿勢を
忘れることなく
日々の仕事に
臨み続けます

「明日はお弁当があるんだね
そんじゃ、また」
by 熱血君
底物船(そこものせん)水揚げの葉血引(はちびき)
Vol.4313
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です

今日(2月29日)は
について
お話しします
漁港が併設されている
沼津魚市場には
その日の入船状況が書かれた
ホワイトボードがあります
そんな今朝の入船状況

定置網

・山下丸(東伊豆・稲取)
・網代(東伊豆・熱海)
この2つ以外には
南伊豆や沼津・西浦の定置網で
水揚げされた魚も
入荷して来ます 底物船(そこものせん)

底物船とは
深場の魚がメインの漁船で
金目鯛(キンメダイ)、黒ムツ
目鯛(メダイ)が代表的な魚です
今朝の入船予定では

赤サバも書かれていました
赤サバというのは
沼津界隈での地方名で
正式には
葉血引(ハチビキ)と呼ばれています
お気に入りの魚の一つの
葉血引を期待しながら
入荷を待つことにしました
また、ホワイトボードにある
巻網船は
今日はノーマーク
というのも
巻網船で水揚げされるのは
アジ、サバなどで
今日の狙い目ではないからです

最初に仕分けていたのは
目鯛でした
次が

胡麻鯖(ゴマサバ)で

丸サバとも
呼ばれることもあります
そして

金目鯛が2回連続で続きました

今日の金目鯛は
どちらも小ぶりです
この他には
真鯵(まあじ)もありました

お目当ての葉血引は
なかなか出て来ません
予定はあくまでも
予定ですので
無い場合に備えて
他の売場で
色々とチェックをしておきました
そして、ようやく

葉血引の赤い魚体が
現れました

300キロの予定でしたが
どう考えても
50キロにも満たない程度
それでも
良さげなものを選り

秤にかけてもらうと
1,8キロで
今日はバスツアーのご予約があるので
これに撤収です
【佳肴 季凛】に戻ると
ふぐとらちゃんがやって来ました

「おはよう、親方
バスが来る日の仕入れって
焦ったりしない?」
「おはよう
焦るっていうか
出来ることなら
行かないで済ませたいけど
そういうわけにも
いかないからね」
「そうだよね~」
「だから、今日は
魚は後回しだよ」
バスツアーのお客様が
お帰りになったら

葉血引の下処理をすることに
しました

水洗いをし

半身だけ卸したら
骨付の身の中骨に
針金を通し

血抜きをしました

血は内臓の一部ですので
残っていると
生臭みの原因になるだけでなく
鮮度も落ちるので
片身を残す場合には
血を抜いておかなくてはなりません

卸した片身は
キッチンペーパーに挟み
骨付の片身は
キッチンペーパーに包んだら
弱めの真空パックをし

氷詰にし

冷蔵庫へ

「今日はバタバタで
大変だったね」
「確かに大変かもしれないけど
自分が気に入った魚じゃなきゃ
やる気が起きないし
市場に行くのは
食材だけでなく
料理へのモチベーションを
仕入れるようなのだから
大変も何もないよ
たださぁ・・・」
「たださぁって・・・?」
「早起きすると
寝不足になるのが
悩ましいんだよね」
「そりゃ、そうだよ
そうは言っても
明日も行くんでしょ?」
「そうだよ
でも、明日は
ランチの営業を休むから
少しは気が楽だよ」
「そうなんだぁ
あんまり無理をしないでね」
「はいよぉ~」
昨日までの風も止んだので
明日は今日よりは
魚がありそうです
魚だけでなく
モチベーションも
仕入れに行って来るので
この辺で・・・
「明日のランチはお休みなんだって
そんじゃ、また」

by ミニふぐちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
黒鯛の薄造りと刺身の三種盛
Vol.4307
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です

今日(2月23日)は
黒鯛の薄造りと
刺身の三種盛について
お話しします
「 今日のランチの刺身
んまそう~
内容は?」

と、ミニふぐちゃん
「黒鯛(くろだい)
尾赤鯵(おあかあじ)
湯葉の三種盛だよ」

と、答えると

「昨日は
黒鯛の薄造りだったけど
どうして違いがあるの?」

「昨日、薄造りにしたのは
魚市場で仕入れた
活きた黒鯛だったからだよ」
「じゃ、今日は
薄造りには
出来ないの?」
「出来ないわけじゃないんだけど
正確に言うと
不向きってことかな」
「不向きって・・・?」
「魚の種類にもよるけど
薄造りにする時って
身が活きた状態
要は、活〆にしてから
時間が経っていない状態じゃないと
歯応えが味わえないんだよ」
「時間が経つと
どうなるの?」
「時間が経つと
歯応えがなくなる代わりに
旨味が出てくるんだよ」
「じゃ、どっちが
美味しいの?」
「好き好きだから
どっちがどうとは
言えないね。」
「そうなんだぁ~
あと、オアカアジって
言ってたけど
これはいつ仕入れたの?」
「尾赤鯵も昨日なんだけど
酢で締めてあるから
今日の方が
味が馴染んで
美味しいんだよ
折角だから
黒鯛も尾赤鯵も
仕入れの様子を話そうか?」
「わぁ~い♬」
ということで
昨日の沼津魚市場です黒鯛

黒鯛は、産卵が近づく
冬から春にかけて
脂が乗り
浅場にも出て来るので
入荷が増えてきます

昨日の黒鯛は
いわゆる地物で
この中から仕入れたのが
2,3キロのものでした
黒鯛のサイズとしては
やや大きめになります
生簀から取り出したら

動かないように
目を隠します


えらと
尾の付根に
包丁を入れたら

血抜きのため
氷を入れた海水で
一気に冷やし込みます

しばらくしたら
海水から上げます
氷を入れておくのは
締めた時に
体温が上がり
それによって
身が焼けるのを防ぐためです
身が焼けると言っても
加熱されるわけではありません
身が白濁したり
柔らかくなってしまい
使いものにならなくなってしまいます
尾赤鯵(おあかあじ)

尾赤鯵の漁場(ぎょば)は
沼津近隣で
大型船の巻網漁で
水揚げされたものです

尾赤とあるように
尾をはじめ
ひれが赤いのが特徴で

正式には
オアカムロと呼ばれています

競り前の仕分け中だったので
好みのものを選り

3,5キロを
フライングゲット
毎回毎回、フライングゲットが
出来るわけではありませんが
「早起きは三文の得」
「早いもの勝ち」
とあるように
市場に早く来ることが
美味しい料理の近道なのは
言うまでもありません

「っていう感じで
仕入れて来たんだよ」

「そうなんだぁ」
沼津魚市場は
他所から送られて来る魚だけでなく
漁港が併設されている魚市場なので
地魚を仕入れるという
合わせ技が為せるのです
いわゆる朝獲れの魚の中には
マイナーな魚も多く
魚屋ですら
その味を知らない魚も
多いのです
なので、自分のように
変わり種を仕入れていると
奇異の目で見られることも
珍しくありません
そういう時に言うのが
折角、魚市場に来ているんだから
変わり種を仕入れて
その美味しさを
お客さんに伝えるのも
ありだと思っているからね
魚屋は、品揃えというハードルがあるので
万人受けして
それなりの量を扱わなくてなりません
しかしながら
自分の場合
気に入った魚を
気に入った分
使い切れる分だけを
仕入れれば
事足ります
もっと言えば
お客様のことだけを
考えておけば
いいだけのことなのです
食べることが出来る魚の種類は
恐らく天文学的な数字レベルのはずで
美味しくない魚を探すのは
難しいとも言われています
日本料理が魚菜食文化である以上
多くの魚の魅力を伝えるのが
料理人の役目で
それと同時に
魚を獲ってくれる漁師だけでなく
野菜の生産者たる農家
つまり、一次産業の
代弁者でなくてはならないのです
「相変わらず
熱いねぇ、親方は・・・♬

その想いが
余りに余って
ついついおかず行きなんだよね」
「何だかんだ言っても
自分が食べなきゃ
説得力ないじゃん

この尾赤鯵じゃないけど
味と値段が比例しない魚って
意外と多くて
さっきの話の繰り返しになるけど
その美味しさを伝える使命が
料理人にはあるんだよ」
「なるほどねぇ
でも、美味しさが広まって
値段が高くなったら
仕入れが困るんじゃね」
「ただ、ある程度
高くならないと
漁師が困るじゃん
さっきも言ったように
漁師の代弁者に
ならなくちゃならないんだよ
料理人は!」
「そっか~」
明日は土曜日ということで
沼津魚市場は休みなので
早起きをしなくて済むのが
ひと安心です

「今日の娘ちゃんランチは
天ぷらじゃん
そんじゃ、また明日」
by ふぐとらちゃん