神奈川県佐島産の蛸(たこ)
沼津魚市場に仕入れに行くと、一番最初に向かうのが、
活魚売場で、今朝も然りでした。
生簀には、
神奈川県産の蛸が、
入荷していました。
ここ最近、時々入荷していたのですが、神奈川県産としか、札に書いてなかったこともあり、あえて気にも留めずにいたところ、売場の担当者に訊くと、三浦半島の横須賀・佐島産とのことでした。
佐島と言っても、殆どの方は、耳にしたこともないかもしれませんが、佐島は、東日本では、ブランドとも言うべき産地の一つで、西日本は、兵庫県明石がトップブランドで、全国区であるのは、広く知られているのは、言わずもがなです。
かれこれ、20年以上前、東京の鮨屋での修行時代、佐島の蛸を築地で仕入れ、仕込んでいたこともあるので、自分にとっては、蛸の原点も言うべき産地と言っても、過言ではありません。
そんな佐島の蛸の味が良いのは、相模湾に面し、蛸の生息に適した磯根に恵まれ、黒潮による栄養豊富な海流がぶつかるため、餌となる鮑(あわび)や栄螺(さざえ)などの貝類、伊勢海老などの甲殻類が多く生息し、それらを餌としているからです。
言わば、グルメと言うべき蛸ゆえ、嫌が応にも、味は良くなるのは、想像に難くありません。
夏場となり、魚全体の入荷が少なくなる“夏枯れ”に備え、物色してみると、
2はいの2,2キロと、
2,4キロのものが、目に留まりました。
自分が仕入れる蛸の大きさは、最低でも2キロ、出来ることなら、2,5キロ以上と決めており、その理由は、味が良いことによります。
また、大きい方が、盛り付けた時に、見た目も良いことも、大きいものを仕入れる理由の一つでもあります。
目をつけた3はいの中で、一番足が太く、良さげだったのが、2はい入荷していたうちの2,2キロの左側のものでした。
仲買人と作戦を立て、セリに臨むと、
2,2キロのものを、セリ落としてもらうことが出来たのですが、最高値だったこともあり、他所の仲買人の札があっても、自分の方に選択権があるので、当初の予定通り、左側の方を選りました。
活きているので、生簀の中で動くこともあっても、選択権は自分にあるので、右に居ようと、左に居ようと、何ら関係ありません。
この蛸が、今朝最後の仕入れとなったので、ブクブクをセットした発泡スチロールに、
蛸を移し、魚市場から帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ると、
蛸を取り出し、仕込むための準備に取り掛かりました。
自分の蛸の仕込み方は、大根卸しと炭酸水を使って、ぬめりを取るのですが、その仕込み方については、以前、【真空調理で仕込む蛸(たこ)・前編】と、
【真空調理で仕込む蛸(たこ)・後編】と、2回に分けてお話ししたことがあります。
仕込み方は、それぞれをクリックして頂ければ、お分かりになると思いますが、なかなかの手間とはいえ、
このように仕上がり、一度に使い切ることは出来ないので、先程お話ししたように、“夏枯れ”に備えて、冷凍しておきました。
ところで、昨日は、
横須賀在住の知人から、
偶然にも、
佐島産のボイル済みの蛸を送ってもらい、
ぶつ切りにして、
“お疲れちゃん♪”のお供に食したところ、小さいながらも、茹で加減もなかなかで、普通に売られているボイル蛸とは違う美味しさでした。
ちなみに、普通に売られている蛸は、国産は皆無に近く、モロッコ、モーリタニアなどの外国産で、魚市場などでは、アフリカ蛸と呼ばれています。
食品表示法という法律もあるので、昨今では、地蛸(じだこ)という表記を目にすることはありませんが、くれぐれもお間違えのないようにしてください。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
魚てんこ盛りの金曜日
昨日に引き続き、今朝も沼津魚市場に仕入れに来たのですが、活魚売場に向かうと、
到着したばかりの鱧(大分)の仕分けに追われていました。
自分の注文分の仕分けも、まだだったので、
他の売場に行くと、
昨日と同じく北海道・根室産が入荷しており、
御中元用の【鰯の丸煮】を仕込むため、2ケース仕入れることにしました。
御中元と言えば、【西京漬】のご注文も頂き始めているので、
この売場で、
サーモン(ノルウェー)を、1本(5,5キロ)仕入れ、冷凍ものを扱う売場で、
銀鱈(アラスカ)を、1ケース(12本入)を仕入れました。
その後、
岩牡蠣(徳島)など、色々と仕入れ、活魚売場に戻り、
3本の落ち鱧(大分)と、
活かしの鱧(山口)を1本仕入れ、魚市場から帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻り、
仕入れて来た魚を降ろしたのですが、ちょっとした魚屋さん状態で、
小休止することもなく、
仕込みを始め、
追われに追われ、
仕込んで、仕込みまくった金曜日の朝でした。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
休み明けの仕入れ
定休日明けの今日は、
沼津魚市場に仕入れに行って来たのですが、知らぬ間に温帯低気圧に変わってしまった台風6号の影響で、各地で時化模様となったので、少ない入荷量でした。
こんな状況の中、
活魚売場に行くと、
生簀も、
ガラ~ン・・・。それでも、地物の魚や、愛知産の蛸などが、入荷していました。
生簀は生簀でも、
淡路島産の鱧は、
うじゃうじゃしており、この中から、
1本選り、
自分の買い番の札を置いておきました。
また、売場の隅には、既に注文しておいた大分産の鱧があり、
こちらは、落ち鱧と呼ばれ、生簀などで死んでしまったものです。
6月も半ばを過ぎたこともあり、御中元用のご注文やお問い合せを頂き始めたこともあり、『鰯の丸煮』の仕込みをしなくてはならないので、
別の売場に行くと、真鰯が並んでおり、
どちらも、
千葉県産でした。
荷主が違うだけで、漁場(ぎょば)も殆ど同じとのことだったのですが、
こちらの方が、自分好みの大きさだったので、2ケース仕入れ、仕入れるべきものも仕入れたので、ひと安心しました。
ひと安心したとはいえ、魚の仕入れは自然相手ゆえ、意外なものも入荷していることもあり、良さげなものを物色するため、小物を専門に扱う問屋の店先を覗くと、
今が旬の岩牡蠣の発泡スチロールが目に入り、
先日お話しした特大岩牡蠣と同じ徳島産のもので、この5つを、
選り抜き、全ての仕入れも終わったので、魚市場から帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ると、
仕入れてきたものを車から降ろし、活かしの鱧を、
水槽に入れ、その他の荷物を店内にしまったのですが、今朝は、お弁当を仕上げなくてはならなかったので、
その仕上げに取り掛かり、休み明けの一日は、さらに忙しないスタートとなったのでした。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
徳島県産の特大岩牡蠣
この時季、沼津魚市場の貝専門の売場には、
岩牡蠣が並んでおり、岩牡蠣の産地は、その日によって様々で、この日は、
宮崎産と、
紀州産とありますが、
紀州は紀州でも、三重県熊野灘産でした。
貝類専門の売場以外にも、
岩牡蠣が、
並ぶこともあり、
大分県産、
富山県新湊産が、入荷していました。
これら以外の売場でも扱う問屋もあり、
この問屋に並んでいたのは、
徳島県産で、
かなりの大きさで、その中から、
この4つを選り抜きました。
自分が岩牡蠣を仕入れる時に、最も重視するのが、大きさで、その次が形で、どちらの条件も揃わないと、仕入れることはしません。
その条件が揃ったとしても、殻を開けるまでは、身の状態は分からず、半ば博打のようなものですので、開ける時は、いつも気が気でならないものの、
この時の岩牡蠣は、殻いっぱいの身にして、
肉厚の身をしており、色も乳白色をしており、この乳白色こそが、美味しさの証でもあります。
これを、
4つに包丁してから、
殻に盛り付け、
レモンをあしらい、
紅葉卸しと葱を入れたポン酢を添えて、お出ししました。
この時は、生のままお出ししましたが、お客様のお好みによって、焼いてお出しすることもあります。
どちらも食べることが出来る自分ですが、焼いた方が好きですし、焼くことで、余分な水分がなくなり、旨味も凝縮されるので、岩牡蠣の美味しさを、生以上に堪能することが出来ます。
岩牡蠣は、コース料理とは別途でのご注文となるだけでなく、自分好みのものがない時は、仕入れることはしません。
岩牡蠣をお召し上がりたい時は、予めお問い合せ頂けると、幸いです。お手数ですが、宜しくお願いします。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な『西京漬』をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
10週連続で、休日出勤
明日の29日(火)は、
普段通っている沼津魚市場が、
休みということもあり、定休日の月曜日でしたが、仕入れに行き、結果として、10週連続の休日出勤となった次第です。
いつものように、一番最初に活魚売場に行くと、
生簀の前に、
愛媛産と、
淡路島産の落ち鱧(はも)が並んでおり、愛媛産は7本で5,6キロで、淡路島産1本で0,5キロでした。
落ち鱧とは、輸送中や生簀の中で死んでしまった鱧のことですが、愛媛産は、荷主がはらわたを抜いておいてあり、
この中から、好みのサイズを2本選り、
秤にかけてもらうと、
1,2キロでしたので、
札には、引き算された数字が書かれ、再び並び、1本の淡路島産の方は、治自分好みのサイズでしたが、愛媛産とは異なり、はらわたが入っていたので、
お腹に残っているエサの臭いが回らないようにするため、その場で抜いておき、
この3本を仕入れ、他の売場に行き、色々と仕入れ、魚市場から帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻り、荷物を卸すと、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、仕入れ用の軽トラの掃除をしてくれたのですが、
明日はというより、明日から3日連続で、団体のバス旅行のお客様がお見えになるので、今日は、真由美さんも休日出勤となったのです。
掃除を終えた真由美さんは、
テーブル席と、
御座敷のセットを始めてくれたのですが、明日は、人数も多いこともあり、テーブルと御座敷の併用となり、2組の団体のお客様が見えるわけではありません。
その後、真由美さんは、
鱧のヌメリ取りをしてくれたら、
沼津産の鯵(あじ)の水洗いをし、
焼いてから出汁を取るため、頭の掃除をしてくれたました。
一方の自分は、
鯵の次に、鱧を卸したのですが、
他の仕込みを優先したかったので、骨切りは明日することにし、冷蔵庫へ。
鱧の次に取り掛かったのが、
お弁当用の焼物に仕込むため、サーモン(ノルウェー産)を卸してから、
お弁当用の切身にしました。
その間に、真由美さんは、
小鍋の野菜に仕込みをし、その次に、
大和芋の皮を剥き、アク止めのため、みょうばん水につけておいてくれ、
サーモンの下拵えを終えた自分は、サラダ素麺の野菜を包丁し、中に入っているのは、長葱、茗荷、茗荷竹、レッドキャベツ、ピーマン(赤、青)、パプリカ(黄)、アーリーレッド、人参です。
その後、鯵を、
三枚に卸したのですが、
卸し終えた中骨は、頭同様、焼いてから出汁を取るため、
真由美さんが掃除してくれ、鱧のあらも、鯵と同じ様に使うので、
自分が掃除しておきました。
ほう
そうこうしているうちに、お昼の時間も近づいてきたので、
鯵の叩きを作り、
鯵の叩き丼を作ったのですが、今日は、下の娘が所謂“半ドン”だったこともあり、3人分用意しました。
お昼を食べ終えたら、
サーモンを西京味噌と共に、真空パックたり、
明日のバスのお客様に使う器を、準備したら、真由美さんが洗い物をしてくれていたので、
自分は、
米を研ぎ、最後に、
包丁を砥ぎ、10週連続の休日出勤が終わったのでした。
来週は、どうなるかは分かりませんが、とりあえずは、明日からの3日間に臨みます。
活かしの鱧(はも)&落ち鱧
月曜日の今日は、定休日でしたが、沼津魚市場に仕入れに行って来ました。
いつものように一番最初に向かったのは、
活魚売場で、
予め注文しておいた落ち鱧(山口産)が、用意されていました。
落ち鱧とは、輸送中や生簀の中で死んでしまったもので、いつもあるとは限りません。
落ち鱧は、お腹の中にエサが残っていることもあり、そのままにしておくと、臭いが回ってしまい、使い物にならないこともあるので、
その場で、はらわたを抜いておきました。
また、今朝の落ち鱧はこの1本だけで、1本では足りないので、
鱧の入っている生簀から、活かしの鱧を仕入れることにしたのですが、蓋をしてあるのは、飛び出さないようにするためです。
生簀に入っていた鱧の産地は、
淡路島、
山口、
中国で、〇の中に書かれてあるのが、生簀に入っている本数で、その隣の数字が目方です。
産地によって、単価の違いもあり、大きさの都合もあるので、
中国産の中から、
小さめのものを選り、
秤にかけたら、
ブクブクをセットした発泡スチロールに、
入れておきました。
その後、別の売場に行くと、
鯵(三重)が入荷していたので、
1ケース仕入れることにし、これら以外の仕入れもなかったので、魚市場から帰ることにし、【佳肴 季凛】に戻ると、
活かしの鱧は、
水槽に入れておきました。
そして、
鱧を卸したら、
鯵も卸しておき、
どちらのあらも、焼いてから、出汁を取るため、
簡単にしておきました。
簡単にしたのは、きりがないだけでなく、出来るだけ休日出勤を終えたかったからで、実を言うと、時間の長短はあれど、9週連続で休日出勤をしており、来週の月曜日は、既に決定済みゆえ、10週連続の休日出勤となります。
さらに言うと、来週の休日出勤は、魚市場に行くだけでなく、火曜日、水曜日、木曜日と3日連続で、バスツアーのお客様が見えるので、それなりに仕込みもあるので、時間も結構かかりそうですが、女将兼愛妻(!?)の真由美さんも手伝ってくれるので、負担は軽くなりそうです。
ところで、今夜は休日出勤をしたので、
焼鳥をはじめ、串焼にして、
今朝の鯵を叩きにして、夕飯のおかずにすることにしたのですが、焼き上がる間、
店舗兼住宅の最大のメリットを活かし、ハイボールで“お疲れちゃん♪”となるのは、言わずもがなで、志村家の女三羽烏がいないことをいいことに、既に3杯目・・・。
そして、
こんな感じに焼き上がり、
焼鳥と、
つくねは、たれで仕上げ、
豚ばら肉の紫蘇巻、
豚タン、
うずら玉子のベーコン巻(う玉ベーコン)は、塩胡椒で仕上げました。
飲み過ぎは明日の仕事に差し支えるので、そこそこにしておきましたが、来週の月曜日は、かなりセーブしなくてはならないことに、既に悩んでいる自分って・・・。
★★★ 夏期限定 鱧(はも)料理 ★★★
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
詳細は、【鱧料理】のページをご覧下さい。
鯖(さば)の南蛮漬
今日は、夕方上がりのお弁当のご注文を頂いていたので、
ランチの営業の合間を見ながら、お弁当用の揚物や焼物を仕上げ、
ランチの営業が終わったら、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが盛り付けてくれ、
このように仕上がり、口取りの中にあるのが、
生の本鮪の南蛮漬で、お弁当の時に使うこともしばしばで、時季によっては、
真鰯(まいわし)の南蛮漬などを使ったりもします。
そんな南蛮漬ですが、鯖(さば)の南蛮漬を仕込み、
晩酌用のつまみにしたのですが、その作り方が、今回のお話しです。
使う鯖は、冷凍ものですが、
冷凍ものとは言っても、そこそこの国産のものよりも、
脂が乗っているので、加熱する料理には、もってこいとも言えるので、鯖の西京焼として、会席料理の焼物でお出ししたり、
当店の『西京漬』として、ご購入して頂くことも可能です。
また、鯖の味噌煮にしたり、
賄い用に、
鯖の煮付にしたりすることもあります。
自然解凍したら、
かまの部分を、
切り離し、
腹骨をすき取ります。
その後、骨抜きを使い、
中骨を取るのですが、身割れしやすいので、細心の注意を払いながら、取っていき、かま、腹骨、中骨は、そのまま捨てずに、
出汁を取るため、焼いておきます。
冷凍ものですので、水分が出るので、
半日程度、脱水シートに挟んでおき、
人参と玉葱を立塩(海水程度の濃さの塩水)につけ、しんなりさせておき、鷹の爪を水で戻しておきます。
水分が抜けたら、
皮目に切れ込みを入れ、
半身を3つに包丁して、軽く塩をし、
片栗粉をつけたら、
油で揚げます。
揚げ上がったら、
油抜きのため、皮目と身に、
熱湯を回しかけたら、
そのままバットに移し、
水気を切り、土佐酢で軽く洗った人参、玉葱、鷹の爪を乗せたら、
濃口醤油を少し加えた土佐酢を注ぐのですが、冷めないうちに仕込むのは、味をしみ込ませやすくするためで、土佐酢の作り方は、このようなものです。
そして、落としラップをし、
冷蔵庫にしまっておきます。
仕込んだ翌日からでも食べられますが、身も厚めですので、
2,3日したくらいが食べ頃です。
コース料理をメインとしているので、鯖の南蛮漬がお品書きだけでなく、献立に入ることはありませんが、予めお申し付け頂ければ、御用意することが可能です。
また、鯖の南蛮漬に限らず、御用望に応じて、可能な限り対応させて頂きますので、お気軽にお問い合せ下さい。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は6月7日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
〆いなだ丼&いなだフライ
今日のお昼の賄いは、
昨日知り合いの漁師さんにもらった西伊豆・仁科産のいなだを使った丼でした。
いなだは刺身ではなく、酢締めにした〆いなだで、沼津の同業者の方に教えてもらい、初めて作ったものです。
仕込み方は、酢締め定番〆鯖と全く同じですが、自分の〆鯖の仕込み方については、こちらをお読み下さい。
いなだは、鱗が細かいので、
金だわしを使い、取り終えたら、頭を落とし、
水洗いします。
その後、
3枚に卸したら、
皮目だけでなく、
身にも塩をして、このまま1時間半ほど、常温でおいておき、このような塩のあて方を、強塩(ごうじお)と呼んでいます。
時間になったら、水洗いしてから、酢に15分ほど漬け込んだら、取り出し、旨味を補うため、身の部分に、
昆布を乗せ、
真空パックして、冷蔵庫にしまっておきます。
刺身でも食べられるので、半日程度でも、構わないのですが、塩と酢のカドが取れ、まろやかな味わいにするため、一晩このままにしておき、
袋から取り出したら、
背と腹の節に柵取りしたら、
それぞれの皮目に、
包丁し、
皮目を、
バーナーで炙り、
包丁します。
このまま盛り付ければ、刺身ということになりますが、今日は、〆いなだ丼にしたので、酢飯を器によそり、
焼海苔をちらして、
切り付けた〆いなだを盛り付けたら、
大葉、紅蓼、胡麻を乗せ、天に卸したての本山葵を乗せたら、冒頭の写真のように、出来上がりです。
また、〆いなだ丼と共に、
もずく酢、
具沢山のすまし汁も一緒に用意しましたが、すまし汁は、蜆で出汁を取ったもので、蜆、玉葱、えのき、人参、あおさが入っています。
本山葵を、
醤油に入れ、
上から掛けてから、食しました。
刺身よりも美味しさが感じられ、いなだというと、遠ざけてしまう感があったのですが、昨日のような鮮度の良いいなだが手に入ったら、また作りたいほどでした。
また、卸した時に出たあらの部分ですが、
かまなど、大きめの部分は、
あら煮用にとっておき、中骨などは、
出汁を取るため、焼いておきました。
生のまま柵取りしてあった身は、
いなだフライにするため、塩、胡椒をして、
生のパン粉をつけておき、
揚げ、
娘達の夕飯にしました。
脂が薄くても、油で揚げることで、美味しく味わえ、片栗粉をつけて揚げてから、野菜を入れたあんかけにしても、美味しく食べることが出来ます。
たかが、いなだ、されど、いなだ。
そんなことを感じることが出来た二日間のおかずでした。
西伊豆・仁科産のいなだ
普段通う沼津の魚市場は、漁港が併設されていることもあり、今日のような開市日は、
近郊の漁船が入港すると、
獲れた魚を水揚げし、
セリにかけるための準備に追われている光景を見ることも、しばしばです。
また、トラックで水揚げした魚を持って来る漁師の人たちも少なくなく、
今朝は、知り合いの漁師さんの一人が、西伊豆・仁科から来ており、声を掛けると、「いなだだけど、おかずに持って行きなよぉ~♬」と、
「足りる?足りなきゃ、もっとやるけど・・・。」と、定置網で水揚げしたいなだを、
4本もらいましたが、いなだとは、鰤(ぶり)の幼魚のことです。
また、鰤は、わかし、いなだ、わらさ、鰤と名前が変わる、いわゆる出世魚ですが、出世魚とは、ただ名前が変わるだけではなく、歴史上のある人物になぞられ、本来4回名前が変わらないと、そう呼ぶことは出来ません。
そのような歴史上の人物は、豊臣秀吉で、日吉丸、木下藤吉郎、羽柴秀吉、豊臣秀吉と、名前を変え、農民から武将の最高位まで登りつめ、天下統一を成し遂げた出世を、地で行ってような人物なのは、広く知られています。
その後も、魚市場には、
東伊豆の定置網で水揚げされた魚が、入荷して来ていました。
そんな様子を尻目に、
最後に、
愛知産の蛸(3,1キロ)を仕入れ、
魚市場から帰ることにした。
【佳肴 季凛】に戻り、蛸の下拵えであるヌメリ取りは、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに任せ、
蛸は、いつものように、真空調理で仕込みましたが、その仕込み方は、前編と、
分かれており、長めですが、よろしければお読み下さい。
そして、いなだは、
二人の知人に分けてあげたので、自分の取り分は、2本となり、1本は、
酢締めにしてみたのですが、いなだを分けてあげた友人が教えてくれ、初めて仕込み、明日試食してみる予定です。
もう1本は、刺身にし、
那智勝浦産の生の本鮪の手くずと共に、“お疲れちゃん♪”と相成りました。
明日は、締めいなだ丼にして、お昼に食べる予定で、刺身にしなかった身は、フライにして、子供達の夕飯にする予定です。
ところで、30日(月曜日)に、
【静岡伊勢丹】地下の食品売場の【商工会チャレンジショップ アレモキッチン/コレモストア】でのことで、
当店の『西京漬』と、
『鰯の丸煮』を販売するので、ラベル貼りと包装をしやすくするため、
冷凍庫から、冷蔵庫に移動しておきました。
『西京漬』は、
銀鱈(アラスカ産)、
サーモン(ノルウェー産)、
鯖(ノルウェー産)の定番の3種類で、
『鰯の丸煮』の真鰯の産地は、銚子、富山、氷見などです。
“お疲れちゃん♪”も終わったので、明日に備えて、この辺りで・・・。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、5月3日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
どんちっち丼
今朝は、沼津魚市場に仕入れに行って来たのですが、
余程のことがない限り、
魚市場に着くのは、常に5時過ぎで、
この時季ですと、殆ど夜も明けています。
5時に着くのも常のことながら、一番最初に向かうのが、
活魚売場で、これまた常のことです。
今朝の生簀には、
真鯛(まだい)、
高足蟹(たかあしがに)、
黒鯛(くろだい)、
手長海老(てながえび)などが、多く入荷しており、これらは、沼津近郊で水揚げされた所謂地物です。
もちろん、これら以外にも、他所の産地の様々な魚が入荷していたものの、特に入り用の魚もなかったので、眺めるだけでした。
4月も半ばを過ぎると、天候だけなく、潮の状態も安定してくるので、魚全般の入荷も芳しくなり、終盤近くとなったトロール漁で水揚げされた魚も、
そこそこ入荷していたり、
地物を中心に、静岡県産の魚を扱う売場には、
焼津産の伊勢海老(いせえび)をはじめとする活魚や、
相模湾産の金目鯛(きんめだい)などが、並んでいました。
また、伊勢海老と言えば、別の売場には、
伊豆・土肥産のものや、同じ土肥産の目鯛(めだい)も並んでいたりと、
今朝の魚市場は、比較的多くの魚が入荷しており、高知県産の真鯛も、
大小様々のサイズのものが、多く並んでいました。
沢山入荷していても、入り用でなければ、無関係ですので、そんな様子を尻目に、別の売場に行くと、
千葉県産の真鰯が入荷しており、
中を確認すると、自分好みのサイズでしたので、『鰯の丸煮』用に、
2ケース仕入れることにし、
同じ構内の別の売場に目を移すと、
島根県産の鯵(あじ)が入荷しており、
ただの島根県産ではなく、
どんちっちと呼ばれている浜田産の鯵で、26~27というのは、入っている鯵の本数です。
どんちっちは、4月から8月までの期間限定のブランドで、去年お話ししたことがあり、脂肪含有量も通常の鯵の3%に対し、10~15%と、かなりの差があるのです。
当然、全てがどんちっちのように、脂が乗っているわけではなく、そうでないものもあり、同じサイズでありながらも、
普通の脂の乗りの鯵も入荷しており、
当然のことながら、こちらには、シールはついていません。
どちらの値段も訊いたところ、昨日の水揚げで、7トン(7000キロ)あったこともあり、かなりのお値打ちで、今季初のどんちっちということもあり、どんちっちを仕入れることにしました。
魚市場に通ってはいても、トンという単位は、想像もつきませんが、この1ケースが3キロ入りのものですので、単純計算で、2300~2400ケースもあることになります。
さらに、本数に換算すると、60000本超になるので、もはや、%∩∀!&$#?状態・・・。
先程の写真のひと山が、20ケース程度ですので、その100倍強ですから、天文学的な数字と言っても、過言ではありませんし、想像するだけで、これまた、魂消(たまげ)てしまいます。
その後、同じ構内の別の売場で、
ノルウェー産のサーモン(5,2キロ)を、
『西京漬』に仕込むために仕入れただけでなく、冷凍ものなどの他の仕入れも終わったので、魚市場から帰ることにしました。
ひととおりの段取りを終えたので、小肌(佐賀)から仕込み始め、
その次に、
鯵の下拵えに取り掛かり、頭とはらわたを取り除いたものは、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、水洗いしてくれました。
卸し終えた鯵は、
三枚に卸し、今季初のどんちっちということもあり、鯵のたたき丼というより、どんちっち丼にすることにしました。
生で食べられる鮮度ですが、揚物用に使うので、
大きいものの尾の部分は、
身と皮に分けておき、これだけでは足らないので、
卸した身の皮を引き、
叩きにしておきました。
その頃、真由美さんは、
焼いてから、出汁を取るため、頭と、
中骨の掃除をしてくれていました。
焼いた頭、
中骨、
そして、尾の身の皮を、
一番出汁を取った鰹節、宗田節、昆布、椎茸の足、野菜の皮などの手くずと共に、
3~4時間かけて煮出したのですが、脂の乗っているどんちっちですので、
冷蔵庫で冷ますと、このように脂が浮いていました。
そして、ランチの営業時間も終わったので、お昼にすることにしたのですが、予定通りお昼は、
どんちっち丼で、その美味しさを100%堪能し、子供達にもその美味しさを味わってもらうため、サーモンも一緒に盛り付けた二色丼を、
夕飯に出ししてあげました。
一年を通じて、全国各地で水揚げされる鯵ですが、これからの時季がいわゆる旬で、その美味しさは格別で、スーパーなどでも、お値打ちで手に入れることも出来るので、機会があれば、是非旬の美味しさを味わってみて下さい。
☆★☆ デパ地下デビュー in 静岡伊勢丹
4月30日(月)に、
【静岡伊勢丹】地下の食品売場の【商工会チャレンジショップ アレモキッチン/コレモストア】で、当店の『西京漬』と『鰯の丸煮』を販売します。お時間の許す方は、是非ご来店下さい。