天然とらふぐの疑問点について、回答してみた
Vol.4180
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月19日)は

天然とらふぐに関する疑問点
についてお話しします。
今朝、沼津魚市場から戻って来ると
「おはよう、親方

今日はとらふぐと

鰤(ぶり)を仕入れて来たんだね。」
と、熱血君が声を掛けて来ました。
「おはよう
そうだよ。
魚の仕込みの前に
お弁当を仕上げなくちゃならから
始めるよ。」
「え~、もう?
色々訊きたかったのに~。」
「お弁当が仕上がったら
話してあげるから
待っててよ。」
「は~い♬」
とは言ったものの

とりあえず

締めておき

血抜きのため、海水へ。
その後

お弁当用の料理を仕上げたら

いつものように
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが
盛付けてくれ

このように

仕上がりました。

「んまそう~
早く、ふぐのことを話してよ。」
「そうだね。
どっかから話せば
いいのかな?」
「市場の様子から
話してよ。」
「はいよ~。」
ということで

今朝の魚市場に
時計の針を戻します。

沼津魚市場に着き
最初の向かったのが
魚市場の立体駐車場でした。
置いてあったのは
自分宛の遠州灘産のとらふぐ(天然)で

このような置き配も
魚市場ならではのことです。(※1)
この状態では
何も分からないだけでなく
海水を交換するため

セリ場のバックヤードへ。
入っていた海水を捨てると

8本のうち1本が

逝っちゃっていました・・・ (※2)
萌え燃え・・・気分と同時に
萎え萎え・・・を味わうのは
複雑な気分です。
死んではいましたが

だめ元で血抜きだけはしておき (※3)
活きていた7本は
そのままにしておき

新しい海水を入れ
水温が高かったので

凍らせたペットボトルを入れ(※4)

再び、車に積み
他の仕入れをし
『佳肴 季凛』に戻ったのでした。
戻った時の様子は
先程の通りです。
お弁当を仕上げ
最初に取り掛かったのは

鰤(ぶり)です。 (※5)
鰤については
明日、お話しせせて頂くことにします。
鰤を切身までにしたら

とらふぐの仕込みの開始です。

卸し終えたら
水洗いをしてくれるのは

真由美さんで
その後

自分が手直しをし

拭き上げてもらい

とらふぐの仕込みが終了です。
死んでいたとらふぐを見ると

胆のうの痕が残っており (※6)

「これって、ヤバくね?」
終了とは言っても
掃除をしなくては終えることは出来ないので

お片付けタイム。

「どうにかこうにか
ランチの営業時間に
間に合ったね。」
「そうだよ。
で、訊きたいことは?」
「ランチタイムが終わったら
訊くよ。
気になるところは
※をして
チェック済だし。」
「なんで、※がついていたのか
気になっていたけど
そういうことね。」
「うん♬」
※1 このような置き配も
魚市場ならではのことです。
水産業界には
通称、市場便なる運送形態があり
荷受(にうけ)さえ決まっていて
届く便さえあれば
全国各地から
直接、荷物を取ることが出来ます
※2 逝っちゃっていました・・・
活きたものと
そうでないものは
値段にかなりの開きがあり
このような場合
善処してもらうことが可能です
活きたものと

比べてみると

「はっきりと違うね~。」

※3 だめ元で血抜きだけはしておき
血が残っていると
生臭くなるからです
※4 凍らせたペットボトルを入れ
市場の海水温が
スチロールのものよりも
高かったからで
とらふぐ自体の温度より高いと
くたびれてしますからです
ただ、あまり冷やし過ぎると
死んでしまう場合もあるので
注意しなくてはなりません
※5 鰤(ぶり)です。
鰤は普通の魚ですので
毒のある部位がある
フグ類のような注意は必要なく
下処理レベルで
まな板が汚れていても
問題ありません
※6 胆のうの痕が残っており
胆のう(苦玉)は
不可食部位なので
取り除かなくてはなりません
このようになっていると
ただ苦いだけでは
済まされない可能性もあるので

この部分を

取り除いておきました
刺身で使うには
不都合な身質ですので

唐揚用と
ふぐちり用に包丁しておきました。
「今日の質問箱は
これくらいで
いいのかな?」
「うん、いいよ
ありがと、親方♬

これって、明日もふぐが来るの? 」
「そうだよ。
だけど、明日は鰤の話をしないとね。」
「そうそう

お願いしま~す♬」
ということで、
明日は、今日仕入れた鰤について
お話しします。
☆★☆ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています。
ご興味、ご関心がある方は
是非、御覧下さい。
4種類の西京焼入りの新しいショップカード
Vol.4177
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月16日)は

新しいショップカードについて
お話しします。
先日納品してもらった
ショップカードです。

「これって

微妙に違うような・・・。」
と、熱血君。
「そうだよ、分かる?」
しばし、悩む熱血君。
「分かった!
はい、は~い

新しいのは

西京焼が4種類!」
「は~い
」
「賞品は?」
「そりゃ

謹製【西京漬】一年分!」
「わぁ~い!
でもさぁ、一年分って
どれくらいの分量なの?」
「365枚!?」
「そもそも
あれって基準あるの?」
「あるらしいよ。
賞品っていうか
その商品の年間消費量をもとに
決めているみたいだよ。」
「みたいって
そんなにアバウトなの?」
「まぁ、平たく言えば
沢山ってことじゃないのかねぇ。」
「いくら何でも
西京焼が毎日っていうのも・・・。」
「確かにね。
ただ、西京焼に限ったことじゃないけど
焼魚なら毎日でも
自分は食べてもいいよ。」
「マジで!?」
「マジだよ。

焼魚って言えば
この間、知り合いの料理人が
こんな投稿をしていていたんだよ」
「んまそう~!」
「それでね

こんなやり取りをしたんだよ。」
「この人も和食の料理人なの?」
「そうだよ。
一度、行ったことがあるよ。

その時のブログだよ」
「ここんちの料理も
んまそう~!
こんな美味しそうな料理を作る人も
焼魚で幸せを感じるなんて

焼魚の優勝!」
「魚によって
味付の向き不向きはあるけど
魚料理の中じゃ
焼魚が一番だね。」
「恐れ入りました・・・。」
先程お話ししたように
新しい方の西京焼は

左上から、サーモン、鰤(ぶり)
左下から、銀鱈、鯖(さば)で
一方、前の方の西京焼は

左から
銀鱈、サーモン、鯖です。
3種類が4種類になったのは
夏前に【西京漬】のページを
リニューアルしたことによります。
これが5種類になる予定は
今のところありませんし
可能性としても
ゼロに近いと言ってもいいかもしれません。
ショップカードを置いてあるのは

レジ前で

自分と
女将兼愛妻(!?)の真由美さんの写真を
上にしてあります。
が、しかし、この写真は
実は裏なのです。

「じゃあ、なんで
こうしてあるの?」
「最初は、西京焼の方を
上にしていたんだけど
何かのきっかけで
二人を上にしたんだよ。」
「それって
仲良し子吉ぶりを
アピールしたいとか!?」
「いやいや
手に取ったお客さんに
『うちら二人が
魔除けになるからですよ。」
っていう冗談を
言い始めたら
妙にウケるから
そうしたんだよ。」
「だから、真由美さんが
そう言っているんだぁ。
いつも聞いていて
不思議だったんだよ。」
「まぁね。」
新しいショップカードのデビューは
旧タイプが無くなってからになります。
魔除けの効果があるのか
無いのかはともかく
沢山お持ちになった方は
一族郎党をはじめ
お友達、ご近所さんに

声を大にしての宣伝
くれぐれも宜しくお願いします。
「またまた
シャインマスカットのアイスを仕込むんだぁ。

そんじゃ、また明日」 byミニふぐちゃん
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ご興味、ご関心のある方は
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すっぽん尽くしのコースと、すっぽん鍋メインの【特別会席】の違い
Vol.4172
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月11日)は

すっぽん尽くしのコースと
すっぽん鍋がメインの【特別会席】の違い
についてお話しします。

今夜は
【すっぽん料理】のご予約を頂いていたので

ランチの営業時間を
1時閉店とさせて頂きました。
得てして
こういう時に限って
フリーのお客さんが遅くに見えたり
予約の電話をもらうものです。

「そうなんだぁ。
断っちゃったお客さんには
僕達からも
ごめんなさい」
と、ミニふぐちゃん。
「有難うね。
じゃあ、すっぽんを卸すよ。」
すっぽんを卸す時は

仰向けにして
首を出て来たところを
捕まえて
締めます。

「ヤバッ!怖いっ!」
この後の様子は
あまりにもグロテスクなので
割愛させて頂きます。
卸し終えたすっぽんは

刺身と唐揚用

鍋用に下処理をしておき
また、【すっぽん料理】のコースですので

活血(いきち)をお出しするので
固まらないように
締めた直後に
りんごジュースで
割っておきました。
下処理である皮剥きを手伝ってくれたのは

女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。

「ねぇ、親方
すっぽん料理の中で
一番のオススメは
どの料理なの?」
「そりゃ鍋だよ、鍋!」
「そうなんだぁ。」
すっぽん料理のコースは
活血にはじまり

刺身

唐揚げ

すっぽん鍋

〆のすっぽん雑炊に至るまで

すっぽん尽くしです。
ちなみに、
二品の先付は

南京豆腐(かぼちゃの豆腐)と

鱧(はも)しんじょう蒸しでした。

「活血と刺身があるから
当日に卸さなきゃならないってこと?」
「だから、ランチの営業時間を
短縮したんだよ。」
「でも、時々
すっぽん鍋をメインにした
コースがあるけど
その時は
早仕舞いしないんでしょ?」
「そうだよ。」
「そう言えば
この間の【特別会席】も
すっぽん鍋がメインだったけど
復習の意味で話してくれる?」
「はいよ~。」
ということで
ここからが、本題です。
すっぽん鍋がメインの【特別会席】は
【特別会席】の定番の一つでもあります。
また、【特別会席】は

お客様とのご相談の上で
献立を決めさせて頂いているので
詳細については
先日(9月末)の献立は
以下の通りです。
◆先付(さきづけ)①
もろこし豆腐

◆先付②
鱧しんじょう蒸し

◆刺身①
国産牛のローストビーフ

つけだれは

オリジナルの

◆揚物
とらふぐ(天然)の唐揚げ

◆刺身②
ふぐ刺

※三重県産とらふぐ(天然)
◆鍋
すっぽん鍋

◆焼物
鰆(さわら)の西京焼

◆食事
すっぽん雑炊

すっぽん雑炊は
鍋を下げてから
その出汁で仕立てています。
土鍋を下げて
雑炊を準備している間に

茶碗と

お新香をお出ししておきました。
ご存じかもしれませんが
茶碗のふぐのイラストは
真由美さんが描いたものです。
雑炊を召し上がっている間に

新しいおしぼりをお出しすると

「雑炊の時に
おしぼりがあると
嬉しいよね。」
◆デザート
シャインマスカットのアイス

すっぽん鍋と言うと
その見た目から
きわもの、げてもののイメージを持たれる方も
いらっしゃいますが
他の食材には無い味わいが
一番の特徴です。
しかも、それを味わうなら
鍋に限ります。
【すっぽん料理】でも
【特別会席】でも
すっぽん鍋を召し上がることが出来ますが
【すっぽん料理】は
活きたすっぽんで仕立てるので
2日前までのご予約をお願いしております。
一方、【特別会席】の場合
すっぽん鍋だけでなく
他の料理の仕込み等の都合もあるので
2日前というより
早めのご予約をして頂けると
有難いです。
ご不明な点などがございましたら
お気軽にお問い合わせ下さい。
「この準備をしているってことは
明日はフグが来るのかな。

そんじゃ、また」 by ふぐとらちゃん
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ご興味、ご関心のある方は
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休日出勤のボスキャラは、ふぐ皮の棘取り
Vol.4170
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月9日)は

休日出勤の仕込みの
ボスキヤラとも言うべき
ふぐ皮の棘取りについて
お話しします。

「親方、おはよう
今日は休みなのに
市場に行って来たの?
と、熱血君。
「おはよう
お弁当の仕込みもしなくちゃならないし
週末の注文の確認とかもあったから
行って来たんだよ。」
と、返しました。
「そうなんだぁ。
サバフグとブリを仕入れて来たってことは
普段の仕入れと
変わんないんじゃね?」
「そうだよ。
だから、真由美さんにも
手伝ってもらうんだよ。」
真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです。
「それなら
少しは気が楽じゃん。

でも、ふぐ皮の棘取りもあるから
大変じゃね?」
「だから、どんどん始めるよ。」
「親方、FIGHT!」
さばふぐは静岡県由比産で

鰤は北海道産です。

さばふぐは

背びれと

尻びれを落としたら

頭の付根に包丁を入れておきました。
さばふぐの次は
鰤の鱗(うろこ)取りです。

鱗が細かいので
包丁で取り除き
この方法を
すき引きと呼んでいます。
隣では

真由美さんが
さばふぐの仕込みを始めてくれ

一方の自分は

鰤の水洗いまで終えたので

さばふぐの手直しをし

拭き上げてから

唐揚用に

包丁しておきました。
そして、再び鰤です。

三枚に卸したら

切身にし

有機JAS認証済の西京味噌をベースにした
お手製の西京味噌と共に
袋に入れたら

真由美さんが
お弁当用の野菜の皮剥きをしてくれ

煮物などお弁当や

サラダ素麺の野菜の仕込みまでクリア。
その後
カウンター周りの掃除を始めると

「まだ仕込みがあるのに
掃除なの?」
「この後は
それほど汚れないから
掃除したんだよ。」
「そうなんだぁ~。

とりあえず
半分までクリアしたね。」
「そうなんだけど

ボスキャラの棘取りで
完全に一人だし
20本分もあるから
かなりハードだよ。」
「とらふぐを見た時みたいには
萌え燃え・・・
にはならないの?」
「時間もかかるから
萎え萎え・・・
に近いかも・・・・。」
その後、昼ごはんタイムということで
しばし水入り。
水入り後

棘取り大作戦の始まりです。
出刃包丁を使い

棘を取っていきますが

角度が違うと
穴が開いてしまいます。

「ありゃりゃ・・・。」
腹側の白と背側の黒のうち
手間がかかる腹から
始めていきます。

ここまで来たら

4コーナーを過ぎ
ゴール間近。

「いよいよだね」
程なくすると

無事にFINISH!

「 やったじゃん! 」
「ともかく
このボスキャラが手強いから
やっと気が楽になったよ。
ここまでやっておけば
湯引きして包丁するなんてことは
大したことじゃないしね。」
ふぐ皮だけでなく

鰤(ぶり)

さばふぐを
真由美さんに
真空パックしてもらっている間に

自分は包丁を砥ぎ

3時前までには

仕込みを終えることが出来ました。

「お疲れ様~♬」
「お疲れさん。
暗くなる前に終わって
良かったよ。」
「そうだね。
少し心配していたんだよ。」
「ふぐ皮とか野菜の仕込みだけなら
一人でもどうにかなるけど
魚の仕込みがあると
どうしても真由美さんに
お願いするようになっちゃうんだよね。」
「だから、今日の親方は
真由美さんの顔色を
見るような感じだったんだぁ・・・。」
「そう!?
気のせいだよ。」
「どうかなぁ~。(笑)」
ところで、仕込みと言えば
今週は仕込みに
追われそうな日があるので
急遽、営業時間の変更が
あるかもしれません。
ですので
前もってのお問い合わせを頂けると
有難いです。
また、土曜日(14日)と

日曜日(15日)は

ランチ、夕席共に
御席のご用意が出来ないので
くれぐれも宜しくお願い致します。
「この準備は、もしかして・・・。

そんじゃ、また明日」 by 熱血君
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休日出勤日の仕込みは、【西京漬】用のサーモンのみ
Vol.4163
いらっしゃいませ
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今日(10月2日)は

定休日に仕入れた
【西京漬】用のサーモンについて
お話しします。
明日は、沼津魚市場が休みなので
定休日ですが
今朝は、沼津魚市場へ行って来ました。
売場には

鰤(ぶり)の山が

4つあり

全て

鳥取県境港産で

荷主は

こちらの2つでした。

コース料理の西京焼だけでなく

【西京漬】用に
仕込まなくてはならないのですが
海水温が低くない境港産は
脂が薄い可能性大なので
鮮度は良くても
パス決定。
というのも
このところ仕入れている鰤は
北海道・根室産で
海水温が低だけでなく
真鰯(まいわし)や
秋刀魚(さんま)を食べているので
脂の乗りは全然違うからです。
近々のリベンジを期待することにし

別の売場で

4,4キロのサーモン(ノルウェー産)を仕入れ

魚市場から撤収。
『佳肴 季凛』に戻ると

「おはよう、親方
休日出勤、お疲れ様~♬」
と、ふぐとらちゃん。
「おはよう
仕込みはサーモンだけだから
早く終われるから
平気だよ。」
「そうなんだぁ
どっちにしても
早く終われるよう
頑張って~♬」
そんなことを言っておきながらも

「ねぇ、このスチロールって

カンパチのじゃん!
どうしてなの?」
と、訊いてきました。
「そうだよ。
サーモンは

MOWI(モウイ)ってある箱から
小分けしてあるからだよ。」
「そうなんだぁ。」
「モウイっていうのは
サーモンを養殖している会社のことだよ。」
「へぇ~。」
ちなみに、こちらが

「早く終わらせたいんだけど・・・。」
「そうだったね
ごめんごめん、親方。」

鱗(うろこ)が細かいサーモンは
包丁を使って
鱗を取り除き
この方法を
すき引きと呼んでいます。

水洗いを終えたら

三枚に卸し

切身にしました。
休日出勤なので
仕事の流れも変則で

包丁を砥いでいる間に

女将兼愛妻(!?)の真由美さんは
洗い物をしてくれていました。
その後

真由美さんと共に

片付。
まな板周りを終えたら

側溝の掃除も。

「真由美さ~ん。
頑張って~♬」
「はいよ~。」
「魚の仕込みをやると
必ず、側溝の掃除もするよね?」
「そうだよ。
お客さんに魚臭いって思われたら
良くないし
衛生的にもね。」
「すごい、すご~い!」
サーモンの仕込みだけだったので

9時前には
終わりの目途が付き

それまでに
真空パックを終えました。
実を言うと
【ぽん酢】用のすだちも絞る予定でしたが
その仕込みは
明日にすることにし
これにて休日出勤終了です。
「明日はすだちを絞って
【ぽん酢】の仕込みだね。

そんじゃ、また」 by 熱血君
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似て非なる鰤(ぶり)とサーモン2本立ての【西京漬】の仕込み
Vol.4158
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
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今日(9月27日)は

【西京漬】用の鰤(ぶり)とサーモンの
仕込みの様子についてお話しします。
今日、【西京漬】に仕込んだ
北海道産の鰤(ぶり)と

ノルウェー産のサーモンで

こちらが

【西京漬】です。
鰤も

サーモンも

沼津魚市場で

仕入れたものです。

鰤とサーモンを見た熱血君が
「ぶり2本とか
サーモン2本っていうのは
よくあるけど
違う生の魚を同時に仕入れて
【西京漬】に仕込むことって
あんまりないよね?」
と、訊いてきました。
「そうだね。
よく見ているねぇ~。」
「そりゃ、仕込みの様子を
ほぼほぼ毎日
見ているんだよ。
嫌でも詳しくなるに
決まっているじゃん!」
「そりゃ、そうか。
ただ、鰤が
【西京漬】のランナップに入ったのは
夏前だから
そういう機会が無かっただけだよ。」
「そういうことなんだぁ。」
「仕込みの流れは同じでも

7,3キロ(鰤)と

3,6キロ(サーモン)で
目方も倍くらいに違うから
切身にする時に
感覚がつかみにくいんだよ。」
「どういうこと?」
「順を追って話すからね。
こっちが鰤で

こっちがサーモン。

鰤は

腹骨を欠いたら

腹の部分を包丁してから
切身にしていくよ。」
「この部分は
脂乗り乗りで

んまそう~♬」
「そうしたら
皮目を上にして
包丁するんだけど

このままの状態で
秤にかけて
切身の目方(90グラム)と割算すると
何切れ取れそうか
判断出来るでしょ?」
「うん、出来るね。」
「そうしたら
包丁を入れる場所の目安をつけて

注意しながら
包丁するんだよ。」
「うん。
この切身は

何なの?」
「まぁ、その前に
さっきの沢山ある切身は
会席料理用で
これらは

ギフト用なんだよ。」
「1枚のサイズも
90グラムちょっとってこと?」
「そうだよ。
ギフトの場合
形の良いものと
そうじゃないものを組むだけじゃなく
他の魚とも組んで
詰め合わせるのは
知っているよね?」
「うん。」
「だから、形が良くない切身は
目方も1~2割くらい
大きくしてあるんだよ。」
「へぇ~。

じゃ、これは?」
「白くて四角いのは
腹の部分で
これもコース料理用。」
「これを食べられるお客さん
ラッキーじゃん。」
「そうだよ。
1本から4切れしか
取れないしね。」
「その隣っていうか
上にある切身は?」
「形がまぁまぁ良い部分で
ギフト用やコース用よりも
小さいから
ランチ用だよ。」
「ここまで
仕分けるのって
結構たいへんじゃね?」
「かなり神経を使うからね。」

「じゃあ、サーモンは?」
「この沢山あるのが

ギフト用で
これらは
ちょっと小さめだから
ランチ用で

こっちは

お弁当用。」
「でも、ランチ用の数が少ないのは
どうしてなの?」
「手元が狂って
小さくなっちゃったのだよ。
大きい分には
どうにかなるけど
変に小さいと
お弁当用にするしかないんだよ。
そうなると
切り落としが出て
よろしくないから
神経を使うんだよ。」
「聞いているだけでも
神経を使っちゃうよぉ。」
「もっと言うとね
一枚一枚量るから
神経を使うっているより
手間がかかるよ。」
「今日もやっていたよね。
そこまでの必要があるのか
って思うけど・・・。」
「店でお客さんに出す分には
ある程度アバウトでもいいけど
【西京漬】ってなると
自分が見ていない所で焼くわけだから
神経を使わないわけには
いかないよ。」
「確かに、そうだよね。」
「自分が納得してして
仕入れた以上
いい加減な仕事は出来ないからね。」
「今更だけど
恐れ入りました・・・。」
そうこうしていると
ランチの営業時間が
迫りつつあったので

掃除を始めると

//
お片付け~♬ お片付け~♬
さぁさ 二人でお片付け♬
\\
ランチタイムの合間を見ながら

鰤のあらだけでなく

サーモンの中骨を

それぞれ焼いてから

身を

ほぐしておきました。
ほぐし身は
ある程度まとまったら
おまけアイテムのフレークにして
お客様に差し上げます。
サーモンの中骨は

このままごみ箱行きですが
鰤の方は
出汁を取るため

このまま冷蔵庫へ。
また、

鰤も
サーモンのあらも

西京漬にし
これらもおまけアイテムだったり
賄い用です。

「今日のブログを読むと
似たような仕込みをするけど
微妙に違うんだね。」
「そうだよ。
そこが魚の面白さでも
あるんだけどね。
でも、やっぱり神経を使うよ。」
「お疲れ様でした♬」
鰤とサーモンの2本立ての仕込みは
苦心しますが
料理人として
バージョンアップする機会と捉(とら)え
真剣に取り組みます。
「明日発送する【西京漬】じゃん。

そんじゃ、また」
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ご興味、ご関心のある方は
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『西京漬』ではなく、コース料理の西京焼用の鰤(ぶり)
Vol.4141
いらっしゃいませ
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こよなく愛す
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今日(9月10日)は

今季初めて仕入れた
北海道産の鰤(ぶり)について
お話しします。
今朝、沼津魚市場から戻って来ると

「おはよう、親方
ブリ?」
「おはよう
そうだよ。」
「8,6キロってことは

デカくね?」
「天然だし、大きいよ。
でも、天然は10キロオーバーは
珍しくないよ。」
「へぇ~。」
「この3か月くらいは
養殖を使っていたんだけど
養殖の倍以上の目方だね。

この2本は
先週仕入れたのだけど
1本が3,7キロだからね。」
「そうだったね。
でも、養殖って
こんなに小さいものなの?」
「そんなことないよ。
春に大きいもの(5~6キロ)が終わると
新物になるんだけど
その頃が3キロ台の前半だったのが
ようやく大きくなってきて
4キロ下って感じかな。」
「じゃあ、育てれば
普通に大きくなるんでしょ?」
「そりゃ、もちろんだよ。
大きくするには
時間だけじゃなく
えさ代もかかるから
あんまり大きくはしないんだよ。
あとは、大きいと需要が少なくなるから
売れ筋のサイズを
出荷するようになるんだよ。」
「ふぅ~ん。」
「この鰤は
北海道のだけど
これから暮れまで獲れるよ。
ここで話していても
分かりにくいから
今朝の仕入れから話すよ。」
「はぁ~い♬」
ということで

時計の針を

市場時間に戻します。
左側の並びの真ん中にあったのが

北海道産の鰤の山です。
二つの山のうち
一つが

7キロ台で
もう一つが


8キロ台でした。
このうち、もっと大きかったのが

8、7キロのもので
その次が

8,6キロでした。
殆ど変わらないように思いますが

8,7キロの方が長身で
尾の方が細いのに対し
8,6キロの方は

丸みを帯びているので
肥えている確率大。
ということで

8,6キロを1位指名。
ということで
時間を戻し
仕込み開始です。

鱗(うろこ)が細かいので
包丁を使って
鱗を取り除き
この方法を
すき引きと呼んでいます。
頭を落とし
水洗いをしたら

三枚に

卸しました。
腹骨を欠くと

まずまずの脂の乗り具合。
白っぽいのは
脂があるからです。
腹の部分を包丁したら

切身に。

「切身にしたってことは

『西京漬』用?」
「『西京漬』用じゃなくて
コース料理やランチの西京焼用。」
ちなみに

尾の部分を試し焼きすると

良い感じに脂が乗っています。
試し焼きのついでに

中骨や

あらの部分を
出汁を取るため、焼き
中骨などの一部は

おまけアイテムのフレーク用に

身をほぐしておきました。
肝心の切身の方は

有機JAS認証済の西京味噌をベースにした
お手製の西京味噌と共に

真空パック。
また、今日は

鯖の仕込みもし
夜の営業が終わったら

敬老の日用の『西京漬』の箱詰。
このセットに入っている鰤は
高知産の養殖ですが
『西京漬』のページにもあるように

今日の北海道産の天然の脂の具合からして
天然を使うことになりそうです。
日中、30度を超える日もありますが
鰤に限らず
魚の入荷状況は
本格的な秋の様子を見せています。
「お弁当の注文もあるし
市場は火曜日休みだから
明日は休日出勤だね。

そんじゃ、頑張って~」 by 熱血君
【西京漬】用の鰤(ぶり)と2024年問題
Vol.4137
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(9月6日)は

水産業界にも影響がありうそうな
2024年問題についてお話しします。
今朝の沼津魚市場です

台風13号の影響と
中央市場の休みの関係で
ガラ~ン。
中央市場とは
豊洲などの魚市場のことで
中央市場が休みの場合
送りと呼ばれる陸送便の入荷がないので
自ずと入荷は少なくなってしまいます。
強風のため
別棟の売場のシャッターは

下ろしたまま。
中に入ると

売場には

高知産の鰤(ぶり)が

山積み。
この中から

3,7キロのものを

2本仕入れることにしました。
鰤は

【西京漬】用です。
また、高知産の隣には

鹿児島県産の鰤も

並んでいましたが
この鰤については後ほど。
仕入れを終え
『佳肴 季凛』に戻ると

熱血君がやって

「おはよう、親方」
と、朝の挨拶。
「おはよう」
「さっきさぁ
『送りの荷物は、今日着の魚は無い。』
って言ってたけど
これは、いつ届いたの?」
「今朝着だよ。
荷主というか産地によって
便(びん)が色々なんだよ。」
「そういうことね。
親方が昨日着の魚を仕入れるなんて
あり得ないと思ったからでよ。」
「そりゃ、そうさ。
ただ、高知の鰤を積む便があるのは
日、水、金曜日着が基本だから
それに合わせて
仕入れるんだよ。」
「それじゃ

って感じ?」
「何か違うようだけど・・・。(笑)」
「そっかぁ~。
鹿児島のもあったけど
どうして仕入れなかったの?」
「昨日着だから。」
「そういうことね。」
「養殖だから
産地で魚の質の差は
殆どないけど
一日違うと
鮮度がかなり違うからね。」
「そんなに変わるものなの?」
「変わるさ。
少なくとも
養殖の生簀から出して24時間と
48時間じゃ
大違いだと思わない?」
「そうだよね。」
「どうしても必要な時に無ければ
仕入れるけど
それだけは避けたいしね。
だから、まめに仕入れに行くんだよ。」
「ふぅ~ん。」
「こうやって無事に届いたんだけど
今、水産業界で頭を悩ませているのが
“2024年問題”なんだよ。」
「聞いたことあるよ、それ。」
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが
2024年問題とは
2024年4月1日以降
自動車運転業務の時間外労働時間を
960時間とする規制が設けられることによって
生じる問題の総称です。
「近場なら
昨日発、今日着は大丈夫なんだけど
遠距離だと
昨日発、明日着になっちゃうんだよ。」
「生ものなのに!?」
「そうだよ。
今日の鰤を積んだトラックは
各市場で荷物を下ろしながら
最後は豊洲(東京)まで行くんだけど
ドライバーの労働時間の関係で
東京に着くのは
産地を発(た)ってから
二日後に着く可能性大ってこと。」
「マジで。」
「冷凍ものなら
まだいいんだけど
鮮魚となるとねぇ。」
「変な決め事だね。」
「ドライバーや運送会社は
“荷物を運んで何ぼ”だし
お客さんのことを考えれば
早い方がいいわけだしね。」
「そうだよね。」
「働き方改革とは
縁もゆかりも無い業種だけど
どういう目的なのか
全くわかんないよ。」
「僕も
???」
肝心の鰤を

切身にすると

「血合いの部分も
鮮やかな赤で
美味しそうじゃん!」
「そりゃ、今日着の鮮度バリバリだし。」
「刺身で食べられるものを
西京焼にするなんて
ある意味、贅沢だよね。」
「贅沢かどうかはともかく
鮮度に勝る味付は無いわけだしね。」
2024年問題は
生鮮食品に関して
どのように影響するかは分かりませんが
自分に出来るのは
より良い魚を求めるのみ。
そのために
ホーグランドたる沼津魚市場に
足繁く通うのみです。
「敬老の日用の【西京漬】じゃん!

そんじゃ、また」
お中元の【西京漬】の魚で仕込んだおまけアイテムのフレーク
Vol.4113
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(8月13日)は

おまけアイテムのフレークについて
お話しします。

「 おはよう、親方
これは、何なの?」
と、ミニふぐちゃん。

「おはよう
お中元の【西京漬】を仕込んだ時に
その魚の中骨とかを
焼いてから、ほぐしたものだよ。」
と、答えました。
こちらが、その【西京漬】です。

「色々あるってことは
魚が違うってこと?」
「そうだよ。
これが

サーモンでしょ

銀鱈(ぎんだら)で

鰤(ぶり)だね。
これは

混ぜ混ぜだね。」
「で、どうするの?」
「まぁまぁ、見ていなよ。」
「はぁ~い。」
封を開けたら

スチコン
(スチームコンベクションオーブン)で

加熱すること20分。

蒸し上がると
バットに移しました。

「この浮き出ているのは
何なの?」
「これは

水分と脂だよ。」
「こんなに出るんだぁ~。」
「そうだよ。」
空いたバットに

入れたら
再び、スチコンへ。
その後

一緒にしたら
塩

胡椒(こしょう)

オニオンパウダーを加え

味を調えます。
混ぜ合わせていると

「親方、骨みたいのが
入っているけど・・・。」
「あっ、これね。

骨だよ。
最初、ほぐし身にした時に
ちゃんと確認するんだけど
どうしても
残っちゃうんだよね。」
「気を付けないとね。
こんだけあるけど
どうするの?」
「袋に詰めて
真空パック。」
「ってことは、売物?」
「いや、おまけ。」
「え゛っ、おまけって
お客さんにあげるの?」
「そうだよ。
店で食事をしてくれたお客さんとか
【西京漬】をサブスク的に
お取り寄せしてくれるお客さんに
あげるんだよ。」
「わぁ~、いいじゃん!」

真空パックし終えると

「凄い数じゃん。
『売り物じゃない。』って
言ってたけど
これなら売れるんじゃね。」
「売り物にするなら
表示をちゃんとしなくちゃならないし
入っている魚も
【西京漬】用の魚以外のも
使ったりすると
その度に
ラベルを変えるなきゃなんないから
簡単じゃないんだよ。」
「あの表示って
結構アバウトって
聞いたことがあるけど・・・?」
「アバウトっていうよりも
ざるだね。」
「ざるって、どういうこと?」
「ざるに水を入れると
どうなる?」
「どうもこうも
貯まらないし
抜けちゃう。」
「その通りなんだな。
原産地の表示にはじまって
添加物なんて
まぁ、いい加減。」
「マジで!?」
「マジだよ。
メーカーに問題があるっていうよりも
あういう制度そのものっていうか
その使い方が良くないんだよ。」
「どういうこと?」
「分量が少ないものになると
“など”って書いてあるし。」
「それじゃ、表示の意味がないじゃん。」
「だから、ざるなの。」
「そういうの
ぜっ~たいに
親方は許せないタイプだしね。」
「そうだよ

ど真ん中の直球勝負あるのみ!」
「商品化しない理由は
他にもあるの?」
「さっきの骨の確認じゃないけど
今以上にちゃんとしなきゃなんないし
おまけアイテムなら
差し上げる時に
『骨があったら
ごめんなさい』
みたいなことを言えば
会話も弾むしね。」
「そうなんだぁ。
でも、普通にランチとかに来ても
もらえるの?」
「もちろん。」
「今度、お客さんで来たら
もらってもいい?」
「どうぞ、どうぞ。
ただ、早いもん勝ちの
売り切れ御免だからね。」
「うんうん。
このフレークって
そのまま食べられるの?」
「そのままでもいいし
オンザライス、おにぎりの具
パスタなんかにも使えるよ。」
「色んなアレンジが出来そうだね。」
「ちゃんとした魚で仕込んでいるし
味噌味じゃない
西京焼みたいなものかな。」
「んまそう~」
召し上がってみたい方は
ご来店の際に
お声掛け下さい。

合言葉はフレークで・・・
「明日のセットも
終わったね。

そんじゃ、また」 by 熱血君
【西京漬】用の鰤(ぶり)と【鰯の丸煮】用の真鰯は、刺身にも
Vol.4109
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(8月9日)は

刺身にも使った
【西京漬】用の鰤(ぶり)と
【鰯の丸煮】用の真鰯(まいわし)について
お話しします。
今朝の沼津魚市場は

昨日お話ししたように
台風の影響で
案の定、ガラ~ン。

それだけでなく
少ない理由が

豊洲などの中央市場が
休市日ということでした。
中央市場と同じ休みの問屋は

シ~ン・・・。
魚市場の職員も

ギャラリーの如し。
そんな中でも

千葉県産の真鰯(まいわし)が入荷しており

2ケース

仕入れることにしました。
真鰯は

【鰯の丸煮】用ですが
一部を刺身に使うこともしばしばで
その時点で
今夜の刺身用に、即決。
とりあえず
ひと安心しながら

【西京漬】用の鰤(ぶり)を扱う問屋へ行くと

無事に入荷していました。

【西京漬】の鰤の説明の補足ですが
この時季は養殖を使っているので
余程のことが無い限り
魚そのものが無くなることはなくても
交通機関の麻痺による延着も
心配の種でもあります。
この山の中から

3,4キロのものを選びました。
先程、余程のことが無い限り・・・
と、書いたように
余程のこととは
養殖の生簀が
台風など流されてしまうことで
こういうことも
漁師同様
養殖業者にとっては
悩ましいことなのです。
長くなるので
この話は置いておくことにします。
『佳肴 季凛』に戻ると

「おはよう、親方
必要な分の魚があってよかったね。」
と、ふぐとらちゃん。
「おはよう
無いと色々と困るから
助かったよ。」
「そうだね。」
「仕込みの前に
お弁当を仕上げなきゃなんないから
始めるよ。」
「はぁ~い、頑張ってね。」
お弁当は

このように仕上がり
盛付けてくれたのは

いつものように
女将兼愛妻(!?)の真由美さんでした。

「エアコンが効いていて
涼しいねぇ~。
真由美さんがうらやましい・・・。」
と、独り言。
お弁当の料理を終えたら
魚の仕込みのスタート。
自分が下拵えをしたた真鰯の水洗いは
真由美さんで

【鰯の丸煮】には不向きなサイズは

刺身用に
酢で〆るのですが

刺身用には
このサイズの方が
都合が良いのは確かなのです。
その後、自分は

鰤の下処理に取り掛かりました。
すき引きという方法で

鱗を取り
水洗いしたのち

三枚に卸しました。

普段なら
腹骨を欠いたら

切身にするのですが
刺身用にも使うため

尾に近い部分を
包丁します。

あえて尾に近い部分を
刺身用にするのは

刺身用の切身には
形が揃えやすいからで
一方、【西京漬】用の切身は

頭の方から包丁するので
都合が良く
それこそWin-Winなのです。
そうこうしていると

真鰯の塩が溶けてきたので

水洗いしたら
二番酢と呼ばれ
一度酢〆に使った酢で
洗ったら

新しい酢に漬けること5分

酢から上げたら
キッチンペーパーで
挟んでおいたのち

昆布で挟み
冷蔵庫へ。
その間に
真由美さんは

出汁を取るため
真鰯の頭の水洗いをしてくれました。
ランチの営業が終わったら
真鰯の最終チェックです。
最終チェックとは

腹に残っている
胆のうの痕を包丁してから

中骨に残っている血を

水洗いすることです。
洗い終えると

「こんなにまで
汚れるんだぁ。
ちょっとビックリ」
「そうだよ。
これらが残っている状態で
仕上がると
どうなると思う?」
「生臭いとか・・・。」
「そうなんだよ。
魚の美味しさって
生臭さの裏返しでもあるから
丁寧な下処理が欠かせないんだよ。」
「そうなんだぁ。

じゃあ
この部分が残っていると・・・?」
「胆のうって
苦玉とも言われるから
残っていると
苦いから
美味しくないじゃん。」
「うん。
だから、取り除くんだね。」
「そういうこと。」
その頃までには

頭も焼き終えただけでなく

西京味噌と共に
真空パック。
西京味噌は
有機JAS認証済の西京味噌を
ベースにしたお手製のものです。

真鰯も鍋に並べ終え

酢と水を注ぎ
重しをし
超々弱火の火加減で
正規の仕込みがスタート。
すべき仕込みの目途が着いたので
昼ごはんを食べることにし

メインのおかずは
真鰯の塩焼です。

「んまそう~。
あんだけ脂が乗っているんだから

これ絶対うまいやつ~♬」
「そうだよ

この白いところが脂だしね。
しかも、規格外のサイズで

大きいのだから・・・。」
「ず~っりぃ~!」
「クオリティチェックは大事だしね。」
「はいはい。
でも、魚って
魚ごとに美味しさがあるから
いいよね。」
「そこが魚菜食文化の
日本料理の魅力なんだよねぇ。」
「うんうん。」
そして、今夜の刺身が

鰤、真鰯、湯葉の三種盛でした。
とりあえず、今日は
無事にクリア。
ただ、魚市場の休みと台風のことを考えると
明日の入荷状況も気になるばかりですが
明日は明日の風が吹き
台風の風が
向かい風となっていないことを祈り
魚市場に行って来ます。
「今日はハードだったね。

そんじゃ、また明日」 by ミニふぐちゃん
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています。
ご興味、ご関心がある方は
是非、御覧下さい。