両手でBIGちゃんこと、特大の天然とらふぐ
どんな魚でも
大きいものはワイルド感があり
それが
天然とらふぐともなると
萌え燃え・・・は
倍増どころか、2乗!?
Vol.4334(3月21日)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝の沼津魚市場です
風の影響で
案の定、ガラ~ン
こんな状況でも
仕入れる魚は
既に決定していたので
活魚売場へ行くと
生簀には
自分の買い番と共に
福島県産のとらふぐ(天然)が
3本ありました
ちなみに、競り前の生簀も
他の売場同様
ガラ~ン
見にくいかもしれませんが
札が殆どありません
生簀から
とらふぐを取り出したら
その場で締め
氷入りの海水の中へ
さっきのような状況ですので
今朝の仕入れは
この3本のとらふぐのみでした
【佳肴 季凛】に戻ると
ミニふぐちゃんがやって来ました
「おはよう、親方
おぉ、BIGちゃんが
2本いるじゃん」
「おはよう
そうだよ
もちろん
萌え燃え・・・だよ」
BIGちゃんとは
“ふぐに魅せられし料理人”
の自分が
天然のとらふぐへの
想いを込めて
名付けたハンドルネームで
大きさにより
呼び名が変わります
チビとら
500グラム以下
並とら
600グラム以上
2,5キロ未満
BIGちゃん
2,6キロ以上
4,0キロ未満
ジャンボちゃん
4,0キロ以上
ちなみに、3本のうち
残りの1本は
1,2キロなので
並とらになります
BIGちゃんのように
大きい魚は
ワイルド感があり
惹かれるものがあります
ましてや
2本となれば
抱っこしないわけにはいきません
それこそ
両手に花ならぬ
両手でBIGちゃんです
//
親方~
満面の笑みだよ
\\
と
離れたところから
ミニふぐちゃん達の声
その後は
萌えモードから
燃えモードに
シフトチェンジ
まな板の鯉ならぬ
BIGちゃんです
「ねぇ、親方
ひれとかが
随分と擦れているけど
どうしてなの?」
「実はさぁ
このふぐ達は
行先が見つからないで
3日くらい
市場で3泊していたんだよ」
「え゛~っ!?」
「で、売場担当から
頼まれたわけなんだよ」
「そうなんだぁ~」
「そんなことより
卸さなきゃならないから
離れていてね」
「はぁ~い♬」
2本のBIGちゃんのうち
最初の1本を卸すと
メスでした
卵巣は猛毒ゆえ
食べることは出来ません
ただ、産卵を終えた卵巣でしたので
種の保存が
出来ていたことにひと安心
卵巣は包丁を入れると
中が空洞になっているので
どんなサイズでも
そこで判別をします
もう1本のBIGちゃんも
メスでしたが
こちらは産卵前の
はちきれんばかりの
卵巣でした
少なくとも
産卵を終えた後だったらと
思うと
やるせない気分・・・
卸し終えた後の水洗いは
いつものように
女将兼愛妻(!?)の
真由美さんです
「おはよう、真由美さん
まだまだ水も冷たいから
たいへんでしょ?」
「おはよう♬
3月も半ば過ぎだから
ぞうでもないよ
ただ、大きいから
そっちの方が
たいへんだよ」
「そっか~
頑張ってね」
「はいよ~♬」
卸し終えた自分が手直しをし
2本のBIGちゃんと
1本の並とらの仕込みが
終わりました
「BIGちゃんと並とらの
皮の模様って
こんなにも
違うものなんだね」
「ふぐ刺になった後しか
知らない人が
殆どだからね」
BIGちゃんに限らず
とらふぐは
大きくなるにつれ
皮目の模様が
濃くなるのです
・BIGちゃん
・並とら
肝心の味となると
BIGちゃんの方が
断然上です
仮に
並とらが3本いたとして
3キロの目方となっても
BIGちゃんには
かないません
大きくなると
大味になると
思われるかもしれませんが
とらふぐの場合
繊細さを束ねたような
味わいになるのです
一度でも
BIGちゃんの味を知ったら
天然のとらふぐの
美味しさの虜(とりこ)に
なってしまいます
その結果
“ふぐに魅せられし料理人”に
自分はなってしまいました
魚、肉、野菜に限らず
食材というものは
一部の例外を除き
大きい方が
旨味が豊富です
なので
大きい食材を見て
惹き付けられるのは
食材の美味しさに
本能が反応したまでに
過ぎません
ましてや
それが天然素材となると
尚更(なおさら)です
魚の場合
天然と養殖があります
天然の魚の美味しさを
追い求めるためには
一切の妥協は出来ません
「天然のぶりの西京焼だね
んまそう~
そんじゃ、また明日」
by ふぐとらちゃん
漁師直で仕入れた血抜き済の葉血引(はちびき)
漁港が併設されている
沼津魚市場での仕入れは
直接、漁師から
仕入れることも可能です
そんな今朝の魚とは・・・
Vol.4333(3月20日)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
「おはよう、親方
今日は色々と
仕入れて来たね」
と、熱血君
「おはよう
そうだね」
「アジがあって
ホタルイカもあるし~
カキとシジミも
え~っと
あとは
親方がお気に入りの
ハチビキもあるじゃん」
「そうだよ
葉血引は
昨日の時点で
入荷が分かっていたからね」
「どういうこと?」
「これだよ」
「そういうことね」
やり取りの相手は
「しかも、この漁師の
葉血引(はちびき)だから
間違いないよ」
「市場で仕入れて来たから
問題ないんじゃないの?」
「まぁ
昨日の流れから
見ていてよ」
「はぁ~い♬」
ということで、
時計の針を
市場時間に戻します
今朝
沼津魚市場に行くと
綾ト丸の船頭が
魚の仕分けをしている最中で
それこそ、グッドタイミング
クーラーボックスから
魚を出していると
お目当ての
葉血引(はちびき)現る
秤にかけてもらい
無事にGET
「ここまでは
いつもと
変わんないんじゃね?」
「じゃ、これを見てごらん」
「えらが切れている
ってことは
血抜きがしてあるってこと?」
「そうだよ
仕入れた葉血引以外の魚も
血抜きされているよ」
「おぉ~
それこそ
札付きじゃん!
こうやってあると
違うものなの?」
「そうだよ
値段も高くなるからね」
「じゃ、どんな魚でも
血抜きをすれば
いいんじゃね?」
「そうなんだけど
全部の漁師が
やるとは限らないんだよ」
「どうしてなの?」
「手間もかかるし
血抜きをすると
目方が減るからだよ」
「どれくらい減るもんなの?」
「5~6%ぐらいって
聞いたことがあるよ」
「少ないじゃん」
「そう思うだろうけど
魚の値段は
キロ単価×目方
で決まるから
毎回のことだから
目方が増えれば
5%を無視するわけには
いかないんだよ」
「そうなんだぁ~」
「ただ、使う側にしてみれば
鮮度が良いに
超したことはないから
値が張っても
血抜きした魚の方が
いいんだよ」
「特に
親方みたいなタイプは
そうだろうね」
鱗(うろこ)を取り
水洗いをしたら
半身だけ
卸しました
卸した身は
皮に包丁目を入れたら
バーナーでFIRE
その後
蛍烏賊、湯葉と共に
ランチの刺身で
お出ししました
骨付の身の方は
このまま取っておくので
さらなる血抜きのため
針金を通すと
血が出て来ました
血抜きがされているので
この程度ですが
されていない場合は
この倍は出ます
血抜きすることで
魚の鮮度は
かなり違ってくるのです
いわゆる生臭さというのは
皮や鱗のぬめり
内臓に原因があります
なので
これらさえ取り除けば
生臭いということは
ありません
魚に限らず
食材は下処理次第で
如何様にも
味の差が出るのです
骨付の身を
キッチンーパーで包んだら
弱めの真空パックをし
氷詰めにしておきました
「こうしておくと
持ちは違うものなの?」
「かなり違うよ
氷温状態の食材は
「凍るまい」という根性で
細胞内のでんぷん
たんぱく質を分解し
不凍物質を作り出すからだよ」
「凄っ!」
「この不凍物質はね
遊離アミノ酸類
糖類などの
うまみ成分なんだけど
これらが増えることで
味が良くなるんだよ
で、さらにさらに
氷温だと
有害微生物が増えにくいから
衛生的に安全な状態で
保存が出来るわけ」
「マジで凄くね!?」
「それだけ
下処理、保存の仕方って
大事なんだよ」
「この状態で
どれくらい持つの?」
「今日が水曜日だから
日曜日までは
余裕だね
ここんところ
風が吹いているし
明日、明後日も
魚は無さそうだから
丹精しないとね」
「もし、この葉血引が
終わっちゃったら
どうするの?」
「そういう時のために
秘密兵器があるから
平気だよ」
「抜かりないねぇ~
でもさぁ
漁師直で
仕入れが出来るって
いいよね」
「まぁね
そのために早く行って
興味がある魚を
持って来る漁師と
仲良くなれば
仕入れだけじゃなく
色んなことを
教えてくれるから
市場は学校みたいなもんだよ」
「市場が学校なんて
初めて聞いたよ!」
「あはは・・・」
市場が学校というより
料理というものは
生涯、勉強です
ということで
明日も
学校へ行ってきます
「うど&かきの天ぷらなんて
冬と春のコラボじゃん
そんじゃ、また」
by ミニふぐちゃん
すっぽん料理のコースのすっぽんは、基本的にオス
どんな生き物でも
オスとメスがいますが
すっぽん料理のコースでは
オスを使うようにしています
その理由とは・・・
Vol.4332(3月19日)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
「今日のすっぽんって
全部オスでしょ?」
と、ふぐとらちゃんが
訊いてきました
「そうだよ
よく分かったじゃん!」
「どの尻尾も
出ているからね」
「その通りだけど
どこで、こんなことを
知ったの?」
「親方のブログに
書いてあったもん
「今夜はすっぽんの
活血(いきち)が必要だから
オスONLYなんだよ」
こちらがすっぽん料理の内容です
「メスは血の量が
少ないって
書いてあったもんね」
「しっかり
読んでいるなんて
恐れ入りました m(_ _)m」
「えへへ・・・♬
じゃあ、オスとメスで
血の量って
どれくらい差があるの?」
「オスが1に対して
メスが0,7
って感じかな」
「そんなにも
違うんだぁ~
あと、オスとメスの
希望通りで
仕入れることは
出来るの?」
「一応、注文を入れる時に
オスの希望を出すけど
こればかりは
来てみないと
分からないよ」
「へぇ~」
「早く卸さないと
夜の予約時間に
間に合わないから
始めるよ」
「はぁ~い♬」
すっぽんは
活きたものを使うので
最初に締めなくてはなりません
締める時は
仰向けにして
首が出て来るのを待ちます
「どうして
仰向けにするの?」
「首を使って
起き上ろうとするからだよ
首が出てきたら
一気に掴み
締めるんだよ」
「首を切ったところから
血を出すってこと?」
「そうだよ
締めなくちゃならないから
離れていてね」
「はぁ~い」
とは言ったものの
すっぽんに近付き
「ヤバっ
首長っ!」
と、興味深々のふぐとらちゃん
締めてから
卸し終えるまでの様子は
かなりグロテスクなので
写真はありません
「親方の言う通り
確かにグロいよね」
その後、
70度くらいのお湯にくぐらせ
氷水に落とした後
皮を剥き終えたら
すっぽん料理の
マストアイテムとも言うべき
鍋の仕込みです
鍋にすっぽんを入れ
水と日本酒を
注いだら
一気に加熱
しばらくすると
アクが出て来るので
丁寧にすくい取ります
アクが出切ったら
味付けですが
3バイのすっぽんでは
旨味が乏しいので
冷凍しておいた
すっぽんの出汁を加えます
弱火から中火の火加減で
煮詰めていき
この状態になれば
出来上がりです
その後、土鍋に取り分け
お客様のご来店を
待つばかりとなりました
「3バイもあると
かなりハードだったね」
「そうだよ」
お客様が見えたら
冷蔵庫から
活血(いきち)を出すと
「さっきよりも
血が増えているのは
気のせい?」
「いや、締めた時に
血にりんごジュースで
割ったからだよ」
「へぇ~
どうして割るの?」
「ONLY血だと
固まっちゃうからだよ」
「そうなんだね
でも、活血を飲むと
元気になるの?」
「ならないよ
この程度で
元気になったら
かなりヤバい薬と
同じじゃん!」
「そうだよね~
元気になるかどうかは
別にしても
どうして活血なんて
出すの?」
「簡単に言えば
“鮮度が良いすっぽんを
使っています的”な
意味合いなんじゃないかなぁ」
「そんな簡単な理由なの!?」
二品の先付をお出ししたら
活血をお出しし
すっぽん尽くしの始まりです
◆活血
◆すっぽんの刺身
かなり前の記事ですので
ブログの書き方も
お粗末ですみません
機会を改めて
書き直さないと・・・
◆唐揚げ
日本酒と薄口醤油を
同割したものに
10本ほど漬け込んでから
片栗粉をつけ
揚げてあります
◆すっぽん鍋
焼ねぎ、豆腐、くずきり
だけです
というのも
すっぽん鍋は
出汁の美味しさを
味わってもらうための
料理だからです
◆すっぽん雑炊
すっぽん鍋同様
すっぽん料理の王道は
すっぽん雑炊ですので
これらを食せば
すっぽんの免許皆伝
と言っても
過言ではありません
最後にデザートで
すっぽんのコースは
お仕舞になります
オスを使うのは
活血が必要だからですが
オスとメスでは
味に違いがあるのかというと
・・・・・・・
実はありません
ただ、メスは
オスに比べて
小さいことが多いのが
欠点とも
言えるかもしれません
オスを使う理由だけで
済ますつもりでしたが
何故か
コース料理のあらすじまで
書いてしまいました
すっぽんと言うと
その見た目からして
キワモノ、ゲテモノ料理と
思われるかもしれません
が、しかし
すっぽんの美味しさは
他の食材とは
代え難いところにあり
日本料理の中では
トップレベルとも言えます
なので、ついつい
その美味しさについて
言わずには
いられないのです
「今夜のぶりの西京焼も
んまそうだったね
そんじゃ、また明日」
by 熱血君
脂が乗った鰤(ぶり)の見分け方
どんな魚でも
脂が有る無しが
気になるものです
その見分け方について
お話しします
Vol.4331(3月18日)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の志村弘信です
今朝
沼津市場から帰って来ると
ミニふぐちゃんが
やって来ました
「おはよう、親方
定休日なのに
市場へ行って来たの?」
「そうだよ
明日は
市場が休みだからね」
「そうなんだぁ
っていうか
今年になってから
火曜日休みが
増えてね?」
「元々、月1か2で
火曜日休みはあったんだけど
今年から増えたからね」
「そうなんだぁ
休めないから
たいへんじゃん」
「これまでにも
月曜日に市場へ行くのは
普通にあったから
それほどでもないよ」
「ふぅ~ん
で、今日は
スッポンの仕込みもあるの?」
「すっぽんのコースに使うから
明日だよ」
「じゃ、ブリだけ?」
「そうそう
コース料理の西京焼用に
仕込むよ」
「そんなら
脂の有る無しが
大事じゃね?」
「そうだよ」
「卸す前に
脂の有る無しって
わかるものなの?」
「そりゃ~
卸すまでは
実際のところは
わかんないから
見た目で判断するしか
ないんだよ」
「活きてはいないし
サカナ語が
話せるわけないだろうし・・・
どうやって?」
「じゃ、今朝の市場で
仕入れた様子を話すよ」
「わぁ~い♬」
「本当は
どんどん終わらせたいんだけど・・・」
「何か言った?(笑)」
ということで
時計の針を
魚市場時間に戻します
今朝の沼津魚市場です
ここから
ここまで
鰤が並んでいました
鰤の産地は
以下の通りです
①三重産(その1)
②三重産(その2)
③長崎産
④島根産
⑤静岡・焼津産
⑥和歌山産
以上、6つの産地の
鰤が入荷していました
選ぶにあたって
重視すべきは
先ずは鮮度です
昨日の売残りもあれば
浜(産地)で
止まっていたものもあります
これは
少なくとも
一昨日の朝刊レベルです
これなどは
血が赤いので
問題ありません
えらの色も
鮮度を見分けるための
ポイントです
肝心の脂の有無は
肥えている
つまり、太っているかどうかに
かかっています
頭の大きさに対して
胴体の比率で見るのですが
確証度は
6~70%
青物系と呼ばれている
鰤などは
下半身の丸みを見れば
おおよその判断がつきます
肛門から下が細いと
エネルギー使いすぎてて
脂が薄いからです
その中で白羽の矢が立ったのが
焼津産でした
活〆にされているので
切り口を見た時点で
脂有りは
ほぼ確定
そして選んだのが
こちらの11,3キロ
「この流れで
仕入れて来たんだよ」
「そうなんだぁ~
早く卸してよ」
「まぁ、慌てなさんな」
鰤のように
鱗(うろこ)が細かい魚は
包丁を使って
鱗を取り除き
この方法を
すき引きと呼んでいます
頭を落とすと
乳白色の身をしており
脂有りは
決定です
「こうやって見ると
確かに丸いね」
「さっき言ってたことって
大体、合っているでしょ?」
「うんうん」
腹骨を欠き
背と腹に分け
背の尾に近い部分も
しっかり脂が
乗っています
腹
背と
部位ごとに分け
切身にしました
腹の部分でも
いわゆる大トロだけは
別にしてあり
これを召し上がれるのは
限定2名様です
また、頭や尾に近い部分は
お弁当用に
「親方、これは?」
「これは
●¥☆と※◇♠用のお弁当用で
照焼にするみたいだよ」
「ぶり照り弁当!?
んまそぉ~」
●¥☆と※◇♠ とは
二人の娘達です
部位ごとに
入数(いりすう)を書き
有機JAS認証済の
西京味噌をベースにした
お手製の西京味噌と共に
真空パックし
冷蔵庫へ
「焼き上がりが楽しみだね
今日のブリの話って
他の魚にも
当てはまるものなの?」
「大体ね
魚の大きさ、形にもよるけど
身の厚みとか
幅とかも
基準だね」
「ふぅ~ん」
「実物を仕入れた時にでも
また、話してあげるよ」
「わぁ~い
楽しみだなぁ」
秋の北海道を皮切りに
鰤の産地は
各地を転々とし
そろそろ終わりが近づいて来ました
例年、5月半ばくらいまでは
良いものが入荷するのですが
状態を見極めながら
仕入れ出来るよう
心して
魚の前に立ちます
「明日は
すっぽんを卸すんだね
そんじゃ、また」
by ふぐとらちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
打ち身だけでなく、身割れしていた【西京漬】用の銀鱈(ぎんだら)
これまでに
何本卸したかは不明の銀鱈ですが
こういう銀鱈に出くわすと
凹みます
Vol.4330(3月17日)
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
「親方、昨日の銀鱈は
ちょっとヤバかったよね」
と、ふぐとらちゃん
「そうだよ
あういうのは
かなり焦るよ」
と、答えました
銀鱈とは
【西京漬】に仕込んだ銀鱈のことで
昨日は
鯖(さば)も仕込みました
銀鱈は
前日のうちに
冷凍庫から出しておき
自然解凍しておきます
「冷凍ものを
流水で解凍するって
よく聞くけど
それって、どうなの?」
「最悪だね
水に浸けておけば
味はどんどん抜けちゃうからね」
「ヤバっ
親方が言う通りだよね」
完全に解凍したら
鱗(うろこ)を取ります
その役目は
ほぼほぼ
女将兼愛妻(!?)の真由美さんです
ひれ際(ぎわ)などにも
残っているので
包丁を使って
取り除きます
鱗は生臭さの原因になるからで
これは
銀鱈に限ったことではありません
魚=生臭い
という意味不明な等式がありますが
それは
いい加減な下処理をした
ということに過ぎないのです
腹を裂き
水洗いを終えたら
三枚に卸します
片身を卸したら
尾の先端に串を打ち
中骨と共に
試し焼きをします
試し焼きをするのは
銀鱈の中には
ジェリーミート(ゼリーミート)
と呼ばれる身質のものがあるからです
ジェリーミートとは
加熱すると
身が溶けて流れてしまう現象のことで
銀鱈以外の魚でも
見られます
この“儀式”が終わるまでは
銀鱈は待機しなくてはなりません
4本全てクリアしたら
切身にしていきます
この片身を見た時
ただの打身(うちみ)
と思っていました
ちなみに、打身とは
泳いでいる時に
何かしらに触れた際に
生じた内出血した部分です
腹骨を欠くと
万事休す
頭から一番いい部
身割れしていたのです
しかも、上身(うわみ)でした
上身とは
頭を左にして
上になる身で
切身にした場合
身割れしにくいので
コース料理やランチメニューの
西京焼に使うことが多いのです
「結構ひどいね」
これが、冒頭でもお話しした
ヤバかった部分なのです
血の塊のような部分ですので
焼くと変色するだけでなく
味も血生臭いにので
使うことは出来ません
おおよその目星を付け
包丁しても
まだ打身の部分が
残っていました
最後の一太刀で
打身と
訣別(けつべつ)
ここからは
普通に切身にしていきました
切身にしたら
脱水シートに挟みます
「この切身は
少し小さい感じでも
きれいに揃っているけど・・・?」
「この切身は
バージョンアップした
ランチの西京焼に使うからだよ」
「このことが
さっき言ってたことなんだね」
「そういうこと」
「バージョンアップした
ランチの西京焼で
一番人気は、どれなの?」
「オーソドックスの鯖(さば)だけど
西京焼=銀鱈って
思う人も多いみたいで
銀鱈と鰤(ぶり)が
2位の座を争っているね」
「じゃ、サーモンは?」
サーモンは刺身の
イメージが強いみたいで
4種類の中では
頭半分リードされているね」
「へぇ~」
ちなみに、ランチメニューは
「で、打身の切身は
どうするの?」
「背のきれいな部分を
包丁して
お弁当用の切身にしたよ」
「とりあえずは
良かったじゃん」
「とりあえずは
・・・・・ね」
この後
鯖も【西京漬】用に
上(かみ)と下(しも)に
包丁して
銀鱈と共に
脱水シートに挟み
冷蔵庫へ
打身の部分や
切落としは
身と
皮に分け
皮は中骨と共に
出汁を取るため
焼いておきました
身は、再生用に
真空パックして
冷凍庫へ
今更ですが
銀鱈に限らず
どんな魚でも
最後まで使い切るのが
自分流です
命ある食材を無駄にしないのは
料理人としては
基本中の基本であるのは
言うまでもありません
それだけでなく
魚を獲って来てくれる
漁師のことを思うのは
料理人として
非常に大事なことです
何度もお話ししているように
料理人は
農林水産業つまり
一次産業の代弁者でなくてはなりません
そこが出来てこそ
一端(いっぱし)の料理人です
そこを目指すための
努力を怠るわけにはいきません
「銀鱈多めの【西京漬】じゃん
そんじゃ、また」
by ミニふぐちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
カウンターでの【特別会席】は、刺身と天ぷらメイン
Vol.4329
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(3月16日)は
天ぷらと刺身メインの
コース料理についてお話しします
「親方、これって
もしかして
今日のお昼とか・・・?」
と、熱血君
「そうだよ
今夜のカウンターの天ぷらの
クオリティチェックだけど
どうして?」
と言うと
「どうもこうも
ズルくね?」
と、予想通りのリアクション
「自分はいいんだけど
真由美さんも味見しないと
お客さんとの会話が
スムーズにいかないじゃん」
真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです
「確かに
そうだけど
やっぱ、んまそ~」
クオリティチェックが済んだら
というより
堪能したら
御席の準備をし
休憩を取ることにしました
「ひとまず
お疲れ様~♬」
休憩後
「これが
今夜の天ぷらになるんだ~」
と、熱血君がやって来ました
「そうだよ
全部で9種類」
「多くね?」
「多いような気がするだろけど
お客さんのペースを見ながら
揚げていくから
意外と食べれちゃうんだよ」
「そういうもんなんだ~」
「これだけじゃないし
刺身をつまみながら
食べてもらうからね」
「昨日、そう言ってたもんね」
昨日とありますが
その後、刺身が出来たら
お客様のご来店を
待つばかりとなりました
「こういう時って
ふぐ刺もあるけど
今夜はないよね?」
「うちの看板だから
用意するんだけど
『今夜はパス』 by 常連さん
にしたんだよ」
「へぇ~」
「さらにさらに
『普段、あんまり出さないような
魚があると嬉しい』
のリクエスト付き」
「そうなんだぁ~
常連さんが来る前に
説明してよ」
「かしこまりました!」
①眼仁奈(めじな 静岡県沼津産)
沼津では
クシロと呼ばれています
②酢蛸(すだこ)
普段とは趣を変えるため
お出ししました
③鰖(たかべ 沼津産)
脂が乗っているだけでなく
皮も硬めなので
炙ることで
鰖の美味しさが増します
④湯葉
箸休め的に・・・
⑤ひがんふぐ(南伊豆産)
1本が300グラム程度の
小さなふぐですので
身皮(みかわ)を炙り
やや厚めに引き
所謂(いわゆる)ふぐ刺には無い
味わいを楽しむことが出来ます
⑥黒鯛(くろだい 沼津産)
⑦蛸(たこ 愛知産)
⑧真鰯(まいわし 鳥取県産)
酢で締めてあります
準備が整い
お客さんが見えたら
コースの始まり始まり~
◆先付(さきづけ)
芹(せり)のお浸し
◆蒸し物
蟹真丈(かにしんじょう)錦糸蒸し
生クリームが入っているので
ふんわりとした食感です
◆刺身の八種盛
◆天ぷら
器に天紙を敷き
大根おろしを添えたら
粗塩(あらじお)
天つゆをお出ししたら
天ぷらのスタートです
実は
天つゆをお出しする前に
熱血君が
こんなことを訊いてきました
「ちょっと待って~
塩と天つゆって
どっちがオススメなの?」
「そりゃ、好みだけど
自分は天つゆ一択」
「どうしてなの?」
「先ず、出汁と調味料を合わせることで
天つゆ自体が
料理になるからだよ
出汁っていう素材を
料理に変えるのが
調味料だから
天つゆ一択」
「ほぉ~」
「出汁は、その店ごとに
違いがあるからね
「このブログにも
書いてある通りだね」
「そうだよ
あと、天つゆにくぐらせると
油が落ちるから
食べやすいしね
そのものを味わうのなら
何もつけないで
そのままが一番だよ」
「そっかぁ
そういう食べ方が
いいんだね」
「少なくとも
自分はそうやって
食べるね」
「なるほど~」
「じゃあ、揚げ始めるよ」
「ほぉ~い♬」
①牡蛎
牡蛎の揚物と言えば
牡蛎フライですが
天ぷらの方が
牡蛎特有の香りと旨味を味わます
もっと言うと
牡蛎フライ好きの方に召し上がって頂き
牡蛎の揚物=天ぷら
に鞍替えして欲しい
限りでなりません
②マッシュルーム
露地ものの
原木椎茸(げんぼくしいたけ)が
収穫出来ない
この時季でも
時季の椎茸と
遜色ありません
ちなみに
原木の椎茸の時季は
3月半ば~5月
10月下旬~11月
の年2回です
③蓮根
個人的に
野菜類の中で
一番好きな天種(てんたね)です
④鮑(あわび)
鮑の天ぷらは
塩でも天つゆでもなく
肝醤油一択
肝を蒸してから
裏漉し
醤油などで
味を調えてあります
King of 鮑料理と
自分は呼んでおり
今回は韓国産の養殖でしたが
国産の天然の大きいものは
悶絶級の美味しさです
⑤新玉ねぎ
ジューシーな美味しさが
たまりません
⑥稚鮎(ちあゆ)
春の天種の代表格で
ほろ苦さが
一興です
⑦空豆(そらまめ)
さやから外したら
薄皮も取り除いています
空豆に限らず
豆類には
天ぷらにして美味しいものが多く
露地ものの
スナップえんどうの美味しさは
何とも言えません
家庭菜園でも
作られている方も多く
もうじきすると
収穫出来るので
是非やって欲しい食べ方です
⑧鰖(たかべ)
70グラム程度ですが
骨が硬いので
血合い骨を抜いてあります
刺身の時にもお話ししたように
脂があるので
揚げることで
フワフワ感が増します
⑨アスパラガス
かなり太目の佐賀県産ですが
4月の終わりから
5月の半ばくらいまでの間に出回る
途中
⑤新玉ねぎと
⑥稚鮎の間にお出ししたのが
鰤(ぶり)の西京焼でした
看板の西京焼ですが
今日の献立では
脇役に甘んじた次第です
普段のコースなら
食事(ごはんもの)で締めるのですが
当初からのご要望で
ありません
ただ、〆として
浅蜊(あさり)の味噌汁をお出ししました
そして、最後が
シャンマスカットのアイスです
ご予約を頂いた時
この時季なので
山菜類を考えたのですが
あいにく、露地物が無かったので
使いませんでした
栽培ものは
1月ぐらいでも
入荷していますが
天然ものの風味
食感を考えると
パスせざるを得ません
季節を味わうこそが
日本料理の醍醐味ですので
そのためには
妥協は不要です
今日のように
天ぷらのコースは
カウンターのみでのご用意となっております
また、献立も
【特別会席】同様
お客様のご予算
ご要望次第です
天ぷらは
特別な仕込みは少ないものの
その代わりに
仕入れに注力しなくてはなりません
また、カウンターでの
マンツーマンでの
お仕度になります
そのため
お早目のご予約を
お願いしております
詳細については
お気軽にお問い合わせ下さい
「今日仕込んだ【西京漬】の銀鱈には
ちょっと焦ったよ
そんじゃ、また明日」
by ふぐとらちゃん
カウンターの天ぷらコース用の魚介類の仕入れ
Vol.4328
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(3月15日)は
明日の天ぷらと刺身メイン
のコースの仕入れ
についてお話しします
「おはよう、親方
今日の仕入れは
細々(こまごま)しているけど・・・」
と、熱血君
「おはよう
そうなんだよ
明日の夜
天ぷらと刺身メインの
予約をもらっているから」
と、伝えると
「天ぷらってことは
カウンターで用意するの?」
「そうだよ」
「わぁ~、いいなぁ
どんな仕入れか気になるよ」
「今から話してあげるから
お待ち下さいませ(笑)」
「はぁ~い♬」
今日の仕入れは
明日のコースのものが中心でした
天ぷら用と刺身用に分けて
お話しします
今更ですが
全て、沼津魚市場で
仕入れて来たものです
先ずは天ぷらから
~天ぷら~
①鮑(あわび)
韓国産の養殖で
ここ数年で
国産の天然ものは
激減しています
仕入れたのは
50グラムサイズのものです
②稚鮎(ちあゆ)
琵琶湖産で
春先の天種(てんだね)の定番です
③牡蛎(かき)
広島産
加熱調理用とありますが
鮮度が落ちているから
加熱用ではありません
加熱用と生食用の違いは
養殖海域の違いです
また、生食用は
減菌のため
出荷の前に洗浄してあります
なので、加熱用よりも
味が落ちてしまうのです
なので
牡蛎は加熱したものが
断然美味しく食べるに限ります
④鰖(たかべ)
今朝、沼津市西浦の定置網で
水揚げされた地物です
いわゆる朝獲れですので
鮮度バリバリ
水揚げ直後なので
死後硬直前
大きくなっても
20~25センチ程度ですが
小さくても
脂の乗りが
良いのが特徴です
油で揚げるから
脂の有無は
関係ないように思われますが
脂があるほど
食べた時の食感が
フワフワします
~刺身用~
①黒鯛(くろだい)
地物の活魚で
市場で締めたものです
この時季の黒鯛は
産卵前で
最も脂が乗っており
それこそ
今が旬
②ひがんふぐ
南伊豆産のもので
黒鯛と同じく
活魚を締めて
持ち帰って来ました
漢字で書くと
彼岸河豚となるように
この時季、入荷が多くなります
明日のコースでお出しするのですが
今日のひがんふぐは
あえて使いません
というのも
明日の時点では
身が締まり過ぎているので
美味しくないからで
明日お出しするのは
月曜日に仕入れたもので
「そんなわけで
こんな仕入れだったんだよ」
「へぇ~
天ぷらの定番の
海老とかは出さないの?」
「出さないよ
ブログを読んでくれている常連さんだし
出来るだけ
変わったものを出してあげたいしね
ただ、牡蛎は
お客さんからのリクエストだよ」
「牡蛎の天ぷらって
あんまり聞かないけど・・・」
「牡蛎の揚物って
フライが一般的だけど
天ぷらにした方が
牡蛎感が残るし
フライよりも
オススメだよ」
「んまそう~」
「前に来た時に
そんな話をしたから
今回のリクエスト」
「ふぅ~ん
明日が楽しみだなぁ~」
「乞うご期待!」
ということで、
明日は、天ぷら&刺身のコースについて
お話しします
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が
投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
眼仁奈(めじな)の薄造りと真鰯(まいわし)の天ぷら
Vol.4327
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(3月14日)は
眼仁奈(めじな)の薄造りと
真鰯(まいわし)の天ぷら
についてお話しします
「おはよう、親方
マイワシは分かるんだけど
この大きい黒い魚の名前は?」
と、ミニふぐちゃん
「おはよう
そう言えば
初めて仕入れて来たかも
それなら分かんないよね
名前って言えば
これ知ってる?」
「何、この黒いのは?」
「レコードだけど・・・」
「知らない」
「そっかぁ~
さっきの画像だけど
クリックかタップしてくれる?」
「あはは・・・
何これ~
もろに昭和って感じだけど」
「自分の生まれる前のだけどね」
「そんなことより
名前を教えてよ~」
こんなやり取りをしていると
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが
鱗(うろこ)を取り始めてくれました
「おはよう、真由美さん♬
この魚のお名前、なんて~の?」
「さっきの曲の歌詞が
うつったの?」
「ヤバッ、何度も見ていたら
うつっちゃったよ」
「ミニふぐちゃん、笑える~
知らなくて
訊いたら
メジナって言ってたよ」
//
そうなのぉ、親方
\\
「そうだよ
眼仁奈(めじな)」
「へぇ~」
「ただ、沼津辺りだと
クシロって言うんだけど
西の方では
グレって呼んでいるよ」
「ふぅ~ん」
「あと、黒メジナっていうのも
いるよ」
「そうなんだぁ~」
「ただ、沼津は
区別していないかもね」
「かもって?」
「見たことはあるけど
そこまで
気にしていなかったんだよ」
「親方でも
そういうことあるんだぁ」
「そんなの沢山あるよ
特に、沼津は
漁港が一緒だからね」
「また、メジナみたいのを
仕入れて来てよ」
「そうだね
じゃあ、このメジナと一緒に
入っていた魚は?」
「そりゃ分かるよ
イワシっていうか
マイワシね
【鰯の丸煮】に仕込む魚でしょ?」
「そうだよ」
【鰯の丸煮】
眼仁奈の下処理は
普通の魚同様
鱗を取り
水洗いまでしたら
三枚に卸し
皮を引きます
「白身で
皮目の模様が
薄いピンクできれいだね」
「脂も軽く乗っているから
いい感じだよ」
「刺身にするの?」
「刺身は刺身でも
身が活きているから
薄造りにして
お昼の会席料理の刺身で
出すんだよ」
「んまそう~
会席料理って言ってたけど
ランチメニューとは違うの?」
「夜の会席料理(4,400)と
同じような感じ
そろそろ見えるから
準備するよ」
「はぁ~い」
ランチの営業が始まるまでに
真鰯の下処理も
終えることが出来
尾びれがついているものは
三枚に卸してから
酢締めにしました
この時季ですので
脂も十分に乗っています
卸し身のうち
酢締めにしなかったものは
眼仁奈の薄造り同様
天ぷらにして
眼仁奈の薄造り同様
会席料理の揚物として
お出ししました
水洗いを終えた真鰯は
クッキングシートを敷いた鍋に並べ
水と酢を注ぎ
火に掛けたら
【鰯の丸煮】の仕込みが
ようやくスタート
仕込みの目途もついたので
昼ごはんを食べることにし
おかずは天ぷらで
天種は、真鰯
蓮根、大葉です
「んまそう~
脂がある魚を
揚げると
どうなの? 」
「どうもこうも
脂が乗っていると
フワフワで
たまんないの何の」
「いいなぁ~
薄造りと天ぷらを出した会席料理って
仕込みをしている最中に
予約が入ったみたいだけど・・・」
「そうだよ
でも、メジナと真鰯を仕入れたお陰で
献立を差し替えることが出来て
良かったよ」
「そうなんだぁ~
親方みたいに
自分で市場に行っているから
こういうことも
出来んじゃね?」
「まぁね
ただ、行き当たりばったり
みたいな感じだけどね(笑)」
そここそが
魚市場に行っている
メリットです
さらに言うと
眼仁奈のように
未体験の魚を
仕入れることが出来る
沼津魚市場は
仕入れ先であるのと同時に
学びの場なのです
学びの場であるということは
料理人たるもの
生涯勉強と考えている自分にとっては
勉強の余地が大いにあります
そして、新鮮な魚を仕入れるのと同様
新たな知識、経験を
得ることが出来るのです
「今夜のふぐ刺も
んまそう~
そんじゃ、また明日」
by 熱血君
新しい営業許可証は、飲食店営業と水産製品製造業
Vol.4326
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(3月13日)は
新しい営業許可証について
お話しします
「ねぇねぇ、親方
今日は保健所に
行くんでしょ?」
と、ふぐとらちゃん
「そうだよ
だから、1時で
ランチの営業を
終わりにするんだよ」
と、言いました
「営業許可証なんちゃら
って書いてあるけど・・・」
「営業許可証の更新をして
講習を受けるんだよ
はぁ~
睡魔との戦いだから
滅入るね」
「そうだよね
御飯の時と
パソコンをいじる以外は
座ることないもんね」
「パソコンをいじっていても
寝落ちするくらいだよ
それでも
今朝は市場へ行かなかったから
大丈夫だと思うけどね・・・」
「季凛の許可証って
2枚あるけど
どういうことなの?」
「一枚が
飲食店営業(食堂)で
もう一枚が
そうざい製造業だよ
富士保健所長と県知事って
書いてあるように
そうざい製造業は
県の管轄なんだよ」
「へぇ~
でも、どうして
そうざい製造の許可証があるの?」
「うちの※【鰯の丸煮】って
そうざい製造の許可が無いと
店だけでなく
ネットでも
売ることが出来ないんだよ」
【鰯の丸煮】
「そうなんだぁ~
でも、2枚あるってことは
二刀流じゃん!
大谷といい勝負じゃね(笑)」
「いい勝負どころか
比べる土俵が違い過ぎだよ」
「冗談、冗談」
「実はさぁ
そうざいの許可なしで
売っていたら
レッドカードを出されて
始末書を書いたんだよ」
「え゛~っ
ヤバいじゃん!」
「無免許運転だからね~
だから、そうざいの許可を
取るまでの一か月くらい
停学状態だったんだよ」
「そうなんだぁ~
じゃあ、オンラインショップの
ボスキャラの※【西京漬】は
問題なかったの?」
※【西京漬】
「こっちは平気だったよ
それからは
新商品を販売する時は
必ず保健所に行って
原材料、仕込み方を説明して
判断してもらうようにしているよ」
「そうなんだぁ
お店の許可証だけで
出来るものじゃないんだね」
「そうだよ
保健所の許可証にある業種は
約30なんだけど
それぞれに施設の
基準がバラバラだから
簡単じゃないんだよ」
「30!
すごいね」
「ただ、何年か前に
食品衛生法が改正されて
新しい業種があったり
区分けが変わったんだよ」
「今度も同じ
業種になるの?」
「いや、今度は
飲食店営業と
水産加工品なんちゃらになるんだよ」
「そのなんちゃらって?」
「新しいのだから
よく覚えていないけど
水産物で作ったもの全部に
適用されるんだよ」
「ってことは
【西京漬】も?」
「そういうこと
例えば、唐墨(からすみ)を
作って売る場合にも
許可が必要になるんだよ」
「前の親方みたいに
知らない人
多いんじゃね?
「多いはずだよ
何かのきっかけで
保健所が来たりした時に
言われて
自分みたいになるかもしれないね」
「じゃあ、注意が必要だね」
「そうだね
ランチの営業が終わったら
行って来るよ」
「気を付けて
いってらっしゃ~い」
富士保健所がある
総合庁舎に着き
受付を済ませたら
睡魔との戦いが
刻々と・・・
席には
テキスト
程なくすると
講師の方がやって来て
講習のスタートです
ビデオを見たり
テキストを見ての講習です。
食品衛生の中で
一番大事なところですので
食中毒の箇所だけは
目を開いて
耳の穴をかっぽじって
聞かない訳にはいきません
時々、睡魔に
押し切られそうになったものの
無事に講習が終わり
新しい許可証を
GET!
こちらが
従来通りの飲食店営業で
この度の改正で
食堂という文言がありません
もう一つの許可証が
水産製品製造業です
『佳肴 季凛』に戻ると
「親方、お帰り~♬
どうだった?」
「どうってことはないど
これが新しい許可証」
「今度のは
緑の県章だね」
「オレンジのは
かなり前からだったような
気がするから
完全なイメチェンだね
まぁ、オレンジって
県の色みたいなもんだし」
「そうだったんだぁ~
水産製品なんちゃらがあると
どうなるの?」
「うちは問題ないけど
【西京漬】も
この許可証の範疇(はんちゅう)に
入ったんだよ」
「じゃ、他のお店が
【西京漬】とか【鰯の丸煮】
みたいなものを売ろうと思ったら
許可が必要なんだね」
「そういうことだよ
ともかく
魚を使ったものを売る時の
マストだね
ちなみに、この許可証があれば
いわゆる魚屋さんと
同じようなことが出来るんだよ」
「飲食店と
水産製品製造業があれば
ただの二刀流じゃないじゃん
大谷に勝ったね!」
「ちょっと違うようだけど・・・」
今度の更新は
令和11年になっていますが
和暦だけでなく
西暦も併記して
分かりやすくして欲しいものです
新しい許可証をセットし
新たな気持ちで
仕事に臨みます
「♬咲いた 咲いたぁ~
チューリップの花が・・・
そんじゃ、また」
by ミニふぐちゃん
ホールも個室も、アレンジメニュー
Vol.4325
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(3月12日)は
についてお話しします
「おはよう、真由美さん
今日のお昼は
ホールも
個室も
予約が入っているから
たいへんでしょ?」
と、熱血君
「熱血君、おはよう♬
人数的には
そうでもないんだけどね
たださぁ、バスのお客さんが
早まった場合
そん時が心配なんだよね」
と、女将兼愛妻(!?)の真由美さん
「でも、一番たいへんなのは
親方でしょ?」
「そうだよ
今日は、両方共
西京焼を出すからね」
「じゃあ、一番たいへんなのは
親方じゃね?」
「そうだね」
//
親方~
そうなの?
\\
「そうだよ
予約の時間は
1時間ずれているから
いいんだけど
重なった場合
かなりハードだし・・・
こればかりは
何とも言えないからね」
「献立を見たけど
同じのが
少ないから
これもたいへんじゃね?」
「まぁね
重ならないよう
祈っていて」
「はぁ~い♬」
・・・・・・・・
そして、数時間後
無事に見送りと終えると
\\ ありがとうございました //
「お疲れ様~♬
無事に終わって良かったね
今日は見ていて
ドキハラだったよ」
「ドキハラって?」
「ドキドキハラハラのことだよ」
「あっ、そっ
見ていただけの人は
いいねぇ~(笑)」
「・・・・・
いやぁ、そのぉ~
で、今日の献立を
話してよ
バタバタだったから」
「はいよ」
ということで
今日の献立が
こちらです
左側が
個室のランチの御席で
右側が
ホールのバスの御席です
~ランチの献立~
◆先付
グリンピース豆腐
◆揚物
海老の彩り揚げ
◆小鍋
浅蜊(あさり)と野菜の小鍋仕立て
◆焼物
鯖(さば)の西京焼
◆刺身
葉血引(はちびき)
◆蒸し物
蟹しんじょう錦糸蒸し
◆食事
白御飯
白ごはんなので
蒸し器で温め
熱々の状態です
◆デザート
シャインマスカットのアイス
◆食後の飲物
ホットコーヒー
~バスツアーの献立~
◆先付①
グリンピース豆腐
◆先付②
サラダきしめん
◆小鍋
もずくと野菜の小鍋仕立て
◆刺身
葉血引(はちびき)
◆焼物
鰤(ぶり)の西京焼
◆蒸し物
鰯つみれ錦糸蒸し
◆デザート
シャインマスカットのアイス
以上、このような献立でした
//
親方、ちょっと待った~
\\
「大きい声で
どうしたの?」
「個室のお客さんのところには
チビッ子もいたから
お子様料理を出したじゃん!」
「そうだっね
忘れてたよ」
今日のように
ご予算、ご要望に応じて
可能な限り
対応させて頂きますので
お気軽にお問い合わせ下さい
「明日は
保健所でお勉強なんだぁ
頑張ってね」
by ふぐとらちゃん