血抜き済、神経締めゆえに、自分史上最高の鰹(かつお)
魚は締め方次第で
鮮度と美味しさを
保つことが出来ます
そんな鰹(かつお)を
仕入れてみました
2024年7月15日
Vol.4448

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ふぐとらちゃんが
やってきました

「おはよう、親方
定休日の仕入れ
お疲れ様~♬」
「おはよう
どうどう、この鰹?」
と、言うと
「カツオ命だからって
そんなに
はしゃがなくても
いいんじゃね?」

「そうじゃなくて
よく見てごらん」

「顔のところに
針金みたいなのが
刺さっているけど・・・」
「それそれ!
それが
今日の鰹の
最大の特徴にして
最高の証なんだよ」
「テンション上げ上げで
舞い上がるのは
よく分かるんだけど
落ち着いて
説明してよ」
「そうだね
鰹命だから
その辺は許してよ
とりあえず
話す前に
深呼吸させてよ」
今朝の沼津魚市場の
入船状況です

キワというのは
黄肌鮪(きはだまぐろ)
のことで
小キワは
黄肌鮪よりも
小さめのサイズで
キメとは
幼魚の
黄目近(きめじ)
のことです
漁師によって
量こそ違いますが
1,5トン、2,0トン
1,3トン
500キロ、400キロ
と、合計5,7トン
誠丸(まことまる)を
除いて
全て、伊豆下田・須崎の
漁船です
ブルーシートが
敷かれたら

クーラーボックスで
持って来た漁師もいれば

漁船で

持って来た漁師もいます

マグロ船に限らず
車で来る場合は
魚が少ない時です
反対に魚が多い時は
船で来るのですが
その場合
燃料費がかさむのが
悩みの種と
聞いたことがあり
その差には
驚いてしまいました
その後

順番に

黄肌鮪が
並べられていきました

その中にあったのが

誠丸(まことまる)
という漁船の
黄肌鮪です
誠丸が
伊豆半島を含む
沼津近隣の
漁船ではないことは
知っていましたし
静岡県内の
焼津や御前崎方面の
船だと思っていました
また、今日の今日まで
地頭方港の漁船
ということは
知りませんでした
ところで
地頭方って
読めます?
はい、自分は
読めませんでした
じとうがた
と、読みます
地頭方は
静岡県中部の
牧之原市の地名です
その由来は
11世紀後半から
16世紀の
下地中分(したじちゅうぶん)に
由来しているとのこと
世界史選択でしたので
それこそ
わけわかめ・・・
気になる方は
ご自身で
お調べください
黄肌鮪の外道として
水揚げされたのが
鰹です

その中から
自分が選んだのが
2,5キロのものでした


「そういうことね
でもさぁ
このカツオって
顔の針金以外も
変だけど・・・」

「これでしょ

えらも

はらわたも
抜いてあるからね」
「そうだよ
これって
かなりの手間じゃね?」
「キハダが本命だから
ここまでしなくても
いいんだけど
こうすれば
身の良い状態が
続くからね
ただ、えらも
はらわたも抜くと
手間もかかるし
目方が減るから
やらない漁師も
多いんだよ
量が少なければ
出来ても
多ければ
出来ないから
その辺は
難しいよね」
「そうなんだぁ」
「ただ、こういう手間が
ブランド化に
繋がるんだよね

ほら」
「何だか呪文みたいに
長いけど・・・」
「上からいくよ
★船上神経〆、脱血
(せんじょうしんけいじめ
だっけつ)
★殺菌水仕様
(さっきんすいしよう)
★冷し込み塩分濃度管理
(ひやしこみ
えんぶんのうどかんり)
平仮名を抜くと
船上神経〆、脱血
殺菌水仕様
冷込塩分濃度管理
漢文そのものだよ」
「っていうか
読むのが、面倒じゃん!」
水洗いを終え

半身だけ
卸しました

血だけでなく
神経も抜いてあるので
身の色は
それこそ、ザ・鰹にして
鮮やかな赤です
背と腹に分けたら

皮に包丁目を入れたら
バーナーでFIRE

炙ったら
粗熱を取るため
すぐに返し
このまま冷蔵庫へ

骨付の片身は
中骨の血を取りました

盛箸(もりばし)を
中骨に刺したら

身を傷つけないよう
裂いたら

骨抜きを使って
血の塊を
取り除きました
取り除くいたのが
こちらです

その後
キッチンペーパーで包み
冷蔵庫へ
頭などのあらは
焼いてから
出汁を取るため

今朝仕入れた鯵(あじ)も
一緒で

鯵は
東伊豆産のものです

「ここまでの
下処理をしたら
カツオちゃんも
嬉しいんじゃね?」
「そりゃ、そうでしょ
命あるものは
粗末には出来ないし
鰹を獲って来てくれた
漁師の手間を思えば
いい加減な仕事は出来ないよ
丁寧な仕事には
丁寧な仕込みで
応えるのが
料理人の務めだからね」
「それこそ
親方がよく言っている
『料理人は
漁師の代弁者に
ならなきゃならない』
ってことじゃん」
「そうだよ
よ~く、お分かりで・・・
あざ~っす♬」
炙った片身は
血合いを外し
刺身にしました

「休みってことは
おかず?」

「ちょっとした
お遣い物だよ

こっちが
おか
ず・・・♬」

「ザ・かつお的な
真っ赤な色だけど
まさか
加工処理した画像
じゃないよね?」
「そんなこと
するわけないじゃん
切り付けて
空気に触れると
色が出たんだよ
水揚げした時の
下処理が良いから
こうなるんだよ
まぁ、下処理も味も
完璧だから
自分史上
最高の鰹かもね」
「そこまでとは
恐れ入ったよ
それにしても
んまそう~」
言うまでもなく
完璧な味で
でした
今日の時点で
自分史上最高でしたが
この程度で
満足するわけには
いきませんし
そのためにも
魚市場に通うのです

「休みでも
お中元の時季だから
『西京漬』を発送するんだね
そんじゃ、また明日」
by ミニふぐちゃん コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
突然のメールをすいません。広島市で小さな魚料理を主に扱う杉本といいます。お客様でカツオ大好きな方が多くて、瀬戸内はもともと白身文化なので、つまらない数を出してもリピーターにならない、ましてや2キロ台の小さなものを仕入れてしまうと、ゴリがあったりして困ってしまいます。ブログを読ませていただいて、神経抜きの5キロ台とかが仕入れることができればいいだろうなぁと思いました。
よろしかったら、そちらの仕入れの中卸しさんを教えていただいたらありがたいんですけども。またその仲卸さんがSNSなんかをやってらっしゃったらそれも教えていただければありがたいです。突然のご質問大変御無礼いたしました。よろしくお願いいたします。
杉本様
投稿時のアドレスに、メールしたので、ご確認下さい♬
ありがとうございます。メールが届いておらず、もしかしたら私が間違えてアドレスを入れてしまったのかもしれません。再度アドレスを載せますので、大変お手数ですが、再送していただいてもよろしいでしょうか。
杉本様
6日・12時頃、メールしました。
届いていないようでしたら
0545724911(店)まで、お電話下さい。
宜しくお願いします。