Making of 『みんなのニュース』
前回、フジテレビ系列のニュース番組『みんなのニュース』で、ハイブリッドふぐについて取上げられたことを、お話ししましたが、今日は、その取材と撮影についてのお話しですが、そのイントロについては、16日(土)にお話ししております。
お話し出来なかったのは、放送前ということで、極秘だったからです。
その日は、
ランチの営業をお休みさせて頂いたのですが、仕込みや夜の営業の準備を終えたら、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
撮影用にテーブルを、きれいにしてくれていました。
一方の自分は、
撮影用のふぐちりを盛り付け、取材陣の到着を待つばかりとなりました。
台風の悪天候と三連休の渋滞があったものの、
時間よりも少し早めに到着し、
道具類を、
店内に運びこみ、
テーブル周辺に、準備を始めました。
取材ということで、記者の方の腕には、
フジテレビのロゴが書いてある腕章がしてあり、取材と撮影の段取りについて、説明を受け終えた頃には、
準備も終わっていました。
最初に、料理から撮影するということで、
盛り付けた状態のふぐちりを撮りました。
その後、ふぐ刺を引く様子と唐揚げを揚げる様子を撮影し、出来上がったら、
テーブルで、
配置を考えていました。
その間に、ふぐちりを火に掛け、
八分程度、出来上がったら、
テーブル席へ。
そして、料理を様々な角度から撮影し終えたら、記者による“食レポ”が、
始まりましたが、この日のふぐは、三重県熊野灘産の天然のとらふぐでしたので、「三重県熊野灘産の活締め天然とらふぐを、味合わせて頂きます♬」と、ニコニコ顔で、箸をつけ始めました。
料理の撮影が終わったら、
メインテーマであるハイブリッドふぐについて、自分がインタビューを受けるため、カウンター前に、機材が運ばれて来ました。
インタビューは、ハイブリッドふぐに関するものが、殆どでしたが、ふぐについてのことですので、まさに立て板に水で、否が応でも、饒舌にならざるを得ませんでした。
撮影の緊張感は全くないどころか、ふぐだけでなく、日本料理全体についてまで、熱く語ってしまい、「“ふぐに魅せられし料理人”であるだけでなく、熱血料理人そのものですね!」と、言われてしまいました。
撮影、取材が終わったので、用意したふぐ料理を、
食べ終えたら、
最後に外観を撮影し、この日の取材と撮影が終わり、時間としては、4時間弱でした。
テレビの取材と撮影は、今回が3回目ということもあり、大体の様子や段取りも分かるようになったのですが、僅か数分のために、何十倍もの時間を掛けることは、職人仕事そのものです。
料理の場合、それが仕入れであったり、仕込みになり、ものつくりということは、どんなジャンルでも、決して容易いものでないのを、改めて感じたのでした。
★☆★ 『みんなのニュース』WEB版 ☆★☆
9月18日に、フジテレビ系列『みんなのニュース』で、“ハイブリッドふぐ”について放送され、自分が取材を受けました。
放送の様子は、こちらをクリックして頂けると、御覧になることが出来るので、見逃した方だけでなく、
一度とは言わず、何度も御覧になりたい方は、是非是非。
『みんなのニュース』で放映されたハイブリッドフグ
先週の土曜日に取材と撮影があったことを、お話ししましたが、昨日の夕方、
フジテレビ系列のニュース番組『みんなのニュース』で、放送されました。
夕方4時50分になると、
番組が始まりました。
今回の取材は、料理そのものよりも、
ハイブリッドふぐについてで、『“ハイブリッド”フグに注意!』という見出しが、画面に映っていました。
ハイブリッドふぐとは、交雑ふぐ、雑種ふぐとも呼ばれており、種類が違ううふぐ同士のかけ合わせで生まれたふぐで、自分も何度か、見たことがあり、それについて、何度かお話ししたことがあります。
それらのタイトルと日付を、以下に記しておきますが、クリックすると、それぞれの記事が御覧になれます。
【交雑ふぐ、再び】 (2015年8月11日)
【2本のうち1本は、交雑ふぐ】 (2015年8月9日)
【静岡県由比産の3種類のふぐの中に、交雑ふぐ!?】 (2014年5月18日)
【識別不能なふぐは、中間種ふぐとか、交雑ふぐと呼ばれるハイブリッドふぐ!?】 (2014年5月14日)
もしかすると、これ以外にもあるかもしれませんが、目下のところ、自分が確認出来るのは、この4つです。
番組が進行し、
こんなテロップと共に、コマーシャルになり、
その後、
コーナーが始まりました。
画面が変わると、
当店のふぐちりと、
ふぐ刺の後に、
ふぐ刺を引く自分が、
映りました。
画面が変わり、
自分が登場し、ハイブリッドふぐを初めて見た時の印象を訊かれ、
ブログで自分が投稿した写真が映し出され、自分の出番が終わり、専門家が登場し、ハイブリッドふぐについて、色々と放送されました。
自分の出番は、1分から2分程度でしたが、実を言うと、自分の出番に限らず、ハイブリッドふぐについても、もう少し長い時間、放送される予定でしたが、
某女史衆議院議員の会見があったので、かなり割愛されてしまったのですが、その流れについては、フジテレビの記者からの一連のメールを、御覧下さい。
3時過ぎに、
このようなメールが、
送られてきました。
そのつもりでいたら、某議員の会見が決まったらしく、
全国放送ではなく、関東ローカルの可能性もあるとのメールが、
送られて来たので、自分の登場シーンも見れないことに悶々としていたら、予定通りに、放送されたのでした。
放送後、担当の記者から、
お礼のメールを、
頂きました。
自分としては、ただ知っていることだけをお話ししたというか、協力したまでに過ぎませんし、実際のインタビューは、20分以上行われ、ふぐだけでなく、日本料理、食のあり方についても、色々お話しすることが出来ました。
一連の撮影と取材の様子は、次回お話しさせて頂きます。なお、放送の様子は、こちらをクリックして頂けると、御覧になることが出来るので、見逃した方だけでなく、
一度とは言わず、何度も御覧になりたい方は、是非是非。
今日で、丸9年
先日のことです。
今日で、
9周年ということで、
常連さんから、お花を頂きました。
また、今日は、
お花だけでなく、
ケーキなども頂いたりと、有り難い限りで、身に余る思いです。
片付けも終わり、
娘達と共に、4人で、Happy Birthday~♬
写真こそありませんが、6本ある蝋燭のうち、3本は自分が消し、残りの3本は女将兼愛妻(!?)の真由美さんが消しました。
そして、
“お疲れちゃん♪”と、相成りました。
どうにかこうにか、9年間続けることが出来ましたが、これまでのことを振り返る余裕は、一切なく、未だに不安の塊です。
それでも、歩き出した以上、どんな結末が待っていようとも、10年という節目に向かい、明日からも、地道に歩き続けます。
これからも、不肖志村、そして、自らの現し身とも言うべき『佳肴 季凛』を、宜しくお願いします。
お彼岸近き『特別会席』
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われていますが、春も秋のどちらも、お彼岸の時季は、食材の端境にあたるので、献立を立てるのに、苦心することもしばしばです。
というのも、名残である夏と走りの秋の食材の組み合わせ方次第で、料理の趣も大きく変わるからで、今夜ご用意した『特別会席』は、その典型とも言える献立でした。
先付は、
もろこし豆腐で、夏の食材のとうもろこしで作った豆腐です。
そして、夏の名残である鱧を、
天ぷらにして、もろこし豆腐の次にお出ししました。
鱧の天ぷらの次にお出ししたのが、
【佳肴 季凛】の看板の一つでもあるふぐ料理にして、その華でもあるふぐ刺をお出ししましたが、今日のふぐは、三重県安乗(あのり)産の天然のとらふぐです。
コース料理は、冷たいものと温かいものを交互にお出しすることで、献立にメリハリがつくという考えが、自分にはあるので、ふぐ刺の次に、
鹿児島県産の和牛のサーロインを、
たまり焼にしてお出したのですが、焼き方は、
ミディアム・レアにしました。
和牛サーロインのたまり焼の次が、
刺身の第二弾で、
北海道・戸井産の生の本鮪の中とろと、
赤身を、
蛸(愛知産)と共に盛り付け、お出ししました。
そして、名残の夏と走りの秋の集約とも言える土瓶蒸しを、
お出ししました。
料理人によって、土瓶蒸しは色々な仕立て方があるのですが、自分の場合、
鱧と松茸だけで仕立てるようにしています。
日本料理では、相性の良い食材同士を出会いものと呼ぶことがあり、鱧と松茸が、その典型で、この二つの良さを曇らせるようなことをしたくはないので、余分なものを入れることはしていません。
本音を言えば、松茸は国産のものを使いたいのですが、入荷状況をはじめ、いくつかの理由で、今夜は、China産を使いました。
土瓶蒸しの次は、和牛サーロインのたまり焼に続く、焼物の第二弾として、
北海道・オホーツク海産の活締め銀鰈(ぎんがれい)の西京焼をお出しし、常連さんとは言えど、初めて召し上がる銀鰈の上品な脂の乗り具合」を、喜んで下さいました。
コースも終盤に近づき、
口直しとも言うべき酢の物は、帆立の胡麻酢掛けで、御食事は、
すっぽん雑炊でした。
最後の一品であるデザートは、秋の果物であるぶどうの一つのシャインマスカットで作ったマスカットのアイスで、
名残の夏のとうもろこしではじまり、走りの秋のシャインマスカットで締めることが出来、季節の移ろいを召し上がって頂くことが出来ました。
これまでにも『特別会席』については、色々お話ししているように、お客様のご希望を入れながら、献立を立ているのが、『特別会席』です。
今夜は、常連さんということで、“おまかせ”の料理で、自分が思うままの料理をお出しすることが出来ました。
良かれと思った料理が、悪しということもあれば、その反対もあり、料理の難しさを感じざるを得ません。
どこまでいっても、料理の道は難しいものですが、それ以上に深いのは、人を知るということで、自分なんぞ、まだまだ未熟そのものなのは、疑いようのない事実です。
今日の2本も、撃沈
昨日に引き続き、今朝も沼津魚市場に仕入れに行って来たのですが、さすがに三日連続の4時起きは、手強いものがあります。
28歳で止まっているつもりでも、現実の年齢の47歳には敵わぬのは当然のことで、哀しいかな、歳月は嘘をつきません。
とはいえ、行く以上は、そんなことは関係なく、予想だにしない入荷や仕入れに、心躍らせられるのが、魚市場へ行くことの面白味でもあります。
そんな期待を持ちつつ、活魚売場に行くと、
1,5キロと、
1,2キロの天然のとらふぐが、
入荷しており、地元の旋網漁にかかったものです。
昨日撃沈したので、強気の作戦に出たのですが、これまた撃沈にして、4戦4敗・・・。
セリというものは、そんなものとは分かってはいても、悶々の塊で、魚市場を後にしたのですが、明日、明後日と、沼津魚市場は連休で、連休明けにチャンスがあれば、リベンジしたいと思っています。
ただ、台風18号が近づいていることもあり、漁師の方々にはじまり、多くの方に影響が出ないだけでなく、最小限の被害に留まって欲しい限りです。
2本共、撃沈
今朝も、沼津魚市場に仕入れに行って来たのですが、いつものように、最初に向かったのは、
活魚売場でした。
生簀を覗くと、
地元の2つの漁船が水揚げした天然のとらふぐが、
入荷しており、
それぞれの目方は、2,9キロと1,2キロでした。
自称“ふぐに魅せられし料理人”の自分にとっては、見ているだけでも、うっとりするほどで、御予約の状況を考え、強気な作戦を立てずに、セリに臨んだのですが、予想以上の高値でセリ落とされ、撃沈・・・。
何度も経験しているとは言え、こういう時は、市場に来ない方が良かった思うのがお決まりで、悶々とした気分で、魚市場を後にしたのでした。
明日も、魚市場に行く予定ですが、もし天然のとらふぐの入荷があれば、一矢を報いたいものです。
特別会席というより、お好みにしてお任せのコース料理
今夜は、常連のお客様から、【特別会席】というか、お好みにして、お任せのコース料理を頂いたのですが、日本料理のコースというより、フレンチやイタリアンに近いコースでした。
これまでに何度もお話ししているように、【特別会席】はお客様のご要望を伺ってから、献立を決めるので、「何でもあり」のコースでもあるのですが、かなり苦戦というか、気を揉んだコースでした。
そのご要望は、3つあり、生ハムなどの前菜みたいなもの、魚は駄目だけど、海老、蟹、貝類はOK、メインがサーロインを150グラムというものです。
感想は後回しにし、今夜の料理を、とりあえずお話しさせて頂きます。
先ず最初にお出ししたのが、
生ハムとチーズの盛り合わせで、言うまでもなく、どちらも既製品です。
生ハムは、
スペイン産のもので、チーズは、
カマンベールチーズとスモークチーズを盛り付けてあり、全て洋食の素材ゆえ、日本料理店ということで、スモークチーズは、松葉串に刺してから、盛り付けました。
普段なら、料理の進み具合が分かるのですが、全くもって普段の流れと違うので、お客様に、次の料理を出す頃合いを伝えてもらい、生ハムとチーズの後が、
蒸し鮑でした。
卸した生の本山葵と共に、
肝醤油を付けてから、召し上がるものです。
蒸し鮑の次が、
伊勢海老の共和えです。
伊勢海老の身と味噌を和えたもので、身は蒸してから、ほぐし、味噌は焼いてから、味を調え、両方を和えました。
ちなみに、鮑も、
伊勢海老も、
今朝、沼津魚市場で仕入れたもので、どちらも西伊豆産のものでした。
そして、メインが、
山形県産の和牛のサーロインを、ステーキにしてお出ししました。
ステーキにするため、
冷蔵庫から出しておき、常温に戻してから、
焼肉用のコンロに脂身を乗せてから焼きます。
ミディアムをご希望でしたので、
焼網が程よい加減になったら、肉を乗せます。
厚めに包丁してあるので、熱々だと、表面が焦げてしまい、中まで火が通りにくくなってしまうからです。
その後、
裏返し、両面が焼けたら、
土佐醤油とたまり醤油を合わせたものにつけ、再び軽く焼いたら、包丁し、
盛り付けました。
醤油味ですので、
大根卸しと粗めに卸した本山葵も添えました。
食事もデザートもなく、コースはこれで終わりですが、これも、お客様の御希望の上でのことです。
いわゆる酒の肴として、お出ししたので、こういう形のコースとなったのですが、今まで経験したことのないコースゆえ、冒頭にもお話ししたように、5品しかお出ししなかったものの、かなり気を揉んだコースでした。
その甲斐もあったかどうかはともかく、完食され、最後のご感想を聞いた時は、胸をなで下ろしました。
とはいえ、こういう経験こそが、料理人としては、何よりの修行の場で、ただ美味しい料理を作るのではなく、お客様のご用望を取り入れ、なおかつ、お任せという自分の器量で作る料理を献立に組み込むことは、まさに至難です。
ちなみに、自分が考えたものは、蒸し鮑と伊勢海老の共和えでした。
若かりし頃、「お客様に料理人は育てられる」という言葉を教えられ、時々思い出すことがあるのですが、今日は、全く以てその言葉通りでした。
まだまだ未熟ゆえ、大いに精進の余地があり、日々の努力を怠るわけには行かないことを痛感し、明日からも、厨房に立ち続けます。
しつもん! ドラえもん
今朝の『朝日新聞』の朝刊ですが、
一面を下がると、
毎日掲載されているクイズ企画【しつもん! ドラえもん】が、いつものように、掲載されていました。
【しつもん! ドラえもん】は、問題にふりがながあるように、子供向けの企画で、クイズのジャンルも多岐に渡っていますが、詳しいことは、公式ホームページを御覧下さい。
ところで、「山口県下関市が本場なんだ。内蔵などに毒があるけど、特に寒い季節に人気の魚は?」というのが、今日の問題です。
答は、もうお分かりですよね?(笑)
紙面をめくると、
ジャイアンの顔をしたふぐが描かれているように、答はフグです。
“ふぐに魅せられし料理人”の自分にとっては、こんな些細なことでも、つい目が留まってしまい、どうしても素通り出来ません。
それ以上に、こういう形でも、ふぐのことが、子供達に知られることは、有り難いことですし、ふぐに限らず、食に関することが取り上げれる機会が増えることを、期待します。
先ほどお話ししたように、「しつもん! ドラえもん」の問題のジャンルは様々で、先週は、霞ヶ関に関するもので、
このような問題と、
答でした。
簡単なものもある一方で、難しいような問題もあるので、自分の知識も増えることもあり、嬉しい企画で、長続きして欲しいものです。
米研ぎのみ
月曜日ということで、今日は定休日です。
仕込みという仕込みは全くなく、昆布御飯用の米を研いだのが唯一の仕込みで、昆布御飯には、白米、もち米、押麦を使うのですが、
押麦だけは、予め水に浸しておきました。
もち米の入った白米を、
最初に研いだら、
最後に、押麦を混ぜ合わせ、
研ぎ終え、
冷蔵庫へ。
かくして、仕込みと言えるかどうかはともかく、仕込みが終わりました。
仕込み三昧で、定休日が休みでないこともありますが、やはり休みは嬉しいものです。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、