久々の活とらふぐ(天然)は、静岡県沼津産
今朝、沼津の魚市場の活魚売場に行き、
生簀を見てみると、地物のとらふぐが、2本入荷していました。
1本は、
0,7キロで、もう1本は、
2,9キロのもので、自分がBIGちゃんと呼んでいるサイズです。
BIGちゃんとは、2,5キロ以上4,0キロ未満のもので、それ以上のものを、ジャンボちゃんと、呼んでいます。
どちらも、旋網や刺し網などにかかるもので、
2,9キロのものは、鯵(あじ)や魳(かます)などの旋網のもので、毘沙門というのは、荷主である船=漁師の名前です。
別の売場に行き、
見てみると、
同じく毘沙門丸と書かれた札があり、
魳や、
鯵が、水揚げされていました。
例年、この時季の鯵や魳の旋網に、とらふぐが掛かることが多く、これまでにも何度も、仕入れたことがあります。今年も、何度か入荷していたのですが、良さげなものがなかっただけでなく、良さげなものがある時に限って、予想以上の高値がついて、撃沈の憂き目にあっていました。
それでも、とらふぐが入荷している以上、“ふぐに魅せられし料理人”の自分としては、素通り出来ないのは、当然のことで、今朝も、仲買人と作戦会議をし、セリに臨むことにしました。
結果として、
2,9キロのものを、セリ落としてもらうことが出来ました。0,7キロの方は、あえて強気に出ることもしませんでしたし、BIGちゃんが本命でしたので、めでたしめだたしとなり、もちろん、気分は萌え燃え・・・
また、結果的に、活きたとらふぐを仕入れたのは、かなり久々のことでした。
そのまま生簀から、
取り出し、
締めたら、
海水を注ぎ、
血抜きをしました。
その後、『佳肴 季凛』に戻り、
卸してから、水洗いし、拭き上げ、BIGちゃんの仕込みは、終わりました。
“ふぐに魅せられし料理人”の自分にとっては、やはり、天然のとらふぐに敵うものはなく、まもなく訪れるふぐのシーズンが、待ち遠しいばかりです。
“夏ふぐ”ウィーク
今日は、法事の御席だけでなく、ランチの御予約を頂いていたので、
6時過ぎから、仕事を始めました。
ひと通りの段取りが出来たら、デザートのブルーベリーのムースや、
先付の“白子豆腐”を、
盛り付けました。この“白子豆腐”は、天然のとらふぐの白子で、作ったものです。
また、今日の御席は、
刺身の三種盛りだけでなく、
ハーフサイズのものもお出しし、三種盛りの内容は、生の本鮪(ニュージーランド)、帆立(北海道)、湯葉で、ふぐは、三重県産の天然のとらふぐでした。
また、先週の火曜日(21日)から、今日まで、金曜日以外は、ふぐ刺を引く毎日でした。火曜日は、
『特別会席』の刺身で、ハーフサイズをお出ししました。メインは、お客様のご希望で、
“和牛のしゃぶしゃぶ”を、小鍋仕立てでお出ししました。メインとは言ったものの、日本料理には、元来そのような言い方はしないのですが・・・。
明くる日の水曜日(22日)は、
ふぐ料理の御予約を頂いたこともあり、ふぐのシーズン並みに、ふぐ刺を引きました。
木曜日(23日)は、
明けて、金曜日(23日)は、ふぐ刺しを引かず、
昨日の土曜日(24日)は、カウンターで、ふぐ料理のコース『佳肴』を召しあがって頂きました。
そして、今日は、先ほどお話ししたような一日で、“夏ふぐ”ウィークの一週間が終わりました。
冬の美食というイメージが強いふぐ料理ですが、この時季でも、十分楽しめる食材ですし、日本料理の中では、やはり揺るぎない王道的食材であるのは、確かです。
なお、この時季は、ふぐ刺をはじめ、ふぐ料理は、基本的に要予約とさせて頂いおりますので、お召し上がりになりたい場合は、予め、御予約をお願い致します。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
ふぐ料理『佳肴』は、カウンターにて
今夜は、
早い時間に、ふぐ料理の御予約を頂いていたので、休憩時間を早めに切り上げ、夜の準備に取り掛かりました。ちなみに、夜の営業時間は、5時半からです。
また、今夜のお客様の御席は、
カウンターに、御用意しました。
というのも、当店のふぐ料理は、3つのコースがあり、その中でも、
『佳肴』というコースは、
自分のふぐ、とりわけ天然のとらふぐへの萌え燃え・・・の想いを具現化しているような料理だからです。詳細については、ふぐ料理のページを、御覧下さい。
カウンター以外での御席での御用意も可能ですが、カウンター越しに、あれやこれやお話しをさせて頂く、というよりも、ふぐをはじめ、料理への自分の想いを、“御清聴”(!?)して頂けると幸いです。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
ふぐ刺付きの鱧料理の刺身
今日は、沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。いつものように、一番最初に、
活魚売場に、
向かいました。
生簀には、
予め注文しておいた鱧(山口)が、1本入っており、目方は、0,5キロでした。
その後、別の売場に行き、
すっぽんを、2ハイ仕入れました。このすっぽんは、
佐賀県産でした。その後、ひと通りの仕入れを終え、再び、活魚売場に行き、
ブクブクをセットした発泡スチロールに、
鱧を移し、市場を後にしたのでした。
そして、帰り道に、
宅配便の営業所に立ち寄り、
愛知県から届いた鱧が入った発泡スチロールを、
受け取り、『佳肴 季凛』に戻り、中を確認すると、
このように、入っていました。
活かしの鱧は、
夕方卸すので、
ザルに入れたまま、
水槽に入れておきました。
先程の活〆の鱧は、
三河篠島で、
全部で、7本あり、
卸してから、
骨切りをし、今日と明日の鱧料理で使うので、御食事の鱧茶漬用に、
串を打っておきました。
この後、水槽へ行き、
今朝の鱧を締めて、
卸してから、
骨切りをしました。
この鱧は、落としにするため、
包丁し、お客様のご来店時間まで、冷蔵庫にしまっておきました。
お客様が見えたので、
塩をひとつまみ入れたお湯で、
花が咲いたように、表面は白くなったら、
氷水で冷まし、粗熱が取れたら、
水から上げて、軽く絞ってから、
生の本鮪(塩釜)、湯葉と共に、盛り付けました。
また、今夜は、お客様のご希望で、
ふぐ刺も、一緒に御用意しました。
このふぐは、
静岡県焼津産の天然のとらふぐです。
また、つけ醤油も、
三種類、御用意しました。
左側が、
梅肉醤油で、鱧の落とし用です。
真ん中が、
土佐醤油で、生の本鮪、湯葉に使うもので、いわゆる刺身醤油です。
そして、右側が、
ふぐ刺用のポン酢です。それぞれを、クリックしてもらうと、作り方を、御覧になれます。
これまでにも、このような刺身をお出ししたことがあるのですが、改めて考えてみると、自分でも、食べたくなるような気がするのは、事実です。
ちなみに、鱧料理でお出しする刺身は、
通常、このような四種盛りですが、先ほどお話ししたように、ご希望があれば、可能な限り対応させて頂きますが、その際には、お値段の変更も生じる場合がございます。当店の鱧料理の詳細については、こちらをご覧下さい。
ただ、この時季、ふぐ刺は、前もって、御予約を頂かないと、御用意出来ない場合が殆どですので、御用望の方は、御予約をお願い致します。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
週の真ん中、水曜日
今日は、夕方に、お弁当のご注文を頂いていただけでなく、ふぐ料理の大勢の御予約を頂いていたので、
ランチの営業を、1時間ほど早めに、終わらせて頂きました。
お客様の料理をお出ししながら、
揚物をはじめ、
サーモンの西京焼や玉子焼、
鶏肉の照焼を、仕上げました。揚物は、烏賊の新挽き揚げ(写真 左)と、さばふぐの唐揚げ(同 右)でした。
鶏肉の照焼が出来上がった頃、
ふぐ料理でお出しするふぐの唐揚げに、下味をつけておきました。このふぐは、先程のさばふぐをは異なり、天然のとらふぐです。
お弁当は、
このように、
仕上がり、お客様が取りに見えるのを、
待つばかりとなりました。
その後、
ふぐちりを盛り付けたら、
先付でお出しする生の本鮪を盛り付け、冷蔵庫にしまっておきました。今日の鮪は、
今朝、東京・築地から届いた生の本鮪で、宮城県塩釜産のものでした。
最後に、
ふぐ刺を引き終え、お客様のご来店を、待つばかりとなりました。今日のふぐは、静岡県焼津産と三重県熊野産の天然のとらふぐでした。
お客様が見えたら、先付、ふぐ刺しなどをお出ししたら、
唐揚げをお出しした頃には、厨房のガス台では、
ふぐちりの土鍋を火にかけ、
このような状態になったので、お客様にお出ししました。
また、焼白子のご注文も頂いていたので、
このように焼き上がり、お出ししました。
ふぐちりを召し上がったので、
〆の雑炊を作ることにし、仕上がったら、
刻み葱を散らし、
蓋をして、熱々をお客様にお出ししました。
最後に、デザートをお出し、後片付けをして、週の真ん中の水曜日は、かくして、無事に終わったのでした。
なお、この時季、ふぐ料理は、冬季とは異なり、完全予約とさせて頂いているので、宜しくお願い致します。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
さばふぐの唐揚げ入りのお弁当
今日は、お弁当のご注文を頂いていたので、その仕上げから、一日が始まりました。煮物を、
仕上げたら、
玉子焼や、サーモンの西京焼を仕上げました。
その後、揚物を揚げることにしたのですが、今日の揚物は、
さばふぐの唐揚げと、
烏賊の新挽(しんびき)揚げでした。
さばふぐは、
昨日、沼津の魚市場で、
仕入れたものでした。
さばふぐは、
頭の付け根に、包丁で、切れ目を入れたら、
頭を掴んで、皮も一緒に、
剥ぎ取り、
水洗いしてから、
拭き上げました。
これを、
唐揚用の大きさに包丁してから、
薄口醤油と日本酒を同割したものに、10本ほど漬けたら、
片栗粉をつけ、
油で揚げると、先程の写真のようになります。
そして、お弁当の盛り付けは、
いつものように、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんで、
このように、
2種類のお弁当が、仕上がりました。
また、今日のように、お弁当のご注文があった日は、子供達の夕飯が、
“お弁当の余りものプレート”になることが多く、
煮物や焼物などを盛り付けたものと、
さばふぐの切り落としの部分の唐揚を、食べてもらいました。
ただ、お弁当のご注文があったからと言って、“お弁当の余りものプレート”を、二日連続で出すと、「また!?」とか、「何か他のものは、ないの?」と、言われてしまいます。
家庭での食事は、頭を悩ませる種であるのは、料理人であっても変わりませんが、唯一の救いは、真由美さんと自分のどちらか、手が空いた方が、作れることかもしれません。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
夏でも、ふぐ料理メインの『特別会席』
【佳肴 季凛】のお品書きを、
開き、コース料理のページを見ると、
『特別会席』(要予約)というコースがあり、お値段は、
おひとり8,500円より、となっているように、料理内容は、お客様とご相談の上で、決めさせて頂いておりますが、『特別会席』については、以前お話ししたことがあるので、詳細については、こちらをお読み下さい。
そして、今夜は、『特別会席』の御予約を頂いており、お出しした料理は、ふぐ料理をメインにしたものでした。
先付は、
天然のとらふの白子で作った“白子豆腐”でした。
その次に、
揚物をお出ししたのですが、ふぐ料理メインですので、とらふぐの唐揚をお出ししました。もちろん、これも天然のとらふぐです。
お出ししたのは、頭というより、頬の部分と、骨付きの身の部分をぶつ切りしたものでした。頬の部分は、は、、“BIGちゃん”と呼んでいる3キロぐらいの大きいもので、身の部分は、“ジャンボちゃん”と呼んでいる4キロ以上のものでした。
これぐらいのものになると、その美味しさは格別で、一口食べるだけで、口中に、天然のとらふぐが、広がります。
その次が、刺身で、第一弾として、
生の本鮪(那智勝浦)と小肌(佐賀)を、お出ししました。小肌をお出ししたのは、お客様が、光物がお好きということを、伺っていたからでした。
その次にお出ししたのが、
“鱧しんじょう蒸し”でした。
そして、刺身の第二弾が、
ふぐ刺で、今日のものは、三重県産のとらふぐ(天然)でした。
その次が、焼物で、
魳(かます)の利休焼を、お出ししました。魳は、沼津産のものです。
そして、
ふぐちりをお出しし、程無くして、
焼白子を、お出ししました。もちろん、天然のとらふぐの白子です。
御食事の前に、
酢の物の“温牛(おんぎゅう)”を、お出ししました。静岡産の和牛のもも肉を使ったものです。
そして、締めのお食事となり、
ふぐ雑炊を、
お新香と共に、お出ししました。
キムチは市販のもので、それ以外は、キャベツの浅漬け、胡瓜、大根、人参の糠漬けで、これらは、自家製です。キムチは、雑炊の中に入れて、一緒に召し上がると、味に変化が生まれ、食が進むので、お出ししています。
そして、デザートが、
“マスカットのアイス”でした。
今夜は、ふぐ料理がメインでしたが、料理内容だけでなく、御予算など、ご希望があれば、可能な限り、対応させて頂きますので、お気軽にお問い合せ下さい。
ただ、タイトルにもあるように、夏でも、冬がシーズンのふぐ料理をお出しすることは可能ですが、冬場に、鱧を御用意することは、九分九厘、不可能ですので、御了承下さい。
最後になりましたが、今日のお話しで、1500回となりました。節目のお話しが、ふぐというのは、奇遇なのか、偶然なのかは分かりませんが、“ふぐに萌え燃え・・・”の自分としては、やはり一入(ひとしお)の想いが、あります。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な【西京漬】をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
“『佳肴 季凛』の御三家”揃い踏み
間もなく、
日が替ろうとしていますが、自分は、今日のブログを書いています。今日も、沼津の魚市場に仕入れに行って来ました。三日連続となると、寝落ちしそうな感じですが・・・・・。
最初に行ったのが、
鱧を扱う問屋さんで、
この2本の活けの鱧だけでなく、
水槽の中で死んでしまった“落ち鱧”(3本)を仕入れました。5本全て、
和歌山県産でした。
先程もお話ししたように、三日連続で、仕入れに来たので、小物や冷凍ものの仕入れもなく、自分好みにして、良さげな魚もあるかと思い、市場や他の問屋の売場に立ち寄ったのですが、自分好みのものもなく、早めに、帰ることにしました。
帰り道に、宅配便の営業所に立ち寄って、受け取ったのが、
築地から届いた那智勝浦産の生の本鮪でした。鱧も、和歌山県産でしたので
まさに、“和歌山県フェア”となりました。
夕方になり、水槽から、
活かしの2本を卸し、
骨切りをし、
鱧料理のお客様の刺身で、お出ししました。
また、今日は、ふぐ料理の御予約も頂いており、
ふぐ刺と、
ふぐちりを準備し、それまでに、
5本の鱧のアラに下拵えも、終えることが出来ました。となれば、『佳肴 季凛』の御三家とも言うべき、生の本鮪、鱧、とらふぐが、今日は、揃い踏みです。
また、明日も、ふぐ料理の御予約も頂いているので、
昨日仕入れた焼津産の天然のとらふぐの身の水分を抜くため、
晒で、包み直しておきました。
“『佳肴 季凛』の御三家”は、生の本鮪、鱧、天然のとらふぐですが、その中でも、自分にとってのナンバーワンは、やはり天然のとらふぐです。
“御三家”を召し上がったお客様のコース料理は、それぞれ別々でしたが、ご要望があれば、一緒に召し上がることも可能です。特に、ふぐと鱧を同じ時季に召し上がれるのは、一年のうち、この3か月くらいの間です、こんな愉しみ方も、一興かもしれません。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
3種類のふぐは、とらふぐ、しょうさいふぐ、さばふぐ
夕べ、遅くになって、天然のとらふぐ(焼津産)の入荷があるという連絡があり、即決で注文しておいたので、今朝は、
二日連続で、沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。そんな昨日の仕入れの様子は、こちらです。
この売場の生簀を見ると、
0,6(キロ)と1,3(キロ)と書かれた中から、
2本とも取り出し、
締めたら、血を抜くため、海水を注ぎました。
その後、先程の売場の生簀を、色々と見ると、
1,3キロで、5本入の由比産ふぐがあることに、気付きました。ふぐとしか書かれていませんでしたが、確認したところ、しょうさいふぐでした。
さらに、この売場に並んでいる魚を見たら、
この先に、
しょうさいふぐと同じ由比産のさばふぐが、入荷していました。
仲買人に、それぞれの希望の値段を伝えたところ、
どちらも、
セリ落としてもらうことが出来ました。さばふぐの目方は、5,6キロで、発泡スチロールに移し替える時に、
数えたところ、16本ありました。
しょうさいふぐも、とらふぐ同様、
締めて、持ち帰ることにしました。
また、今日は、
地物の魳(かます)の水揚げがあり、
自分好みの300グラムくらいの大きさだったものの、それほど高値になることもなく、
セリ落としてもらうことが出来、この他に、佐賀産の小肌を仕入れ、
『佳肴 季凛』に戻りました。これだけあると、ちょっとした魚屋さん状態ですので、段取りよく、仕込まなくてはなりません。
先ずは、
小肌に取り掛かり、酢締めにするため、開いてから、
塩をしたら、ふぐ類を卸すことにしました。
卸し終えたら、女将兼愛妻(!?)の真由美さんに水洗いをしてもらい、
自分が手直しをするという、いつもの流れとなり、
水洗いを終えたら、
きれいに拭き上げ、ふぐ類の仕込みは、終わりました。
その後、
真由美さんは、
魳の鱗を取ってくれ、自分が、手直しをし、
水洗いしました。
魳は、焼物用に、仕入れたのですが、明日の鱧料理の御予約のお客様にお出しするため、
鱧と同様、串を打っておき、鱧は、鱧茶漬用に照焼にし、魳は、利休焼にします。
明日も、市場に行くのですが、仕入れなくてはならないものを、決めているだけでなく、既に注文済のものもあります。
ただ、予想外の入荷や水揚げがあるのが、魚市場です。仮にあっても、高値で買えずに、あえなく撃沈という憂き目に出くわすこともありますし、今日のように、“早起きは三文の得”を、地でいくようなこともあります。
入荷や水揚げは、自然相手ゆえのことゆえ、どうすることも出来ないのですが、魚市場に行くのは、料理をするの同じくらい面白味や醍醐味があるのは事実です。とりわけ、セリの直前のドキドキ感と、直後の安堵感もしくは、脱力感のギャップは、経験した者でなければ、分からない魑魅魍魎そのものです。
明日も、その魑魅魍魎に出会えるのかどうかは、神というより、魑魅魍魎のみぞ知る。
辞書を片手に、ふぐ
明日(24日)は、
沼津の魚市場が、
休みということもあり、今日は、定休日でしたが、
沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。着くと、
水揚げされた地物の鰹を、
箱に入れ、秤にかけ、セリの準備をしているところでした。以前、お話ししたことがありますが、自分は、ありとあらゆる刺身の中でも、鰹が一番好きですので、素通り出来ず、
1,8キロのものを、1本仕入れることにしました。仕入れとは言っても、定休日ですので、今夜のおかず用で、言わば“休日出勤手当”のようなものです。
その後、生簀のある活魚売場に行き、
生簀を物色すると、
地物のしまふぐ(0,6キロ)が、
1本入荷していました。
“ふぐに魅せられし料理人”である以上、素通りは出来ず、それなりの強気で、セリに臨んでもらうことを、仲買人に伝え、別の売場に、向かいました。ある理由については、後ほどお分かりになるので、とりあえずこの場では、お話ししません。
そうこうしていると、セリの時間となったのですが、
最初に物色した時には、気付かなかったひがんふぐ(0,5キロ)が入荷していたので、
運良く、セリ落としてもらうことが出来ました。このひがんふぐは、南伊豆の妻良(めら)の定置網にかかったものです。
札には、赤目(ふぐ)と書かれていますが、ふぐ類の中には、標準和名と地方名が、混同されているものもあり、これも、その一つです。
その後、
しまふぐもセリ落としてもらうことが出来、2本共、活かしたまま、持ち帰ることにしました。
市場を後にし、途中、
宅配便の営業所に立ち寄り、三重県から届くことになっていた2本のとらふぐを受け取り、『佳肴 季凛』に、戻りました。
戻ると、
とらふぐの入った発泡スチロールを開け、
取り出しました。これら4本のふぐは、全て天然ものです。となれば、気分は、萌え燃え・・・
しまふぐとひがんふぐは、
とりあえず、水槽に入れておくことにしました。
仕込みをするための準備をし終え、程なくすると、
1台の車が、駐車場に入って来ました。降りてきたのは、見づらいかもしれませんが、2人のドイツ人でした。
おふたりは、昨日、日本人の2人の友人と一緒に、
当店で、ふぐ料理を召し上がった方で、御予約の際に、ふぐを卸すところを見て、撮影したいということを、伝えられていたので、そのために、今日、再び、当店に見えたのです。これが、先ほどお話ししたある理由です。
店内に入り、撮影の準備が出来たら、
水槽のしまふぐとひがんふぐを、取り出すと、即座に、写真を撮り始めました。
そして、
卸すことにし、まな板に乗せると、
再び、写真を撮りました。
その後、自分が卸したのですが、ただ黙々と卸すわけにはいかず、ふぐについの知識を、教えなくてはなりませんが、おふたりは、日本語が全く出来ないので、会話は、自分の拙い英語力に頼るしかありませんでするしかありません。
見られているだけでなく、英語での説明となれば、普段の倍以上に、神経を使うのは、当然のことで、嫌が応でも、時間が掛かってしまいそうなので、
水洗いだけは、女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、お願いすることにしました。というより、いつものことですが・・・。水洗いする様子も、おふたりは、逃すことなく、写真に収めていました。
また、有毒部位や、
試験の際に、
識別するための札や、
テキストを取り出し、説明してあげたのですが、訳せない単語もあるので、
和英辞典を片手に、説明することにしました。当然、様々なことを、質問されるのですが、分かりづらい時は、ゆっくり話してもらい、どうにかこうにか、返答し、理解してもらうことが、出来ました。
ちなみに、ふぐという魚を食べるのは、日本と韓国だけで、日本のふぐ料理と韓国のそれは、かなり違いがあるというのを、かつて、本で読んだことがあります。
また、欧米では、有毒部位を取り除いてあっても、流通させることは出来ません。というのも、有毒な魚として、扱われているからです。さらにいうと、そこまでして食べる日本人を、奇異の眼差しで、見る人もいるようです。
とは言っても、中には、美味しいという話を耳にして、日本に来たら、食べたいと思う外国人も多く、このおふたりも、そんな方達で、日本人の友達にお願いして、当店のふぐ料理を召し上がったのでした。
日本料理の中でも、特殊ジャンルとも言えるふぐ料理を、海外の人に、このように評価され、興味、関心を持ってもらえたということは、ふぐを愛してやまない自分としては、この上なく、嬉しかったのはこの上ありませんでした。
ふぐの仕込みを終えたら、
外に出て、
3人で、記念撮影をしました。そして、
車に乗り込み、『佳肴 季凛』を後にし、明後日、ドイツに帰るとのことです。
おふたりは、プロのカメラマンで、日本文化を紹介するため、約一ヵ月間、日本に滞在し、東京、長野、富山、岐阜、京都、姫路、広島などを訪れ、このレンタカーで、約6000キロも走り、滞在中に撮影した写真は、秋頃、ドイツ国内の幾つかの場所で、展示会を開き、その資料が出来上がったら、送ってくれるそうです。
その後、自分は、
先付の白子豆腐、小肌を仕込んだり、
米を研いだりしましたし、肝心のおかず用の鰹も、
仕込みました。
繰り返しのようなことになりますが、海外の人に、日本料理文化が、少しでも知れ渡り、そんな担い手めいたことが、実際に出来たことが、今日は、非常に嬉しかったので、大好きな鰹と共に、一献を傾ける次第です。(笑)