平成21年を迎えて
何はともあれ、新年明けまして、おめでとうございます。
今年も”佳肴 季凛”、ブログ”もっと美味しいお話し”共々、宜しくお願いします。
昨年は、”佳肴 季凛”を開店することができ、日々自らの”想い”のまま、料理を作ることができ、それをお客様に召し上がって頂ける喜びを、再認識できました。
というよりも、そんな自分の”想い”におつき合い頂いてくれたお客様に、何よりも感謝しています。
今年がどんな一年になるか、全く分かりませんが、熱血料理人として、日々獅子奮迅いたします。
どうぞ、皆様、後ろから、仰ぎたててください。
最後になりましたが、皆様にとって、今年が実り多き一年になるよう、お祈り致します。
志村
日本料理店のお子様ランチ
”佳肴 季凛”では、普段お子様向けの料理を用意していませんが、法事や結納などの特別なお席の際、お子様もご一緒なことも多いので、お子様料理、平たく言えば、お子様ランチを用意しています。
こちらが、”佳肴 季凛”特製のお子様ランチです。
今回のお客様であるお子様は、小学生なので、茶碗蒸し付きです。
海老フライが3本で、鳥の唐揚げが2個、串につくねが2個刺してあります。御飯は、おにぎりが2個です。今回は、お祝いのお席でしたので、2個のうち、1個が赤飯でした。
この写真には、載っていませんが、もちろんデザートつきです。
お子様ランチというと、チキンライスの上に”旗”がついています。ご覧のように、”佳肴 季凛”のものには、ついていませんし、器も陶器です。
こんな風にお子様ランチも、出されると、ちょっとした”料理”となりますね。
また、法事や結納などのお席は、休日に設けられることが多く、うちの二人の娘たちは”佳肴 季凛”の2階である自宅に待機しており、志村さんも子供サービスとばかりに、お手製のお子様ランチを、ついでではありますが、一緒に作ってくれます。
二人は、もちろん、大喜びです。そんな二人の姿を、見ていると、私も”お子様”になりたくなります。
今度は、二人の子供達の分だけでなく、私のも作って下さいね、志村さん。
真由美
本日解禁!
今日、11月20日は、赤ワインの”ボージョレヌーボー”の解禁日です。
箱にも、こんな風に書かれています。
表のデザインは、こんな感じで華やかです。
さらに、中はこんな感じです。
さらに、さらに、瓶を取り出してみました。
ここまでくると、開けたくなるのが人情というものです。というよりも、飲んでみたくなるのが、本音です。
ということで、グラスに注いでみました。
ご存知のように、”ボージョレヌーボー”は新酒なので、味わいが淡白です。自分としては、あまり好みではありません。ただ、「アルコール類は何でもござれ」の呑み助ゆえ、飲み始めれば、これはこれで良いものです。
ただ、呑み助である前に料理人ですので、淡白な味を何とかしたいと思っていると、豆電球が灯りました。
グラスに氷をいれ、”ボージョレ”を注ぎます。さらに、”樽ハイ”を入れます。”ボージョレの樽ハイ割り”の出来上がりです。ちなみに、”樽ハイ”とは、ウォッカベースのサワーです。詳しくは、こちらを。
味はカクテルそのものです。こうすると、飲みやすいことこの上ありません。ただ、どちらもアルコールなので、度数も高いです。と言うことは、酔いやすいのです。
ご家庭では、”樽ハイ”は無いでしょうから、市販の”サワー”で割っても、楽しめるはずです。もっと飲みやすくするには、”サイダー”なんか、いいかもしれません。
この時季限定の味わいの”ボージョレヌーボー”を、”佳肴 季凛”にいらして、是非飲んでみて下さい。
何はともあれ、飲みすぎには、注意しませう。もちろん自戒の意を込めて・・・。
志村
和牛
”佳肴 季凛”はマクロビオティックを、基本コンセプトとしていますが、だからと言って、肉料理がないわけではありません。
自分自身は肉を食べないのですが、お客さんにそれを強要するつもりは、まったくありませんし、好きなものを好きなようにに召し上がっていただくのが、料理人として、この上ない喜びです。
”佳肴 季凛”の肉料理といえば、”温牛”(おんぎゅう)です。当店の前身である”魚魚家”のメニューにも、ありました。
現在使っている、牛肉がこちらです。
もも肉になります。”さし”がほど良く入っています。正真正銘”和牛”です。
その証拠に、このような和牛が入荷する時は、血統書のコピーつきです。
この牛の性別、親牛、産地、生年月日などが記されています。また人間でいうところの指紋にあたる、鼻の写しである ”鼻紋”も載っています。ちなみに、この牛肉の産地は宮崎県です。
ちなみに、魚魚家の時の牛肉は、交雑種のものでした。交雑種については、こちらを。
言うまでもありませんが、味には差がありますし、当然値段も同様です。また、包丁を入れる時も、入り方が違います。また、フライパンで焼き目をつける時に立ち上る脂の香りも全然違います。
唯一同じなのが、作りかたです。作り方は、こちらを。
”佳肴 季凛”の温牛を召し上がったお客様のなかには、「前のと味が違うんだけど・・・。」とか、「肉変えた?」と、仰ってくれる方も何人かいました。
「変えました。そのかわり、値段も上げました。」と、自分は答えています。違いが分かってもらえると、自分は料理人として、非常にうれしくなりますし、”料理は素材”ということを、再認識せざるを得ません。
料理人である以上、牛肉に限らず、可能な限り、もっと良い素材を求めて止みません。そして、美味しい料理を召し上がってもらいたいということを、いつまでも持ち続けたいものです。
志村
茶碗蒸し
自分が一年に何回しか作らない料理が、いくつかあります。旬が限られているものは、当然のことですが、旬のないものも幾つもあります。
旬のないものの一つに、茶碗蒸しがあります。茶碗蒸しといえば、日本料理の定番かもしれませんが、自分は全くもってそうは思いません。逆に、「何故いつも茶碗蒸しがついているの?」と聞き返すことがよくあります。ですから、自分はコースメニューに、入れたこともありません。
”佳肴 季凛”で茶碗蒸しを作るのは、お子様料理の一つとして作ることが、殆どです。
ただ、茶碗蒸しを一般の家庭で作るのは、なかなか難しいと思うので、作り方をお話ししたいと思います。
鰹だしに、薄口醤油、塩、酒、みりんを入れて、味を調えます。沸いたところに、鰹節を入れ、火を止めます。”追い鰹”をすると言います。
この出汁を冷まします。
この冷めた出汁と、卵を合せるのですが、おそらくその割合が、一般の方は分からないと思いますので、これを機会に是非覚えてください。
卵(L玉)一個に対して、出汁が150~160ccです。
中に入れる具は、それこそお好み次第ですが、自分は百合根が入っていると、”プロ”の茶碗蒸しらしいと思っています。
具特に、海老や鶏肉のような動物性の具を入れるときは、一度酒と醤油で洗ってください。ちなみにこれを”むら洗い”と言います。こうすることで、生臭みが抜けます。
また、あれもこれも入れるのは、あまり好きではありません。
今回の具は、海老、帆立、里芋、椎茸、三つ葉です。里芋なんて珍しいと思われるかもしれませんが、これがなかなかの食感です。
これに、先ほどの卵と合せた出汁を注ぎま、蒸し上がった蒸し器に入れます。
この時の火加減は、中火が目安です。蒸し器にいれること、12,3分です。その時の火加減、蒸し器の容量によって、多少差があります。
また火が強すぎると、”す”が入ってしまうので注意して下さい。
出来上がりの目安は、串をさして、透明の汁が出てくるようでしたら、OKです。
こんな感じに出来上がりました。ゆずの皮をあしらうと、食欲をそそります。これから寒くなる季節に、ご家庭でも是非、”佳肴 季凛”直伝の茶碗蒸しを、お作りになっては。
志村
開店
お蔭様で、一昨日の9月18日に、”佳肴 季凛”は無事に、開店することができました。
その際、身に余る以上のお花を頂戴し、万感の想いで一杯です。
店の外には、これほどまでの、生花を置かせていただきました。
一方、こちらが店内です。
これほどまで、お花を頂けることなど、夢にも思っていませんでした、普段の自らの”悪態ぶり”からすれば、せいぜいこの半分程度が、関の山だと思っていました。
また、何よりもうれしかったことが、開店当日、一つありました。それは、浜松から、自分が師事した親方が、わざわざ来てくれたのです。
昼の営業が終わった頃、外を眺めると、親方がいるのです。生花をもらえるということは、承知していたのですが、まさか店まで来てくれるとは、想像もつきませんでした。
親方はカウンターに座り、2,3杯焼酎を飲むと、「志村君、タクシー呼んで、帰るから。」
「・・・・・。」
滞在時間、わずか一時間程度。浜松から新幹線に乗って来たにもかかわらず・・・・・。
この親方は、無口で、自分以上に不器用な人柄ですが、若い衆の面倒をみることにかけては、すごい人です。こんなことは、なかなか出来るようなことではない筈です。
そんなこんなで、皆さんに支えられ、季凛は開店致しました。どうぞ、宜しくお願いします。
志村
季凛の外観工事中
昨日から、季凛の外観の工事が、どんどん進んでいます。
昨日の朝から、職人さんたちが、大きな木槌をもって、頑張ってくれています。その後は、こんな風に色が、付けられました。
この後ろに、手前にある茶色の、角材が立てられていき、大きな柵が、出来上がりました。こちらは、向かって左側です。ここには、以前、大きな狸が、いました。このお話し は、以前しました。
まだ、狸は、寝ています。冬眠ならぬ、夏眠といった感じです。
向かって右側の、正面はこんな感じに柵が、立てられました。まだ色は、塗られていません。
倒れてこないよう、つっかえ棒がしてあります。地震の多い、静岡県だけあって、防災の日の教訓が生かされているようです。
さらに、季凛の駐車場の、下り側から見ると、こんな感じです。
今日の様子も、引き続き写真を撮ろうとしたのですが、季凛店内の準備に、追われ、出来ませんでした。
写真なしのお話しになってしまいますが、昨日よりも、きれいに仕上げられつつあります。職人さんによれば、もっと変わるとのこと。
明日が楽しみです。
志村
仕上がり間近
以前、季凛の内装の様子については、何度かお話ししました。照明も新しくなり、こんな感じになりました。
先ずは、カウンター。
写真右側の、茶色いところに、夕席の際、日替わりである、”季の肴”を書いた額を置きます。額といっても、たいそうなものではありません。
中食(ちゅうじき)、八ツ時(やつどき)では、日替わりである、”季の菓”を、書いて置こうかと思っています。
カウンターを、反対側から、見たところです。今までとは趣がガラリと変わっています。前の様子は、皆さんの、ご記憶にお任せします。そういう自分も、記憶の中です。
そして、今回のリニューアルの目玉の一つだった、テーブル席は、こんな感じになりました。
マクロビオティックが、季凛の一つの柱でもあるので、自然をイメージ出来るように、窓も大きくして、採光溢れる雰囲気にしました。
近日中に、床が張られ、テーブルも入ります。いよいよ、季凛の、デビューが近づいてきました。
志村
開店日
命名
先日、新店の名前の前に付ける、接頭語というか枕詞についてお話ししましたが、今日は、肝心の店の名前(屋号)のお話しです。
昭和が終わって、平成に変わった時、当時の小渕官房長官(故人)が、“平成”と書かれた額を、掲げた心境とでも言いしょうか。
新しい名前は、季凛と言います。”きりん”と読みます。
こちらが、昨日、届いた新しい名刺になります。
佳肴と違って、自分が作った造語です。
”季を尊び、凛とす”。これがその意味です。
分かり易く言うと、四季折々の素材を、大切にして、心身共々引き締めて、料理に向かうということです。
これまで、そしてこれからの自分の料理人としての、スタイルを、今まで以上に、具現化するための思いを意味に込めました。
”佳肴 季凛”。
これから、宜しくお願いします。
志村
追伸 先日、静岡で会った詩人のお話しをしましたが、その人に、書いてもらった色紙です。その詩人曰く「(私は、)書家でないから、そんなの書けない。」
それでも、敢えて書いてもらいました。
新しい名前を、お話しして、ある意味、胸のつかえがとれました。今更ですが、隠し事の出来ない性分ですから。