和牛リブロースのたまり焼
先日、グレードアップした『特別会席』について、お話ししましたが、その時お出しした“和牛リブロースのたまり焼”が、
今回のお話しです。
静岡県産の和牛のリブロースを、
このように、
包丁していき、
その後、
串を、
打ちます。
お出しする時は、
卓上の焼肉用のコンロを準備し、
焼網の上に、脂身の部分を置いておきます。
頃合を見て、火を点け、
いつでも焼けるように、準備をしておきます。
それに合わせ、
串打ちをしたものを、準備しておくだけでなく、冷蔵庫から出しておき、芯の部分も、常温にします。こうするのは、周りが焼けていても、中が冷たいままの変なレア状態を避けるためです。
焼網が温まったら、
乗せ、様子を見ながら、
裏表、
左右と焼きます。
4つの面が焼けたら、
照焼のたれと、たまり醤油を同割にしたものにつけ、再び焼くこと、2回。
焼き上がったら、
粗目に卸した生の本山葵を添えて、お出しします。
こういう部位は、塩胡椒のようなシンプルな味付けが、素材本来の美味しさを味わえるような感じがしますが、料理として、その素材を活かすには、照焼のたれのように、それなりの仕込みをしたものでないと、その美味しさを味わうことは、出来ません。
特に、脂の強い素材は、濃い目の味付けでないと、一口食べた時点で、飽きてしまいます。豚カツを、塩で食べられるのは、最初だけで、最後まで、飽きることなく、食べられるのは、ソースでしかありません。
豚カツと言えば、揚げたものを、甘辛い割下で煮て、卵でとじてから、ご飯の上に乗せるカツ丼も、濃い目の味ゆえ、飽きることなく、最後まで食べることが出来るのです。
天ぷらも、最初から、最後まで、塩だと、口の中に、油の後味しか残らず、普通の人なら、胸やけしてしまいます。
料理というのは、どこまでいっても、素材と調味料のバランスで、調味料が、素材を料理に変えてくれるのです。塩も、調味料かもしれませんが、様々な調味料に入っていることを考えると、調味料とは言い難いのは、確かです。
肝心の‟和牛のリブロースのたまり焼”の味ですが、美味しいの一言に尽きますし、それ以外の言葉は、見つかりません。リブロースの入荷がなければ、サーロインで御用意することもあります。
その味わいは、殆ど差がありませんが、リブロースの方が、和牛本来の美味しさを味わうことが出来ますし、個人的には、リブロースの方が、好きです。
サーロインにせよ、リブロースにせよ、和牛のたまり焼は、要予約のお料理ですので、召し上がりたい方は、予めお問い合せ下さい。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月1日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
今日から、夏休み
今日(15日)から、18日(木)まで、
お休みさせて頂くので、入口のメニュースタンドに、その旨を書いた紙を、貼っておきました。
最後の日は、仕込みをするので、完全なお休みは、3日間ですが、“休日出勤”が、日常茶飯事の自分としては、長いくらいです。 仕込みをしないと、お話ししたものの、今日は、
買い出しに行って来ました。 賄い用のカレーのルーをはじめ、
酢などの調味料や、
片栗粉などを、
買って来ました。
酒屋では、店用のウイスキーだけでなく、
自分用の“馬力”も、調達して来ました。これが無いと、休みの意味がありませんから・・・。(笑)
仕込みをしないとは言ったものの、
買ってきた調味料で、
ポン酢を、仕込みました。
柑橘のゆこうと橙が、
生のものですので、このまま冷蔵庫にしまっておかなければならず、休み中で、冷蔵庫が空いている時の仕込みとしては、好都合なので、今日仕込んだのです。
ゆこうと橙を、
合わせたら
冷蔵庫にしまっておきました。
仕込みとは言っても、包丁を使わないので、ポン酢ぐらいですと、仕込みとは言えません。ちなみに、ポン酢の作り方は、こちらをご覧下さい。
そして、夏休み初日の夕飯は、
“おうちで焼肉”となりました。
こうして、夏休みは始まったのですが、あっという間に終わってしまうのは、間違いないでしょう。(笑)
賄いの麺類いろいろ
夏休みになると、頭を悩ませるのが、子供達のお昼御飯で、どこのご家庭も、同様のことだと思います。
志村家の場合、作るのは、自分か女将兼愛妻(!?)の真由美さんのどちらかで、そんな今日の子供達のお昼御飯は、
烏賊と帆立のかき揚げをはじめ、海老、鯵、南瓜、隠元、パプリカの天ぷらを揚げて、天ざるうどんにしました。
また、お昼の営業が終わり、自分と真由美さんのお昼も、似たようなもので、
南瓜、万願寺唐辛子、隠元を天ぷらにし、天ざるそばにしました。
夏に限らず、麺類、とりわけ蕎麦を、お昼の賄いにすることが多く、
つけだれを、当店のオリジナル料理の“サラダ素麺”の胡麻だれにしたりすることもありますが、今日のように、天ぷらを揚げることが多く、
南瓜の天ぷらにしたり、
今が旬の鱧の天ぷらだったりします。
天ぷら無しの時は、
既製品の鰻の蒲焼を、トッピングしたりしたこともあります。
先程、胡麻だれのつけ麺をお話ししましたが、胡麻だれと言えば、冷やし中華です。“ふぐに魅せられし料理人”の自分ですので、ふぐ皮を使って、
冷やし中華に、仕立てたこともあります。
また、そんなアレンジとして、
中華麺を、蕎麦に代えたこともあります。
賄いは、新しい料理のヒントになるだけでなく、気晴らしになるので、余程のことがない限り、自分で作るようにしていますし、好きでなった料理人ですので、商売抜きで作れる料理は、やはり楽しいものです。
『楽しきと思うが、楽しきの基なり』と、【寛政の改革】で知られる松平定信が記しているように、それは紛れもないことだと思います。ただ、自分のように、所謂オーナーシェフとなると、愚痴や不満が募ることも、ないわけではありません。
自分で選んだ道ですが、どこまで続くかは、当の本人は、つゆ知らずにして、神のみそ知るのか、知らぬのか・・・。
そして、何よりも、この道を全うし、楽しむために、日々、包丁と鍋を携え、厨房に立つのです。
『佳肴 季凛』の夏休み
8月になり、夏の暑さが増しています。夏に欠かせないアイテムが、夏休みです。いくつになっても、この言葉は、心惹かれますし、欲してやまないのも、否定出来ません。
そんな夏休みですが、『佳肴 季凛』も、
15日、
16日、
17日、
18日とお休みさせて頂き、それまでは、通常通り、営業しますが、御予約の関係で、ランチの営業時間が、変更になる場合もございますので、予め、お問い合せ下さい。
また、自分が通う沼津の魚市場は、
13日から15日まで、
休みとなるので、鱧など、御用意出来ない食材、料理もございますので、ご理解のほど、よろしくお願いします。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
27日(水)の営業
昨日お話ししたように、
明日の27日、
ランチの営業時間を、12時半ラストオーダー、1時閉店とさせて頂くので、メニュースタンドも、今夜の営業が終わった時点で、このようにしておきました。
また、夜の営業は、お休みさせて頂きます。というより、明日の変則営業の理由ですが、全くの私事で、
上の娘の部活動(吹奏楽部)のコンクールがあり、最終学年ということで、それを見に行くからです。
実を言うと、娘の部活動での様子は、これまでに、一度も見たこともありません。ただ、結果はどうであれ、これまでやってきたことを、出し切って欲しいものです。
そんなことが、将来、懐かしい思い出となり、旧交を温めることも出来るからで、自分も、そんな経験をすることが出来ました。そんな経験の様子については、こちらをご覧下さい。
そんなことですので、27日の営業については、ご理解のほど、よろしくお願い致します。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
白子豆腐と糠漬け
月曜日の今日は、定休日でした。仕込みがあったりすることもあれば、無いこともありますが、店舗兼住宅ということもあり、どんな形にせよ、厨房に行くのは、ほぼ100%です。
そんな今日ですが、仕込んだのは、
先付でお出しする“白子豆腐”です。使っている白子は、天然のとらふぐのものです。
流し終えたら、
表面に出来た気泡を消すために、バーナーでFIRE!
その後、
糠漬けにするための大根、胡瓜、人参を、
糠床に漬け、今日の仕込みは終わりました。
思い通りにいかないのが、殆どとは言え、定休日の仕込みは、これぐらいが、理想的です。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
おでん&白子豆腐の仕込み
定休日の今日は、朝一番に、厨房に行き、
夕飯のおでんの仕込みを、始めました。これらを、鍋に入れたら、
つくわぶを、投入。ちくわぶの存在を、初めて知ったのは、東京で学生生活を始めた20歳の頃、屋台のおでん屋でした。
それまでは、竹輪(ちくわ)しか知らず、食べてみると、何とも言えない食感が、どうも苦手で、今でも、殆ど食べることはありません。それでも、入れるのは、志村家の“女三羽烏”の強い要望があるからです。
また、おでんと言うと、ゆで玉子を入れるのが、一般的ですが、自分の場合、
出汁巻玉子を入れます。今日のは、ひじき、葱、しらすが、中に入っており、時には、桜海老だったり、三つ葉だったりすることもあります。
層になっているので、食べると、ジュワっと、出汁が口中に広がるので、出汁巻玉子らしからぬ味わいで、基本的に、玉子料理を好まない自分でも、美味しいと感じるほどなのです。
その後、
キッチンペーパーをかぶせ、
蓋をして、
超弱火にしておき、あとは時間が経つのを、待つのみとなりました。
超弱火にすることで、出汁も澄んだままで、濁ることはありませんし、おでんは、煮込むというよりも、つゆの味を、じんわりと含ませると考えた方が、きれいに、美味しく出来ます。
その後、
先付の“白子豆腐”を仕込み終えたら、
明日炊く米を研ぎました。
御覧のように、3種類ありますが、その3種類は、
白米、
雑穀御飯、
白米を中心に、押麦、もち米を入れたものでした。これは、“松前御飯”用のものです。お話しが前後してしまいますが、雑穀御飯には、玄米、押麦、黒米、粟、ひえ、きび、小豆が入っています。
これで、仕込みは、完全に終わり、夕方になって、
これまた、“女三羽烏”のお気に入りの白はんぺんを、
投入。白はんぺんは、食べる前の2時間くらい前に入れます。というのも、味を含めるというよりは、温める程度で十分なのと、火が入り過ぎると、すが入るからです。
自分にとっては、白はんぺんも、全くもって、ちくわぶ同様のおでん種で、ちくわぶよりも、食べる機会がありません。あのフワフワとした食感が、どうも駄目だからです。
それ以外のおでん種は、どれも好きなのですが、一番が、がんもどきです。その次が、厚揚げです。となれば、口開けのビールと共に、食すのは、
がんもどき、厚揚げ、出巻玉子。
シフトチェンじてからの熱燗と共に、
再び、がんもどきと厚揚げ。
もちろん、これ以外のおでん種も好きですので、真夏でも、おでんを作り、食べることも、よくあります。ただ、夏は、練り物の種類が少ないのが、唯一の欠点かもしれません。
生垣の撤去
『佳肴 季凛』の駐車場に、ベニカナメモチの生垣があるのですが、
そろそろ寿命らしく、
病気に罹っているので、撤去することにし、今日は、その作業をやってもらいました。
ベニカナメモチは、漢字で書くと、紅要黐で、まるで中国人の名前のような感じです。また、レッドロビンという似た品種もあるとのことで、言うまでもありませんが、ベニカナメモチという名前は、今日の今日まで知らず、どちらも、植木屋さんに教えてもらい、今日までの呼び方は、“駐車場の植木”でした。無知というものは、こんなものです。
撤去作業は、もちろん植木屋さんに、
お任せし、さすがに、その道の専門家ですので、
手際良く、仕事をこなしていきます。
どの職種について言えることですが、プロは腕は良いところだけでなく、道具も良いものを使うので、嫌が応でも、仕事がはかどります。「餅は餅屋」とは、よく言ったものです。
引き抜いたものは、
トラックに乗せるのが、普通なのですが、
細い枝を切り落として、
冬季に使う薪ストーブ用の燃し木にしてもらいました。
薪ストーブユーザーの多くは、割り箸であれ、流木であれ、木という木を見ると、何でもかんでも、燃し木にしたがる“薪ストーブ症候群”という不治の病に、罹っているというのが、業界筋での噂で、自分も、御多分にもれず、8年来の患者です。
また、手の力で抜けないようなものは
ユニックと呼ばれる小型のクレーンで、
引き抜いていました。繰り返しになりますが、さすがにプロの仕事は、違います。
こんなことを眺めていると、ランチの開店時間となったのですが、営業が終わった頃には、
完全に撤去されており、
燃し木用に、
チェーンソーで、小さくしてくれ、幸か不幸か、降り始めた雨の中、
自分、女将兼愛妻(!?)の真由美さん、アルバイトの3人で、
運んだのですが、軒下は一杯なので、このように、置いておきました。
そして、撤去したところには、
このように、パイロンが立てられ、後日、フェンスの工事をしてもらうまでは、のっぺらぼう状態です。
今日から、夏季限定ランチ『涼し夏(すずしげ)』
『佳肴 季凛』のランチメニューのお品書きは、
このようなもので、コーズ仕立てとなっており、一年を通じて、
【季】と、
【凛】のお二つのコースが、基本です。ただ、御要望があれが、御予算の応じて、可能な限り、対応させて頂いております。
これらの下には、
夏季限定メニューの【涼し夏】が、
書かれています。具体的な料理の内容は、このようなものですので、御覧下さい。
ここ最近、初夏というより、夏と言っていいくらいの陽気となっただけでなく、ましてや、昨日(23日)は、
全国各地で、30度を超える真夏日となったこともあり、定休日明けの今日から、御用意することにしました。期間は、あえて決めておりませんが、例年通り、秋のお彼岸が過ぎる頃までを、予定しています。
暑くなると、のど越しのいい冷たい麺類だけとなってしまい、夏バテの原因になることもしばしばですが、【涼し夏】のように、冷たいものが殆どでも、蒸物という温かいものを召し上がるだけでも、ちょつとした満腹感も得られます。
また、量は少なくても、色んな料理というより、食材を召し上がることで、身体の負担も軽くなります。今年の夏は、どのようになるかは分かりませんが、くれぐれもご自愛下さい。
仕入れは、鱧&蛍烏賊のみ
先日お話ししたように、明日から、3日連続で、団体のバスツアーのお客様が見えるので、今日は、定休日でしたが、
沼津の魚市場に、仕入れに行って来ました。
いつものように、生簀のある活魚売場に向かうと、
生簀の前に並んでいる発泡スチロールの隅の方に、
中国産の鱧(0,45キロ)が1本あったので、
仕入れることにしました。“47-9”というのは、市場での自分の買番です。
その後、別の売場に行き、
富山県産の蛍烏賊を、
仕入れることにしました。普段なら、1枚か2枚なのですが、バスツアーのお客様にお出しする刺身で使うので、
4枚仕入れることにしました。普段なら、他にも、小物類や冷凍ものなどを仕入れるのですが、今日の仕入れは、これだけでした。結果的に、鱧を仕入れたものの、元々の予定では、蛍烏賊のみで、何年も魚市場に通っていながらも、1種類だけの仕入れというのは、もしかすると、初めてのことかもしれません。
【佳肴 季凛】に戻ると、女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、
蛍烏賊の目玉、くちばし、背の筋を、取り除いもらいました。
蛍烏賊の下には、
温まらないように、バットに氷を入れてあります。
その後、真由美さんは、
座敷と、
テーブル席のセットを始め、募集型のツアーのお客様ですので、グループごとに、御席を御用意しました。
一方の自分は、
先付の“白子豆腐”を仕込みました。使っている白子は、真ふぐのものです。
その後、刺身の妻に使う大根などを、
桂剥きにし、
包丁しました。
その頃までには、
真由美さんは、揚物の海老と鯵の衣を、つけ終えていました。
その後、自分は、鱧を卸してから、
骨切りをし、
米を研いだり、デザートのムースに仕込む苺を、フードプロセッサーにかけ、
使った包丁を砥ぎ終えました。
そして、最後に、
明日の器を出し、
それぞれに、付箋を貼っておきました。
ちなみに、明日から、三日間のバスツアーのお客様の献立は、
このようなものです。
一斉に来店されるので、バス旅行の団体のお客様に、ミスすることなく、料理をお出しすることは、かなりハードですが、それでも、明日は、三日間の中で、一番人数が少ないので、ウォーミングアップとしては、好都合かもしれません。