日本料理文化を体験したオーストラリア人留学生
昨日お話ししたように、定休日の今日は、オーストラリアから長女の高校に来ている留学生(以後 彼女)が、【佳肴 季凛】に来ることになっていたので、

放課後、娘と彼女を高校へ迎えに行って来たのですが、昨日会っていたこともあり、すぐに分かり、仮に会っていなくても、欧米人らしい容姿ゆえ、すぐに分かったかもしれません。
2人を車に乗せたら、道中は、彼女との“英会話教室”の時間となったのですが、楽しい時間が過ぎるのは早く、あっという間に、【佳肴 季凛】に着いてしまいました。
着いたら、制服から私服に着替えるよう促すと、偶然にも、実母と祖母と遭遇し、「My grandma is over 90 years ! (うちのおばあさんは、90歳以上だよ。)」と伝えると、

「Wow great,big grandma looks young!(凄い、大お祖母ちゃん、若い!)」と、彼女は予期せぬ出会いを喜んでいました。
今日は、日本料理文化つまり、異文化体験をしてもらうので、すぐにその準備をし始めることにしたのですが、今日の課題は、見るものと作るものの二本立ての企画の豪華版です。
見るものは、厚焼玉子と桂剥きですが、焼くことは出来なくても、

卵と出汁(一番出汁、てん菜糖、薄口醤油、日本酒、味醂、赤酒)を菜箸で、よく混ぜ合わせてもらうことにしました。
玉子焼を焼き終えたら、出来立てを試食させてあげたら、「ヤワラカァ~イ、オイシイ!」と、大絶賛。
その次に桂剥きをし、刺身用の妻を作ったら、

その薄さと細さに、「ワー、 ウスイ、ホソーイ!」と、これまた大絶賛。
そして、この妻を使い、手巻き寿司用の寿司種というか、刺身を盛り付けると、

「オイシソー、タベタァーイ♬」と、ニコニコの表情。
そして、今度は、作るというか、体験するもので、今日のメインともいうべき期企画で、彼女が楽しみにしていたものでした。
作るものは、巻物と天ぷらで、巻物とは、巻き簀で、巻寿司を作ることです。
巻寿司と言うと、海苔巻と思われているのですが、海苔巻というのは、本来、干瓢(かんぴょう)巻を指し、寿司屋卒というか、中退の自分としては、この呼び方は、今でも違和感極まりなく、どこまで言っても巻物でしかありません。
また、寿司というと、握り寿司というのが一般的で、寿司体験にはもっともらしいのですが、握り寿司というのは、実を言うと、一週間も練習すれば、素人でも、それなりの形になるもので、自分としては、面白味が欠けるので、巻物を選んだのです。
というのも、握り寿司に対して、巻物は、一年以上、毎日練習しても、なかなか上達しないからで、その難しさを具体的に言うと、真ん中に寿司ねたを乗せ、ちゃんと巻いて、6切に包丁することで、かつては、寿司屋の仕事の基本でもありました。
先程お話ししたように、寿司屋のキャリアがあるので、やはり寿司は巻物で、その難しさが、体験としての面白味があり、後述しますが、そこに自国と他国の違いを見ることになったのです。
先ず、自分が見本を巻くことにし、

巻き簀に海苔をおき、

真ん中に鮪があり、ちゃんとした形であるだけでなく、6つに包丁し、とりあえず見本が出来ました。
ちなみに、酢飯は、

黒米を混ぜてあるので、鮮やかな紫色をしているのですが、このような色になるのは、黒米のアントシアニン色素と酢が反応するからで、そんなこともあり、あえて黒米を入れて酢飯を作ることにしています。
見本が出来たら、彼女に「You try?(やってみる)」と訊くと、即座に、「ヤリタァーイ、ヤリタァーイ♬」
ということで、見様見真似でやり始めたのですが、酢飯を手に取ると、分量も和からなかっただけでなく、手に酢飯がついてしまい、

どうにもこうにもならなくなってしまい、泣きそうな表情をしたのには、可笑しくてなりませんでした。
素手で御飯を触ると、手についてしまうのは、日本人なら、子供でも分かっているのですが、そこはオーストラリア人ゆえ、想像だに出来なかったことで、文化の違いというものは、ほんの些細なことに現れるのを実感せざるを得ませんでした。
さて、巻き始めると、

案の定、悪銭苦闘し、

どうにかこうにか巻いたのですが、それに対し、拙い英語力ゆえ、説明するのに、悪戦苦闘するも、

辞書と事典を駆使し、そこはどうにかこうにかクリアし、彼女も、予定の3本をクリアし、

奥が最初に巻いたもので、真ん中が2番目、手前が最後の3本目で、3本巻いただけで、それなりの進歩というか上達したような感じがしました。
怪我をすると困るので、包丁をすると、

こんな仕上がりでしたが、見比べると、

違いは一目瞭然ですが、初めてにしては上出来で、彼女も大満足のようでした。
そして、作る体験のもう一つが天ぷらで、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが見本を見せた後、

手取り足取りというか、手を添え、

天種の海老を油の中に入れてくれたのですが、通訳は欠かせないゆえ、自分がその説明をしていると、

同窓である長女が写メ。
ちなみに、長女は日本料理店の娘ではあるものの、調理に関しては、未体験のことが殆どですが、食レポに関しては、一家言もあり、頭を悩まされるということも過去に何度もあり、誰に似たのかというか、恐るべしDNA。
天ぷらを揚げ終えたら、

彼女が盛りつけてくれ、

体験企画のメインイベントである晩餐会の準備が整い、

先ずは、

皆で乾杯♬
ところで、自分には2人の娘がいるのですが、次女は林間学校に行っているので、今日は、次女抜きでの夕食です。
手巻き寿司と天ぷらだけでは、日本料理の一部でしかなく、色んなものを味わって欲しいこともあり、会席料理などの先付でお出ししているうすい豆腐(グリンピースで作った豆腐)や、

蒸物の鰯つみれ錦糸蒸しも、

食べさせてあげました。
もちろん、どちらの料理も作り方などについて、説明したところ、非常に興味深く聞いてくれ、それが、さらなる美味しさに繋がったようでした。
また、手巻き寿司の作り方も教えてあげたのですが、先程の巻物同様、酢飯の分量の加減が分からず、一番最初のものは、手巻き寿司では、寿司サンドになってしまい、「Like a sushi sandwich!(寿司サンドみたいだよ)」と言うと、「ムズカシイネェ~。」と苦笑い。
食事中は、色んなことについて、訊いたり、訊かれたりだけでなく、真由美さんたちの通訳もしたりと、普段とは違う食事を、皆で楽しむことが出来ました。
楽しい時間はあっという間で、彼女をホストファミリー宅まで送らなくてはならないので、自分と真由美さんは片付けをし、その間、長女と彼女は、デザートのマスカットのアイスを食べながら、

今時の女子高生らしく、

ポーズを決めては、2人で自撮り。
それでも、アイスのことが気になった彼女は、「Oh,good taste.Did you make this ice?(美味しいですけど、アイスは、手作りなの。)」と訊いてくれ、「Yeah,of course handmade !(もちろん、自家製だよ。)」と答えると、驚くとともに、ニッコリ。
そうこうしていると、後片付けも終わり、彼女をホストファミリー宅まで送り、自分にとっても、久々に貴重な体験をすることが出来ましたが、久々というよぷうに、3年前、2人のドイツ人のカメラマンに、ふぐの卸し方を見せてやって以来のことです。
日本料理文化がユネスコの世界文化遺産に登録されて時間が経ちましたが、日本料理を生業とする以上、国内外の人達に、日本料理の素晴らしさを伝えられるよう努力し、その担い手でありたいことを、改めて感じたのでした。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、6月6日(木)の予定です。


放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
W法事の後に、バスのお客様用の器出し
今日は、御座敷、テーブルともに、法事の御予約を頂いていたので、

7時前から、仕事を始めました。
ひととおりの段取りを終えたら、蒸物(鰯つみれ錦糸蒸し)から、

盛り付けたら、

温蔵庫にしまっておき、頃合いを見て、電源を入れ、熱々をお出し出来るようにしています。
その後、刺身などを盛り付けたのですが、

今日の鮪は、金曜日に入荷した生の本鮪(那智勝浦)で、その中とろの部分をお出ししたのですが、神棚に奉りたくなるほどのものでした。
生の本鮪以外に、蛍烏賊(富山)、小肌(佐賀)、湯葉を盛り付けたら、

冷蔵庫にしまっておき、山葵がついていないのは、

お出しする直前に、

卸したての本山葵を添えるからです。
また、テーブル、

御座敷とも、

献立も全く同じで、セットしてある小鍋は、

献立にもあるように鰻鍋でした。
鰻鍋は、蒲焼にした鰻を、笹がき牛蒡をはじめ、玉葱、えのきなどの野菜と共に、温めたものを召し上がって頂くのですが、笹がき牛蒡の風味が、何とも言えません。
ちなみに、既製品の蒲焼を使っているのですが、そのものよりも食べやすく、個人的には、こちらの方が好みでもあります。
全ての準備が整ったら、

打ち水をし、御来店を待つばかりとなり、御予約時間もずれていたこともあり、問題無く全ての料理をお出しすることが出来ました。
どちらのお客様もお帰りになったら、

片付けをしたのですが、休み明けの火曜日に、

バスツアーの団体のお客様がお見えになるので、使う器はしまわずに、

番重に入れておきました。
朝から何も食べずに、お腹も空いてきたので、

刺身に使った生の本鮪の鉄火丼をてんこ盛りで食べてしまい、そのまま休憩というか、昼寝タイム。
ただ、食べてすぐに横にならなかったので、牛にはならずにすみ、夜の営業時間となったのですが、合間を見ながら、 出来る仕込みをやろうと思ったのですが、 そこまでは手が回らず、明日は予定通りの休日出勤です。
ランチは法事、夕席はふぐ料理
昨日と同じく、今日も法事の御予約を頂いていたので、

6時過ぎから、仕事を始めました。
実を言うと、寝坊ではないものの、予定よりも、少し遅めの始動となってしまったのですが、50歳が来年の12月となると、疲れが抜けにくくなるもので、いやはや寄る歳の波には・・・。
先ずは、

お弁当を仕上げ、その後、

デザート(苺のムース)から、料理の盛り付けを始めました。
また、今夜は、ふぐ料理の御予約も頂いていたので、デザートや薬味など、盛り付けても差し支えがない料理も、

盛り付け、冷蔵庫にしまっておいたのですが、御座敷、テーブル共に、法事の御席だったこともあり、滞りなく、料理をお出し出来るよう、

番重(ばんじゅう)の蓋には、時間と人数を記したメモを貼っておきました。
このような状況でしたので、

玄関先には、満席のお詫びを掲げておき、

準備も整い、

御来店を待つばかりとなりました。
元々の御予約時間が30分以上ずれていたので、御来店時間も重なることなく、料理をお出しすることが出来、片付けを終え、

夜のふぐ料理の用のふぐちりを盛り付けを、休憩前にすることが出来ました。
そして、休憩後、

ふぐ刺を引き終え、冷蔵庫へ。
そして、お客様がお見えになったら、二品の先付をお出しした後、

ふぐ料理をお出ししたのですが、他のお客様の料理に追われていたこともあり、ふぐ刺以外の写真はございません。
また、今日のふぐ料理のふぐは、いつものように天然のとらふぐで、三重県熊野灘産のものです。
そんなこんなで、昨日の法事、今日のW法事とふぐ料理で、10連休の初日と二日目は終わったのでした。
今日も明日も、法事
今日から10連休の方も多いかもしれませんが、ゴールデンウィーク中、『佳肴 季凛』は、定休日の月曜日(4月29日、5月6日)のみ、お休みさせて痛きます。
そんな今日は、法事の御予約だけでなく、お寺にお持ちになるお弁当を御用意しなくてはならなかったので、

6時過ぎから、仕事を始めました。
お弁当用の料理が仕上がったら、鶏肉の照焼は自分が盛り付け、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、

他の料理を盛り付けてくれ、

このように仕上がりました。
その後、法事の御席の料理を盛り付け、

準備が整ったら、お客様の御来店を待つばかりとなり、御食事を終え、片付けをし、夜まで休憩を取ることにしました。
そして、明日も法事の御予約を頂いているので、 夜の営業が終わったら、

御座敷と、

テーブル席に、御席の用意をし、最後に、

器出しをしたのですが、個別の器以外には、

夜のふぐ料理の土鍋も準備しておきました。
また、明日も今日同様、お弁当を御用意するので、

折も準備し、ゴールデンウィーク初日が終わったのでした。
★★★ 『佳肴季凛』謹製 【鰯の丸煮】 ★★★
当店では、お中元、お歳暮、手土産などの贈り物や、お取り寄せに最適な【鰯の丸煮】をご用意いたしております。

5パック(10本)入 2,250円 ※クール便にて発送可
“大羽(おおば)”と呼ばれる大きめの真鰯を使用し、店主の“熱き想い”と共に、煮詰めた逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
バージョンアップした2種類のPOP
今日、

宅配便で届いたのが、

2種類のPOPでした。
2種類のうちの1つが、

『胡麻だれ』と、

『ぽん酢』を、

ラミネートしたPOPで、

レジのところに、

置いておきましたが、これまでは、

『胡麻だれ』だけのものでしたので、バージョンアップしたことになります。
そして、もう一方のPOPは、



『胡麻だれ』、

『ぽん酢』、

そして、『御食事券』と、

全部で5種類のお品が載っており、

従来の3種類(『西京漬』、『御食事券』、『鰯の丸煮』)に代って、先程同様、バージョンアップしました。
これまでのように、御席に置いておくのですが、サイズも変更になったので、置くのは、もう少し後になります。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、5月2日(木)の予定です。


放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
仕込みは、先付けのみ
定休日の今日は、仕込みという仕込みもなくかったのですが、

夕方になり、

『佳肴 季凛』の2階である住まいから1階の厨房に行き、

先付のうすい豆腐(グリンピースの豆腐)を仕込みました。
洗い物は、

明日することにし、

最後に糠床の手入れをして、休日出勤が終わりました。
来週の月曜日の29日は、

ゴールデンウィーク中ではありますが、月曜日ということもあり、お休みさせて頂きます。
ゴールデンウィークと言えば、ランチ、夕席とも通常通り、営業しますが、最終日の6日は、

29日同様、月曜日ということもあり、お休みさせて頂きます。
ただ、明くる日の7日は、バスツアーの団体のお客様がお見えになるので、仕込みをするので、休日出勤が、既に決まっています。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、5月2日(木)の予定です。


放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
静岡県受動喫煙防止条例により、禁煙
昨日、

静岡県健康福祉部医療健康局健康増進課という漢文のような部署から、

一通の封筒が届きました。
中を開けると、

飲食店の店内における喫煙の可否に標識表示についての文書をはじめ、

リーフレットと共に、

ステッカーが入っていました。
文書によれば、

平成31年4月1日から、静岡県受動喫煙防止条例が施行され、先程のステッカーを表示しておかない場合、罰則規定はないものの、店名の公表などの処分が課されるとのことです。
これまで、『佳肴 季凛』では、ランチタイムは禁煙でしたが、夕席のお時間は、喫煙可能で、店内での喫煙については、自分も頭を悩ませていたのですが、これを機会に、

完全に禁煙とさせて頂くことにし、

早速、入口にステッカーを貼っておくことにしました。
Facebook友達で、飲食業に従事している方達が、このシールを投稿していたのですが、それに対してのコメントを見ていると、殆どの人が、禁煙を望んでいました。
これにより、店内では完全に禁煙となりましたが、従来どおり、玄関には灰皿を設置してあるので、喫煙される方は、

そちらでの喫煙をお願い致します。
最後になりましたが、喫煙と言えば、自分は母親のお腹にいた時に、さんざん煙草を吸ったので、「オギャー」と産声を上げて以来、一度も吸ったことがありません。
2500回目
今回のお話しで、当ブログ『もっと美味しいお話し』は、2500回目の更新となりました。
ここまで、約10年半かかりましたが、我ながら、感心すると共に、自らの奇特ぶりに、言葉が見つかりません。
また、ここ3,4年の間、遅れることはあっても、一日も欠かさずに更新しており、これまた然りです。
そんな記念日ということで、今日のお昼は、

生の本鮪(銚子産)と〆鯵(富山産)のハーフ&ハーフ丼を賄いに作り、お昼に食しました。
これからも、お付き合いは勿論のこと、料理人ブログ界のイチローを目指しておりますので、くれぐれも宜しくお願いします。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、4月4日(木)の予定です。


放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
食遊市場
定休日の今日は、女将兼愛妻(!?)と沼津方面に出掛けたついでに、
駿東郡清水町にある『沼津卸団地』にある『食遊市場』へ、行ってきました。
HPにも書かれているように、卸売市場ではありますが、一般の方でも立ち入り、購入することが出来ます。
中に入ると、
カートがあり、
お目当ての店舗に行きました。
これまでに、自分は何度か来たことがあるので、大体の様子を把握しており、
海苔屋に行き、
いくつか買うことにしたのですが、料理の道を志し、一番最初に身を置いたのが、鮨屋だったこともあり、海苔という素材を避けて通ることは出来ません。
ですので、海苔専門店となると、平常心ではいられませんし、つい長居をしてしまいますし、普段でも、たかが海苔ということで、片付けることは出来ず、特に鮨屋の場合、どんなに良い魚が並んでいても、海苔が美味しくない時ほど、興ざめしてしまいます。
海苔屋にいる頃、『食遊市場』に初めて来た真由美さんは、
向かいのパン屋で、
色々と物色していました。
海苔屋の後、
八百屋でも買物をしたのですが、館内には、
珍味屋、
乾物屋、
雑貨屋、
菓子屋、
肉屋、
魚屋があり、
この魚屋は、自分が沼津魚市場で魚を仕入れる時の窓口となっている問屋の『綾市商店』です。
何だかんだで、必要なものを買うと、
カートは満載近くなり、下の段にあるのは、一斗缶の油で、
買ったものを積み込み、『食遊市場』を後にしました。
先程の写真以外にも、酒屋、食料品店などが軒を連ねており、買物をしなくても、十分楽しめるくらいですが、注意しなくてはならないのは、買い過ぎというか、無駄使いをしないことです。
機会がありましたら、是非一度、行かれてみて下さい。
2019.2.25|季凛 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
明日のWバスと夜の準備
沼津魚市場に行く日であれ、いかない日であれ、出汁を引いたり、その日の御予約の状況に応じたルーチンの準備をするのが、一日の始まりで、今朝も然りでした。
そんな今日ですが、明日のお昼は、Wバスつまり、2組の団体のバスツアーのお客様の御予約を頂いており、一方の夜は、御祝いの御席の御予約を頂いているので、ルーチンの段取りを終えたら、それらの仕込みをすることにしました。
魚市場が休みですので、土曜日は、魚の仕込みというか、下拵えがなく、土曜日の仕込みの殆どは、自ずと野菜が中心をとなります。
ルーチンの段取りを終えたこともあり、女将兼愛妻(!?)の真由美さんは、
小鍋用の野菜(玉葱、榎、人参)の仕込みに取り掛かっており、
自分は、
サラダ素麺の野菜と、
刺身用のつまを仕込んでおきました。
サラダ素麺の野菜は、長葱、茗荷、ピーマン、パプリカ(赤、黄)、人参(赤、黄)、レッドキャベツ、アーリーレッドで、妻のそれは、大根、胡瓜、人参(赤、黄)です。
その頃、真由美さんは洗い物や、ランチの御席のセットなどに追われており、自分は、先程の仕込みの後、
酢の物用の蛇腹胡瓜、
山掛けに使う大和芋も、仕込んでおきました。
その後、
ふぐ刺の前盛用の葱や、
諸々の料理にための葱を包丁しておき、その頃までには、ランチの営業時間が近づいており、仕込みは小休止。
とは言え、自分の仕込みの殆どが、包丁を使うものですので、真由美さんには申し訳ありませんが、ほぼ終わったも同然で、お気楽極楽気分でした。
ランチの営業時間の合間を見ながら、真由美さんは、揚物用の仕込みをしてくれ、
その仕込みも長引くことなく、終えることが出来、この仕込みついでに、賄いの仕込みをし、今日のお昼は、
鯵、海老、牡蠣をフライにし、娘達の夕飯も便乗し、
チキンカツをおかずにし、夜の営業時間前に揚げておきました。
そして、夜の営業が終わり、お客様がお帰りになったら、
真由美さんと、
ホールスタッフは、御座敷とテーブル席に、御席の準備をしてくれ、自分は、
揚物の器を用意しておき、真由美さんは、
バスの乗務員の御席の準備をしていました。
御席のセットも終わったので、
器出しをしたのですが、
バスだけでなく、夜の御席用の器も、
用意しておきました。
南京と書かれていますが、南京とは、南京豆腐つまり、南瓜で作った豆腐のことで、刺身なら刺と書いたり、デザートなどは、デで済ますことあり、暗号や符牒めいたものが羅列するのも、しばしばです。
仕事というものは慣れゆえ、経験値こそが肝要で、繰り返すことによって、精度が高まります。
職人の道を極める一方で、所謂オーナーシェフである以上、職人と対極の商人との漸近線の境地を見る眼力を備えなくてはならず、その難しさたるや、容易ではありません。
だからこそ、挑みがたいがあり、その修練を怠るわけにはいかないのです。