新型コロナウイルスの影響による飲食店倒産防止対策
ご存じのように、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、様々な業種が、影響を受けており、テレビ、新聞、ネットなどで、報じられており、我々飲食業も、その一つです。
そんな中、大阪のフランス料理店【HAJIME】のオーナーシェフが、
このような署名活動を始め、
ネットでも、署名が出来、こちらが、そのページです。
こちらのオーナーシェフは、国内でもトップクラスのシェフで、自分と比肩するのは、おこがましいのですが、自店の存続以上に、飲食業そして、飲食業に付随することへの想いがあり、それに共感しただけでなく、超有名店でも、置かれた境遇が全く同じということを感じたので、今回、お話しさせて頂くことにしました。
どんな職種も、異業種と繋がっているのですが、三次産業の飲食業は、一次産業の産物を、料理の素材として使い、二次産業の産物を、店の什器備品として使っています。
飲食店が倒れれば、我々が路頭に迷うだけの話で済みますが、一次産業が倒れてしまうと、国民が飢えてしまいますし、二次産業がそうなると、文明の利器の恩恵に与ることが出来なくなってしまいます。
一次産業と二次産業に触れたのは、国家の基本は、食とエネルギー政策にあり、戦後の日本は、これらをないがしろにしてきたことに言及したかったからです。
結果として、食料自給率は、目も当てられない数字になってしまい、感染症により、鎖国状態となった今、飢えても、何ら不思議ではなくなってしまいました。
また、資源がないことを自覚していたことで、かつての日本は、勤勉さと器用さを武器に、品質の高い工業製品を輸出し、それで得たお金で、化石燃料を求め、さらに技術を磨き、世界有数の経済大国になることが出来たものの、週休二日制を導入し、ホワイトカラーが増えたことで、ものつくりというより、その精神である勤勉さも、失われてしまいました。
人間たるもの、陳腐な精神論ではなく、精神つまり、気力がなくては、どうにもならないのです。
ところで、飲食店というか、外食は、あくまでも贅沢品で、最近の状況からして、感染を助長しているかのように指摘され、自粛するように言われているのは、戦前、戦中、権力の名の下というより、権力にすがることで 、 「欲しがりません、勝つまでは」、「贅沢は敵だ」を 、 他人に強制したことと同類としか思えません。
さらに言うと、コロナウイルスの感染者を見つけ、魔女狩りめいたことをすることと、何ら変わらず、感染した過程で、行動履歴、素性まで公表する感覚は、飲食業を生業とする者にとっては、御法度ですし、その前に、品性そのものが、欠けています。
そんな中で、営業することは、かつての非国民と思われるかもしれませんが、少なくとも、自店であれば、固定資産税を払い、借り店でも家賃を通じ、固定資産税を払っています。
営業にあたっては、地域の保健所に許可を取るだけでなく、営業の業態によっては、県知事の許可も取らなくてはならず、そのための手間と経費は、一筋縄ではないのです。
全てを明らかにしても構わないのですが、少なくとも、立ち上げた方とはジャンルこそ違えど、食文化を支えていることに、誇りを持っています。
来年、延期された東京オリンピックが開催された時、海外からの旅行者をもてなすためには、どうしても、飲食店は欠かせませんし、飲食店がなければ、誘致の際の「お・も・て・な・し」は、羊頭狗肉以外の何物でもなく、延期した上に、もてなすことが出来なければ、日本の名は、失墜してしまいます。
これまで、3000回近く、お話しをさせて頂いてきましたが、食に関することが中心で、今回のように、政治的というか、思想的というか、デリケートな部分に触れたのは、後にも先にも、初めてのことです。
お読みになられた方の中で、今回のお話しにご賛同して下さったら、有り難いですし、さらに、ご署名を頂ければ、幸いです。
魚料理中心のランチメニュー
ランチ、夕席のどちらも、コース仕立てのものをお出ししていることもあり、御予約のお客様が多いのですが、常連さんともなると、お好みを考え、手を変え、品を変え、アレンジしています。
そんな今日、ご用意したランチメニューの“季”(おひとり 1,500円)は、通常どおり、会席仕立てで、魚料理を多めに入れた献立でした。
常連さんですので、御予約した上で、御来店して下さり、既に、当店のマストアイテムでもある小鍋を準備しておき、今日の小鍋は、
ひじきと野菜の小鍋仕立てで、7種類の雑穀(玄米、押麦、黒米、小豆、あわ、ひえ、きび)をはじめ、20種類近い食材が入っています。
御来店されたら、小鍋をセットし、火をつけたら、
先付は、ふぐ皮で、ふぐは、もちろん天然のとらふぐで、ふぐ皮ということもあり、三重(熊野、安乗)と静岡(舞坂)産のものが混ぜっています。
そして、小鍋同様、
お凌ぎのサラダ素麺で、素麺に、お手製の胡麻だれを掛け、刻み野菜を乗せたもので、野菜には、長葱、茗荷、ピーマン(赤、青)、パプリカ(黄)、レッドキャベツ、アーリーレッドが入っています。
ちなみに、お凌ぎとは、会席料理の献立のひとつで、先付の次くらいにお出しする、軽い御飯、麺類などで、空腹を凌ぐという意味合いから、名付けられたものです。
そして、主菜が、
鯖の西京焼で、それと共に、
昆布御飯をお出ししました。
個人的に、鯖は、調理方法にもよりますが、御飯に合う魚つまり、おかず向きの魚で、特に、鯖の味噌煮がその典型だと思います。
西京焼の鯖は、ノルウェー産のもので、国産のものよりも、脂が乗っているので、加熱調理には、ノルウェー産の方が、美味しく食べることが出来ます。
また、昆布御飯も、吸い物よりも、薄めの味付にしてあります。
主菜の次が、
〆鯵(しめあじ)で、鯵は鹿児島県産です。
そして、デザートが、
マスカットのアイスで、デザート共に、
コーヒーをお出しし、お食事が終わりました。
これまでお話ししているように、ご要望があれば、昼夜問わず、色々お出しすることが出来ますが、先ずは、通常のメニューを召し上がった上で、御希望をお申し付け下さると、幸いです。
熊野桜
先日、天然のとらふぐや鱧(はも)の仕入先の三重県熊野の魚屋さんから、
日本酒が届きました。
いわゆる酒呑みですので、何よりも嬉しい心遣いで、嬉々としながら、箱を開けると、
『熊野桜』という銘柄の日本酒が、お目見え。
しかも、
純米酒となれば、嬉しさは倍増というより、2乗。
仕事が終わるのが、待ち遠しい限りで、お客様のお帰りを待ちながら、
そのまま、味見。
かつては、この飲み方を冷やと言ったのですが、昨今では、常温と呼ぶようになり、酒呑みとしては、風情もなく、淋しいこと、この上ありません。
純米酒らしい味わいで、期待しながら、
MY 錫(すず)の銚釐(ちろり)で、燗をつけると、うっとり・・・。
ちなみに、自分は、一年365日、真夏でも熱燗で、冷酒は全くと言っていいく飲みませんし、驚かれるのが、“ふぐに魅せられし料理人”でありながらも、ひれ酒も同様です。
ところで、この『熊野桜』ですが、
2018年に、日本国内の野生の桜としては100年ぶりに新品種と確認されたものです。
そんなこともあり、ググってみたのですが、花より団子ならぬ酒の自分としては、ひと足早く、桜というより、『熊野桜』 に酔いしれたのでした。
カウンターで、丼
先日、ランチタイムにお出しした丼をお話ししましたが、それをお読みになった常連さんから、一昨日、今日の御予約を頂きました。
色々とお話しが出来る常連さんなので、
カウンターに席をご用意しました。
御来店されると、
酢飯に海苔をちらし、
奥から、〆鰯、きめじ、白魚を盛り付け、きめじとは、黄肌鮪(きはだまぐろ)の幼魚のことです。
そして、
アーリーレッド、茗荷、胡瓜、人参の刻み野菜を乗せ、
紅蓼、胡麻をちらし、生の本山葵を天に盛ったら、きめじの赤、白魚の白、〆鰯の青の三色ということで、フランス国旗のトリコロールにちなみ、トリコロール丼が出来上がりです。
丼をお出しする前に、
先付のうすい豆腐(グリンピースの豆腐)をお出しし、丼と共に、
味噌汁をお出ししたのですが、具は、ひじき、庄内麩、油菜でした。
お食事を終えたら、
デザートの苺のムースと、
コーヒーをお出しし、お食事が終わりました。
常連さんですので、色んな話をし、その中で、次回のご要望も伺うことが出来たのですが、これまでに無いもので、ご用意する自分も楽しみで、内容については、お出しした時にお話しさせて頂きます。
これまでお話ししているように、ご要望があれば、昼夜問わず、色々お出しすることが出来ますが、ランチの場合、先ずは、通常のメニューを召し上がった上で、特別メニューを召し上がって頂くことをお願いします。
一人仕事ゆえ、限度があるからで、併せてご理解のほど、宜しくお願いします。
ランチに、生の目鉢鮪、白魚、〆鯖のトリコロール丼
ブログをお読みになっている方や、SNS繋がりの方の中には、自分の賄いに、ご興味、ご関心がある方が多く、今日は、そんな常連さんからの御注文で、
ランチタイムに、丼ものをお出ししました。
ちなみに、通常のランチメニューは、このようなもので、会席仕立てのランチコースとなっています。
酢飯の上に、海苔をちらし、その上に、
奥から、〆鯖(長崎産)、生の目鉢鮪(銚子産)、白魚(霞ヶ浦産)で、青、白赤、白の三色丼で、この三色は、フランス国旗の色で、
言うなれば、トリコロール丼となります。
丼の前に、先付のうすい豆腐(グリンピースの豆腐)をお出しし、
丼と共にお出ししたのが、
滑子(なめこ)と韮(にら)の赤出汁でした。
最後に、デザートの苺のムースと、
食後の飲物(紅茶)をお出しし、
飲物は、その日にもよりますが、基本的には、コーヒーかハーブティーです。
丼ものランチメニューは、いつもあるとは限らないだけでなく、内容もその日次第ですし、お品書きにも載っていません。
あくまでも、気まぐれゆえ、賄いをランチにお召し上がりになりたい方は、ブログのカテゴリーにある【賄い】を御覧頂いた上で、ご連絡を下さると、有り難いです。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、4月2日(木)の予定です。
パソコン、スマホでも、
休校中のお手伝い
月曜日の今日は、定休日でしたが、ご予約を頂いていたので、
ランチタイムだけ、
営業し、最初の写真は、デザートの苺のムースです。
昨今の流行病(はやりやまい)の影響で、休校中ということもあり、
次女が、
色々と、
手伝いをしてくれ、大方の洗い物を終えたら、
シンクの排水口のごみ受けも洗ってくれ、お客様がお帰りになったら、
トイレ掃除と、獅子奮迅の活躍。
ちなみに、先日、高校を卒業した長女は、高校に入ってからは、お手伝いではなく、バイト扱いとなり、今日も働いてくれたのですが、本人の意向で写真はありません。
普段のホールスタッフが出勤出来なかったこともあり、結果的に助かったのですが、流行病の影響もなくなり、一日も早く、通常の世の流れになって欲しいものです。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、4月2日(木)の予定です。
パソコン、スマホでも、
控えめの仕込み
お客様にお出しする料理は、可能な限り、鮮度の良いものや、仕込んでから時間が経っていないものにしたいもので、必要以上に仕込むことはしません。
ただ、商売ゆえ、足りないということだけは避けなくてはならないので、自分の勘と経験を頼りに仕込んでおり、ひとり仕事ゆえ、仕込みが重なると、大変なこともありますが、良い意味で思惑が外れ、仕込まなくてはならないのは、有り難いことです。
そんなタイミングにあたったのが、 うすい豆腐(グリンピースの豆腐)で、
昨日は夜の営業が終わってから、
今日は朝のうちに、仕込みました。
文字に書くのも忌まわしい流行病(はやりやまい)というか、疫病の影響で、気落ちしそうな昨今ですが、料理の道こそ、自分の道である以上、粛々と、日々の仕事に向き合うのみです.
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、4月2日(木)の予定です。
パソコン、スマホでも、
2020.3.7|季凛 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
魚市場に行く前に、仕込み
魚市場に行く時は、4時過ぎに起きるのですが、少し早めに起きた今朝は、
厨房に行き、
先付のうすい豆腐(グリンピースで作った豆腐)を仕込みました。
徹夜での仕事や、お弁当などの料理の仕上げや料理の盛り付けなどの経験は、過去に何度もあるのですが、下拵えや仕込みの類の仕事を、こんなに早くするしたのは、約30年の料理人人生の中では、実は初めてのことでした。
普段なら、前日に仕込むのですが、片付を完全に終えた遅くになり、ランチの御予約を頂き、在庫分では足りなくなりそうな感じなったからです。
その後、
冷蔵庫にしまったら、
鍋などの道具を水につけ、魚市場へ。
いつもよりも早めに出たこともあり、魚市場の売場に着いたのも、
若干早めで、5時を過ぎた頃でした。
ひととおりの仕入れを終え、
最後に、
佐賀産の小肌を仕入れ、
魚市場から帰る頃には、
富士山も見えるようになっており、夜が明けるのが早くなったとは言え、先程の写真のように、氷の入った海水に手を浸けるのは、まだまだ辛いものがあります。
【佳肴 季凛】に戻り、
荷物を下ろし、仕込みをする前に、
大方固まっているような感じで、ランチの営業までには間に合わすことが出来、ひと安心。
こうして、普段より早めに起きただけでなく、仕込みをして魚市場に行った一日が始まったのですが、徹夜での仕事や、お弁当などの料理の仕上げや料理の盛り付けなど、早い時間からの仕事の経験は、過去に何度もあるものの、下拵えや仕込みの類の仕事を、こんなに早くするしたのは、約30年の料理人人生の中で、初めてのことで、 料理の世界の未体験エリアは、まだまだあるかもしれません。
★★★ 『佳肴季凛』謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な【西京漬】をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
3月9日のランチ
毎週月曜日が定休日の当店ですので、今日はお休みさせて頂いておりますが、来週の月曜日の9日は、
ランチのみですが、営業します。
月曜日に営業するのは、基本的に、御予約を頂いた時や大型連休の暦の都合により、月曜日の営業に関しては、特に決め事はございませんが、御来店のお考えの時は、お手数ですが、お問い合わせをお願いします。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、3月5日(木)の予定です。
パソコン、スマホでも、
バスツアーの外国人向けの英語版の献立
今日届いたのが、
英語版の献立で、
来週の水曜日(26日)に、オーストラリアから訪日される団体のバスツアーの方向けのものです。
開くと、
英語と、
日本語が表記されています。
バスツアーのお客様に限らず、通常の場合、女将兼愛妻(!?)の真由美さんをはじめ、ホールスタッフが料理を簡単に説明するのですが、今回は、オーストラリア人ということもあり、料理について、自分が英語で説明することになっています。
言うまでもなく、料理だけではなく、その食材についての詳細、余裕があれば、それに関連する日本文化も説明するつもりです。
というのも、添乗員兼通訳の方も同席されるのですが、食材、調味料など日本料理に関することは、特殊な言い回しや表現があるので、稚拙ながらも、自分が説明した方が、手っ取り早いからです。
献立の下には、
自分の名前が書かれており、裏表紙には、
当店の英語版のページのアドレスを記載してあります。
この献立の原案は自分ですが、作ってくれたというか監修してくれたのは、富士市にある【新聞堂総合研究所】の社長で、そちらの会社が発行しているのが、『Face to Face』というフリーペーパーです。
今回の企画に限らず、英語版のパンフレットをはじめ、
英語版のショップカードなどを作ってくれており、
言うなれば、【佳肴 季凛】の“店外国際部”ということになります。
御来店された方達が、食事に満足され、日本料理文化、その背景たる日本文化を垣間見てくれ、滞在中に、日本文化の良き体験をされるよう、願ってやみません。