日本料理店のオードブル
“佳肴 季凛”では、前もってご注文をいただければ、このようなオードブルもお作り致します。
左奥の料理が、”海老の彩り揚げ”です。“五色揚げ”などと言ったりもします。
“彩り揚げ”とは、赤、黄、緑などの色を付けたお茶漬け用のあられ(ぶぶあられ)を衣にして揚げたものです。オードブルのような、盛り込み料理には、盛り栄えする食材を入れるのが基本です。
その隣が、“玉子焼き”です。
ただ、四角に包丁するのではなく、こんな風に包丁しました。このような包丁の仕方を、“切り違い”といいます。“切り違い”については、こちらを。
右奥が、“めかじきの西京焼”です。
その手前の器に盛り付けているのが、“鱧の南蛮漬”です。
器ごと盛り付けることで、汁がこぼれるだけでなく、盛り付けに変化を持たせることが出来ます。
真ん中手前が、“鶏ももの塩焼き”です。
その隣の手前左にあるのが、”おにぎり”です。桜海老の炊き込みご飯です。
今回は、こんな風に作りましたが、ご要望に応じて、いろいろと対応させて頂きます。
若い方が多いようでしたら、揚物中心でお作り致しますし、煮物をご希望であれば、そのように致します。
日本料理店というと、兎角堅苦しいイメージがつきまといますが、“佳肴 季凛”では、お客さんのご要望には、可能な限り対応させて頂きます。オードブルも、そんな一つです。
機会がございましたら、ご家庭などでの、ちょっとした集まり等に、是非ご利用してみて下さい。
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店主 志村
玉子焼
お弁当の献立の定番の一つが、玉子焼きです。
そんな今日は、玉子焼きのお話しというより、焼き方のお話しです。
これが、玉子焼き専用の鍋です。銅で出来ています。銅製なのは、熱伝導率が高く、熱当たりが柔らかいからです。
玉子焼きですから、先ず卵を割ります。ここで、話しをあえて、逸らします。玉子焼きであって、卵焼きではありません。
そう書かない理由ですが、卵と書くと、モロに卵という感じになってしまい、グロテスクな感じがするからです。つまり、素材を表すのが卵で、料理を表すのが玉子なのです。
卵を割る時は、一個ずつ小さいボールに割ります。そうしてから、大きいボールに入れます。このようにすれば、卵に不都合があった時に、その一個だけを、処分すれば済みます。
割り終えたら、卵をときほぐします。この時、切るように混ぜます。そこに、出汁を入れます。今回は、厚焼き玉子なので、甘い味付けにしてあります。
厚焼き玉子とは、簡単に言えば、甘い玉子焼きのことです。出汁巻きとは、お吸い物の汁のような味付けで作ったもので、厚焼きに比べて、出汁の量が多いので、お弁当には向きません。
出汁の中に、砂糖、塩、薄口醤油、日本酒、味醂を入れ、沸かしたものです。
これで、玉子地(たまごぢ)=玉子液の準備が出来ました。
玉子焼きの鍋を、火にかけます。油を引き、鍋が温まったら、玉子地を流します。火は、中火より強めです。
ある程度の火力でないと、玉子の黄色い色が出にくく、火が弱いと、空気が入らないので、食べた時のふんわりとした食感が出ません。
固まってくると、所々膨らんできます。これをつぶします。表面が乾き始めたら、向こう側から、巻いていきます。半熟状態で巻くと、くっつきやすく、きれいに巻けます。
巻いたら、また向こうに押し戻してから、玉子地を流します。
さらに巻きます。この作業の繰り返しです。
この時、箸を使っていますが、箸は玉子焼きをつかむものではなく、返す時の支えです。
最後の玉子地を流しました。
巻き終えたら、角を立たせるため、左右にずらして、火にあてます。
完全にくっついたら、向こう側に戻してから、捲き簾(まきす)に取ります。
しばらく、そのまま巻いておきます。こうすることで、角が美しい玉子焼きになります。今回の玉子焼きは、大きいので、無理ですが、この時丸くすれば、丸い玉子焼きに出来ます。
今でこそ、こうやって玉子焼きも焼けるのですが、当然、最初は全く出来ませんでした。
一番最初に入ったのが、鮨屋でしたが、そこでは玉子焼きを買っていたので、焼くこともありませんでした。が、焼いてないから、焼けないのでは、みっともないし、店を移った時に、出来ないと、シャレにもなりません。
ですから、休憩時間や、仕事が終った後に、練習しました。毎日、一本か二本焼きました。当然、失敗の連続です。失敗したからといって、捨てるわけにはいきません。
失敗作は、当然賄い行きです。ですが、自分のためにやっているから、卵代は自腹です。卵がいくら安いとはいっても、自腹ですから、本気です。
昼休みでしたら、お昼のおかずとなりますが、仕事が終ってからですと、店には誰もいませんし、そんな時は、焼きあがった玉子焼きを持参で、ネオン輝く夜の新宿・歌舞伎町に繰り出します。
当然、お土産持参ですから、女の子にも、喜ばれること受けあいです。しかも、大抵の女の子は玉子焼きが好きです。ただ練習しても、張り合いがありません。こういう下心があればこそ、上達も早いものです。
独身時代の自分の給料は、玉子焼きに限らず、魚を卸したりと、色んな練習代に変わった以上に、殆どが課外授業の代金に変わってしまいました。
たまには、そんな課外授業にも繰り出したいものです。
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店主 志村
松花堂弁当
以前、”佳肴 季凛”のお弁当のお話しをしました。詳しくは、こちらを。
今日のお弁当は、こんな感じのものでした。先ずは、その器から。
二段になっています。ふたを開けると、こんな料理です。いわゆる松花堂弁当です。ちなみに、松花堂弁当とは、中に十字の仕切りがしてある弁当のことです。
左上の仕切りに入っているのは、揚物です。白い方が”いかの新挽揚げ”で、ピンクの方が”帆立の新挽揚げ”です。
右上の仕切りが、”煮物”です。人参、蓮根、ごぼう、こんにゃく、椎茸、絹さやです。
右下の仕切りが、焼物ほか色々です。お弁当の定番である”玉子焼き”、”めかじきの照焼”(上に乗っているのは、酢ばすです。)、”つくね”、”海老の酒煮”が入っています。
左下の仕切りが、御飯と香の物です。今回は、”桜海老の御飯”です。
このお弁当箱とは、別にもう一品あります。”鳥もも肉の塩焼”です。粒マスタードをかけると、より美味しく召し上がれます。
会社の会議、お花見、ご自宅での会食など、ご予算、ご要望に応じて、色々作らせて頂きますので、何なりとお申し付け下さい。
ただ、お弁当に限らず、”佳肴 季凛”の料理は、全て自分の手作りですので、前もってのご注文をお願いいたします。
志村
季凛のお弁当
”佳肴 季凛”では、ご法要料理のお席もご用意しておりますが、その際、お客様から仏様にお供えするお弁当のご注文もお受けしております。
こんな風に、二段重ねです。
何はともあれ、中を開けて見なければ、お話しできません。
こんな感じのお弁当で、六つに仕切られています。
先ずは上の段から、お話しします。
左はじが、”鶏もも肉の塩焼”で、真ん中が揚物です。”ずわいがにの新挽(しんびき)揚げ”、”帆立の新挽揚げ”、”鶏肉の竜田揚げ”の三種類です。右はじが、”煮物”になります。人参、蒟蒻、蓮根、牛蒡、椎茸、隠元が入っています。
下の段です。
左はじが、御飯で、”桜海老御飯”になります。真ん中が焼物です。”めかじきの西京焼”、”玉子焼”、”海老の酒煮”、”つくね”になります。右はじが、”温牛(おんぎゅう)”です。佳肴 季凛のオリジナルメニューで、ご存知の方も多いと思います。
前もって、ご注文を頂ければ、このようなお弁当もご用意致します。ただ、ランチタイムとの兼ね合いもありますので、お断りすることもあるかもしれません。その際は、どうかご容赦下さい。
志村