天ぷらと刺身メインの『特別会席』用の魚介類
4月30日 (Vol. 4,374)
今夜の料理は
天ぷらと刺身メインの
コース料理でしたので
仕入れも
普段とは違いました
当然、仕込みもです
コースの内容は
明日にして
今日は仕入れと
仕込みの様子を
お話しします

いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「おはよう、親方
今日の仕入れって
いつもと感じが
違うような
気がするんだけど・・・」
と、ミニふぐちゃん
「おはよう
よく気付いたね」
と、言うと
「えへへ・・・♬」
「何故だと思う?」
「えっ!?
そこまでは・・・・・」
「今夜の予約は
天ぷらと刺身を
中心にした
コースだからだよ」
「カウンターでは
これまでにも
用意してるけど
個室って
初めてじゃね?」
「そうだよ
だから、仕入れも
普段と違うわけ」
「いいなぁ~♬」
ということで
今朝の仕入れです
全て、沼津魚市場で
仕入れて来ました


◆蛍烏賊(ほたるいか)
富山湾産

◆鮑(あわび)
韓国産

養殖は小さいものが
あるので
使い勝手が良いのです
というのも
天然は
小さいものは
獲ることが出来ないからです
選んだのは
80グラム程度の
鮑でした

鮑は殻から外したら

身はそのままにしておき
肝は

蒸してから

裏漉し

醤油、日本酒
みりん、赤酒などで
味を調えて
おきました

◆岩牡蛎(いわがき)
宮崎産

鮑同様
小さめのサイズを
選びました

◆黒鯛(くろだい)

静岡県沼津産
つまり地物です
薄造りにするため
活〆にしてきました

◆鯵(あじ)

鯵も黒鯛同様
地物です
地元の旋網船(まきあみせん)が
水揚げしたものでした

朝獲れですので
死後硬直もしていません

刺身用なので
あえて大きめのものを
仕入れ
活きてはいないものの
血抜きをするため
えらを切っておきました

いくらか
血が出たように
この血が
残っているかどうかで
味に差が出るのです
小さいものなら
無視することは出来ますが
せっかくの朝獲れですので
手をかけないわけには
いきません
刺身用なので
三枚に卸したら

小骨を抜かなくては
なりません
皮を引かないのは
色が飛んでしまうからです
夕方になって
皮を引いた鯵を見ると

「どうして
皮がきれいなの?」

「包丁で押さえながら
皮を引くからだよ」

「そうなんだぁ~」
「もう少し
背(黒い部分)を
押さえておけば
皮の色が
残っていたんだけどね」
「これぐらいは
いいんじゃね」
主だった下拵えは
今お話ししたような
感じでした

「そろそろ
予約の時間だね
想像はつくんだけど
どんな感じの料理なのか
気になるよ」

「今夜みたいな
コースは初めてだからね」
ということで
料理の内容については
明日お話しします
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
東伊豆産の朝獲れの鯵(あじ)で作ったなめろう
鮮度の良さが
料理の味を
大きく左右するものです
そのために
自ら沼津魚市場に
仕入れに行っています
そんな今朝仕入れたのが
伊勢海老と鯵でした

4月24日(Vol. 4,368)
いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ミニふぐちゃんが
やって来ました
「おはよう、親方

イセエビと

アジを仕入れて
来たんだね」
「おはよう
そうだよ
どっちも
今夜の『特別会席』に
使うんだよ」
と、自分
「イセエビを
『特別会席』で
出しているのは
よく見るけど
アジって
あんまり見ないよね」
「酢締めにして
会席料理の刺身とか
お弁当の揚物に
使うことが
殆どだからね」
「で、どんな料理にするの?」
「なめろうだよ」
「なめろうって?」
「簡単に言うと
味噌入りの
たたきのことだよ」
「そんなら
たたきもも
いいんじゃね?」
「まぁね
元々は房総(千葉)の
漁師が
獲れたての魚を
船上で料理したものなんだよ
船の上って
波で揺れて
醤油を使うと
こぼれちゃうから
薬味を入れて
味噌で味付けするように
なったのが
始まりなんだって」
「面白い工夫の
仕方だね
なめろうって
変わった呼び方だけど・・・」
「皿を舐め回したくなるくらいに
美味しいから
なめろうって
言われるように
なったんだって」
「へぇ~
これも面白いね
じゃあ、このアジは
千葉産なの?」
「いや、東伊豆の定置網で
今朝、沼津に入荷していた
朝獲れの鯵だよ」
「ってことは
鮮度バリバリじゃん!」
「そうだよ
でも、この時間だから
死後硬直しちゃっているけど」

「じゃあ、市場に
あった時は
どうだったの?」
「漁師が持って来たのが
5時頃で

その中から

こんだけ
選ったんだけど

まだクニャ~
ってしていたし

触ると
生ぬるかったよ」
「わぁ~
こんなにも
違うんだね」
「こういう鯵を
使っちゃうと
他のを使えない
ってことはないけど
つい比べちゃうね」
「やっぱりね~
早起きした甲斐が
あるでしょ?」
「そうだよ
こういう魚を仕入れる
感動と快感を
魚市場ハイ
って呼んでいるよ」
「ちょっと
ヤバくね?」
「いやぁ
ぜ~んぜん 」
「・・・・・
こりゃ、完全に
逝っちゃっているわ」
鯵の下処理は
の通りです
① 鱗(うろこ)を取る

② ぜいごを取る

ぜいごとは
尾の付根にある
硬い鱗状の部分です
③ 反対の身も
①と②を行う

その後
水洗いを終えたら

三枚に卸します

皮を引き

小さめに包丁したら

みじん切にした
長ねぎを合わせます

最後に味噌を加え

混ぜたら
大葉を敷いた器に
盛付け
天に紅たでをあしらえば

鯵のなめろうが
出来上がり
とりあえず
冷蔵庫へ
冷蔵庫にしまったのは
先程もお話ししたように
今夜の『特別会席』の
先付でお出しするためです

「あとは
お客さんが来るのを
待つだけだね」
「そうだね
言い忘れたけど
なめろうは
作ってから
早めに食べないと
生臭みが出ちゃうから
それがポイントだよ」
「それだから
予約時間のギリギリに
作ったんだね
で、今夜の献立は?」
「明日、話すよ」
「はぁ~い♬」
最後が
焼物用の伊勢海老の
準備です
活きたものなので
焼き上がった時の
プリプリ感が
たまりません

活きた伊勢海老を
水洗いし
半分に割ったら
背わたを取り
バットに乗せておきました

ということで
続きは、また明日
★☆★ 【コエタス】 ☆★☆
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が

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ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
帰り間際に入荷した伊東市赤沢の鯵(あじ)
沼津魚市場に並ぶ魚は
地物の水揚げだけでなく
伊豆半島各地
さらには
県内、県外からの
入荷もあります
そのため
仕入れを終えた後に
水揚げがあったり
入荷があることも
珍しくありません
そういう時に
タイムマシンが
あれば・・・・・

4月17日(Vol. 4,361)
いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
仕入れを終え
『佳肴 季凛』に戻ると
ミニふぐちゃんが
やって来ました

「おはよう、親方
今日は色々と
仕入れて来たね」
と、ミニふぐちゃん
「おはよう
主なのが

地物の黒鯛(くろだい)に

鯵(あじ)と

サバフグだね
鯵もサバフグも
由比(ゆい)のだよ」
由比とは
桜海老(さくらえび)で
有名な静岡市清水区の
漁港です
「実はさぁ、今朝は
ちょっと残念だったんだよ」
「何が・・・?」
「帰る間際になって


赤沢(あかざわ)の
定置(ていち)の
鯵が入荷して来たんだよ」
赤沢とは
静岡県伊東市
の地名です
「遅い方が
鮮度がいいとか・・・」
「そうなんだけど
由比のは
昨日の水揚げなんだよ
だから、さばふぐが
入荷することが分かっていたから
夕べの時点で
道具を用意しておいたじゃん」

「そういうこと
だったんだぁ~」
「で、赤沢のは
夜中の水揚げで

鮮度バリバリの
朝獲れだから

死後硬直もしていないでしょ 」
「クニャ~
ってしているね」
「しかも
自分好みのサイズ
だったのも
残念な理由なんだよ」
「ってことは
一日遅れってことなの?」
「そういうことだね
こういう鯵を
一度でも使っちゃうと
つい比べちゃうんだよ」
「こういうアジを
仕入れられるのも
産地だからでしょ?」
「そうだよ
豊洲みたいに
世界一の魚の
取り扱い量があっても
朝獲れは無いからね」
「確かに
そうなるよね」
「さらに残念だったのが
超お値打ち
だったんだって」
「超って!?」
「キロ☆●✕※◇円!」
「え゛~っ
そんなことあるの?」
「あるっていうか
あったじゃん
今朝は、小田原でも
水揚げがあったから
輪をかけたなんだよ」
「何か漁師が
可哀想・・・」
「ただ、魚って
その逆もあるから
しょうがないんだよ
自然相手だけじゃなく
相場もあるからね」
「そうなんだぁ~
それじゃ
残念なわけだよね」
「でも、由比のも
普通には
鮮度も良いから
良しとするよ」
「そうだね
たださぁ、赤沢の
アジが来るのは
分からなかったの?」
「確認しなかったんだよ
仮に分かっていても
実際のアジが
どんなのかは
見なけゃ
分かんないじゃん
もし、由比を仕入れないで
赤沢のを待っていて
良いのが無かったら
困るわけだし・・・
こればかりは
仕方ないよ」
「そうだよね
無いのが
一番困るもんね」
その後、鯵の仕込みに
取り掛かりました
①鱗(うろこ)を取る

②ぜいごを取る

ぜいごとは
尾の付根にある
硬い鱗状の部位です
③反対側の鱗と
ぜいごを取る

④水洗い

水洗いをしてくれるのは
いつものように
女将兼愛妻(!?)の
真由美さんです
⑤三枚に卸す

真空パックして
冷凍庫へ
赤沢の朝獲れ鯵を
仕入れられなかった
鬱憤を晴らすためには
昼ごはんは
野菜マシマシの
鯵のたたき
一択しかありません


「んまそう・・・
でもさぁ、こういう
うっぷん晴らしって
どうよ・・・」
「どうもこうも
いいんじゃない
美味けりゃ」
「・・・・・」

美味けりゃの言葉通り
食べ過ぎちゃう
という理由で
真由美さんは
いつものように
別盛です

鬱憤晴らしが済んだら
さばふぐも
真空パックし
冷凍庫へ
その日によって
水揚げ、入荷が変わるのは
自然次第です
魚の相場という
人為的なものも
自然次第なのは
どこまでいっても
自然には
敵わないということ
なのかもしれません
「良い子のみんなは
これだけはやめてね
そんじゃ、また明日」

★☆★ 【コエタス】 ★☆★
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ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
西京焼用と刺身用の鰆(さわら)は、静岡県焼津産
西京焼だけでなく
刺身にも使える魚の一つが
鰆(さわら)です
そういう意味では
二刀流なので
大谷を越える存在!?

4月12日(Vol. 4,356)
いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
沼津魚市場から
戻って来ると

「おはよう、親方
サワラを仕入れて来たのは
久々じゃね?」
と、熱血君
「おはよう
一年振りくらいかも・・・」
と、答えました
「一年!?
そんなに仕入れて
いなかったの?」
「4月の終わりには
良い鰆は入荷しなくなるし
寒くならないと
良いのが
出て来ないからね」
「ってことは
サワラが出回るのは
半年ってことなんだぁ」
「そうだよ」
「サワラが好きな
親方としては
つまらなかったんじゃね?」
「確かにね~
ただ、入荷があれば
必ずチェックはしていたけど
良いのがあっても
値段が高過ぎたりしたから
仕入れなかったんだよ」
「魚って自然相手だから
たいへんなんだねぇ」
「そうだよ
ここ最近は
入荷も増えて来たから
値段も落ち着いて来たし
鰤の入荷も
少なくなってきたから
仕入れたんだよ」
「ふぅ~ん
そう言えばさぁ
2、3年前に比べて
ブリを仕入れることが
多くなったような
気がするんだけど・・・」
「去年、※【西京漬】の
ラインナップに入れたし
バージョンアップした
ランチメニューの
西京焼でも
使うようになったからね」
※【西京漬】

「もう一年にも
なるんだね~」
「そうだよ」
「で、今日のサワラは
どこ産なの」
「今日のは
焼津(やいづ)ので

数も結構あったよ

しかも、今日のは
活〆にされていたし

えらを見たら
鮮度も良かったから

即決したんだよ」
焼津とは
静岡市の隣に位置し
沼津同様
魚の町として
知られています
「相変わらず
魚のチェックは
厳しいね~」
「当たり前じゃん
良い魚を仕入れるのが
使命だし
使命って
どういうことか
分かる?」
「どうって
重大な務めとか
責任ある仕事じゃね?」

「チッチッチ
命を使ってまで
やることだよ」
「え゛~っ
そこまで重いの!?」
「まぁ、少なくとも
自分にとっては
それくらいのもんだね」
「ヤバっ *̥(∗︎*⁰͈꒨⁰͈)
恐れ入りました・・・」
鰆をまな板に乗せたら
包丁で
ぬめりと鱗(うろこ)を
軽く取ります
鱗を取る作業が
少ないのも
好都合です

下半身が
丸みを帯びているので
期待しつつ
頭を落とすと
乳白色の身が
現れました

乳白色=脂有り
なので、ひと安心
水洗いをし

先ずは片身を
卸すと
身割れ無し

魚の中でも、鰆は
最も身割れしやすい魚なので
卸す時は
細心の注意を払います
片身が平気でも
卸すまでは
分かりませんが

残りの片身も
身割れ無し

腹骨を欠いたら

身を返し
切身にしていき

尾に近くなったら
ここでストップ
背と腹に分け
柵取り

このようにしたのは
刺身用に使うためです
残りの半身も
腹骨を欠いたら

尾の先端を
お弁当の西京焼用に
包丁しました

身を返したら

刺身用の柵に
しやすい部分を
包丁し

これらが
刺身用の柵です

残りの部分も
先程の半身同様
切身にしました

「すげぇ~
形の良い部分だから
揃っているね」

焼いてから
出汁を取るための中骨も
ひと手間をかけなくては
なりません

というのも
活〆にされてはいても

中骨に
血が残っているからです

金串を刺すと
熱血君がやって来ました
「何をするの?」
「まぁまぁ
御覧(ごろう)じろ」

「わっ
出血大サービスじゃん」

こちらが
中骨のアフター

「美しい・・・」

「血が残っていると
雑味を感じるからだよ」
「中骨みたいな
あらにも
手間をかけるなんて
凄過ぎ~!」
「獲りに行ってくれた
漁師のことを思えば
ここまでしないとね
荒海の中で
漁をするっていうのは
命懸けだからね」
「それこそ
さっき言ってた
使命じゃん」
「そうだよ
その使命に応えるのが
料理人の役目なんだよ
それだけじゃなく
漁師の代弁者に
ならなくちゃならいのも
料理人の役目なんだよ」
「よく言っているもんね」
コース料理の
西京焼にするため

切身は
有機JAS認証済の
西京味噌をベースにした
お手製の西京味噌
と共に、真空パックし

中骨だけでなく
頭なども
出汁用に焼いておきました
また、真子(卵巣)は
薄味で煮含めるため
水で晒したのち
ざるに上げておきました

「卵も捨てずに
取っておくんだね」

「もちろんだよ
胃袋とかは
賄いのカレー行きだし
使えるものは
取っておくんだよ
命ある食材だし
粗末には出来ないからね」
「サワラも
親方に料理されて
良かったと思うよ」

最後に
真子を煮含めておき
鰆の仕込みが
終わったのでした
いつまで
鰆が入荷するまでは
分かりませんが
SNSで繋がっている
全国の魚屋さん達の
様子からして
今月一杯までは
良さげな鰆を
期待出来そうです

「筍をもらったんだぁ
田舎あるあるだね
そんじゃ、また」
by ミニふぐちゃん
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ランチだけでなく、夕飯のおかずにも、地物の鰹(かつお)の刺身
昨日仕入れた鰹は
予想通り
良いものでした
となれば
鰹好きの自分としては
せざるを得ません

4月9日(Vol. 4,353)
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昨日、氷詰めしておいた
鰹(かつお)です

「おはよう、親方
血も抜いて
氷詰めにしたから
色も変わっていないね」
「おはよう
そうだよ
こんな感じだと
木曜日くらいまでは
色が持つと思うよ」
「丸4日ってことだね」
「鮮度が良いうちに
仕入れたからだよ
まぁ、産地ならではの
特権だね
世界一と言ってもいい
豊洲の魚市場には
世界中から
魚が集まるけど
活魚は別にして
どんな魚でも
獲れた明くる日の魚だし
こういう鰹みたいな
鮮度バリバリ部門があるなら
豊洲には負けないね」
「そう聞くと
沼津\(^o^)/」
「2024年問題って
言われているけど
陸送便の魚は
水揚げした翌々日に
届くなんて可能性もあるから
今まで以上に地方でも
美味しい魚を食べられる
可能性があるかもよ」
「そっか~
良い物は東京みたいな
大都会に集まるなんてことが
なくなるかもしれないのかなぁ」
「何とも言えないけど・・・
そんなことより
地魚みたいに
産地ならではの良い魚を
仕入れるためにも
熱を上げ続けるよ」
「そうだね」
三枚に卸したら

皮に包丁目を入れたら

氷の上に乗せ

FIRE
炙ったら

ひっくり返し
粗熱を取ります

「身のところが
黒くなっているけど・・・」


「身がぶつかって
こうなった打身(うちみ)だよ
こればかりは
卸すまでは
分かんないからね
しょうがないよ」
「ありゃりゃ・・・」
そうこうしていると
ランチタイムとなり
鰹の刺身は
ランチメニューにも
登場

鰹好きの自分としては
見ているだけでも
うっとり

うっとりでは
収まらないのは
想定内
となれば・・・
夕飯のおかずに登場!

「これって
何人分?」

「一般レベル
それとも、自分レベル?」
「えっ
どういう意味?」
「どうもこうも
一般レベルなら
3とか4人前だけど
自分レベルなら
1人前だよ」
「マジで!?」
「マジだよ
今日のサイズなら
一度に全部食べられる量だよ」
「・・・・・
好きなのは分かるけど
まさか・・・」
今日のような
脂の薄い鰹は
鰹特有の血の香りが
何とも言えません
目に青葉
山ほととぎす
初鰹
そんな句を感じる
季節となり
今日のような鰹に
出会える機会が
増えると思うと
楽しみでなりません
が、しかし
鰹好きの自分としては
一年365日
熱烈歓迎!

「娘ちゃん達の
新年度生活の
お祝なんだって
そんじゃ、また♬」
by 熱血君
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休日出勤日の鰹(かつお)
好きな魚が
魚市場に並ぶと
心躍るものです
ましてや
天然のとらふぐに
優るとも劣らない鰹
となると・・・

4月8日(Vol. 4,352)
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「おはよう、親方
定休日なのに
魚市場へ行って来たの?」
と、ふぐとらちゃん
「そうだよ
明日は
魚市場が休みだからね」
「ふぅ~ん
で、何を仕入れて来たの?」
「蛍烏賊(ほたるいか)と

鰹(かつお)だよ」

「目に青葉
山ほととぎす
初鰹」
「おっ、気の利いた俳句を
知っているじゃん!」
「えへへ・・・
たしか、親方は
カツオが好きなんだよね?」
「そうだよ
好きな食べ物御三家が
鰹っていうか
鰹の刺身だよ」
「御三家って・・・
あと2つは?」
「ふぐちりと海老フライだよ」
「えびの天ぷらじゃ
ダメなの?」
「駄目っていうか
フライの方が
好きなんだよ」
「へぇ~
ふぐ刺とか唐揚じゃねくて
ふぐちりなんだぁ」
「ふぐは
ちりに限るよ
ふぐっていうか
天然のとらふぐの美味しさを
味わうなら
断然、ちり!」
「ふぐに魅せられし料理人の
親方だけに
説得力あるね」
「まぁ~ね」
「御三家じゃなくて
一つに絞るなら
どれ?」
「鰹だね
最後っていうか
最期の晩餐にしたいくらい
好きだよ」
「そんなに~」
「だから

「ヤバっ
ここまで好きなら
“鰹に魅せられし料理人”でも
いいんじゃね?」
「あはは・・・」
「その割には
あんまり仕入れて
来ないような
気がするけど・・・」
「本当に良いのじゃないと
仕入れないんだよ」
「そっかぁ
ってことは
今日は良いってこと?」
「多分ね」
「多分なんて
ちょっと弱気じゃね?」
「鰹は卸すまで
色の出方とが
分かんないからだよ」
「そうなんだぁ~
でも、鮮度はいいんでしょ?」
「もちろんだよ
このところ
下田とか
近場の船の鰹が
増えて来ていて
今日のも、そうだよ」
「どんな感じだったの?」
「市場の様子を
話せってことでしょ?」
「ピンポ~ン♬」

ということで
時計の針を戻します
この時季の5時前は
夜も明けており
この時は

下田のマグロ船が

黄肌鮪(きはだまぐろ)の
水揚げをしていました
また、この少し前には

和歌山のマグロ船も然り

なので
売場は
黄肌鮪がてんこ盛り

ただ、
鰹を持って来ていた漁師は
車で来ていました

鮮度バリバリなので

青光りしています

鰹好きの自分には
溜まらない光景です
鰹に負けないくらいに
眼を光らせ
GET!


っていう流れでした
2,6キロと
やや小さめですが
大きいように見えるのは
気のせいなのか
それとも・・・

まな板の上の
鯉ならぬ鰹

この写真では
分かりませんが
鮮度が良い鰹は
この辺りに触れると
ザラザラとしています


「うろこを
剥がしているの?」

「鱗なんだけど
正確には
有鱗域(ゆうりんいき)って
言うんだよ」
「初耳学!
っていうか
カツオには
うろこが無いと
思っていたよ」
「鰹だけじゃなく
マグロ類も
同じような感じだよ」
「へぇ~♬」
頭を落とし
腹わたを抜き
水洗いをしたら

中骨に針金を刺し

血を抜きます

尾の方から
抜いておきました
血は内臓同様
生臭くなるだけでなく
鮮度が落ちる原因なので
血抜きは大切な
下処理です
血と水気をふき取ったら

キッチンペーパーを詰め

タオルで包み

袋を二重にして

氷詰めしておきました

「明日まで
おとなしくしていてね~」


焼いてから
出汁を取るため
頭はえらを外して
水洗いしておきました

「かつお節じゃないけど
かつお出汁になるんだぁ~」
「確かに・・・www」
今日の休日出勤は
これだけでしたので

使った包丁は
ステンレスの出刃包丁のみで
砥ぐ必要もなく
これにて
休日出勤が終わったのでした

「お疲れ様~
そんじゃ、また」
大量ゆえに、活〆(いけじめ)ではなく、氷締(こおりじ)め
生簀に入りきれないほどに
大量の活魚は
氷締めにされて
売場に並ぶこともあります
もったいないような
気もするのですが・・・

4月5日(Vol. 4,349)
いらっしゃいませ
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美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
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志村弘信が
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「おはよう、親方
スズキとマフグを
仕入れて来たんだぁ」

「おはよう
どっちも活かしのだよ
活かしって言えば
今朝は
網代(あじろ)の
定置(ていち)の
活魚祭りだったよ」
「お祭りってことは

お神輿でも
出ていたの?」
「あはは
一つの魚が
沢山、入荷していたり
水揚げされていることを
水産業界では
祭りって
言ったりするんだよ」
「そうなんだぁ
変なこと言うなぁ
って思ったんだよ
で、どれくらいだったの?」
「今、話すよ」
「わぁ~い♬」
ということで
時計の針を
市場時間に戻します

4時半過ぎの
沼津魚市場の
活魚売場です

真鯛(マダイ)と

石鯛(イシダイ)が
大漁もとい
大量に入荷していました

どちらも、静岡県
熱海市網代(あじろ)産です

マダイ、イシダイだけでなく
馬面剥(ウマヅラハギ)も
どっさり

活魚は
活きているのが
最大の売りです
同じ漁師が水揚げした魚でも
活きているものと
死んでいるものとでは
値段に大きな差があります
時には
倍どころか
3倍の差があることも
珍しくありません
なので、出来る限り
活かしたままのが
人情です
ただ、今朝のように
あり過ぎる時は
活かしのまま
というわけには
いきません
イシダイと

ウマヅラハギは
別の売場へ
運ばれて行ったのですが

別の売場とは
言っても
隣の隣です

イシダイも

ウマヅラハギも
活きたまま
秤にかけられたら

コンテナの中に直接
氷を入れ
一気に締め
こういう方法を
氷締(こおりじ)めと
呼んでいます

その後、
売場に並べられ

最後に
海水も入れられ
競りの時間を
待つばかりとなりました

そんな活魚売場で
仕入れたのが
地物の鱸(スズキ)と

真フグで

スズキも

真フグも

締めてから

持ち帰って来ました

「ってことだったんだよ」
「こんだけあれば
お祭りだね」
その後
スズキも

マフグも卸し終えました

「マフグは
トラフグみたいに
くちばしとか
皮がついている部分が
無いけど・・・」
「皮は有毒だけど
白子は無毒だから
そのまま使えるよ」

「身はどうするの?」
「半身(はんみ)は炙って
残りの半身は
薄造りにするんだよ」
「ハーフ&ハーフじゃん!」
「そうだよ
とらふぐには
敵わないけど
かなりイケるよ
しかも、この白子も
刺身に使うからね」
「白子も使う
マフグの刺身なんて
んまそう~」
今朝のように
魚市場に持って来てから
活魚を氷締めにする様子を
見たのは
初めてのことです
また、活魚が
好きな自分としては
非常にもったいないような
気がしてなりません
というのも
活〆にした方が
味に断然の差が
出るからです
活〆にして
血を抜くという手間は
魚菜食文化である
日本料理にしか
ありませんし
日本料理文化の誇り
と言っても
過言ではありません
さらに言うと
活〆にする時点で
調理が始まっているのです
特に、刺身=生食という
独特の食文化を持つ
日本料理の
最大の特徴とも言えます
活〆は
味付けにはない
調理技術ですが
最近では
これまでに血抜きを
してこなかったような魚も
活〆にして
鮮度を保つ工夫をする
漁師も増えて来ています
再三お話ししているように
料理人は
漁師をはじめとする
一次産業の代弁者で
なくてはなりません
そのためにも
魚市場に通い
魚菜食文化である
日本料理の魅力を
伝え続けます

「今日は、色んな野菜を
仕入れたんだね
そんじゃ、また明日」
by ミニふぐちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
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ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
正真正銘の地魚丼
魚の美味しさの魅力は
何と言っても
その種類の数
しかも、それが
地魚となると
さらに美味し・・・

4月3日(Vol. 4,347)
いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

いきなりですが
今日の昼ごはんです
「やっぱり

昨日の不敵な笑いは

昼ごはんのこと
だったんだね」
と、ミニふぐちゃん
「あはは・・・」
「で、昨日の5種類の
魚を使っているのは
わかるけど
もう1種類は
何なの?」
「目鯛(めだい)だよ」
このやり取りだけでは
昨日のことが
お分かりにくいので

「目鯛(めだい)

鮗(このしろ)

春子(かすご)

鰖(たかべ)

鯥(むつ)

魳(かます)

ってことで
全6種類!」
「んまそう~
5種類の小魚は
地物だけど
メダイは、どこ産なの?」

「目鯛は
伊豆下田産だよ」
「ってことは
地魚丼じゃん!」
「そうなるかな」
「親方にしては
弱気な感じじゃね」
「そもそも
沼津の場合
地魚の定義って
どこにあるのかって
疑問なんだよね」
「どういうこと?」
「伊豆半島だけじゃなく
伊豆諸島で獲れた魚も
漁師が直接
沼津の市場に
持って来るからだよ」
「そういうことね
その辺はアバウトで
いいんじゃね」
「そういうことにしとくよ
話はそれるけど
沼津には
他県の漁師が
島で獲れたマグロ類も
水揚げするんだよ」
「へぇ~
他県って?」
「マグロ船(せん)は
和歌山とか宮崎だよ」

「そんな遠くから!?」
「知りたがり
訊きたがりだから
初めての漁師でも
色々訊いちゃうんだよ」
「マジで~!?」

「ほら
クリックか
タップしてごらん」
「本当だ~
どんなことを
訊くの?」
「どれくらいの間
漁に出ているとか
何人で
操業しているとか
好きな女性の
タイプとか
そんなとこかな?」
「好きなタイプの女性
なんてことも
訊くの?」
「そんなわけないじゃん
冗談だよ」
「だよね~
でも、親方は
意外とくだらないこと
訊きそうだから
少し焦ったよ(笑)」
「あはは・・・」
「ところで、さぁ

親方は
丼(どん)っていうか
皿にド~ンだよね」
「そうだよ」

「真由美さんは
別盛だよね、いつも」
真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです

「丼にすると
食べ過ぎちゃうんだって
だから、別盛」
「そりゃ、そうだよね
ちゃんとした魚
ばかりだしね
今日の丼ものみたいに
地魚だけで
作ったものって
あんまり聞いたことが
ないけど・・・」
「そうだね
地魚丼って言っても
サーモンとか
うに、いくらが
乗っていると
う~んって
なるよね」
「わかるわかる!
どうせなら
ランチメニューで
やっちゃうのは、どう?」
「常時はおけないけど
ほら」

「そうだったね」
「でも、今日みたいな
地魚丼の魚は
出たとこ勝負みたいなのが
面白いんだよ
商売的には
難しいけどね
ただ、未利用魚みたいな
魚を使うことで
水産資源を
大切に出来るのが
一番だね」
「親方がよく言う
料理人は
一次産業の代弁者
ってことだね」
「そうそう」
魚菜食文化である
日本料理文化は
南北に長く
海、山、川、里に
囲まれているという
地理的要件の上に生まれ
そのような自然の恵みを
日本人は
享受(きょうじゅ)してきたのです
その食材の数
野菜は約150種
魚介類は約300種
とも言われています
それらを活かしてこそ
和食の料理人です
それを我が道とし
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本にした
身体に優しい
美味しい日本料理
を突き詰め続けます

「新年度最初の
真由美さん作の
娘ちゃん弁当だね
んまそう~
そんじゃ、また明日」
by 熱血君
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
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ご興味、ご関心のある方は
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5種類の小物は、鮗(このしろ)、鯥(むつ)、鰖(たかべ)、春子(かすご)、魳(かます)
漁港が併設されている
沼津魚市場は
様々な地魚を
目にすることが可能です
不揃いなものもあるので
色んな意味で
面白味もあります

4月2日(Vol. 4,346)
いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ミニふぐちゃんが
やって来ました

「おはよう、親方
色々と仕入れて
来たみたいだけど・・・」
「おはよう
まぁ、見てみなよ」
「ホタルイカでしょ

クロダイでしょ

・・・・・

この〇は何なの?」
「この〇は
だいぎん
って言うんだよ」
「だいぎんが
魚の名前じゃないよね?」
「5種類いるじゃん」
「そうだよね
どういう漢字なの?
あと、どういう意味なの?」
「実は知らないんだよ」
「え~っ
そういうマニアックなこと
を意外と知っているのに!?」
「そうなんだよ
前々から
気にはなっていたけど
つい訊きそびれたから
今度訊いてみるよ」
「うん
で、だいぎんは置いといて
この5種類の魚を
教えてよ」
「そうだね
じゃ、いつもみたいに
時計の針を
市場時間に戻すけど
本題に入る前に
前置きがあるからね」
「はぁ~い♬」

今朝の沼津魚市場には
静岡県熱海市
網代(あじろ)産の
鰤(ぶり)が
大漁に入荷していました

例年、3月半ばを過ぎると
全国各地の定置網で
数多く水揚げされます
一つの魚が
大量というより
大漁に並ぶことを
魚市場では
祭りと呼ぶことも
しばしばです
魚だけに
大漁と書きましたが
漢字テストでは
間違いなので
良い子の皆さんは
間違えないように・・・(笑)
こんな状態ですので
ある程度までは
1本売りはしても
売場に並べきれないものは
コンテナごとで
並んでいました

この日は
鰤だけでなく

南伊豆・妻良(めら)産の
鮸(にべ)も
祭り状態でした

前置きが長くなり
ここからが
本題です
黒鯛は活かしのものを

その場で締めてから
持ち帰って来ました

例の〇にして
だいぎんの
5種類で5匹ですが
ひとまとめにされており
秤にかけられていません

ただ、時には
秤にかけられることもあり
その違いは
売場担当者の
胸三寸です
「っていう感じで
ここからが肝心の
5種類の魚ね」
「はぁ~い♬」

◆鮗(このしろ)

鮗は、小肌(こはだ)が
成長したもので
新子(しんこ)
↓
小肌
↓
なかずみ
↓
このしろ
と名前を変えます
このように名前が
変わるんのは
水産業界だけの話です
というのも
大きさによって
値段が変わるからで
このことは
鮗に限ったことでは
ありません
先程の鰤(ぶり)も
然りです
水産業界と書きましたが
生物学上は
小さくても大きくても
コノシロなのです
◆鯥(むつ)

鯥と言えば
のどぐろとも呼ばれる
超高級魚の赤鯥(あかむつ)が
知られていますが
その仲間です
◆鰖(たかべ)

馴染みが薄い魚ですが
小魚の割に
脂の乗りが良いので
100g=15cm
くらいのものなら
塩焼にするのが
オススメです
◆春子(かすご)

見た目は鯛(たい)ですが
・・・・・
はい、鯛です
タイ科の
真鯛、血鯛(ちだい)
黄鯛(きだい)の
幼魚の総称を
春子と呼びます
また、黄鯛は
連子鯛(れんこだい)
とも呼ばれ
これも水産業界での
呼び名です
春の子と書きますが
一年365日
獲れる魚で
いわゆる旬は
ありません
◆魳(かます)

魳の代表的なものに
赤魳(あかかます)と
水魳(みずかます)の
2種類がいて
赤魳は本魳(ほんかます)とも
呼ばれています
これら5種類のうち
鮗と春子は
酢締めにするのが
オーソドックスな
仕込みですので
他の3種類も
酢締めにするため
全て3枚に
卸しました

個々の説明は
の通りです
◆鮗(このしろ)

◆鯥(むつ)

◆鰖(たかべ)

◆春子(かすご)

◆魳(かます)

これらを
塩をした盆ざるに乗せたら
身にも塩を
振っておきます

「塩の分量とか
時間は?」
「これぐらいの魚だと
塩が振ってあるなぁ
っていう感じかな
時間は
塩が溶けるまでだけど
この時季なら15分弱だね」
「ふぅ~ん」
塩が溶けたら
水洗いし
二番酢と呼ばれる
一度、酢締めに
使った酢で洗ってから
酢に漬けます

漬ける時間は
5分程度で
全体が薄っすらと
白くなった状態です
酢から上げたら

キッチンペーパーで
挟んでおき

小骨を抜いたら

昆布で挟んでおきました

昆布で挟んでおくのは
水分を取るのと
旨味を加えるためです
「2枚×5種ってことは
10枚でしょ
2人ずつのお客さん
意味ないよね
ってことは
もしかして・・・」

「・・・・・」
ということで
続きは明日
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沼津魚市場に、静岡県由比(ゆい)産の1,5トンの鯵(あじ)
今朝の沼津魚市場には
鯵(あじ)が
1,5トンも入荷していましたそれこそ
鯵祭り

3月29日(Vol. 4,342)
いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
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志村弘信が
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「おはよう、親方
アジを仕入れて来たんだね」
と、ミニふぐちゃん

「おはよう
今日の鯵は
由比のだよ」
由比(ゆい)とは
静岡市清水区にある漁港で
春の漁が始まった
桜海老(さくらえび)で
有名です
「で、どれくらい
仕入れて来たの?」
「2キロなんだけど
今朝は
由比の鯵が
1,5トン入荷していたんだよ
他所から持って来る鯵で
あんな量を見たのは
初めてだよ」
「1,5トンって
どんだけ~」
「どんだけって
1,500キロだから
3キロ入のスチロールなら
500ケースってことだね」
「3キロ入って
時々、仕入れて
来るのでしょ?」
「そうだよ


こんな感じの」
「こういうのが
500ケースかぁ
ヤバ過ぎ!
市場で、どんな感じに
並んでいたの?」
「じゃあ
今から説明するね」
「はぁ~い
ワクワク・・・♬」

ということで
時計の針を
市場時間に戻します
由比の問屋が
持って来ていた
鯵が入ったコンテナです


はじめのうちは
手作業で
台の上に移し

大きさごとに
仕分けていき

最後は
鯵シャワー
仕分け方も
その時の量次第です
ちなみに
この帽子をかぶっているのが
荷主の由比の問屋
(サスジョウ柚木商店)の
ご主人です

年齢も少し上で
付き合いも長いので
友達感覚で話すことが
出来ます
「おはよう、柚木さん
どれくらい持って来たの?」
「1,5トン!」
「もしかして
昨日の浜
全部買ったとか・・・?」
「それはないけど
昨日の水揚げは
3トンくらいあったよ」
そんな会話をしながら
選(よ)ったものを

秤にかけてもらいました

1,5トンもあれば

この程度の仕分けでは
簡単には終わりません
それでも
ある程度まで
仕分けたら

残りは
コンテナごと
売場に並べられました
このように
特定の魚が集中的に
入荷したり
水揚げがあることを
水産業界で
何とか祭りなど呼び
今日の場合は
鯵祭りになります

目方は
285キロで

自分が選った2キロの
140倍ですので
それこそ天文学的数字です

「こうやって見ると
1,5トンなんて
凄過ぎだよ
それこそ
ザ・市場って感じだね」
「そうだね
じゃ、これから
鯵を仕込むよ」
「うん
頑張って~♬」
鯵は
鱗(うろこ)と

ぜいごを取ったら
裏返して

同じように
下処理をします

ぜいごとは
尾の付根にある
硬い鱗のような部分です
その後
頭を落とし

腹わたを抜いたら

水洗いをします

焼いてから
出汁を取るため

えらなどを外し
水洗いしておきました
身を卸し終えると

「ねぇ、親方
右と左で
大きさが違うんじゃね?」

「ふっふっふ・・・」
「不敵な笑いは・・・?」
右側の卸し身は
〆鯵用です


仕込んだ〆鯵は
昆布に挟み
冷蔵庫へ

〆鯵に仕込まなかった鯵は
昼ごはんのフライ用に
打粉をしたのですが

娘ごはん@春休み
ということで
追加のフライも

ランチの営業が終わったら
自分達のランチ
ということで
予定通りのフライ


「さっきの
不敵な笑いは
こういうことだったんだぁ~
案の定だったよ」
「こういうわけよ」
「で、3種類あるけど・・・?」
「これが

鯵フライ

牡蛎フライ

チキンカツ」
「ぅう~んまそう
これだったら
この時間まで
お昼をがまんしておけば
良かったなぁ~」
「今度は
声を掛けてあげるから
それまでの
お・た・の・し・み
「はぁ~い」
どんな魚でも
1トンの水揚げというのは
珍しいことではありません
ただ、魚というものは
今日の水揚げが
1トンだからと言って
明日も1トンあるとは
限りませんし
殆ど無いということも
あれば
その逆で
2トンなんてことも
あります
そのように安定しないことが
自然素材の
特徴です
ただ、その時々によって
水揚げされる魚が
違うので
気を揉むのも確かですが
その時によって
色々と変化があるのは
飽きっぽい性分の自分にとっては
楽しいのは
間違いありません

「明日はバスが来るんだね
頑張って~!
そんじゃ、また」
by ふぐとらちゃん