テンションが上がらない鯵(あじ)
2024年7月19日
Vol.4452
魚市場に
自ら通っていても
自分好みの魚を
仕入れることが
出来ないこともあります
そういう時は
否が応でも
テンションが
下がらずを
得ません

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「おはよう、親方
こういう大きな箱で
アジを仕入れて
来るのって
久々じゃね?」
と、熱血君
「おはよう
そうなんだけど
・・・・・」
と言うと
「何だか
テンション
低めじゃね?」
「分かる?」
「そりゃ
分かるさぁ
市場から
戻って来ると
眠そうな顔を
していることはあっても
やる気アリアリが
普通だもん」
市場とは
沼津魚市場のことで
ほぼ毎日通っている
ホームグランドです
「そっか~」
「この際
白状しちゃいなさいwww」

「この鯵は
3キロ入っていて
一応、規格っていうか
サイズの目安が
あるんだけど
どんな荷主でも
サイズが違うのが
あるんだよ
ほら」

「こんなにも
違いがあるってことは
ちゃんとサイズを
確認しているの!?」
「市場で見た時も
多少の違いは
分かってはいたんだけど
こうなると
テンションが
下がっちゃう
っていうより
上がらないんだよね」
「そうだよね」
「ここ最近は
東伊豆とかの
朝獲れのものを
仕入れることが多いし
そういう時は
自分好みのサイズの
鮮度が良さそうな
ものだけを
使いたい分だけ選るから
黙っていても
テンションが上がるんだよ」
「それなのに
どうして
箱で仕入れたの?」
「昨日も今日も
朝獲れのが
あったんだけど
入荷時間が
遅かったんだよ」
「ありゃりゃ・・・」
「明日の予約の
仕込みもあるから
これで良しとするしか
なかったんだよ」
「そうなんだぁ」
「それに
再来週の月曜日は
バスの予約があって
それ用のも仕込んで
冷凍しておかないと
ならないしね
仕込んだものも
冷凍庫にあるんだけど
時季的に
ストックしておかないと
困るからだよ」
「時季って?」
「これからの時季は
台風が来ると
一週間近く魚が
切れる(なくなる)ことも
あるからだよ」
「無いと
ヤバいじゃん」
「無いと
どうにもこうにも
ならないからね
それにさぁ
そもそも
人が触った魚って
どうも好きになれないんだよね」
「どういうこと?」
「さっきも言ったけど
自分が気に入ったものだけを
お客さんのために
使いたいから
自分で見なきゃ
気が済まないんだよね」
「それって
前からなの?」
「そうだね
料理の道の始まりって
東京の鮨屋だったのは
知っているよね?」
「うんうん♬」
「その店は
交替で築地に仕入れに
行っていたんだけど
注文した魚を
取りに行くだけじゃ
面白味が無いってことに
すぐに気付いたんだよ
たださぁ、当時は
ペーペーも
ペーペーだから
注文済の魚には
目をつむっていたんだけど
追加で仕入れなきゃ
ならないものがあると
血眼(ちまなこ)になって
探したんだよ
そういうのが
今も変わらないんだよ」
「三つ子の魂
百まで!」
「まぁ~ね」
「そこまでしちゃうのは
どうしてなの?」
「出来る限り
ベストの仕入れをして
料理を作りたいだけだよ
お客さんが満足する前に
自分が納得しないと
本気になれないしね」
「それこそ
熱血料理人の
本性みたいな
もんじゃん」
「そうだね
自分の場合
食材だけじゃなく
モチベーションを
仕入れる
って言っても
間違いないからね」
「確かに・・・
恐れ入ったよ」

下処理を終えた鯵は
いつものように
女将兼愛妻(!?)の
真由美さんが
水洗いしてくれました

「おはよう、真由美さん♬
さっき親方が
言ってたけど
今日のアジって
いつもと違うの?」

「おはよう
詳しいことは
よく分かんないけど
親方が選んで
仕入れて来るのとは
違うよ」
「どういうところ?」
「やっぱ、鮮度だね
それに同じ大きさの方が
色んな意味で
仕事しやすいしね」
「真由美さんでも
分かるくらい
違いがあるんだね
でも、鮮度って・・・?」
「その辺は
親方に訊いてごらん」
//
ねぇ~親方
どういうことなの?
\\
「今朝、売場で
昨日水揚げされた魚
って言われて
手に取ったら
昨日の水揚げで
間違いないんだけど
氷入りで冷蔵されて
送られても
その間に
動いたりすると
どうしても
腹の部分が
弱くなっちゃうんだよね」
「それって
どうにも
ならないでしょ?」
「そうなんだけど
どんな形であっても
自分の思い通りの
魚じゃなきゃ
嫌なんだよ」
「そっかぁ~」

水洗いを終えたら
三枚に卸しました

「大きさが
違う感じだけど・・・」

「明日の法事と
今度のバスの
予約用に
使い分けているからだよ」
「真ん中の
大きい3枚が
気になるんだけど・・・」
「これは
鯵フライにして
明日の昼御飯用だよ
脂が乗っている
鯵だから
揚げると
フワフワで
サクサクだよ」
「んまそう~」
また、身質が
良かったものは

〆鯵に
仕込みました

揚物用のうち
明日の法事用のものは
しんびき粉をつけ

バス用の方は
真空パックしたのち
冷凍庫へ

そして
例の3枚は
海老と共に
フライにして

お昼に
クオリティチェック

「これは
絶対ヤバいよ~」
「こういうのが
本当の鯵フライ
なんだよね~」
今日の鯵が
悪いわけではありません
というよりも
普段仕入れている鯵が
上であるだけです
東京・豊洲など
大量消費地にある
大都市の魚市場は
全国どころか
世界中から
良質の魚が
入荷して来ます
が、しかし
どんなに鮮度が良くても
水揚げされた
翌日の魚です
沼津のように
鮮度バリバリの
朝獲れ鯵を
仕入れることが
出来るのは
漁港が併設されている
魚市場だからです
そういう地方ならではの
メリットを最大限
活かすために
自ら魚市場に通い
魚というより
魚菜食文化である
日本料理の魅力を
伝え続けていきます
それは
一次産業の代弁者であるべき
料理人の使命に
他なりません

「まだまだ
お中元の注文が
続くみたいだよ
そんじゃ、また明日」
by ふぐとらちゃん
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
血抜き済、神経締めゆえに、自分史上最高の鰹(かつお)
魚は締め方次第で
鮮度と美味しさを
保つことが出来ます
そんな鰹(かつお)を
仕入れてみました
2024年7月15日
Vol.4448

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を
支えてくれる漁師の
代弁者として
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
今朝、沼津魚市場から
戻って来ると
ふぐとらちゃんが
やってきました

「おはよう、親方
定休日の仕入れ
お疲れ様~♬」
「おはよう
どうどう、この鰹?」
と、言うと
「カツオ命だからって
そんなに
はしゃがなくても
いいんじゃね?」

「そうじゃなくて
よく見てごらん」

「顔のところに
針金みたいなのが
刺さっているけど・・・」
「それそれ!
それが
今日の鰹の
最大の特徴にして
最高の証なんだよ」
「テンション上げ上げで
舞い上がるのは
よく分かるんだけど
落ち着いて
説明してよ」
「そうだね
鰹命だから
その辺は許してよ
とりあえず
話す前に
深呼吸させてよ」
今朝の沼津魚市場の
入船状況です

キワというのは
黄肌鮪(きはだまぐろ)
のことで
小キワは
黄肌鮪よりも
小さめのサイズで
キメとは
幼魚の
黄目近(きめじ)
のことです
漁師によって
量こそ違いますが
1,5トン、2,0トン
1,3トン
500キロ、400キロ
と、合計5,7トン
誠丸(まことまる)を
除いて
全て、伊豆下田・須崎の
漁船です
ブルーシートが
敷かれたら

クーラーボックスで
持って来た漁師もいれば

漁船で

持って来た漁師もいます

マグロ船に限らず
車で来る場合は
魚が少ない時です
反対に魚が多い時は
船で来るのですが
その場合
燃料費がかさむのが
悩みの種と
聞いたことがあり
その差には
驚いてしまいました
その後

順番に

黄肌鮪が
並べられていきました

その中にあったのが

誠丸(まことまる)
という漁船の
黄肌鮪です
誠丸が
伊豆半島を含む
沼津近隣の
漁船ではないことは
知っていましたし
静岡県内の
焼津や御前崎方面の
船だと思っていました
また、今日の今日まで
地頭方港の漁船
ということは
知りませんでした
ところで
地頭方って
読めます?
はい、自分は
読めませんでした
じとうがた
と、読みます
地頭方は
静岡県中部の
牧之原市の地名です
その由来は
11世紀後半から
16世紀の
下地中分(したじちゅうぶん)に
由来しているとのこと
世界史選択でしたので
それこそ
わけわかめ・・・
気になる方は
ご自身で
お調べください
黄肌鮪の外道として
水揚げされたのが
鰹です

その中から
自分が選んだのが
2,5キロのものでした


「そういうことね
でもさぁ
このカツオって
顔の針金以外も
変だけど・・・」

「これでしょ

えらも

はらわたも
抜いてあるからね」
「そうだよ
これって
かなりの手間じゃね?」
「キハダが本命だから
ここまでしなくても
いいんだけど
こうすれば
身の良い状態が
続くからね
ただ、えらも
はらわたも抜くと
手間もかかるし
目方が減るから
やらない漁師も
多いんだよ
量が少なければ
出来ても
多ければ
出来ないから
その辺は
難しいよね」
「そうなんだぁ」
「ただ、こういう手間が
ブランド化に
繋がるんだよね

ほら」
「何だか呪文みたいに
長いけど・・・」
「上からいくよ
★船上神経〆、脱血
(せんじょうしんけいじめ
だっけつ)
★殺菌水仕様
(さっきんすいしよう)
★冷し込み塩分濃度管理
(ひやしこみ
えんぶんのうどかんり)
平仮名を抜くと
船上神経〆、脱血
殺菌水仕様
冷込塩分濃度管理
漢文そのものだよ」
「っていうか
読むのが、面倒じゃん!」
水洗いを終え

半身だけ
卸しました

血だけでなく
神経も抜いてあるので
身の色は
それこそ、ザ・鰹にして
鮮やかな赤です
背と腹に分けたら

皮に包丁目を入れたら
バーナーでFIRE

炙ったら
粗熱を取るため
すぐに返し
このまま冷蔵庫へ

骨付の片身は
中骨の血を取りました

盛箸(もりばし)を
中骨に刺したら

身を傷つけないよう
裂いたら

骨抜きを使って
血の塊を
取り除きました
取り除くいたのが
こちらです

その後
キッチンペーパーで包み
冷蔵庫へ
頭などのあらは
焼いてから
出汁を取るため

今朝仕入れた鯵(あじ)も
一緒で

鯵は
東伊豆産のものです

「ここまでの
下処理をしたら
カツオちゃんも
嬉しいんじゃね?」
「そりゃ、そうでしょ
命あるものは
粗末には出来ないし
鰹を獲って来てくれた
漁師の手間を思えば
いい加減な仕事は出来ないよ
丁寧な仕事には
丁寧な仕込みで
応えるのが
料理人の務めだからね」
「それこそ
親方がよく言っている
『料理人は
漁師の代弁者に
ならなきゃならない』
ってことじゃん」
「そうだよ
よ~く、お分かりで・・・
あざ~っす♬」
炙った片身は
血合いを外し
刺身にしました

「休みってことは
おかず?」

「ちょっとした
お遣い物だよ

こっちが
おか
ず・・・♬」

「ザ・かつお的な
真っ赤な色だけど
まさか
加工処理した画像
じゃないよね?」
「そんなこと
するわけないじゃん
切り付けて
空気に触れると
色が出たんだよ
水揚げした時の
下処理が良いから
こうなるんだよ
まぁ、下処理も味も
完璧だから
自分史上
最高の鰹かもね」
「そこまでとは
恐れ入ったよ
それにしても
んまそう~」
言うまでもなく
完璧な味で
でした
今日の時点で
自分史上最高でしたが
この程度で
満足するわけには
いきませんし
そのためにも
魚市場に通うのです

「休みでも
お中元の時季だから
『西京漬』を発送するんだね
そんじゃ、また明日」
by ミニふぐちゃん コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
悪天候続きの時の刺身は、しまふぐ
悪天候が続くと
魚の仕入れに
気を揉むことは
珍しくありません
そんな時に
備えて
ストックしてある魚とは・・・
2024年7月11日
Vol.4444

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
魚菜食文化でもある
和食文化を支えてくれる
漁師の代弁者として
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
認(したた)めます

「おはよう、親方
これって・・・?」
と、ふぐとらちゃんが
訊いてきました

「おはよう
去年の暮れに卸した
しまふぐだよ」
と、自分
しまふぐは
周りを炙って
叩きにして
薄造りに仕立て

普通の会席料理の
刺身として
お出しします
ちなみに
ふぐ料理のコースでは
天然のとらふぐしか
使いません

「2024って書いたのが
あるけど・・・!?」
「暮れだったから
間違えちゃったんだよ」
「そうだよね~www
これって
ただの真空パック
じゃないんだよね?」
「例のアレだよ」
「あぁ~アレね
でも、アレのことは
ここじゃ
言えないんだよね」
「そうだよ
隠しはしないけど
ここではね」
//
気になる人は
直接、親方に
訊いて下さいね
\\

「6本分あるけど
急な予約でも
入ったの?」
「そうじゃないんだよ
今朝の市場は
風が強くて
明日も
魚が無さそうだから
刺身用に
準備しておくんだよ」
魚市場とは
ホームグランドの
沼津魚市場です
「そんなに
凄かったの?」
「こんな感じだったよ」
波もかなりあったので

漁船も
しっかりと
固定されていました

波が高ければ
風が強いので
こんな感じです

売場も
シャッターが
降ろされていました

こんな状況でも
伊豆七島方面の
黄肌鮪(きはだまぐろ)だけでなく

沼津近隣の
いわゆる地物の魚が
並ぶ売場も
そこそこ
水揚げがありました

仕入れを終え
帰る頃には
風はさらに強まり

軽トラのシートも
こんな状態でした


「確かに
ここまで強いと
明日の魚は
期待出来ないんじゃね?」
「ほぼほぼ
無理だね」
「で、シマフグなんだね」
「そうそう
まぁ、これから暑くなると
魚も少なくなるから
こういう準備を
しておかないとね」
「このシマフグが
無くなったら
どうするの?」
「この次は
2月頃仕込んだのが
あるから
大丈夫だよ」
「それが無くなったら?」
「そこまで無くなるほど
悪天候が続く確率は
かなり低いし
そうなったら
そん時だよ」
「そうなんだぁ」
海の天候は
晴れや雨だけでなく
風と波
さらには
潮の流れなど
様々な影響を受けます
我々が生活している
陸(おか)の天候とは
比ではありません
そういう環境の中で
操業している
漁師には
頭が下がる思いです
しかも
魚菜食文化の
日本料理文化を
支えてくれるのは
漁師です
自分の場合
自ら魚市場に通うことで
知り合いの漁師が
多くいます
彼らだけでなく
全国の漁師の
代弁者として
声を出し続け
魚菜食文化でもある
日本料理文化の
魅力を伝えるのが
自分の使命なのです

「今日は
バスが来たんだね
お疲れ様~♬
そんじゃ、また明日」
by ミニふぐちゃん
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
休日出勤手当は、宮崎の漁師からもらった鰹(かつお)
2024年7月8日
Vol.4441
休日出勤をしていると
予期せぬ幸運なことに
巡り会うこともあります
しかも、それが
自分好みの魚だと
嬉しいものです

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信です。

「おはよう、親方
休日出勤
お疲れ様です」
と、ミニふぐちゃん
「♬~♬~♬
♬~♬~♬」
「ねぇ~親方ってば!」
「~♬~♬~」
\\親方、聞こえてるの!?//
「聞こえているよ」
「もしかして
そのご機嫌の良さは
もしかして・・・」
「そうだよ
この間みたいに
もらっちゃったんだよ」
「え゛~っ

ということで
時計の針を
市場時間に戻します

今朝の沼津魚市場には
そこそこ水揚げ
入荷があったものの
自分好みの魚は
大してなく
あっても
高値が予想されるもの
ばかりなので
気を揉んでいました
そんな中
宮崎の漁師が
水揚げの作業を終え
ひと息ついていたので
声を掛けると

「おはよう、お兄さん
折角だから
ほら!」
と、鰹を
差出してくれました

漁師の親方にしてみれば
自分なんぞ
ペーペーも
ペーペーなので
アラフィフでも
十分お兄さんなのです
その後、親方は
黙々と
掃除を始めました

どんな職種でも
自分の道具を
大切にする姿勢は
尊いものです

「っていう
わけなんだよ」

「へぇ~
で、休みってことは
今日の夕飯行?」
「そうだね
半身は
明日のお客さん用だよ」
「いいなぁ~」
「そんなことより
仕込みもあるし
お中元の【西京漬】の
箱詰とかもあるから
ジャンジャンやるよ」
「ほぉ~い
頑張って~!」

半身だけ
卸したら
片身は
骨付のままにしておき

中骨に盛箸(もりばし)を刺し
血を取り除きました
血が残っていると
生臭みの原因となるからです

皮に包丁目を入れたら

バーナーでFIRE

その後、サーモンを
【西京漬】に仕込みました

【西京漬】

その頃
個室では
女将兼愛妻(!?)の
真由美さんが
箱詰の準備を
してくれていました

箱詰をしたのが
こちらで

銀鱈、鰤(ぶり)が
各2枚と
サーモン、鯖(さば)が
各1枚入ったものです
今日のは
手持ち分なので
帯紙を巻き
袋に入れて
冷凍庫へしまいました

「このイラストって
真由美さんが
描いたものだよね」
「そうそう」
「このスタンプがあるだけで
季凛って
すぐに分かるから
いいよね」
夕方になり
昨日までに
準備しておいた
【西京漬】などを
発送しました

「クロネコさん
大切に
届けてね~」
「了解!
お手伝いして
えらいね♬」
「(∀`*ゞ)えへへ・・・」
まぁ調子の良いことwww

片付を終えたら
鰹の刺身を
用意しました

「んまそう~
これぐらいなら
親方一人で
食べれちゃうんじゃね?」
「ちょろいちょろい
普通の話
4~5人前になるけど
この量なら
自分サイズの1人前だからね」
「改めて
恐れ入ったよ」
漁師から
直に魚を貰えるのは
魚市場に通っている
恩恵のようなものです
その恩恵に感謝しながら
生の現場の様子を
伝えなくてはなりません
以前からも
お話ししているように
料理人は一次産業の
代弁者です
それを使命として
日々の仕事に
臨み続けます

「百合って
THE花って感じで
いいよね~
そんじゃ、また明日」
by 熱血君
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧下さい
質重視にアレンジした鱧料理
2024年7月7日
Vol.4441
今夜の鱧料理は
いわゆる“生もの”多めの
献立でした
その献立とは・・・

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

沼津魚市場から
戻って来ると
ふぐとらちゃんが
やって来ました
「おはよう、親方
今日の仕入れは
いつもと雰囲気が
違うような
気がするんだけど・・・」
「そうだね
鱧のコースの
予約が入っているんだけど
質重視に
アレンジするからだよ」
「そんなことも
出来るんだぁ」
「もちろんだよ」
「どんなコースか
楽しみだね」
「そうだね
仕入れも
楽しんじゃったよ」
「親方が
そんなことを
言うってことは
期待値大じゃん!
で、今朝の仕入れを
教えてよ」
「主だったところを
並べていくね」
「はぁ~い♬」
◆鱧(はも)

山口産
◆岩牡蠣(いわがき)

宮崎産
◆鮑(あわび)

韓国産
◆蜆(しじみ)

青森産
◆鯵(あじ)

東伊豆産

朝獲れの
鮮度バリバリです

死後硬直前なので
えらを切って
血抜きをしてきました


以上が
今夜使ったものです
また、御中元の時季にして
番外編ということで
【西京漬】用の
鰤(ぶり)も
3本仕入れ

高知県産です

仕入れの後は
献立です
先程お話ししたように

◆先付(さきづけ)
もろこし豆腐

◆揚物
鱧(はも)と
鮑(あわび)の天ぷら

鮑には
肝醤油を添えてあります

◆刺身(その1)
鯵(あじ)のなめろう

◆小鍋
鱧しゃぶ

お出しする時は
小鍋に熱々の
出汁をはって
お出しします

◆刺身(その2)
岩牡蠣

◆刺身(その3)
二種盛

鱧の落とし(湯引き)
眼仁奈(めじな)
◆蒸し物
鱧しんじょう蒸し

◆焼物
銀鱈の西京焼

◆食事
白御飯

お新香

味噌汁

具は蜆(しじみ)です

◆デザート
桃のアイス

今夜の献立のように
ご予算、ご要望に応じて
アレンジが可能ですので
お気軽にお問い合わせ下さい

「今日は
鯖の塩焼を
お昼ごはんにしたんだね
そんじゃ、また明日」
by ミニふぐちゃん
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
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鮨屋時代を思い出しながら、四半世紀ぶりに仕込んだ春子(かすご)
昨日は
四半世紀ぶりに
春子(かすご)を仕込み
四半世紀前と言えば
自分は
鮨屋の見習いでした
2024年7月5日
Vol.4439

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「ねぇねぇ、親方
今日は
昨日仕入れた
カスゴの仕込みを
話してくれるんでしょ?」
と、ミニふぐちゃん
「そうだよ
まぁ、四半世紀ぶりの
仕込みだから
話さないわけには
いかないしね」
と、返しました
ということで
仕込みの様子を
お話しする前に
先ずは
お読み下さい

春子(かすご)は
真鯛(まだい)の
幼魚だけあって
鱗(うろこ)が硬いので
最初に
鱗引きで
鱗を取らなくては
なりません

その役目は
いつものように
女将兼愛妻(!?)の
真由美さんです

「おはよう、真由美さん♬
カスゴって
知ってた?」
「知ってるわけないじゃん!
酢で締めるって
聞いたけど
酢締めにした魚が
好きだから
ワクワクだよ」
「じゃあ、明日あたりの
昼ごはんが
楽しみじゃね?」
「そうだねぇ・・・」
鱗引きで
鱗を取った後

自分が
包丁で手直しをしました
特に
注意が必要なのは
それぞれの
ひれの付根辺りです
一般的に
酢締めにする魚は
小魚ですので
鱗を取る作業に
さほど手間が
掛かりません
が、しかし
春子の場合
2回取るので
普通の魚よりも
手間が掛かるのです

鱗を取り
頭を落とし
はらわたを抜いたら
水洗いをしました

「何だかんだ言っても
タイの子供だから
綺麗だよね」
「ってことは
諺(ことわざ)で表すと
何になる?」
「腐っても鯛
って言わせたい
だろうけど
蛙の子は蛙
が正しいんじゃね?」
「正解と言えば
正解なんだけど
蛙の子は蛙
っていう諺は
褒め言葉にはならない
意味もあるから
血は争えない
が、妥当なんじゃないかな」
「そうなんだぁ~」
その後
三枚に卸した春子です

「卸し方が違うのが
ひとつあるけど
どうしてなの?」

「背開きしたんだけど
鮨屋は
こういう仕事を
するんだよ」

「普通に三枚に
卸した方が
早い感じだけど・・・」
「そうだよ
早くて、丁寧な仕事が
出来る方が
ベストだから
どっちでも
構わないし
話のタネと
懐かしさも兼ねて
背開きしてみたんだよ」
「ふぅ~ん」
盆ざるに乗せ
皮目に
塩をしたら

身を返し

身にも
塩を振りました
塩の分量は
こんな感じです

夏場は
塩が溶けるのが
早いので
冷蔵庫へ
時間は関係なく
塩が溶け
身に水分が出て来たら
水洗いします
脱水したところに
酢を入れるというのが
酢締めの理屈です
塩が溶けたら
身を洗うのですが
この時季の水道水は
水というより
お湯ですので

氷を入れて
冷やさなくては
なりません
水洗いし終えたら
一度酢締めに使った酢で
身を洗います

こうするのは
水気を取り除くためで
この酢のことを
二番酢と呼びます
その次に
新しい酢に漬けるのですが
冷えていない酢で
漬けると
皮が剥げたり
色が飛んでしまうので

氷水をあてて
酢を冷やしておかなくては
なりません

別のボウルに
春子を入れ
そこに酢を注ぎます

5分ほど漬けたら
酢から
上げます
見た目の目安は
血合い骨の部分が
白っぽくなった感じです

酢から上げたら
キッチンペーパーに
挟んだのち

血合い骨を
取り除きます

最後に

酢で拭き
しんなりさせておいた
昆布で挟み

冷蔵庫で
ひと晩寝かせます
「朝仕込んで
夕方とか夜じゃ
ダメなの?」

「ダメじゃないけど
酢と塩の加減が
馴染まないから
柔らかい味わいには
ならないんだよ
ただ、身が薄い小肌は
朝仕込んで
夕方でも平気だね」
「魚によって
違いがあるんだぁ
それもだけど
酢締めって
かなり手間が掛かるんだね」
「手間って言えば
手間だけど
これが料理だからね
ただ、酢締め
要は、光物(ひかりもの)を
見れば
その店、職人の
技量が分かる
って言われているから
鮨屋中退の身としては
手を抜けないんだよ」
「親方は
卒業じゃなく
中退なの?」
「そうだよ
鮨職人として
店を渡り歩いた
わけじゃないし
ペーペーの
若僧で鮨屋を
辞めたからね」
「でも
巻物(まきもの)とか
握りは出来るんでしょ?」
「そりゃ、出来るよ
握りなんて
一週間も練習すれば
出来るけど
巻物は
最低でも
二年間やらないと
まともな巻物を
作れるようには
ならないよ」
「え~っ
そんなに難しいの」
「今、順番を言うから
分かるはずだよ
①巻き簾(まきす)に
酢飯を乗せる
②真ん中に
具を置く
③パンクさせないように
巻く
④6つに包丁する
特、③と④が
難しいんだよ」
「聞くだけじゃ
簡単そうだけど・・・」
「そういうのが
職人仕事なんだよ」
「そうなんだぁ~」
と、ここまでが
昨日の仕込みの様子です
昨日は
他の魚もあったので
春子の出番は
ありませんでしたが
そして
四半世紀ぶりに
自分が仕込んだ春子が
陽の目を見たのですが

地物の眼仁奈(めじな)
湯葉と共に
三種盛に仕立て
今日のランチタイムに
お出ししました
四半世紀ぶりの
春子ですので
素通りは出来ません

ということで
眼仁奈(めじな)と春子の
ハーフ&ハーフ丼です
「やっぱり
今日の昼ごはんは
カスゴを丼にしたんだぁ~

食べ過ぎちゃうから
真由美さんは
別盛なんだよね

で、四半世紀ぶりの味は
どうだったの?」
「美味しさよりも
懐かしさを
感じたよ」
「そういうことも
あるんだぁ」
偶然にも仕入れた春子で
図らずも
若かりし頃のことを
思い出しました
最後に仕込んだ春子から
四半世紀も
経ったのか
それとも
四半世紀しか
経っていないのか
・・・・・
・・・・・
・・・・・
それ以上に
これからも
より多くの仕事を
覚えるための
精進を欠かすことは
出来ません

「夏の定番の
茄子のオランダ煮じゃん
味染み染みが
いいんだよね~
そんじゃ、また明日」
by 熱血君
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
約四半世紀ぶりに仕入れた春子(カスゴ)こと、真鯛(マダイ)の幼魚
3分の1世紀の間
料理人をやっていますが
それと同じくらいの間
仕入れなかった魚が
春子(カスゴ)です
そんな春子とは・・・
2024年7月4日
Vol.4438

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「おはよう、親方
このタイ
ちっちゃくね?」
と、ミニふぐちゃん
「おはよう
君達ぐらい
ちっちゃいよ」
と、自分
「このタイって
どうするの?」
「酢で締めて
使うんだけど
春子(かすご)って
呼ぶんだよ」
「今は夏だよなのに
どうして
春の子なの?」
「春日神社に
語源があるって
言われているんだけど
小さい鯛を
末っ子=かすっ子
って呼んだことの方が
ピンと来ない?」
「その方が
分かりやすいよね」
「カスって言うと
マイナスのイメージだから
春日神社だと
プラスになるから
そういう説にしているかも
っていうのが
自分の解釈だけどね
春に生まれたから
春子っていう説もあるけど
一年を通して
このサイズで
出回るし
幼魚だから
産卵の時季でも
生殖腺が大きくなることが
ないんだよ
名前こそ
春がつくけど
カスゴには
旬とか時季が
ないんだよ」
「へぇ~
でもさぁ
春子を仕入れて来たのを
初めて見たけど・・・」
「そうだね
おおよそで
四半世紀ぶりになるかね」
「四半世紀=25年だから
【佳肴 季凛】の開店よりも
ずっと前じゃね?」
「そうだよ
自分が東京の鮨屋に
いた頃の話だから
まだ20代の頃だね」
「そんなに
仕入れていなかったんだ~」
「使うタイミングが
無かったからだよ
ただ、今朝
市場に行ったら
良さそうなのが
入荷していたから
仕入れることに
したんだよ」
「へぇ~
どんな様子だったの?」
「いつもみたいに
市場時間に
時計の針を
戻すよ」
「わぁ~い」

ということで
今朝の沼津魚市場です

売場には
静岡県由比(ゆい)産の
カスゴが
並んでいました
ご存じの方も
いらっしゃるかも
しれませんが
由比は
桜海老(サクラエビ)で
知られています

一つの山が
4,5キロでしたので

如何せん
自分には
多過ぎです
なので
自分好みのサイズの
春子を選び

荷主である
由比の魚屋の
ご主人に
秤にかけてもらうと

1,5キロでした

「こんな感じで
仕入れて来たんだよ」

「そうなんだぁ~
タイって言うと
それなりのサイズって
イメージがあるけど
カスゴも
タイと変わんない味なの?」
「全くの別ものだよ
春子は酢で締めるから
いわゆる光物(ひかりもの)で
小肌(こはだ)とか
〆鯵(しめあじ)みたいな
感じだね
でも、魚そのものが
違うから
春子には春子の
美味しさがあるよ」
「さっき
『四半世紀ぶりの仕入れ』
って言ってたけど
それなら、仕込みも
四半世紀ぶりってこと?」
「そうだね
基本的な仕込みのやり方は
同じなんだけど
小肌や鯵よりも
手間が掛かるんだよ
自分の頃も
嫌がる鮨職人も多くて
人気が無かったんだよ」
「え~っ
だって美味しいんでしょ?」
「美味しいよ
っていうか
不味い魚って
そうそう無いしね
料理の道の振り出しが
鮨屋だったから
小魚とか
手間が掛かる仕込みが
飽きっぽいくせに
意外と好きなんだよ
たまたま好きな分量で
仕入れたから
久々の仕込みに
ワクワクしているよ」
「おぉ~!
で、この後は
仕込み方を
話してくれるんでしょ?」
「いやいや
今日は
お中元の【西京漬】に
銀鱈を仕込んだり

他の魚も色々と
仕入れて来たから
仕込みのことは
明日ね」

「そうだよね
軽トラに
一杯あったもんね」
ちなみに
今朝の主な仕入れです
◆銀鱈(ぎんだら)
アラスカ産


◆鱧(はも)
和歌山産

◆眼仁奈(めじな)
沼津産

「魚の仕込みも
沢山あったけど
お中元の【西京漬】の
箱詰もしたんだよね
お疲れ様~♬

ってことで
カスゴは
明日話してね」
「はいよ~!」
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
常連さんへの誕生日プレゼントは、刺身と揚物
オーナーシェフの自分にとっての
楽しみの一つが
商売抜きの料理を
作ることです
特に
常連さんへの
誕生日プレゼントとなると
その楽しみは
倍増どころか
2乗レベルと
言えるかもしれません
2024年6月30日
Vol.4435

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「親方、この料理って
もしかして・・・?」
と、ふぐとらちゃん
「そうだよ
よく分かったじゃん」
と、答えました
「だって
季凛の器でもないし
おうち用のでも
ないからだよ
で、今日は何用?」
「近所の常連さんの
誕生日プレゼント用だよ」
「いいじゃん♬」
「器を借りてくれば
そのまま渡せるから
楽じゃん
うちの器を使えば
返しに来なくちゃ
ならないからね」
「そうだよね~」
「で、こっちが
歯鰹(ハガツオ)の刺身で

こっちは
揚物で

ハムカツと鯵フライだよ」
「んまそう~」

「そんでもって
サラダチキンも ・・・」

「袋にメモみたいのが
入っているけど・・・?」
「これは
バースデーカードで
真由美さんが
書いてくれたんだよ」
「真由美さんの
メッセージも
お得意のアイテムだよね~」
「自分の時には
無いんだけどね・・・」
「え゛~っ
じゃ、今度
僕達が書くように
言ってあげるよ」
「そうだね
頼むよwww」
真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです

これらを
箱に入れ
常連さんが
取りに見えるのを
待つばかりとなりました

「これって
ちゃんとした
化粧箱じゃね?」
「そうだよ
【西京漬】とかの
ギフト用に使うのに
サンプルなんだけど
使い道が無いから
こういう時に
使うしかないじゃん」
「大き過ぎるもんね」
そうこうしていると
常連さんが
見えました

「こんにちは
☆◆※さん!
この器だから
もしかして・・・
って思っていたら
やっぱ、そうだったんだぁ~」
「ふぐとらちゃん
こんにちは♬
いつも楽しそうだよね
2、3日前に
親方が器を取りに
来てくれたお陰で
今日の夕飯は
ご飯を炊くだけで
済んじゃったよ」
「良かったじゃん!
旦那さんに
『おめでとう』って
伝えてね♬」
「うん、ありがとうね」
こういうお付き合いが出来る
常連さんが
ご近所にお住まいなのは
非常に有難いことです
というのも
お金を頂いて
作る料理には無い
楽しみに恵まれるからです
また、それは
オーナーシェフとしての
喜びでもあります
こういうご縁を
大切にしながら
日々の仕事に
打ち込み続けたい限りで
なりません

「鱧しんじょう蒸しが
沢山あるじゃん!
そんじゃ、また明日」
コエタス
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肩星鰯(かたぼしいわし)と丸鯵(まるあじ)のようなマイナー魚の魅力を伝える使命
2024年6月27日
Vol.4432
漁港が併設されている
沼津魚市場には
マイナー魚も
多く水揚げされたり
入荷しています
そんな今日仕入れたのが
2種類のマイナー魚でした

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「おはよう、親方
ハモは分かるけど
この2つの魚って
前にも見たことあるような
ないような・・・?」
と、ふぐとらちゃん
「おはよう
良い感じのこと
言うじゃん!

こっちが
肩星鰯
(かたぼしいわし)で

こっちは
丸鯵(まるあじ)
丸鯵は
青鯵(あおあじ)
とも言うよ」
「へぇ~
親方って
トラフグとかハモみたいな
和食の王道みたいな魚を
使う割には
こういうマイナー魚を
使うのも
好きだよね」
「そうだね
とらふぐとか鱧って
豪華、贅沢で
他の食材には無い
美味しさが
魅力なんだけど
こういうマイナー魚の
知る人ぞ知る
みたいな美味しさも
また魅力的で
結局は
魚の美味しさを
伝えたいんだよね
特に、沼津の魚市場は
漁港も一緒だし
地元だけじゃなく
伊豆方面の漁師も
持って来るから
マイナー魚も
多いんだよ」
「へぇ~」
「それに
三宅島とか伊豆七島で
操業している漁師には
宮崎とか和歌山の
漁師もいるんだよ」
「時々
そんなことも
話しているよね
で、この
カタボシイワシと
マルアジは
どこのなの?」
「由比だよ」
「由比じゃ
地元じゃないじゃん」
由比(ゆい)とは
静岡市にある漁港で
桜海老の産地で
知られており
沼津魚市場からは
30キロくらい
離れています
ただ、由比からは
ほぼ毎日
魚を持って来る
問屋がいるので
地元と言っても
いいかもしれません
そんな今朝
魚市場に行くと
由比の魚屋のご主人が
声を掛けくれました

青いTシャツ姿で
赤い長靴を
履いています
自分よりも
少し年上なので
友達感覚です
「カタボシイワシと
アオアジがあるけど
どう?」

どちらも
量が少ないので
合わせ技で
2,5キロでした
こういう不揃いの時は
かなりの
お値打ちですので
即決しかありません
丸鯵

肩星鰯


丸鯵も

肩星鰯も
下処理の仕方は
全く同じで
鱗(うろこ)を取ったら
頭を落とします
その後
水洗いをしてくれるのは
女将兼愛妻(!?)の
真由美さんです

丸鯵も

肩星鰯も

水洗いを終えたら
三枚に卸し

肩星鰯は酢締めにし
冷蔵庫へ

また

どちらの頭も

中骨などの
あらの部分は
焼いてから
出汁を取るため
水洗いをしておきました
丸鯵の方は
揚物に使うだけでなく
未体験の魚なので
クオリティチェックを
しないわけには
いきません

ということで
たたきにして
オン・ザ酢飯!
丸鯵のたたき丼です

「あいも変わらず
メガ盛りだね」
「だって
この時間
(2時過ぎ)まで
何も食べていないからね」
「しっかし
んまそう~

真由美さんは
食べ過ぎちゃうから

別盛なんだよね」
「そうそう」
肝心の味ですが
いわゆる鯵(あじ)よりは
落ちますが
似たようなアジの
眼鯵(めあじ)よりは
脂が乗っていました

マイナー魚が
マイナーなのは
量が獲れないのが
一番の理由で
必ずしも
味が落ちるとは
限りません
殆どの魚は
食べることが出来ますが
美味しくない魚を
見つけることは
至難の業です
知らない魚
=(イコール)
美味しくない魚
と思っている人も多く
それでは
魚市場に通っている意味が
ありません
料理人たるもの
漁師をはじめとする
一次産業の
代弁者であるべきだと
主張する自分としては
魚の美味しさ
ひいては
魚菜食文化の
日本料理の魅力を
伝える使命があるのです
ましてや
漁港でしか
見ることの出来ない魚の
美味しさを知ることが
出来るのは
地方在住の恩恵以外の
何物でもありません
そのためにも
自ら魚市場に通い続け
魚菜食文化の魅力を
伝え続けます

「この包丁って
どうなっちゃうんだろう?
そんじゃ、また明日」
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧下さい
ランチの刺身は、活〆の梅雨グレこと、眼仁奈(めじな)の薄造り
今日のランチの刺身は
朝〆の薄造りを
お出ししました
その魚とは・・・
6月21日
Vol.4426

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。

「おはよう、親方
今日は
何を仕入れて来たの?」
と、ミニふぐちゃん
「おはよう

鯵(あじ)と

梅雨グレだよ」
と言うと
「アジは分かるけど
梅雨グレなんて
初めて聞いたけど・・・」
「実は、この間
自分も初めて
聞いたんだよ」
「え゛~っ
親方も
知らないことあるの?」
「そりゃ、あるさ
この間、三重県熊野の
魚屋さんが
Facebookに
投稿していたのを見て
初めて知ったんだよ

これこれ」
「そう言えばさぁ
この魚屋さんに
色々訊いてるよね?」
「そうだよ
分かんない魚を見た時に
その写真を送ると
百発百中で
名前を教えてくれるよ」
「百発百中って
凄くね?」
「凄いよ
しかも
訊いた魚の殆どは
食べたことがあるし」
「マジでヤバっ!」
「彼の投稿を見ていたから
気になっていたんだよ
で、今日
運良く仕入れることが
出来たんだよ」
「そうなんだぁ
じゃ、いつもみたいに
仕入れるところから
話してくれるんでしょ?」
「もちろん
じゃ、市場時間に
時計の針を戻すよ」
「わぁ~い♬」
グレとは
眼仁奈(メジナ)の
西日本での呼び名で
沼津では
クシロと呼ばれていて
地方名は
かなりの数があり
釣り人の間では
かなり人気がある魚の
一つです
また、メジナには
メジナ
クロメジナ
オキナメジナ
の3種類がいますが
沼津では
特に、区別されていません

ということで
今朝、沼津魚市場に着くと

地元・西浦の
定置網漁で水揚げされた
魚の仕分けを
しているところでした
水揚げしていた漁船は
冨久豊丸
(ふくほうまる)です

また、今朝は
活魚の水揚げもあり

活魚売場では
その仕分けをしており

その中に
眼仁奈がいました

この中から選んだのが
1,7キロのものです

その場で
締めたら

氷入りの海水に浸け
血抜きをし

持ち帰ることに
しました
「こんな感じに
仕入れて来たんだよ」

「そうなんだぁ」


はらわたを抜くと
メタボ状態の
内臓脂肪です

頭を落とし
水洗いをし
卸したら

ランチタイムの刺身に
使うため
皮を引いておきました
折角の活〆(いけじめ)の
魚ですので
薄造り
一択しかありません

「ランチで
薄造りなんて
贅沢じゃん!
んまそう~」
「普段出しているような
三種盛りもいいけど

折角の活〆っていうか
朝〆の魚だから
薄造りも
ありでしょ?」
「当然ありだよね」
「こういう刺身を
食べて欲しいから
市場に行って
気に入った魚を
仕入れているんだしね」
「でもさぁ
さっきの三重の
魚屋さんの投稿じゃないけど
ここまで
話しちゃうと
メジナの美味しさが
広まって
仕入れるのが
大変になるんじゃね?」
「どうだろうねぇ
ただ、魚の美味しさが
広まるのは
良いことだから
それはそれで
アリだよ」
「そういう考えも
ありなんだね」
「そうだよ
美味しい魚を
求める人が増えてくれれば
仕入れ甲斐があるし
市場に行く楽しみが
増えるから
いいんだよ」
「その余裕っていうか
自信って・・・?」
「市場に行っている
からこその強みだね
手を変え、品を変え
魚を選べるわけだし
それでも無い場合は
他所の産地の
魚屋から仕入れる手も
あるわけだしね」
「じゃあ、三重の
魚屋さんからも
仕入れることもあるの?」
「ここ何年かは
無いけど
前には
とらふぐとかのフグ類も
仕入れてたもん」
「今は、仕入れないの?」
「熊野辺りの
とらふぐの水揚げが
少ないから
殆ど無いんだよ」
「そうなんだぁ
でも、魚の知識を
仕入れているじゃん」
「気の利いたこと
言うねぇ!」
「エヘヘ・・・(∀`*ゞ)
その知識の
仕入れ値は?」
「プライスレス!」
より良い魚を求め
日々、沼津魚市場に
通ってはいても
梅雨グレのように
知らないことも
まだまだ沢山あります
食材としての魚だけでなく
その蘊蓄(うんちく)も
仕入れるためにも
市場に通い続け
魚菜食文化でもある
日本料理の魅力を
伝え続けます

「今日の夕飯は
ハンバーグだったんだぁ
んまそ~
そんじゃ、また明日」
by 熱血君 コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

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