帰路は東名
今朝は、沼津魚市場に行って来たのですが、仕入れも多かっただけでなく、魚市場の後に、沼津市の隣の清水町にある食遊市場に、野菜の仕入れに行かなくてはならなかったので、魚市場に着いた時点から、バタバタしていました。
仕入れるものの有無に関わらず、一番最初に向かうのが、

活魚売場で、

愛知県産の鱧(はも)を仕入れたら、

隣の売場で、

三陸産の帆立を仕入れたら、別棟の売場へ行くことにしたのですが、

地物の魚が並ぶ売場を通ると、

下田、河津とあるように、東伊豆産の葉血引(はちびき)が並んでおり、これらは、セリ売りゆえ、仲買人に希望の値段を伝え、他の仕入れのため、別棟の売場へ。
この売場は、

“送り”と呼ばれ、全国各地から送られてくる魚が並んでおり、

熊本産の新子を仕入れました。
新子とは、読んで字の如く、新しい子のことで、その年に生まれた魚のことで、中でも、水産業界で新子と言えば、小肌(こはだ)というか、このしろの幼魚のことを指します。
水産業界においては、魚は大きさによって商品価値が異なることもあり、呼び名も様々で、結果として、値段もまちまちですが、標準和名では、どれもこれも、このしろです。
新子は、6月の半ばに初めての水揚げがあり、その時の総量は1キロに満たないこともしばしばで、そのキロ単価は、10諭吉とか、20諭吉のようなことも、珍しくありません。
ただ、各地で水揚げされるようになると、値段も落ち着き始め、そうなると、自分は使い始めます。
また、新子は、そもそもが鮨屋用の魚ゆえ、日本料理では使うことが少ないのですが、この業界の振り出しが鮨屋だったこともあり、使うかどうかは別にして、素通りが出来ない魚の一つです。
ところで、それに類するのが、ほぼ同じ時季に新物が入荷する墨烏賊(すみいか)の新物で、こちらは、新烏賊とも呼ばれ、握り鮨1貫(1個)で1匹の大きさで、鮨屋に入った頃、この仕込みに泣かされ、遡ること4半世紀。
あな、懐かし。
その後、

この売場で、

霞ヶ浦産の白魚を仕入れた頃には、セリの時間も近づいていたので、再び、別棟の売場へ向かいました。
そして、“3密”を避けながら、

セリを眺めていると、

作戦通、2本で3,9キロのセリ落としてもらったら、

発泡スチロールに移し替え、積み込んだら、

一路、食遊市場へ。
魚市場からは、15分程度で、

着いたら、

八百屋に行き、

買物をしたら、6時半も過ぎていたので、のんびりはしていられず、帰ることにしたのですが、鮮度の劣化は最も避けるべきことゆえ、氷を入れた発布スチロールに新聞を敷き、

買った野菜を箱ごとしまいました。
氷ですので、保冷剤のように、0度以下にはならないだけでなく、発泡スチロールに入っているので、0度以上10度以下と、野菜には願ったり叶ったりの温度ですので、鮮度が落ちることはありません。
6時くらいなら、下の道で、市街地経由で戻るのですが、時間も時間ゆえ、

バイパスで、

東名で帰ることにしました。
このルートを使ったのは2回目で、高速代は掛かるものの、食遊市場に行った時は、こちらの方が早く着くこと2も分かったので、今日も利用し、バタバタしていて、熱中症対策も疎かになっていたので、

パーキングエリアに立ち寄り、水分補給し、

『佳肴 季凛』へ。
普段の仕入れの時と同じような時間に戻ることが出来たのですが、仕入れも多かったので、荷物を下ろしたら、

仕込みを始め、

軽トラの掃除は、

いつものように、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、

滞りなくやってくれ、バタバタの金曜日が始まったのでした。
そして、仕込みの最中に嬉しい出来事として、

天然のとらふぐの仕入先の一つである三重県安乗(あのり)の魚屋さんから、頂き物をし、これについては、明日お話しします。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月3日(木)の予定です。


放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
2020.8.28|鱧(はも) 魚 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
台風5号の影響と夏枯れの沼津魚市場
今朝は、

先付のもろこし豆腐を仕込んでから、

沼津魚市場に行きました。
着くと、

沼津は、風が強かったらしく、売場のシャッターも閉まっており、隣で、天気は似ていても、陸(おか)の富士とは、気候が違うことを、改めて感じることも、しばしばです。
風と言えば、

台風が2つ発生しており、

5号は、上陸する直接の被害はなかったものの、海は時化るので、

山陰、北陸方面の日本海からの魚の入荷は少なく、海水温も上昇する夏場になると、魚も深いところに潜ってしまい、定置網や旋網で水揚げされる魚も少なくも少なくなり、この状態を夏枯(なつが)れと呼んでいます。
三連休後のお盆休み前の暦ということもあり、案の定、魚の値段も高騰ししていたので、特に入り用の魚もなく、今日の状態は、無関係でしたし、こういう時に備え、真空パックしてから、マイナス30度で冷凍してあるので、気は楽でした。
ただ、もう少しすると、台風が増えるので、色々と気を揉みますが、それ以上にかの疫病と強烈な暑さが、収まって欲しい限りでなりません。
☆★☆ お持ち帰り(テイクアウト)の鶏の唐揚げ ★☆★
当店では、お持ち帰りの鶏の唐揚げをご用意しており、

言うなれば、料理人が作るおかずです。
5個、650円(税別)で、前日の午後3時まで、5個単位からの御注文となっております。夕飯の一品などに、是非どうぞ。
ツムブリ(紡錘鰤)は、メナダ
今朝、沼津魚市場に行き、

地物を中心に扱う売場を歩いていると、

地物のツムブリ(紡錘鰤)が、

2本すつ入ったものが、3つありました。
このところ、地物を刺身用に仕入れることもあり、好みの魚があると、確認するようにしており、

中を見ると、6,2キロ、

4,9キロ、

4,1キロでした。
2本入りだと、多いので、思案していると、仲買人が同じで、懇意にさせて頂いている沼津市の居酒屋『きえい』さんに声を掛け、1本ずつ分けることにし、セリの時間を待つことに。
セリが始まり、

“3密”を避け、眺めていると、

6,2キロのものをセリ落としてもらい、

窓口になっている問屋の荷造り場に行き、

秤にかけ、

3,5キロの方を、

自分用にさせてもらい、

『きえい』さんの分は、

3,1キロだったのですが、

メナダと書かれて書かれており、疑問に思った自分は、荷造り場にいた従業員に訊くと、「ツムブリでも通りますけど、沼津では、そう呼んだりもしていますよ」と、言われました。
料理人や水産関係者のバイブルとも言える【ぼうずコンニャク】のツムブリのページを見たら、沼津だけでなく、神奈川県真鶴でも、そう呼ばれており、ブリ(鰤)の幼魚のイナダに対してのメナダで、その呼び名というか、語源は、案の定というより、ツムブリが、ブリに因んでいるので、当然とも言えます。
沼津は、漁港が併設されている魚市場ゆえ、地方名で呼ばれる魚も多く、標準和名では、通らない場合もあり、これまでに、面喰らうことも、何度かありました。
機会があれば、お話ししてみたいと思っています。その時まで、お待ち下さい。
☆★☆ 【コエタス】 ★☆★
当店の『胡麻だれ』や『ぽん酢』などを召し上がった方々が、

【コエタス】というサイトで、投稿して下さっています。
ご興味、ご関心がある方は、お時間が許す時にでも、御覧下さいませ。
葉血引(はちびき)と〆鯵(しめあじ)のハーフ&ハーフ丼
昨日、『お持ち帰りの〆鯵重(しめあじじゅう)』についてお話ししましたが、今日は、その際のクオリティ・チェックについてで、

〆鯵だけでなく、葉血引と合わせたハーフ&ハーフ丼に仕立てました。
葉血引は、昨日、

沼津魚市場で仕入れたものです。
構内の地物を扱う売場を物色していると、

赤い姿ゆえ、

すぐに目にとまり、

3,7キロの伊豆・土肥(とい)産でした。
仲買人と作戦を立て、

所謂(いわゆる)3密を避け、眺めていると、

無事にGET!
常の通りの下処理をし、

柵取りをし、血合い骨を見ると、

白くなっており、脂があることが確認出来、期待増大。
腹の部分の皮目に、

切り込みを入れ、

盆ざるに乗せ、

バーナーで炙ったら、

ひっくり返し、

氷で冷まし、

キッチンペーパーで、水気を拭き取り、早速、昼間の会席料理のお客様に、

父島産の浜鯛(はまだい)、島根産の〆鯵、湯葉と共に、お出ししました。
昼の営業が終わったら、期待していたクオリティ・チェックの時間となり、

鮪(まぐろ)で言うところの大とろの部分は、皮を引いてから、

細めに包丁し、

炙った柵、〆鯵も包丁し、

葉血引と〆鯵を交互に乗せたら、

出来上がり、卸し立ての本山葵を醤油で溶き、

一気呵成に食し、至福の時を堪能した次第です。
そして、明くる日の今日は、

お昼の【特別会席】のお客様や、

鱧(はも)料理のお客様にお出ししました。
葉血引は、赤い色をしていますが、鮪や鰹(かつお)のようなヘモグロビンの赤身の魚ではなく、脂が乗った赤い白身の味わいです。
水揚げ自体が少ない魚ですが、機会があれば、是非とも、召し上がって欲しい魚の一つでもあります。
★☆★ お持ち帰り(テイクアウト)の天重 ☆★☆
当店では、お持ち帰りの天重を御用意しております。

1人前900円(税別)で、前日の午後3時まで、2人前からの御注文です。皆様の御注文、心よりお待ちしております。
活〆の超特大平目(ひらめ)丼&薄造り
一昨日の日曜日のことです。近所の常連さんが、

超特大の平目を釣って来たのですが、聞いたところでは、8キロオーバーのもののようで、そのサイズともなると、玄人はだしというか、料理人でも手こずるのは間違いありません。
そんなこともあり、卸すことを頼まれ、普段なら、平目のような鱗が細かい魚は、包丁を使うすき引きという方法で、鱗を取り除くのですが、他の仕込みもあるだけでなく、超特大ゆえ、鱗も大きいこともあり、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、通常の魚のように、

鱗を取ってもらい、左手のところを御覧になると、はらわたの一部を取り除いてあるのがお分かり頂けると思います。
自分が手直しをし、頭を落とし、

水洗いしたら、

卸したのですが、ひと柵だけ、皮を引かずにおきました。
皮を引かなかったのは、刺身以外の料理にしたいとのご要望だったからで、良い素材をご家庭でも、ご自身で、思うが儘の料理にして下さるのは、料理人としては、嬉しい限りで、フライもしくは、南蛮漬をお勧めした次第です。
また、御裾分けに与(あずか)ることも出来たので、日曜日ということもあり、2人の娘達の分も含め、急遽、お昼御飯は、活〆の平目丼に、バージョンアップすることになりました。
酢飯用の御飯には、

黒米を入れて炊き、ここにすし酢を合わせると、

黒米のアントシアニン色素と酢が反応し、

淡いピンク色を帯びます。
ただ、黒米は、研ぐ前に2時間程度、水に浸けておかないと、炊き上がった時に芯が残るので、注意が必要です。
酢飯を器によそったら、

刻み海苔をちらし、

そぎ切りした平目、大葉、紅蓼(べにたで)を合わせたものを、

盛り付け、

すり卸した本山葵をあしらったら、出来上がりました。
身だけでなく、

縁側も頂戴し、

醤油に本山葵を溶き、

穿るが如く、食しました。
活〆でありながらも、薄目に引いてないのは、神経を抜いていなかったことで、死後硬直が早まったからです。
そして、スポンサーのお客様には、

ご持参の器に、

丼同様、薄造りとまではいかない厚みで、

お渡しし、湯引きして包丁した皮と刺身用の妻(大根、人参、胡瓜、アーリーレッド)を合わせたものと、もみじ卸し、打ち葱も、一緒に盛り付けました。
突然のご依頼でしたが、ご相伴に与ることが出来ただけでなく、薄造りをご持参の器で盛り付けたことで、盛り付けの妙も知ることが出来、即座に対応出来るための勘は、非常に大事であることを再認識し、結果として、日々、料理を作ることが、料理人にとっては不可欠で、そこにしか、料理人の立ち位置がないのです。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★

この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店謹製の『胡麻だれ』を使ったオリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
急遽、明日のお持ち帰り(テイクアウト)の天重の準備と仕込み
昨日お話ししたように、今朝は、

沼津魚市場に行く前に、

先付のうすい豆腐(グリンピースの豆腐)を仕込み、

冷蔵庫にしまい、

鍋やボウルは、そのままにし、

車に乗ると、走行距離の表示が40000キロちょうどで、こういう数字を見ると嬉しいのは、自分だけではないはずです。
魚市場に着き、

いつものように、

活魚売場に行くと、山口、大分から届いた鱧(はも)の仕分けをしているところで、

輸送中に死んでしまった大分産の鱧を2本仕入れることにし、この鱧は、揚物や蒸物などの加熱用に使うもので、鱧料理のマストアイテムの落としや湯引きと呼ばれるものには、使いませんし、使えません。
その後、

別棟の売場で、

鹿児島産の鯵(あじ)を仕入れました。
7月に入り、九州方面をはじめ、西日本各地は雨が多かったこともあり、魚の入荷がかなり少なく、高値だったものの、天候だけでなく、値段も落ち着いてきたので、これからの台風シーズンに備え、揚物用にストックするためです。
これら以外の仕入れは、冷凍物などで、定休日明けということもあり、早めに魚市場から帰ることにしました。
ちなみに、【佳肴 季凛】と魚市場の距離は、

約25キロですので、帰る直前の表示は、40026キロでした。
戻ったら、仕込みを始めたのですが、しばらくすると電話が鳴り、明日の夕方に、お持ち帰りの天重の30人前の御注文を頂いたので、

ランチの営業中に、

海老の仕込みをし、ストックする予定だった鯵も、

全て明日の天種行きとなり、足りない分は、真空パックし、冷凍しておいたものを使うことにし、今朝の仕入れが功を奏した次第です。
そして、折も足りないので、発注時間は過ぎていたものの、魚市場近郊にある包装資材店が、

折を届けてくれたので、魚市場関係の仕入れや準備が済んだことにひと安心。
急な御注文とは言えども、問題無かったのは、超早番で仕込みをし、40000の数字を見た霊験だとするならば、“早起きは三文の得”とは言ったものです。
というのも、明日は、

開催される予定だった東京オリンピックに合わせたごり押しとも言うべき4連休の暦ゆえ、

魚市場が休みで、自分の仕入れなどに、影響があるとは危惧していたものの、実際に降りかかると、厄介なものです。
かの疫病ゆえ、開催、中止、延期などの議論がありますが、無理を通せば、道理が引っ込む以上、この際、諦めて、かの疫病への対策を考えることが、第一義としか思えません。
そして、夜の営業前に、

天種用の南瓜、

玉葱、

パプリカなど、出来るとこまで仕込み、出来るとこまでと言えば、

米も量っておいたのですが、同じく足りないので、

明日配達してもらってから、研ぐため、不足分のメモ書きをおき、明日の天重用の仕込みと準備を終えました。
明日の天重は、これまでにない数ゆえ、少しばかり緊張していますが、その一方で、未体験の仕事は、自らの成長の糧となるので、心して、明日の仕事に臨みます。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、

このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
2020.7.21|お持ち帰り(テイクアウト) 鱧(はも) 魚 |permalink|コメントはまだありません
静岡県沼津産の頭鰤(ツムブリ)
今朝、沼津魚市場に行き、

構内を歩いていると、

地元の漁船が水揚げした魚が並んでおり、

その中に、2,4キロの頭鰤(つむぶり)が並んでいました。
ぶりと名が付くように、ぶり(鰤)の仲間というか近縁種ですが、ぶりはアジ科ブリ属であるのに対し、つむぶりは、ツムブリ属です。
平仮名と片仮名が混じっているのは、自分にとって魚は食材にして料理ゆえ、平仮名や漢字で表記することにしないと、美味しさを感じられないからで、片仮名の場合、魚という生物になってしまい、美味しさの、微塵も感じる余地もありません。
つむぶりは、紡錘鰤と書き、紡錘の紡は、つむと読み、織物などで糸を巻いておく芯で、これに糸を巻いた形ににていることに由来しています。
また、頭鰤とも書き、頭(つぶり)の丸いことに由来して、つぶり→つむぶり→つむぶりに転訛したとも言われ、これらを知るまでは、頭を意味するおつむが語源かと思っていましたが、近いと言えば近いような・・・。
ちなみに、ぶりの頭というか顔は、

こちらです。
時々、Facebookで全国の魚屋さん達が投稿しているだけでなく、一度も食べたことが無い魚の一つでもあったので、仕入れることにし、仲買人をと作戦を立て、セリに臨むことにしました。
3密を避け、

眺めていると、

GET!
つむぶりは、所謂ぶりと異なり、鱗(うろこ)も大きいので、

鱗取りで鱗を取ったら、頭を落とし、はらわたを抜いたら、水洗いし、

三枚に卸し、早速、今日のランチメニューの“季”(おひとり 1,500円)の副菜や、

単品ものとして、

お出ししました。
言うまでもありませんが、お出しする前に味見をしたのですが、柔らかな舌触りは何とも言えず、味としては、鰤と目鯛(めだい)を合わせたような感じで、市場評価以上のものだったのが、正直な感想です。
つむぶりは、水揚げ、つまり入荷量が少ない魚の一つですが、このような魚を手にすることが出来るのも、沼津魚市場ような漁港が併設されている魚市場ならではのことで、その恩恵に与ることの出来ることを感謝しながら、色んな魚を仕入れ、その美味しさである魚食を多くの人に知ってもらうのも、忘れるわけにはいきません。
★★★ 『佳肴季凛』謹製 【鰯の丸煮】 ★★★
お中元、お歳暮、手土産などの贈り物や、お取り寄せに最適な【鰯の丸煮】をご用意いたしております。
“大羽(おおば)”と呼ばれる大きめの真鰯を使用し、店主の“熱き想い”と共に、煮詰めた逸品で、1パック(2本入 450円)からでも、お買い求め頂けます。

5パック(10本)入 2,250円 ※クール便にて発送可
三浦・三崎産の葉血引(ハチビキ)
今朝、沼津魚市場に行くと、

入港していた漁船が水揚げした魚の仕分けをしており、

魚も多かったこともあり、

その準備に追われていました。
仕入れるかどうかは別にして、売場に並ぶ魚は気になるもので、

黄色のコンテナの魚は、神奈川県三浦・三崎の漁船が水揚げしたものでした。
三崎の漁船が沼津で水揚げすると聞くと不思議かもしれませんが、漁獲したところが、地元よりも遠ければ、近い漁港で水揚げするのは常のことで、値段が出やすい、つまり魚価が高くなる傾向にある漁港で水揚げするのも、同様です。
さらに言うと、漁港の休市日も関係したりするので、地元の漁船かどうかは無関係で、魚の味の良し悪しを決めるのは、漁場以上に、その魚の生態以外の何物でもありません。
ただ、魚の場合の産地は、水揚げ地が産地になるので、極端な言い方をすれば、アメリカで獲れた魚でも、沼津産になることもあり、表示というのは、かなりいい加減なものです。
ですので、漁場と水揚げ地を明記しなければ、表示というのは、意味を成しませんし、表示のための表示、つまり食品表示法のためでしかなく、美味しさとは無関係で、産地はあくまでも目安でしかありません。
コンテナの魚を見ていると、

良さげな葉血引(はちびき)が目に入り、セリの時間のかなり前だったので、

この1本を先取りさせてもらうことにしました。
葉血引は、

目鯛(めだい)や、

鯥(むつ)など同様、深場の魚と共に水揚げされる魚の一つです。
目鯛、鯥に比べ、流通量も少なく、マイナーな魚ですが、先月初めて食べて以来、好きな魚の一つとなり、その時の様子については、こちらをお読み下さい。
仕入れた葉血引は、常の通りの下処理をしたら、

脱水シートに挟み、冷蔵庫にしまっておきました。
葉血引のようなマイナーな魚を目にすることが出来るのは、自ら魚市場に行っているからのことで、それにより、様々な知識を得られることは、色んな意味で、成長する機会を得ていることになります。
魚同様、野菜、肉も食材というか素材ですが、魚というか、天然の魚とは異なり、人の手によって、生産され、平たく言えば、養殖ものです。
天然素材の美味しさは、養殖と比べるまでもなく、それを学ぶべく魚市場に行くことは、料理人の基本で、今思うと、料理人の振り出しが東京の鮨屋で、誰かしらが交替で、築地に仕入れに行っていたので、その素地が出来たことには、幸運だと思います。
4時起きで魚市場に行くことは、夜も遅くなる仕事ゆえ、楽ではありませんが、料理人としての技量を高めるだけでなく、魚屋さんのように、自分と同じ経営者と情報交換などをすることで、人としての在り方も学ぶことが、魚市場では出来るのです。
そう意味では、自分にとっての魚市場は、まさに学校そのもので、どんな仕事でも、生涯勉強である以上、この考えを忘れることなく、日々の仕事に臨んでいきます。
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父島産の浜鯛(ハマダイ)
明日は、沼津魚市場が休みということもあり、定休日でしたが、昨日は、

仕入れに行って来ました。
いつものように、最初に、活魚売場に行くと、

大分産の鱧(はも)が入荷していました。
活かしの鱧は入り用ではなかったものの、

落ち鱧と呼ばれ、輸送中に死んでしまった鱧が4本あったので、

揚物などの加熱料理用に仕入れることにしました。
ちなみに、

鱧料理の象徴ともいうべき“落とし”や“湯引き”に仕立てるには、活きた鱧しか使いません。
その後、別の売場に行くと、

浜鯛が、

入荷していましたが、こちらの大きさのものは、

Sサイズのもので、6,9キロの10尾入りで、自分が選んだのは、

Mサイズ(2本入)のもので、

1本だけ仕入れることにし、

秤にかけると、

1,675キロでした。
また、浜鯛は、

沼津魚市場をはじめとする関東圏では、尾長(オナガ)とも呼ばれており、この浜鯛は、

伊豆七島の一つの父島産で、言うなれば、東京産ということになります。
浜鯛は、様々な料理に仕立てることが出来るのですが、昨日のものは、刺身用に仕入れました。
どのような仕立て方にするにせよ、

先ずは、鱗(うろこ)を取らなくてはならず、

鱗は硬くて、大きいので、仕事もしやすく、取り終えたら、

頭を落とし、水洗いしたら、

三枚に卸し、余分な水分を取り除くため、

脱水シートに挟み、冷蔵庫へ。
また、尾長とも呼ばれているように、尾びれが長いのが特徴で、

その長さは、胴体の約半分です。
皮を引いて、刺身にすることも出来るのですが、それでは面白味に欠けるので、

皮目に包丁を入れ、

金串を刺したら、

炙りや叩きではなく、

藁で、

燻すような感じにすると、

このようになりました。
そして、

氷を敷いた器に盛り付けると、皮目の赤と身の白のコントラストが映え、ほのかな脂の乗り具合と皮の香ばしさで、浜鯛の美味しさが引き立ちます。
一般の方が目にする機会が少ない魚でも、魚市場ではメジャーなものも多いのは勿論のこと、名前しか知らなかったり、食べたことが無いのも、まだまだあります。
このことは、魚に限ったことではなく、他の食材についても言え、料理というか食の世界は広く、深いゆえ、勉強の余地は、大いにあります。
★★★ 『佳肴季凛』謹製 【鰯の丸煮】 ★★★
当店では、父の日、御中元などのギフトや、お取り寄せに最適な【鰯の丸煮】をご用意いたしております。
“大羽(おおば)”と呼ばれる大きめの真鰯を使用し、店主の“熱き想い”と共に、煮詰めた逸品で、1パック(2本入 450円)からでも、お買い求め頂けます。

5パック(10本)入 2,250円 ※クール便にて発送可
東伊豆産の歯鰹(はがつお)&大分産の鱧(はも)
夕べ、片付が全て終わった後に、

御予約を頂いたのですが、あえて仕込みはせず、魚市場に行く前に仕込みをすることにし、

3時半に起き、

先付のうすい豆腐(グリンピースの豆腐)を仕込み、

片付をすることなく、 魚市場へ。
魚市場に着き、構内を歩き、色々と物色し、

最初に、大分産の鱧(はも)を仕入れました。
そうこうしていると、東伊豆の定置網漁で水揚げされた魚の仕分けが始まり、

色々と売場に、

並べられていき、最も多かったのが、鰤(ぶり)の若魚のわらさで、

この一つに、70本にして、371キロ入っており、山下丸というのが、この定置網漁の漁船の名前です。
これが、一つの山ですので、これ一つをセリ落とさなくてはならないのですが、このような分量を仕入れるのは、量販店と取引している問屋です。
このような光景は見慣れているだけでなく、素通りするのは、勿論のことで、先程の売場に並んだ魚を眺めていると、

歯鰹(はがつお)が目に留り、昼の御予約用に仕入れることにし、仲買人と作戦を立て、

“3密”を避け、様子を眺めていると、

仲買人が札を置くのを目にし、無事にGET。
ただ、通常なら、お値打ちで仕入れることが出来るのですが、色んな意味で強気に出て、歯鰹らしからぬ値段で、その理由を、山下丸の漁労長に、SNSで伝えたところ、セリの妙というか、昨今の状況を理解してくれ、今後のお付き合いに期待を持つことが出来たのも、一つの収穫でした。
これで、全ての仕入れが終わり、魚市場から帰ることにし、『佳肴 季凛』に戻ったら、仕込みを始めたのですが、

歯鰹は、歯の鰹と書くように、

歯が鋭いのが特徴で、それが、名前の由来となっており、顔が長いことから、地方によっては、キツネとも呼ばれています。
片身だけ卸したら、

残りの片身は、

骨付きのまま、

キッチンペーパーに包んだら、

真空パックして、

氷詰めし、冷蔵庫へしまっておいたのですが、歯鰹のような赤身の魚は、色変わりを防ぐため、すぐに使わない時は、このような下拵えが欠かせません。
一方、卸した身は、

バーナーで焼き目をつけた時に、

皮や身が反っくり返らないように、

穴を開け、

卸し身を氷を敷いたバットに置き、その上から塩をふりかけ、

バーナーで炙ったら、

ひっくり返したら、粗熱を取るため、冷凍庫に数分間しまい、

キッチンペーパーに包み、今度は冷蔵庫へ。
そして、歯鰹は、

大姫(神津島産)、小肌(佐賀産)、湯葉と共に、刺身に仕立て、大姫(おおひめ)は、

このような魚で、沼津魚市場では、尾子鯛(おごだい)とも呼ばれています。
また、こちらのお客様の揚物は、

今朝の鱧と共に、ズッキーニを天ぷらにして、お出ししました。
ご存じのように、かの疫病により、社会状況がこれまで以上に変わりつつあり、そういう中で、魚市場に自ら通うことによって、色々と工夫の余地がありそうです。