GW明けの沼津魚市場
Vol.4017
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(5月9日)は

入荷が少なかった
魚市場の様子について
お話しします。
それじゃ、始めるよ~
今朝、沼津魚市場から
帰って来ると
「おはよう、親方

ブリと岩がきを

仕入れて来たんだね。」
と、ふぐとらちゃん。
「おはよう
他にもあるけど
この二つがメインみたいなものかな。
たださぁ、今朝の市場は
ガラガラだったんだよ。」
「♬ガラガラヘビが
やって来る~

お腹をすかせて
やって来る~♬」
「・・・・・。」
「昭和生まれの親方は
知っているでしょ?」
「知っているけど
そのガラガラじゃないの!」
「昭和歌謡が流行っているでしょ?」
「まぁ~ね。」
「そんなわけで
最近カラオケで覚えたから
歌ってみたんだよ。」
「はいはい。」
「で、市場の様子は?」
「展開が早いなぁ~。
今話すから、慌てなさんな。」
「はぁ~い♬」
先ずは
伊豆半島周辺の魚を扱う売場。

ガラ~ンとしていましたが
ブルーシートが敷かれていたのは
後で、熱海・網代(あじろ)産の
魚が入荷することになっていたからです。
次に地物メインの売場です。

普段の3分の1ぐらいの
入荷状況でした。
と思いきや

西浦の定置網漁の魚を

水揚げしている最中でした。
定置網漁ですので

魚種は様々で

活魚も少々。
最終的には

2列並びました。
隣のトロール漁の売場も

休漁のため、皆無。
送りと呼ばれ、
全国から送られてくる陸送便の売場も

約半分。
それでも

静岡県焼津産の鰤(ぶり)は

そこそこ入荷があったので
この中から

7,5キロのものを仕入れ
いつものように

西京焼用に仕込みました。
ただ、近いうち

【西京漬】のラインナップに加わるので

それ用にも仕込みました。
ところで、【西京漬】の定番のサーモンも
この売場に並んでいたのですが

な、なんと愛媛産!?
間違いを指摘すると

担当者が

札をカナダ産に
差し替えていました。
新卒と思しき若者ゆえ

サーモンが入っている
スチロールから判断したとのこと。
ちなみに、サーモンは
20キロの箱に
5本程度入っているものを
小分けして販売されています。
活魚売場も

先程の活魚が

少しばかり。
岩牡蠣を仕入れた貝類の売場も

少なめでした。
50入

30入

15入と

3種類のサイズがあり
15入の中から

良さげな6個を選りました。
今日のような入荷状況になった
一番の理由は天気です。
陸(おか)で生活していると
晴と雨を気にすることが
殆どですが
海の場合、風次第で
強い弱いにはじまり
向きによっても
大きな違いが生じます。
また、一昨日から昨日までのように
雨が多いと
河川から水が流れ込み
これを水潮と呼んでいます。
水潮によって
塩分濃度が下がるだけでなく
濁りが入ると
魚の動きが鈍くなったり
深く潜ったりして
水揚げが減ってしまいます。
ただ、台風が来ると
海水をかき混ぜるので
魚が移動したりして
後々、水揚げが増えることもあります。
なので、厄介者の悪天候も
必要悪であるのも
事実なのです。
そういう自然を相手にしている
漁師の方達には
頭が下がります。
ただ、残念なことに
国の政策は
一次産業を蔑(ないがし)ろに
し過ぎです。
食料自給率が下がっても
他人事のような姿勢。
人間がやるわけですから
神様のように八方良しことは
無理です。
ですが、いい加減
食の在り方を問うてみましょう。
農水省、行き当たりばったりの
無為無策やめません?
食の問題は
日本の行く末を決めるものです。
お腹が満たされなければ
心も満たされません。
一介の料理人である自分が出来ることには
限度があります。
ですが、ですが
マクロビオティック(玄米菜食)を
ベースにした“身体に優しい美味しい日本料理”を
作ることによって
料理そのものの魅力
食の大切さを知ってもらうため
その労を惜しむわけにはいきません。
仕入れも大事なことですが
それ以上に、現場の様子を見るために
魚市場に通うのです。
「親方、熱血料理人の本領を発揮だね

それじゃ、また明日」 by ミニふぐ
タコパ用の蛸(たこ)
Vol.4014
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(5月6日)は

タコパ用の蛸(たこ)について
お話しします。
それじゃ、始めるよ~

「親方、このタコは?」
と、ふぐとらちゃん。
「タコパ用の蛸(たこ)だよ。」
「お店でタコパなんてやるの?」
今更ですが
タコパとは
たこ焼きパーティーのことです。
「んなわけないじゃん。
●$☆が友達とやるから
寄付してあげたんだよ。」
※ ●$☆とは、次女のことです。
「いいなぁ~。
タコも沼津の市場で仕入れて来るの?」
「そうだよ。」
「ここの問屋なんだけど

ちりめん、しらすを
メインにしているんだよ。」
「へぇ~。」
「この中から

好きなものを選んで

秤(はかり)に
かけてもらんだよ。」
「ふぅ~ん。」
「スーパーなんかは
箱で仕入れているけどね。」
「ふぅ~ん。
普段、ブログで見ている
仕入れの様子に比べると
全然違うね。」
「まぁ~ね。
簡単に言えば
買い物って感じだしね。」
蛸は

ばらしたら

ぶつ切りに。
袋に入れると

「意外と大きいんだね。」
と、ふぐとらちゃん。
「そうだよ。
焼いていると
水が出て
小さくなるからね。」
「これぐらいだと
食べ応えがあるんじゃね。」
「やたらと
小さい蛸もあるからね。」
「で、タコパは
上手に出来たのかなぁ~?」
「ほら

写真を送って来たよ。」

「上手に焼けたね。
んまそう~。
タコ以外の具でも
出来るみたいだから
グーグル先生に訊いてみたよ。」
「どうだった?」

「ほら。」
「あっ

これね。」
※の写真をクリックか
タップすると
移動します。
「親方、定番に
さつま芋なんてあるけど・・・」
「あるね。さつま芋が定番なんて
ちょっとビックリだよ」
「だよね~。
いちごもあるし・・・」
「丸いクレープだと思えば
ありような気もするけど
う~ん。」
「チョコレートも
あるよ」
「あるね~。」
「ここまであると
何でもありって感じじゃね?」
「確かに・・・。
料理には決まりがないけど
自分としては
食材を粗末にするようなことだけは
して欲しくないね。」
「どういうこと?」
「作ったはいいけど
美味しくないから
捨てちゃうってことだよ。」
「それな~!」
「元はお金だし
それ以上に
食材を作る人達のことを思うと
粗末に出来ないからね。」
「それな~!」
「それなって
若い子がよく使うよね。」
「それな~!」
「元々の語源が気になって
調べていたら
『それな 英語』が
予測変換に出て来たんだよ。」
「どういうこと?」
「英訳すると
That’s it!
なんだよ。」
「で、どういう意味なの?」
「それで以上
その通り
それだけなの?
とかだよ。」
「それこそ
それな~!」
「ってことは
学生が英語の授業で教わったのが
始まりってことなのかねぇ。」
「知らんけど。
それよりも
僕達がタコパやる時も
寄付してくれる?」
「お手伝いしてくれれば
考えるよ。」
「わぁ~い♬」
「法事の予約があるから
明日、どう?」
「明日は
出掛ける予定があるから
無理だよ。」
「そりゃ残念。」
タコパのような略語
それなのような若者言葉。
言葉は時代によって
変化するものとは言え
平成生まれの令和育ちの若者に
ついていくのは
昭和生まれの自分にとっては
いやはや・・・。
「明日は法事があるんだって。

それじゃ、また」 by ミニふぐ
GW中の沼津魚市場で仕入れた鱸(すずき)と葉血引(はちびき)
Vol.4012
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(5月4日)は

ゴールデンウイーク中の
沼津魚市場の様子についてです。
それじゃ、始めるよ~
ゴールデンウィークのような
大型連休中は
魚の入荷に
気を揉まざるを得ません。
というのも
全国各地の漁港や
魚市場が休みになり
開いてはいても
魚市場への
便(びん)が無い場合もあるからで
便とは輸送手段
つまりトラックのことです。
そうなると
当然、魚の入荷は
減ってしまいます。
ですが

今日の沼津魚市場は

どこそこ

バッチリと

入荷していました。
先ずはひと安心。
とは言っても
大型連休中ですので
あり得ない値段=高値に
なることも珍しくありません。
というのも
沼津は
伊豆、箱根という
屈指の観光地の
お膝元だからです。
事実、これまでにも
えぐい値段を目にしたことが
あるだけでなく
撃沈の憂き目にあったことも
あります。
ですが

普段と変わらない相場に収まり

活かしの鱸(すずき)をGET !
【佳肴 季凛】に戻ると

「親方、おはよう」
と、熱血君。
「おはよう」
「魚もあって
良かったじゃん。」
「そうだよ。
えぐい値段にもならずに
すんだからね~。
それよりも
今朝も観光客が多かったよ。」
「今朝も
ってことは
昨日も?」
「そうだよ。
昨日の様子を
見せてあげるよ。」
「うん、うん。」
「市場の建物の2階に
見学通路があるんだけど

ギャラリーがいるでしょ。」
「いるねぇ。」
「建物の外には

家族連れも。」
「どこから来ているのかねぇ?」
「結構、遠くだよ。

車も、ほら。」
「普通の車ばっかりじゃん。
こういう時って
トラブルはないの?」
「あるみたいだよ。
だから、今朝は
市場の職員が
こっちには
入れないようにしていたよ。」
「そうだよね。
仕入れに来ている人たちは
仕事中だしね。」
「まぁね。
朝からやっている食堂なんて

行列が出来ていたよ。」
「わぁ~、凄いね。」
「帰り道も魚市場に向かう車と
すれ違ったけど
驚いたよ。」
「へぇ~。
そんなことより
このスズキは、どこで獲れたの?」
「重寺(しげでら)って所で

魚市場から20分くらいかな。」
「佐藤さんっていうのは
漁師の名前だよ。」
「ふ~ん。」
「これから
締めるから
離れていてね。」
「はぁ~い。」
スチロールから

海水を取り出し

氷の入ったバケツに。
鱸を取り出したら

暴れないように

目隠しをし

えらに包丁を入れ
締めます。
尾びれの付根にも

包丁入れたら

先程の海水の中へ。
5分ほど浸けておいたら
取り出し
神経を抜くため

尾と

頭から
脊髄に針金を通します。
こうすることによって
死後硬直を遅らせることが出来
鮮度を保つことが可能です。
ご存じの方もいるように
この方法が
神経締め
と呼ばれています。
血抜きされているので

胴体も

心なしか白っぽい感じで
血の気が失せるのは
魚も同じです。
鱗(うろこ)を取り
頭を落とし

水洗いをしたら

三枚に卸し
腹骨も欠きます。
卸し身を見ると

「身が透き通っているね。」
と、熱血君。
「締めたてだからね。
時間が経つと
白っぽくなるんだよ。」
「へぇ~。」
「それにつれて
歯応えが無くなり
旨味が増えてくるんだよ。」
「白身だけに
面白いね。」
「っていうか
白けた。」
「山田く~ん。

親方に座布団。」
「まぁまぁ・・・。」
このまま

キッチンペーパーに挟み
冷蔵庫へ。
刺身用に仕入れた鱸ですが
今日の出番の予定はなく
昨日と今日は

昨日仕入れた
下田産の葉血引(はちびき)で

コース料理の刺身を仕立てました。
昨日、葉血引を見ると

「あっ
一匹でもハチビキなんだよね。」
と、ミニふぐ。
「・・・・・。」
「昨日も今日も
無事に仕入れが出来て
良かったじゃん。」
「そうだよ。

明日、明後日が

休みだしね。 」
二日連続で
魚の仕込みがない代わりに
明日は、他の仕込みに
追われることになっているので
この辺で・・・。
「それじゃ

また明日」 by 熱血君
静岡県由比(ゆい)・倉沢産の鯵(あじ)
Vol.3988
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(4月20日)は

知る人ぞ知るブランド鯵の
倉沢産の鯵(あじ)について
お話しします。
それでは、始まり始まり~
昨日(19日)は

沼津魚市場で

静岡県由比(ゆい)産の鯵(あじ)
を仕入れました。
由比は桜海老の産地として
知られていますが
最近では

“しずまえ”としてブランド化されています。
この鯵を見た熱血君が

「ねぇ、親方
由比のアジって
倉沢のアジのことなの?」と
訊いてきました。
「随分とマニアックなことを
知っているじゃん。」
「名前だけ聞いたことが
あるだけだよ。」
「実はさぁ
自分も気にはなっていたんだけど
なかなか知るチャンスが
なかったんだよ。」
「ってことは
これが倉沢のアジなの?」
「一応、そうなるんだって。」
「あやふやな言い方だけど・・・。」
「そりゃ、覚えたての話だからね。
まぁ、聞いていてよ。」
「はぁ~い。」
先ずは、由比の魚屋さんの
御覧ください

この投稿は、18日にされたものです。
これを見た時、魚屋さんに
「これが、倉沢の鯵?」と訊くと
「一応ね。」
「一応って
どういうこと?」
「根付(ねつき)の鯵だからね。」
「根付の鯵に見分け方って?」
「全体的に黄色っていうのが
見分け方ですよ。
あとは、根付のものだから
運動不足気味だから
丸い感じかな。」
その見分け方を頭に入れて
今日入荷していた由比産の鯵を
見てみましょう。
◆その1



腹=白い部分が
全体的に多いような感じです。
・並んでいた売場

◆その2

確かに

黄色っぽいというか

金色です。
・並んでいた売場

売場が違うのは
荷主が違うからです。を踏まえて
改めて

自分が仕入れた鯵を見ると

倉沢の鯵という結論になります。
鱗

ぜいごを取り

返したら

同じ流れで

頭を落とし

はらわたを抜いたら

水洗い。
水洗いしても
色が飛ぶことはなく
黄色みがかっています。
焼いてから出汁を取るため

下処理をした尾びれを見ても

黄というか、金色。
卸し身を見ると

光の加減はあっても

脂が乗っているので
身が柔らかい感じに見えます。

卸し身を見た熱血君が
「このアジも
いつもみたいに
揚物にするの?」と
訊いてきました。
「そうだよ。」
「脂で揚げるなら
脂の有る無しって
関係ないんじゃね?」
「そう思うだろうけど
脂が乗っていると
フワッとした食感になるんだよ。」
「へぇ~、初耳学!」
「明後日のお弁当と天重に使うよ。」
「お持ち帰り用の?」
「そうだよ。」
「生で食べられる鯵の揚物なんて
贅沢じゃん。」
「だよね~。
だから、今日の夕飯に
揚げちゃうよ。」
「いいなぁ~。」
そして

夜になり

フライに。
鯵フライだけでなく

豚カツ

海老フライも

追加。
「親方と真由美さんの
二人分にしては
多くね?」と

熱血君。
「◎★▽の分もあるからだよ。」
「いいなぁ~。」
※真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)で
◎★▽は、娘です。
予想通りの美味しさに納得し
金曜日の揚物に期待大。
一年を通じて、入荷がある鯵ですが
これから夏にかけて
脂が乗り始めます。
桜が咲いたと思っていたら
知らぬ間に、夏近し。
季節の移ろいは
早いものです。
「明日は天重&お弁当だね。

それじゃ、また」 by ミニふぐ
刺身用の鰆(さわら)は、3連続で三重県熊野産
Vol.3992
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(4月14日)のお話しは

昨日の続編の鰆(さわら)についてです。
それでは、始めるよ~
昨日、沼津魚市場に行くと

三重県熊野産の鰆(さわら)が

入荷していました。
10本ほどあるのは
2キロ台で
その隣には
3キロ台が3本。
鰆を仕入れる時は
コース料理の西京焼用が
殆どですが
刺身用の鰆を仕入れる場合
2キロ台が基本です。
今日仕入れたい鰆は、刺身用。
まさに、渡りに船。
鮮度を確認するため
えらを見ると

鮮やかな赤。
ということで

2,7キロのものを

仕入れることにしました。
先週仕入れた時は

1,9キロの三重県熊野産で
先々週は

2,8キロの三重県熊野産でした。
今日までの間に
刺身用の鰆を仕入れたことはなく
3連続で三重県熊野産。
鰆は

包丁で鱗を取ったら

頭を落とし

はらわたを抜きます。
ところで、昨日は

鰆(さわら)の前に

鰤も下処理をしておきました。
これらを見た熱血君が

「そのままの時に比べると
随分ちっさくね?」
と、訊いてきました。
「頭とはらわたが無いだけでも
これだけ違うし
卸して、身だけにすると
もっと小さくなるよ。」
「そうなの?」
「ほら

が鰤(ブリ)で
が

鰆(サワラ)だよ。」
「本当だ。」
「もろに身の状態になると
最初の目方の半分くらいに
なっちゃうんだよ。」
「そういうのを
“とどのつまり”って言うんだよね?」
「あ゛っ~?
歩留(ぶど)まりだよ。」
「あれっ!?
そうだったね~。」
「覚えておいてね。
そう言えば
“とどのつまり”の“とど”って
知っている?」
「知っているに決まっているじゃん。

とどでしょ?」
「は~い

はずれ!」
「え~っ、そうなの?」
「とどって

魚のぼらのことだよ。」
「初耳学!」
「 ぼらって
おぼこ→すばしり→いな→ぼら→とど
って名前が変わるんだけど
おしまいの意味で
とどのつまり”なんだよ。」
「そうなんだぁ。」
「そう言えば
トド、アシカ、オットセイ、セイウチ
の違いって知ってる?」
「分かんな~い。
もしかして
そんなことも知っているの?」
「いやいや、セイウチは分かるけど
それ以外は・・・。」
「そうだよね。」
「調べて分かったら
教えてあげるよ。」
「うん、楽しみにしているよ。」
卸した鰆は

柵取りしたのち
皮に包丁目を入れたら

バーナーでFIRE
焼目がついたら
氷で冷やし

キッチンペーパーで
水気をふき取ったら

冷蔵庫へ。
その後

鯵(あじ)、湯葉と共に

ランチメニューの刺身で
お出ししました。
そして、あくる日の今日は

鰆(さわら)をメインに

鰤(ぶり)

蛍烏賊(ほたるいか)と共に

トリプル丼に仕立てて

昼ごはんにして
クオリティチェック。
「親方は丼だけど

真由美さんは

別盛なんだよね?」
「そうだよ。」
※真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです。
「食べ過ぎちゃうから
別盛なんだよ。
しかも、酢飯じゃなくて
白ごはんだよ。」
「どうしてなの?」
「酢飯だと
食べ過ぎちゃうんだって。」
「そうなんだぁ~。
でも、親方だって
食べ過ぎじゃね?」
「そうかもしれないけど
この時間(2時過ぎ)まで
何にも食べていないから
これぐらい食べないと・・・。」
「そっかぁ~。
沢山食べて
休憩して夜に備えてね。」
今夜の会席料理の刺身は

昨日の鯵に差し替え
富山産の蛍烏賊

湯葉と共に
お出ししました。
今度、鰆を仕入れる時は
刺身用なのか

西京焼用なのかは
未定です。
「でも、親方は

鰆の西京焼が一押しだから
西京焼用になるんじゃね。」
「どうだろうね。
鰤もいいけど
やっぱり西京焼は
鰆だからね。」
その時によって
仕入れを変え
使い方を変えることが出来るのは
魚市場へ行っているからこそで
料理人の醍醐味であるのは
間違いありません。
「真由美さんも、お疲れ様♬

そんじゃ、また明日」 by ふぐとらちゃん
ワンランク上の鯵(あじ)フライ
Vol.3989
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信に
今日(4月11日)も

お付き合い下さい。
今日のお話しは
ワンランク上の
鯵(あじ)フライについてです。
それでは、始めるよ~
今日のお話しには
予習がマストですので

最初に、お読み下さい。
この間の鯵の
5本のうちの2本を
ぜいごを取り

三枚に

卸したもので
ぜいごとは
尾の付根にある
硬い鱗状のものです。
200グラムにもなると
血合い骨も大きくなるので

抜いていきます。
卸した鯵を見た
ふぐとらちゃんが

「2日も経つと
身が白っぽいんだけど
どうしてなの?」と
訊いてきました。
「白いのは、脂で
2日経っているから
脂が身に回ったんだよ。」
「そうすると
どうなるの?」
「この間よりも
身が柔らかく感じるよ。」
「このアジと

比べると?」
「そうそう。
2日経っているし
加熱しても
身が弾けるようなことがないから
今日のはフライにするんだよ。」
「何だか、ワクワクしちゃう。」
バットに塩と胡椒を振ったら

卸し身を置き

塩と胡椒を軽く振ります。
小麦を付けたら

水、卵、小麦粉を合わせた衣に
くぐらせたら

生のパン粉を付けます。
パン粉は

粗目のものです。
粗目の方が
ボリュームを持たせることが出来
食材にじっくりと火を通すので
柔らかい仕上がりになります。
揚げる時の温度は

170度です。
揚げていると

ふぐとらちゃんが
「揚がり具合って
どこで判断するの?」
と訊いてきました。
「火が通ると
段々と上がってくるんだよ。

ほら。」
「わぁ、本当だ。
だから、揚物って言うのかなぁ?」
「う~ん、どうだろう。
全く考えたことが無かったよ。」
「そうなの!?」
「そうだよ。
まぁ、美味しく揚げることが出来れば
いいわけだからねぇ。」
「言われてみれば
そうだよね。」
鯵フライを

盛付けると
ふぐとらちゃんが

「お客さんがいなけど
どういうこと?」
「どうもこうも

今日の昼ごはんだよ。」
「え゛~っ、ずるくね?」
「鮮度バリバリの鯵
フライにすると
どうなるか
試さなくちゃならないじゃん。
ってことで、クオリティチェック。」
「確かに、そうだろうけど・・・。」
「このままだと
パン粉の中の鯵が
どうなのか分からないだろうから

ほら、こんな感じ。」
「わぁ~

見ているだけでも
フワフワのサクサク。
んまそう♬」
「間違いないよ。」
「油で揚げるから
身に脂があるかどうかは
関係ないんじゃないの?」
「いやいや、大いにありだよ。
脂があるから
フワフワになるんだよ。」
「へぇ~。」
食べてみると
フワフワのサクサクで
予定通りの美味しさでした。
鮮度が良いうちに下処理をし
フライにするタイミングを
見計らって仕立てた料理ですので
当然と言えば、当然です。
鯵フライと言うと
惣菜のイメージが強いのですが
こういう鯵フライを食せば
鯵フライの概念が覆るのは
間違いありません。
ちなみに、鯵フライについては
こちらもお読みになって
鯵フライの概念を覆してみて下さい。
魚の美味しさこそが
魚菜食文化である日本料理の
一番の魅力です。
それを知るためには
自ら魚市場に行き
良い魚を求める必要があります。
それを伝えて
日本料理文化を守り続けるための
努力を怠るわけにはいきません。
「明日も、筍ごはんを炊くみたいだよ。

そんじゃ、また」 by ミニふぐ
☆★☆ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています。
ご興味、ご関心がある方は
是非、御覧下さい。
鮮度バリバリの朝獲れ鯵(あじ)は、熱海市網代(あじろ)産
Vol.3987
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信に
今日(4月9日)も

お付き合い下さい。
今日のお話しは
朝獲れの鮮度バリバリの
鯵(あじ)についてです。
それじゃ、始めるよ~
今朝の沼津魚市場は

木曜日からの風の影響で

どこそこの売場も

ガラ~ン。
陸(おか)が晴れてはいても

海の天気は
雨よりも風が大敵なのです。
そんな状況でしたが
売場には

伊豆七島方面の黄肌鮪(きはだまぐろ)が
水揚げされていました。
これらを水揚げしたのは

宮崎県の漁船です。
黄肌鮪だけでなく

本鮪も

水揚げしており
遠くには

富士山
また、この売場の隣では

鯵(あじ)の仕分けの最中。
この鯵は

熱海市網代(あじろ)産で
水揚げされた時間は
丑三つ時(推定)ですので
まさに、朝獲れ。
鮮度バリバリですので
良さげなものを

5本だけ選らせてもらいました。
鯵の下にあるのは

鰤(ぶり)の若魚の稚鰤(わらさ)で
わらさの目方の目安は
3~6キロ程度です。
売場には

鯵だけでなく
鯣烏賊(するめいか)も

並んでいました。
鯵は

一般的な下拵えをしたのですが
これを見たふぐとらちゃんが

「親方、このアジって

これ?」
「そう

これだよ。」
「こういう風に
アジを仕入れて来ることって
あんまり無いよね。」
「無いっていうか
初めてのはず。」
「どうしてなの?」
「殆どの場合
産地に関係なく
3キロ入りのものを
仕入れて来るからだよ。」
「言われてみれば
そうだよねぇ。」
「よく気付いたじゃん。」
「えへへ・・・。」
「網代のだけでなく沼津のも
水揚げ直後の鯵を仕入れないのは
一つの山=仕切りが

さっきの写真みたいに
5キロ以上だからだよ。」
「ふ~ん。」
「あと、こういう魚のセリの
開始時間って
6時半以降が多いから
それまで待っていると
他の仕事に差し支えるからだよ。」
「そうなんだぁ。」
「ただ、鮮度バリバリだから
前々から気になっていたんだよ。
やっと今日
タイミングが合って
仕入れたわけ。」
「へぇ~。
僕達が見ても
いつものアジとの違いって
わかるものなの?」
「分かるよ。こんな風に

身が盛り上がっているでしょ?」
「そうだね。」
「じゃあ

頭の切口を見てごらん。」

「あっ

プリプリした感じだね。」
「身が活きている
ってことだよ。」
「こういうの見るの初めてだよ。
魚だけに、目から鱗だよ!」
「上手い

山田君、座布団持って来て~♬」
「イェ~イ!
さっきの頭は、焼いてから
出汁を取るんでしょ?」
「そうだけど
今日は焼かないよ。」
「どうして?」
「身が活きているから
焼くと、身が弾けちゃうからだよ。」
「弾けるって、見割れするような感じなの?」
「そんな感じだね。
あと、時間が経たないと
旨味成分が作られないから
焼かないんだよ。」
「へぇ~。
ただ、新しければ
いいんじゃないんだね。」
「そういうこと。」
刺身にするため

卸す前に

ぜいごと呼ばれる
硬い鱗のような部分を取り除きます。
三枚に卸したら

血合い骨を抜いていきます。
抜き終えたら、皮を引くため

背の方から
皮をつまみます。
つまんだら

包丁の峰(みね)で
抑えながら

皮を

引きます。
手で剥くことも可能ですが
こうすると

銀皮(ぎんがわ)が剥げません。

「ピカピカで
ギンギラじゃん

さりげなく~ ♬
\\
って感じだね。」
「そこ!?
昭和歌謡が
流行っているからって・・・。(笑)」
「バリバリの昭和世代の
親方に合わせただけだよ。」
「はいはい。
バリバリと言えば
この鯵の鮮度も
バリバリだよ。」
「そうなの?」
「まぁまぁ、御覧(ごろう)じろ。」
皮目を上にし

引きながら

盛付けると
このように

仕上がりました。

「ピカピカだし
血合いの部分も
鮮やかな赤だね!
んまそう~♬」
「朝締めの白身ほどじゃないけど
歯応えも残っているから
抜群に美味しいよ。」
「・・・・
」
「無言の美味しさってこと?」
「うん♬
でも、こういうアジって
いつもあるわけじゃないんでしょ?」
「始めの方に書いたけど
その時のタイミング次第だから
それこそ、運次第って
言ってもいいかもね。」
「そっかぁ~。
でも、自分で市場に行っているから
こういうアジを仕入れられるんだよね。」
「そうだよ。」
「チャンスがあれば
食べてみたいなぁ。」
「熱烈歓迎で
お待ちしています♬」
魚菜食文化である日本料理の魅力は
魚の美味しさ以外の何物でもありません。
魚は種類が豊富で
それぞれに美味しさがあるのが
一番の魅力です。
日本料理を生業とした以上
その美味しさを伝える努力を
惜しむわけにはいきません。
「熱血料理人らしい
終わり方だね。(笑)

そんじゃ、また明日」 by ふぐとらちゃん
三重県産のさごし(さごち)
Vol.3985
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信に
今日(4月7日)も

お付き合い下さい。
今日のお話しは
鰆(さわら)の若魚の
“さごち”についてです。
それじゃ、始めましょう♬
今朝の沼津魚市場は

こちらの売場に限らず
魚が少なめでした。
ただ、昨日、この売場は

伊豆七島方面の黄肌鮪(きはだまぐろ)が
大漁

大漁
海の天気は
風次第にして
一日で状況が変わるものなので
昨日今日のビフォーアフター画像は
珍しいことではありません。
そんな中
こちらの売場で

4,4キロ(2本入)のさごしを

1本だけ

抜いてもらい

秤にかけると

1,88キロ。
産地は

三重県熊野灘で

こちらの縞鯵(しまあじ)と
同じ荷主です。
普段なら
切り捨てになるのですが
我儘な特注ですので

切り上げて、1,9キロ。
『佳肴 季凛』に戻り

“さごし”を見た熱血君曰く

「おはよう、親方
随分スリムなサワラだね。」
「おはよう
鰆(さわら)っていうより
サゴシだよ。」
「サゴシ?」
「サゴチとも言うんけど
鰆の若魚のことを
サゴシっていうだよ。」
「へぇ~、初耳学!
サワラとサゴシの違いは?」
「大きさだよ。
はっきりした規定はなく
見た目だけの
かなりアバウトなものだよ。」
「でも、何でサゴシなの?」
「狭(さ)、腰(こし)。
腹周りが細い意味なんだよ。」
「そうなんだぁ。
この間、教えてくれた

サワラの由来が
狭(さ)、腹(はら)っていうのと
殆ど同じじゃん。」
「ああ

これね」
「そうそう。
でもさぁ、サハラ砂漠って

狭くないじゃん。」
「え゛っ!?
それ、違うでしょ。」
「なんで?」
「そもそも、サハラ砂漠のサハラは
アラビア語で砂漠を意味するんだよ。」
「そうなんだぁ。
ってことは、砂漠砂漠
=砂漠の2乗だね。」
「あはは。」
「よく知っているね、親方。
グーグル先生に訊いたとか?」
「訊いていないよ。
雑学の本で読んで
覚えていたんだよ。」
「へぇ~。」
「ただ、サハラ砂漠のことを
グーグル先生に訊いたら
世界最大の砂漠じゃないんだって。」
「え゛っ~、マジで?」
「マジだよ。」
「じゃあ、どこなの?」
「南極だって。2位が北極で
3位がサハラ砂漠なんだって。」
「そうなんだぁ。」
「自分も知らなくて、調べたら

砂漠って、こうなんだって」
「へぇ~。」
「あとは自分で
調べてみなよ。」
「うん。っていうか
親方が調べて、教えてよ。
そういうの好きでしょ?(笑)」
「まぁ、嫌いじゃないけどね・・・。」
その後、下処理をした
さごしは

三枚に卸し

柵取りをし

皮目に包丁を入れたら

バーナーでFIRE
粗熱を取り

水気をふき取ったら

キッチンペーパーに包み、冷蔵庫へ。
焼いてから出汁を取るため

中骨に金串を
刺しているのを見た熱血君が

「何をやっているの?」
「血抜きをしているんだよ。

ほら。」
「わっ、出血大サービス!」
「こうすると
焼いた時、雑味が残らないから
出汁を取っても
風味が良くなるんだよ。」
「そこまでするんだぁ。」
「命ある食材だし
いい加減なことが出来ないよ。

で、焼いたあらが」
「完璧だね。」
そして、ランチの営業が終わったら

〆鯵(しめあじ)と共に
クオリティチェックを兼ねた昼ごはん。
「いつも思うけど

親方は沢山食べるよね。」
「基本的に
この時間(2時くらい)までは
まともに食べないからね。」
「お腹、空かないの?」
「空くけど
座って食べている時間がないから
あんまり食べないよ。」
「ふぅ~ん。
で、こっちが

真由美さんのでしょ?」
※真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです。
「そうだよ。
丼状態にすると
食べ過ぎちゃうんだって。」
「そりゃ、そうでしょ。
だって

♬ これ 絶対うまいやつ~ ♬」
「鰆のような脂の乗りじゃないけど
さっぱりとしているけど
旨味は十分だよ。」
「それ、絶対ズルいやつ~。」
「あはは・・・。」
そして
満腹
↓
満足
の流れで、休憩を取ったのでした。
「明日は、市場が休みだね。

じゃ、また」 by ミニふぐ
続『クラブツーリズムのロイヤル・グランステージの富士山桜絵巻』
Vol.3978
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信に
今日(3月31日)も

お付き合い下さい。
今日のお話しも

御席の様子にして
昨日の続編です。
バスツアーのお話しの前に
沼津魚市場から。
今朝、沼津魚市場に着き

最初に向かった売場です。
この売場に行ったのは
三重県熊野から

自分宛の鰆(さわら)が

届くことになっていたからです。
中を開けると

氷詰め。
魚市場らしく

あえて札付で撮影。
鰆と共に仕入れたのが

富山産の蛍烏賊(ほたるいか)です。
仕入れを終え
『佳肴 季凛』に戻り
ルーチンの段取りを終えたら
バスツアー用の料理の
盛付けを始めました。
デザートは
桃のアイスなので
器だけ、冷蔵庫へ。
手前が

山掛けです。
山掛けを盛付けると
熱血君が

「おはよう、親方
一つだけ山掛けじゃないけど
どうしてなの?」
「おはよう
このお客さんは
山芋とかのネバネバ系がNGだから
そのままなんだよ。」
「へぇ~。」
「だから

小鍋には
芽かぶじゃなくて

ひじきを入れてあるよ。」

「あっ、本当だ。」
「間違えないように

分かるようにして
盛付けたんだよ。」
「へぇ~。」
「だから

セットする時に

分かるようにしてあるよ。」
「それは分かるんだけど

NGじゃないお客さんが
座っちゃうことはないの?」
「そうならないように
この席のことを
添乗員に伝えておくんだよ。」
「あぁ~だから
その電話を
さっきしていたんだね。」
「そうそう。
募集型のツアーの場合
グループごとの席割だから
こういうことをするのは
珍しくないんだよ。」
「へぇ~。添乗員との
連携がマストじゃん。」
「そうだね。」
その後

グリンピース豆腐

お新香を盛付けたら
魚の仕込みに取り掛かることに。
鰆のスチロールを開けると

蓋を見た熱血君が

「47−9って
親方の買い番でしょ?」
「そうだよ。」
「魚市場で仕入れて来るのに

宛名とか
送り主が書いてあるのが
![わけわかめ[35998653]|完全無料画像検索のプリ画像 byGMO](https://pics.prcm.jp/mickey1117/35998653/jpeg/35998653_480x480.jpeg)
わけわかめ・・・。」
「水産業界には
市場便っていうのがあって
市場着で荷物を送ってもらうことが
出来るんだよ。」
「宅急便の営業所止みたいじゃん。」
「そんな感じ。
ただ、沼津に来る便がないと
だめなんだけどね。
便さえあれば
全国から直接
魚を仕入れることが
出来るんだよ。」
「へぇ~。もろに産直で、便利だね。
でも、沼津の市場で
サワラを仕入れているのを見るけど
どうして、こういうことをしたの?」
「魚市場だと
その日に行かないと
分からないじゃん。
魚によっては
前もって注文したりもするけど
今日みたいに
鰆を刺身に使いたい時は
小さめの魚が理想だから
こういう風な仕入れをしたんだよ。」
「へぇ~。」
「鰆を送ってくれた魚屋さんからは
とらふぐ、鱧(はも)を仕入れているし
何だかんだで
10年近い付き合いに
なるんじゃないかな。」
「そんなになるんだぁ。
でも、どうやって知り合ったの?」
「直接つながったのは、Facebookだよ。
ただ、この魚屋さんが
自分のブログに
コメントを付けてくれたのが
一番最初になるね。」
「へぇ~。
今の時代っぽい話だね。
直接、会ったことあるの?」
「うん、季凛にも
2回来てくれたよ。
彼以外にも
SNS繋がりの仕入れ先は
結構あるよ
氷見(富山)、敦賀(福井)
浜松(静岡)、知多半島&一宮(愛知)
境港(鳥取)、下関(山口)ってとこかな。」
「何を仕入れているの?」
「殆どが、天然のとらふぐだよ。」
「他には?」
「鱧(はも)かな。
特殊な魚が殆どだね。」
「誰かさんにそっくり
だったりして!?(笑)」
「なんか、言った?」
「いやぁ、別に。」
鰆を見た熱血君曰く

「そもそも、サワラって
どうしてサワラなの?」
「名前の由来?」
「そうそう。」
「サワラのサって
狭(さ)の意味で
ワラは腹(はら)のことなんだよ。
狭い腹
↓
さはら
↓
さわら
分かったかな。」
「そうなんだぁ。」
「ほら

狭いでしょ?」
「あっ、本当だぁ。」
「鰆に限らず
魚の名前って
単純なんだよ。」
「へぇ~。
今度、他の魚についても
教えてよ。」
「はいよ~。」
鰆は水洗いをしたら

身割れさせることなく

卸すことが出来

ひと安心。
腹骨を欠き

冷蔵庫にしまっておきました。
今日の鰆は
小さめの2,8キロで
刺身用です。
ちなみに、西京焼用の時は
4キロ以上の大きめの鰆を
仕入れています。
なので、今日のような
仕入れをしたのです。
自分が鰆を卸している頃

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが
蛍烏賊の下処理をしてくれていました。
「真由美さん

細かい仕事だねぇ~。」
「こういう単純で
細かい作業が
意外と好きなんだよ、私。」
「そうなの。
頑張ってね。」
「はいよ~♬」
下処理を終えた蛍烏賊は

日本酒で洗い
水気をふき取ったら

冷蔵庫へ。
魚の仕込みがしっかり出来たのは

バスツアーの御席だけだったかたらです。
ただ、こういう時に限って
当日のご予約の電話を頂くことが多く
今日も然り。
改めて、お詫びさせて頂きます。

を見た熱血君
「いつ見ても

よく似ているよなぁ~。」
と、独り言。
中に戻った熱血君は

献立を確認し
「この献立

チェック済じゃね?」と、
訊いてきました。
「そうだよ。
昨日と全く同じだよ。」
「そうなんだぁ~。」
「そろそろ時間だから
臨戦態勢に入るよ。」
「はぁ~い♬
みんな頑張って!」
ちなみに

昨日の様子については、こちらを。
程なくすると

バス

キタ~(゚∀゚)~!
昨日の今日ですので
首尾よく

サーモンの西京焼まで
お出しすると

熱血君にせがまれ、外へ。
「親方

鏡みたいだよ。」
「しっかり映っているね。」
「手入れが大変なんだろうね。」
「って、運転手さんが言ってたよ。」
「???」
「このバスのボデイの掃除が
3時間くらいかかるんだって。」
「マジで!?」
「じゃなきゃ
ここまで綺麗にはならないと思うよ。」
「恐れ入った・・・。」
中に戻り
デザートをお出しし
出発時間になったら

みんなで

お見送り
その後、洗い物

掃除をしている間に

自分は

お弁当の仕込みをしました。
その後

お取り寄せの【西京漬】の

発送の準備をしていると
「これらは、どこに行くの?」

と、熱血君。
「色々だけど
自分が行ったことがない県もあるよ。」
「どうせなら
バス旅行を兼ねて
持って行くのも
いいんじゃね?(笑)」
「・・・・・。
どっから
そんな発想が浮かぶのかねぇ。」
「この人に

似ているからじゃね。」
「君には、参るよ。(笑)」
そんなこんなで
昨日、今日のクラツーこと
クラブツーリズム連荘が
無事に終わったのでした。
「お疲れ様

また明日」 By ミニふぐ
My包丁で、沼津魚市場で活〆にした鱸(すずき)&とらふぐ(天然)
Vol.3971
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信に
今日(3月24日)も

お付き合い下さい。
そんな今日のお話しは
活魚を締める方法についてです。
今朝、沼津魚市場に着き
最初に向かったのが

活魚売場でした。
活魚売場には
仕入れるものが
あろうとなかろうと
必ず立ち寄ります。
というより
ほぼほぼ、一番初めです。
生簀に入っていたのは

静岡県由比(ゆい)産の鱸(スズキ)で
昨日、荷主の魚屋さんのに
注文しておいたものです。
買い方というか、注文の仕方は
複雑なので
あえて説明はしません。
隠すほどのことでもないので
気になる方は
お訊ね下さい。
このスズキの荷主でもある
魚屋さんが今日持ってきた魚が

これらです。
その中には

自分の鱸の連れもありました。
連れとあるうように
昨日、水揚げされた時点では
活きていたものです。
活〆にするため

生簀から取り出したら

布巾で頭を隠します。
こうすると
動きが止まるからです。
とは言っても、長時間
動かないわけではありません。
手際良く、頭を押さえた
持参した出刃包丁で締めたら

海水に浸け
血抜きをし

神経を抜くため
細い針金を脊髄に入れます。
神経を抜くというよりは
神経をつぶすというのが
正しいかもしれません。
神経を抜くことで
死後硬直が遅れ
鮮度が長持ちするのです。
とりあえず、今朝の仕入れの
メインイベントが終了し
別の生簀を覗くと

昨日同様

熱海市網代の定置網漁の
魚が入っており
昨日の様子は

こちらをお読み下さい。
オニ他○という符牒(ふちょう)のような

生簀の中に入っていたのは

チビとら”こと
ミニサイズのとらふぐと
オニカサゴでした。
オニ他○という意味は
オニカサゴ、他の魚を
ひとまとめ
つまり○にすることです。
また別の生簀には

トラフグ(0,3キロ)と
フグ(1、0キロ)が入っていました。
このフグとは
マフグのことです。
この3本を仕入れるため
仲買人と作戦を立て
セリに臨むも

GETしたのは、これのみ。
あとは、撃沈・・・
チビとら”だけを取り出し

締めてから、持ち帰ることに。
チビとらとは言え
天然のとらふぐですので
複雑な気分で
萌え燃え・・・
チビとらの連れのオニカサゴは

沼津市の居酒屋『きえい』さんへの
置き土産に。
その置き土産は

『きえい』さんの水槽で

ペットに。
『佳肴 季凛』に戻ると

熱血君がやって来て

「おはよう、親方」
「おはよう」
「とらふぐを仕入れて来たのに
浮かない顔をしているけど・・・。」
「はぁ~

読んでみなよ。」
「あ~っ、そういうことね。
それでも3打数1安打なら
いいんじゃね。」
「そうだね。」
「ねぇ、しずまえって
何なの?」
「しずまえは

ここを読んでごらん。」
「そういうことね。
この人、鈴木さんでしょ?」
「あ゛~っ!?
鈴木じゃなくて鱸(スズキ)だよ。」
「魚なのに、どうして苗字なの?」
「だぁ~かぁ~らっ
苗字じゃないの!」
「じゃあ、どうして
スズキなの?」
「あとで教えてあげるよ。」
「はぁ~い。」
鱗を取り、頭を落とし

水洗いし
三枚に卸したら

背と

腹に柵取りしておきました。
これを見た熱血君

「透き通るみたいな白身だね。」
「おっ、目の付け所が
いいじゃん!」
「どういうこと?」
「スズキの名前の由来だよ。」
「とりあえず

冷蔵庫にしまってから
続きを話すよ。」

「うん♬」
「これを見てごらん。

あらの部分だけど

さっきよりも
こっちの方が透き通って
見えると思わない?」
「そうだね。

透き通る
↓
すきとおる
・・・・・。」
「う~ん、近づいて来た。」
「う~、あ~、~ん。
ダメだ、出ない。」
「すすぎ洗ったように
白い身だから
スズキなんだよ。」
「そうなんだぁ。
鈴木さんとは
縁もゆかりも無いね。」
「他にも説があるけど
気になったら
グーグル先生でも
ヤフーさんにでも
訊いてごらん。」
「そうだね。
あとさぁ、必ず活魚売場に行くって
今日も書いてあったけど
どういうことなの?」
「料理の道のスタートが
東京の鮨屋だったんだけど
その店は、毎朝
築地(今の豊洲)の市場で
活きた白身を最低5種類
仕入れていたんだよ。」
「へぇ~。」
「それがあるから
今でも寄っちゃうんだよ。」
「そうなんだぁ。
“三つ子の魂百まで”だね。」
「気の利いたこと
言うじゃん。」
「えへへ・・・。
最低5種類って言ったけど
どんな魚なの?」
「時季によって色々だけど
思い出す限り、言うよ。」
「うん。」
「平目(ひらめ)、鰈(かれい)
鯒(こち)、 魴鮄(ほうぼう)
鮎並(あいなめ)、鱸(すずき)
伊佐木(いさき)、皮剥(かわはぎ)
鯛(たい)、笠子(かさご)とか。」
「凄いね。」
「鯛がつく魚には
真鯛(まだい)、黒鯛(くろだい)
石鯛(いしだい)とか・・・。
他にもあるけど
書き切れないよ。」
「ここまでになると

さかなクンっていうか
白身君じゃん。」
「そうだね。」
「白身だけど
フグ類は無いねぇ。

それにしても
今日のはちっちゃくね?」
「チビとらだけに、ちっちゃいよ。
鮨屋だから
ふぐは使っていなかったし
そこの親方や職人も
免許がなかったからね。」
「ふぅ~ん。」
「結果的に
ふぐを扱う機会が無かったし
そうは言っても
フグ類は特殊な魚だから
普通の白身とは
別物なんだよ。」
「そうなんだぁ。
そうは言っても
今じゃ、ふぐ命
人に歴史ありだね。」
「そうだね。」
そんなやり取りを終え

とらふぐの仕込みが終了。
分かってはいても
物寂しい限りで・・・。
「明日はお弁当があるんだね。

そんじゃ、また」