南伊豆・綾ト丸(あやとまる)の沖鰆(おきさわら)こと、魳鰆(かますさわら)
Vol.4216
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(11月24日)は

沖鰆(おきさわら)こと
魳鰆(かますさわら)について
お話しします。
今朝、沼津魚市場から戻って来ると

ふぐとらちゃんがやって来て

「おはよう、親方
サーモンは分かるけど
こっちの魚は?」
と、訊いてきました。
「初めて仕入れたんだよ。」
と言うと
//
真由美さ~ん。
初めて仕入れた魚だって
来て来て~!
\\

「二人とも、おはよう♬
うん、初めて見る魚だね。」
と、女将兼愛妻(!?)の
真由美さん。
「でしょ、でしょ
親方、教えてよ。」
「魳鰆(かますさわら)なんだけど
沖鰆(おきさわら)とも
呼ばれているんだよ。」
二人して
「へぇ~。」
ということで
市場時間に
時計の針を戻して
お話しします。
今朝、沼津魚市場の
地物の売場に行くと

南伊豆の綾ト丸の船長自ら
魳鰆(かますさわら)を
検量しているところで
昨日の時点で
持って来ることを聞いていたので
それに合わせて
市場に来たのでした。

秤にかけられ
目方の札が貼られていき
時間も早かったので

5,0キロのものをGET!
綾ト丸の魚は
これまでにも
仕入れたことがあり
血抜きだけでなく
神経も抜いてくるので
どの魚も見た目からして
別ものです。
今朝の魳鰆の場合

死後硬直した状態で
持って来ているので
尾が立っていました。
神経抜きの痕

血抜きの痕

同じような下処理をしてあるので

赤羽太(あかはた)も
他の漁師の魚とは
別物です。
綾ト丸は
夫婦二人で操業しているので

仲良し子吉で

仕事をしている姿を見ると

応援しないわけにはいきません。
二人と知り合ったのは
夏頃で
その後、インスタの投稿や
市場での会話をしていく中で
それこそリアルの現場を
教えてもらっています。


年下の友達状態ですので
奥さんと言うのも
変な感覚ですが・・・。
ちなみに、今朝の沖鰆を釣っている動画が

自分が仕入れた魚が
こんな感じで釣り上げられたかと思うと
気分はアゲアゲ

自分の魳鰆が

今朝の中では
一番小さいサイズで
大きいものだと

15,5キロで
自分の魚の3倍。
これまでにも
魳鰆を見たことは
何度もありますが
10キロ越えも珍しくありません。
なので
仕入れる機会が
ありませんでした。
ただ、色んな人が
SNSなどに投稿しているのを
見てただけでなく
綾ト丸の魳鰆を
何度も見ていくうちに
興味を持つようなり
ようやく、その日が
やって来たのです。

「そういうことだったんだぁ~。 」
「沼津だけじゃないけど
魳鰆のことを
沖鰆って言うんだけど
横縞鰆(よこしまさわら)のことも
沖鰆って言うんだよ。」
「えっ、そうなの?」
「ひれが違いの一つなんだけど

これを覚えておいて
市場で見てみようと思っているんだよ。」

「へぇ~。
楽しみだね♬」

頭を落とし
水洗いすると
切り口は
きれいな乳白色。
片身を卸すと
案の定の身。

血抜き、神経抜き by 綾ト丸 だけでなく
自分の卸し方も完璧の為せる業。
残りの片身も

ついでに
自分の目利きも上手くいき
自画自賛と言われようとも

聞く耳は持ちません!(笑)

「ねぇ、親方ってば・・・!」
「・・・・・。」
久々の完璧な仕入れに
酔うばかり・・・。
中骨の部分は

金串を刺し

血を抜いておきました。

「どうして
こんなことするの?」
「焼いてから出汁を取るんだけど
残っていると
雑味が出るからだよ。」
「そこまでするの!?」
「命ある魚だよ。
しかも、それを獲りに行ってくれる
漁師のことを思えば
粗末には出来ないよ。」
「そうだよね。
今日のオキサワラだけじゃなく
どんな魚でも
無駄にしないもんね、親方は。」
「マクロビオティック(玄米菜食)の
一物全体の考えなんだけどね。」
※一物全体
食材を丸ごと使用するという意味
初めての魚ですので

尾の部分を包丁し
皮を引くと

このような感じでした。
尾の部分なので
筋っぽいものの
味そのものは
予想以上で
脂が薄い本鰆(ほんさわら)と言った感じです。
折角なので
今日の昼ごはんに
クオリティチェックを実行。

魳鰆

胡椒鯛(こしょうだい)

肩星鰯(かたぼしいわし)

目鯵(めあじ)と共に

地魚丼に仕立てました。
地魚とあるように
すべて、沼津港で水揚げされた魚で
正真正銘の地魚丼です。
肩星鰯と目鯵は
酢で締めてあります。

「んまそう~
親方は、丼でも
真由美さんは

食べ過ぎちゃうから

別盛なんだよね、親方?」
「そうだよ。」
「やっと、通じたみたい!(笑)」
今日の魳鰆に限らず
興味ある魚は
まだまだあります。
そういう魚に出会えるのも
漁港が併設されている
沼津魚市場だからこそです。
その恩恵に与(あずか)ることが
出来ることを忘れるわけには
いきません。
これまでにも
お話ししているように
料理人は
生産者の代弁者として
食材の魅力を伝える義務があり
そのことを忘れることなく
日々の仕事に
臨み続けます。
「沢山あるってことは
お取り寄せの【炙りひれ】用かなぁ。

そんじゃ、また明日」 by ミニふぐちゃん
時化後、休市日明けの地物の目鯵(メアジ)と肩星鰯(カタボシイワシ)
Vol.4214
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(11月22日)は

地物の目鯵と肩星鰯について
お話しします。
今朝、沼津魚市場に着いたのは
普段よりも30分近く早い
4時半前でした。

早めに来たのは
昨日が休市日だっただけでなく
バスツアーの御席の刺身に使う
魚を仕入れるためです。
というのも

一昨日の月曜日は
時化で魚は少なく
昨日は休市日だったからでした。
構内を物色していると

静岡県由比産の魚の中に

鱸(すずき)があり

ひと安心。
実を言うと、昨日の時点で
荷主である由比の魚屋に
確認していたので
入荷は想定内でした。

状態も良かったので、即決。
今朝の仕入れの第一目標を
クリアしたので
構内を歩いていると

沼津市西浦の冨久丸(ふくほうまる)が
定置網漁で水揚げした魚を
仕分けをしているところで
こちらが冨久丸

定置網ですので
水揚げされる魚は種々雑多です。
この中に

目鯵(めあじ)と

肩星鰯(かたぼしいわし)があり

自分好みのサイズを選(よ)ることにしました。
水揚げ直後ですので
死後硬直をしておらず

身はフニャフニャ。
写真のものは、目鯵です。
鮮度バリバリですので

肩星鰯を触ると

手には鱗(うろこ)ビッシリ。
それぞれ選ったら
秤にかけると

目鯵は1,6キロで

肩星鰯は1,0キロでした。
自分好みの魚を
思うがままの分量で
仕入れることが出来たのは
それこそ、早起きは三文の得です。
【佳肴 季凛】に戻ると

「おはよう、親方
今日は何を仕入れて来たの?」
と、ミニふぐちゃん。
「おはよう

ほい、これ。」
「大きいのは

スズキだね。
沢山あるのは

イワシとアジだね。」
「鱸は合っているけど
鰯と鯵は
半分しか合っていないよ。」
「えっ!?」
「正確には
目鯵と肩星鰯だよ。」
「そうだった。
前にもブログに出ていたよね。」
「読んでいたくれてたんだね。
でも、マイナーな魚だから
なかなか覚えられないでしょ?」
「うんうん。
沢山あるけど
これから全部、仕込むの?」
「いやいや、バスが来るから
鱸だけだよ。」
「そうだよねぇ~。」
鱸の鱗を

女将兼愛妻(!?)の真由美さんに
取ってもらったら
頭を落とし
水洗いし

三枚に卸したら

柵取りしたのち

皮目に包丁を入れたら

バーナーでFIRE
その後

刺身用に包丁したら
すべき仕込みが終わり
料理の盛付けをしました。
手があれば
魚の仕込みをしたかったのですが
バスが来るので
そうもいきません。
ともかく
先ずはバスということで

お帰りの際には

皆でお見送り

後片付けを
真由美さん達に任せたら

魚の仕込みをすることにしました。
今朝水揚げした魚でしたが

このように
死後硬直していました。

「こんなにも
朝と昼で違いがあるんだねぇ。」
と、熱血君。
「そうなんだけど
殆どの魚って
前の日に水揚げしたものが
並ぶわけだから
今朝の目鯵と肩星鰯の鮮度に比べると
大違いだよ。」
「うんうん、確かにそうだね。」
「ただ、前日の水揚げが基本だから
今日の目鯵と肩星鰯が
違うってことだからね。」
「それくらい
僕達でも分かるよ♬」

目鯵も

肩星鰯も下処理の仕方は
同じです。
鱗を取ったら




頭を落とします。
ただ、目鯵の方は

ぜいごを取ります。
ぜいごとは
尾の付根にある
硬いうろこのような部分です。
はらわたを抜いたら


どちらも

氷入りの塩水の中へ。
目鯵も

肩星鰯も水洗いしたら

肩星鰯は
このまま冷蔵庫へ。
肩星鰯は酢で締めるのですが
明日仕込んだ方が
都合がいいので
このようにしたまでのことです。
目鯵は揚物用ですので

三枚に卸しておきました。
その頃には

季凛女子達も片付けを終え
仕込みに参戦。

二人がかりですので
焼いてから
出汁を取るための
中骨と頭の下処理の
まぁ、早いこと!
肩星鰯の頭は小さいので
そのままごみ箱行きです。
昨日の休市、一昨日の時化と
仕入れに影響しそうな気配でしたが
無事に仕入れを
済ますことが出来ました。
これからの時季
魚の入荷は
風という大敵に
大きく左右されます。
その風の隙間をかいくぐりながら
自分好みの魚を仕入れるために
努力と工夫を怠るわけにはいきません。
「お歳暮の注文が続々だね。

そんじゃ、また」 by 熱血君
ここ最近のバスツアーの刺身
Vol.4209
いらっしゃいませ
基本に据えた
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を信条とし
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(11月17日)は

バスツアーの御席の刺身について
お話しします。
今日は、バスツアーのお客様が
来店されたのですが

お帰りの際には
いつもように
皆でお見送りをしました。

もちろん、熱血君も
一緒にお見送り・・・

「ねぇ、親方
今日のお客さんに出した刺身って
ハチビキと湯葉だったけど
その時によって
内容は違うんでしょ?」
「そうだよ。
仕入れだけじゃなく
値段によっても
変わるよ。」
「ふぅ~ん。
言われてみれば
湯葉は共通だけど
魚は色々だよね。」
「さっきも言ったけど
魚はその時次第だからね。
じゃあ、今日は
ここ最近のバスの時の
刺身について
話してあげるよ。」
「はぁ~い♬」
◆11月17日

葉血引(はちびき) 湯葉
◆11月8日

胡椒鯛(こしょうだい) 湯葉
◆11月5日

縞鯵(しまあじ) 湯葉
◆10月31日

錘鰤(つむぶり) 湯葉
◆10月28日

勘八(かんぱち) 小肌 湯葉

「ねぇ、親方
湯葉を使うのは
どうしてなの?」
「湯葉は魚と違って
入荷次第ってことがないからだよ。」
「確かに、そうだよねぇ~。
刺身のメインみたいな方は
必ず入荷があるの?」
「そうとは限らないよ。
だから、前もって
仕入れるようにしてるけど
時化(しけ)が続きそうな時は
気が気でないよ。」
「メインの魚って
地元産がほとんどのような
気がするんだけど・・・。」
「そうだよ。
しかも、天然。
特にバスのお客さんに出す時は
ほぼほぼ
地元産の天然の魚を
出すようにしているよ。」
「それなら、お客さんも
喜ぶんじゃね。」
「県外から来るお客さんも多いし
そういう時こそ
市場で直接仕入れた甲斐があるよ。」
「もし、天然の魚が無い場合は
どうするの?」
「そういう時は
養殖の魚に切り替えるけど
そういうのは
かなりのレアケースだよ。」
「刺身じゃない時は
どんなものを出すの?」

「山掛けだよ。 ほぼほぼ100%」
「来週の水曜日のお客さんにも
刺身を出すけど
前の日は、市場が休みだから
少し心配なんだよぉ。」
「そっかぁ~。
何かあれば、いいね。」
「そうだね。」
バスツアーのお客様に限らず
料理の内容に関しては
可能な限り対応させて頂いておりますので
お気軽にお問い合わせ下さい。
「明日は、【鰯の丸煮】と
【西京漬】を仕込むんだね。

そんじゃ、また明日」 by ふぐとらちゃん
時化後の地魚3種は、勘八(かんぱち)、鰖(たかべ)、肩星鰯(かたぼしいわし)
Vol.4200
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(11月8日)は

時化後に水揚げされていた
地魚3種について
お話しします。
今朝、沼津魚市場から戻って来ると

「おはよう、親方
仕入れ、お疲れ様~♬」
と、ふぐとらちゃん。
「おはよう
魚が少ないかと思ってたけど
好みの魚があって
良かったよ。」
と言うと
「良かったじゃん。」
「そうだよ。
でも、今日はバスのお客さんが来るから
バス優先だよ。」
「魚の仕込みは
後回しなの?」
「そうだよ。
とりあえず、盛付けを終えたら
魚に取り掛かるから
魚のことは後でね。」
「はぁ~い♬」
出汁を引くなどの
ルーチンの段取りを終えたら
盛付けを始め

最後の南京豆腐(かぼちゃの豆腐)まで
盛付けたら
魚の仕込みをすることにしました。
その前に
時計の針を
市場時間に戻し

仕入れの様子から。
今朝の沼津魚市場は
昨日の全国的な時化(しけ)のため
ガラ~ン・・・。

この状況に追い打ちを掛けたのが
水曜日という今日の暦でした。
というのは
今日は豊洲などの
中央市場が休みで
そういう時は
沼津に来る荷物が
少ないからです。
そんな状況でしたが

沼津市西浦の冨久豊丸(ふくほうまる)の
水揚げの最中で

漁師だけでなく
市場の職員(赤い服)も

仕分けをしていました。

定置網漁で水揚げされる魚は様々で

それこそ

種々雑多。
こういう類の魚を
最近では未利用魚などと呼んでいますが
この言い方を
解せない自分です。
というのも
数が少ないから
使わないというのは
傲慢極まりなく
理由にならない理由としか
言えません。
水揚げされた魚の中から

鰖(たかべ)と

肩星鰯(かたぼしいわし)をGET!
どちらも夏前から
目にしていて
時々仕入れていた魚で
自分の“お気に入り魚”のリストにも
入っていました。
ただ、お盆を過ぎた頃から
殆ど見なくなり
半ば諦めていたのですが
今日のような魚が少ない時にあったのは
まさに、不幸中の幸い。
また、今日は

活魚売場にも

冨久豊丸の魚が入荷しており

運よくGET出来たのは

1,2キロの勘八(かんぱち)でした。
「っていう感じの仕入れだったんだよ。
と言うと

「そうなんだぁ~。」
先ずは、勘八から。
締める時は

動かないようにするため
顔を覆い
頭の付根と

尾の付根に包丁を入れたら
氷入りの海水に浸け

神経を抜きます。
氷が入っているのは
締めた時に
体温が上昇して
身が焼けるのを防ぐためです。
身が焼けると言っても
加熱調理ではありません。
血抜きを終えたら
鱗(うろこ)を取ります。

勘八は鱗が細かいので
包丁を使って取り除き
この方法を
すき引きと呼んでいます。
頭を落とし
はらわたを抜いておき

今度は

肩星鰯と

たかべの下処理。
3種類全て、水洗いまでしたら

バスの到着時間が
近づきつつあったので
とりあえず、冷蔵庫へ。
程なくすると

バス到着。
ちなみに、今日のバスツアーの御席の刺身は

地物の胡椒鯛(こしょうだい)と
湯葉の二種盛でした。

「こういう刺身だったから
魚の仕込みを急がなかったんだね。」
と、ふぐとらちゃん。
「そうだよ。

「そういうことだったんだぁ~。」
バスが出発したら

冷蔵庫の魚を拭き上げると

「今日は、このままなの?」
「そうそう。
明日以降使うから
卸すのは明日で
たかべと肩星鰯は
酢締めにするんだよ。」
「じゃあ、明日は
魚の仕入れは無いの?」
「いやいや、あるよ。
土日の予約分とか
他の仕込みもあるし
仕入れたい魚はあっても
市場に行ってみないと
分かんないけどね。」
「じゃ、明日は
仕込みが倍になるってこと?」
「予定は未定だけどね。」
「わぁ、頑張って~♬」
今朝のような3種類の魚を
仕入れることが出来るのは
漁港が併設されている
魚市場だからです。
こういうメリットを活かし
地元の魚の良さはもちろんのこと
水産業の魅力を伝えるのが
地方の料理人の使命である以上
日々の仕事に臨み続けます。
「明日も頑張ってね。

そんじゃ、また」 by ミニふぐちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が

投稿して下さっています。
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください。
休日出勤は、魚市場の仕入れとお弁当の準備
Vol.4198
いらっしゃいませ
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天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(11月6日)は

休日出勤の様子について
お話しします。
明日が休市日ということもあり
定休日でしたが
今朝は
ホームグランドの
沼津魚市場へ行って来ました。
いつものように
最初に向かったのは
活魚売場です。

生簀には
伊豆・土肥(とい)産の
胡椒鯛(こしょうだい)が入荷しており

仲買人と作戦を立てたのち

車で15分程の所にある
食遊市場へ。
野菜をはじめ

他の食材を仕入れ
魚市場に戻ると

無事に

胡椒鯛をGET!
このまま帰ろうとすると

行先未定の
福島県産のとらふぐ(天然)が
3本あり

荷受の問屋に
付き合わされ
3本全てGETとなれば
萌え燃え・・・
とらふぐを持ち帰ろうとしていると

隠し撮られていました。
『佳肴 季凛』に戻ると

ミニふぐちゃん曰く

「おはよう、親方
今朝の仕入れは
こんだけなの?」
「おはよう
今日が休みで
明日は昼と夕方のお弁当があって
通常営業を休むから
これだけだよ。」
「そうなんだぁ。」
「少しくらい
休ませてよ。」
「そうだよね~。」
スチロールから
とらふぐと胡椒鯛を取り出し

先ずは胡椒鯛を締めたら

神経を抜いておきました。
その後
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが
鱗(うろこ)を取っている間に

自分はとらふぐを卸し

卸し終えた後の水洗いをしてくれるのは

真由美さんです。
今度は自分が胡椒鯛の手直しをし

この胡椒鯛は
明後日のバスツアー用の刺身ですので
卸すことはせず
軽い真空包装をしてから

氷詰めしておきました。
今度の手直しは

とらふぐです。
洗い上げたのち

拭き上げてくれるのは
真由美さんです。

とらふぐの仕込みが終わったら

明日のお弁当用の南蛮漬と

たくあんをカップに盛付け

冷蔵庫へ。

お弁当の折を準備している
真由美さんを見ると

「沢山あるね。
昼と夕方って書いてあったけど
どっちがどっちなの、真由美さん?」
「こっちが昼で


こっちが夕方だよ。 」
「じゃあ、盛付け担当の真由美さんは
頑張らないとね♬」
「何なら
ミニふぐちゃん達も
手伝ってくれる?
ふぐのひれも借りたいって
よく言われるしね。」
「え゛っ!?」
その後

包丁を砥ぐと
♬ お片付け~ お片付け~♬
\ \ ♬ さぁさ二人で お片付け ♬ //
ミニふぐちゃんの合唱に合わせ

カウンター周りの掃除をし

玉子焼用の鍋などの道具類を出し

昼前までに
休日出勤が終わりました。
来週は完全オフの予定ですが
その次の20日
さらに、その次の27日は
ご予約を頂いているので
既に休日出勤が
決定しています。
カレンダーを見ると
2023年の月曜日は
10回もありません。
そう思うと
一年が経つのは早いのなんの・・・。
「二人とも、頑張ってね。

そんじゃ、また」 by 熱血君
とらふぐと一般的な魚の締めの違いの理由
Vol.4195
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(11月3日)は

とらふぐと一般的な魚の締めの違い
についてお話しします。
今朝は、沼津魚市場で

福島産のとらふぐ2本と

縞鯵(しまあじ)を仕入れ
縞鯵は

伊豆・土肥(とい)産でした。
【佳肴 季凛】に戻ると

「 おはよう、親方
魚だけじゃなく
野菜も食材もあって
特盛じゃん!」
と、ミニふぐちゃん。
「おはよう
魚市場だけじゃなく
食遊市場にも行ったからね。
しかも、魚市場と食遊市場を
往復したし・・・。」
と、返しました。
「それじゃ、たいへんだったね。」
「まぁね。」
「で、スチロールに入っているのは
何なの?」
「大きいスチロールが

とらふぐと縞鯵で
小さい方が川海老で

川海老は


青森の小川原湖のだよ。」
「おがわはらこ?」
「いや、おがわらこ。」
「おがわらこって
3回言うと
呪文になるんじゃね?」
「まぁ、呼びにくいのは
確かだけど・・・。」
「シマアジって言えば
この間、話してくれたよね。」
※この間の話とは

「そうそう。
今朝も、結構あったよ。

見づらいだろうけど
検量中の様子・・・。」
「これから締めるんでしょ?」
「そうだよ。
離れていてね。」
「はぁ~い♬」
スチロールから取り出したら

先ずは、縞鯵。
頭と

尾びれの付根に
包丁を入れたら

氷入りの海水へ。

そして
とらふぐです。

締めたら

同じく海水へ。
氷を入れて冷やしてあるのは
締めた時に
一気に体温が上昇して
身が焼けてしまうのを
防ぐためです。
身が焼けると
ブヨブヨの身になって
使いものになりません。
縞鯵は

神経を抜いておきました。
縞鯵の下処理は
一般的な魚同様
以下の①~④の通りです。


①鱗(うろこ)を取る
②頭を落とす
③はらわたを抜く
④水洗い
この後、三枚に卸すのですが
今日のは
明後日のバスツアー用の刺身に使うので
水気をふき取ったら

中骨に残っている血を取るだけでなく
中骨に針金を刺し

さらに血を抜いてから

腹にキッチンペーパーを詰め

弱めの真空包装をして
氷詰めしておきました。
氷詰めすることで
食材は細胞内の
たんぱく質とでんぷんを分解し
不凍物質を作り出し
旨味が増すのです。

「明後日まで、おとなしく
おとなしく、お寝んねしてね~♬」
真打のとらふぐをまな板に乗せると
「トラフグの方は

シマアジみたいに

大きな切り口じゃないけど
どうしてなの?」
と、訊いてきました。
「すげぇニッチなところに
目を付けたね
っていうか
よく気付いたじゃん。」
「えへへ・・・。」
「とらふぐを卸しながら
話してあげるからね。」
「はぁ~い♬」
とらふぐというより
ふぐ類の基本的な卸し方は

最初にくちばしを落としたら
皮を剥(は)いでいきます。
この時点で
普通の魚の卸し方とは
全く異なり
卸すというより
解体の方が正しいかもしれません。
なので、
卸すとは言わずに
ばらすと言ったりもします。
皮を剥いだら
内臓を取り除くのですが

この時に
頭と胴体の部分を包丁で押さえてから

内臓とかまの部分を外します。
一般的な魚のように
頭を落としてあると
包丁で押さえることが出来ません。
要は、卸しやすくするため
頭と胴体を
切り離すことをしないのです。
ばらし終えたとらふぐを
いつものように
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが
水洗いしていると

「今の親方の説明って
知ってた?」と
真由美さんに訊くと

「ぜ~んぜん、知らなかったよ。
っていうか
私が卸すわけじゃないしね。」
と、真由美さんの返答。
「そうなんだけどさぁ~。」

手直しをし

洗い上げ
とらふぐの下処理が終わりました。

「あとさぁ、とらふぐの場合
神経を抜かないのは
どうしてなの?」
と、新たな質問。
「脊髄に針金を通さなくても
頭からでも
神経を抜くことは出来るんだけど
そもそも、とらふぐの場合
活〆にしてから
ちゃんとした刺身に仕立てるまでに
最低でも2日かかるし
もっと言うと
水分が抜けて旨味が出るまでに
3、4日かかるから
死後硬直を遅らせる必要もないんだよ。
今言った水分を抜くってことも
美味しいふぐ刺にすることも
大事だからね。」
「そういうことなんだぁ~。」
「卸し方、仕立て方が
普通の魚と違うのも
ふぐっていうか
とらふぐの特徴なんだよ。
もっと言うと
ふぐ料理だけで看板を出せる
ふぐ屋っていう専門屋があるくらいに
日本料理の中じゃ
特殊なんだよ。」
「へぇ~。
特殊ってことは
親方そのものじゃん。」
「そうだね。
・・・・・。
そんなこと
あるわけないじゃん!」
「でもさぁ
親方のスタイルって
マクロビオをベースにした
“身体に優しい美味しい日本料理”で
ふぐ、西京焼が推しだから
普通の和食とか日本料理とは
違うよね、確かに。」
「まぁね、変わり者だから
いいんだよ、それで。」
「親方って
自分のこと
分かっているみたいじゃん。

そうなの、真由美さん?」
「そうだよ。
だから、私も少し変わっているかも・・・。
しかも、変わり者×2じゃなくて
変わり者の2乗だからね。」
「やっぱ、そうなんだぁ~。(笑)」
一連のやり取りにもあるように
『佳肴 季凛』は
オーソドックスな日本料理店とは
違う面がありますが
その根本にあるのは
本物の美味しさを
追い求めることにあります。
そのために
自ら魚市場に通い
リアルな現場に触れ
魚だけでなく
多くの食材を知るために
アンテナの受信力を
鍛えるのです。
「明日こそ
この器のことを話してもいいんじゃね。

そんじゃ、また」 by ゆるキャラ一同
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています。
ご興味、ご関心がある方は
是非、御覧下さい。
天然の縞鯵(しまあじ)が多く水揚げされるようになった理由
Vol.4191
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月30日)は

天然の縞鯵(しまあじ)の
水揚げが増えた理由について
お話しします。
今朝は

沼津魚市場で

地物の錘鰤(つむぶり)を仕入れました。
水揚げしたのが
西伊豆の土肥(とい)なので、
地物と言えば地物なのですが
漁場は銭洲(ぜにす)です。
銭洲とは
伊豆半島最南端の石廊崎(いろうざき)から
70キロほど南下したところに
位置する岩礁群で
好漁場として知られています。
戻って来ると
ミニふぐちゃんが

「おはよう、親方
おっ、ツムブリじゃん。」
と、ミニふぐちゃん。
「おはよう
そうだよ。」
「定休日なのに
どうして、仕入れに行ったの?」
「明日は、バスが来るから
その刺身用の魚を仕入れるためだよ。」
「明日じゃ、だめなの?」
「もし、刺身用にする魚が無かったら
困るじゃん。」
「あっ、そうか。
今日はツムブリだったけど
刺身用の魚を選ぶ基準ってあるの?」
「鮮度、目方、単価が
一番の基準かな。」
「他には?」
「あとは、自分の好み。」
「へぇ~、そうなんだぁ。」
「錘鰤の話はとりあえず置いといて
今朝は、天然の縞鯵(しまあじ)が
沢山入荷していたよ。」
「シマアジって、高級魚の?」
「そうだよ。
ほら」
◆活魚売場

(写真がぼけていて、すみません)
◆沼津近郊の魚中心の売場


◆東伊豆=伊豆半島周辺の魚中心の
半地物の売場



「わぁ~

凄いね。」
「たださぁ
沼津の市場に
こんなに入荷するようになったのは
この2、3年の間だよ。」
「そうなの?」
「縞鯵って言うと
養殖が殆どで
天然はかなり少ないから
それだけで高級なんだよ。」
「どんだけ高いものなの?」
「活きた天然もので
夏場だと
キロ単価で諭吉越えなんて
珍しいことじゃないよ。」
「ひゃ~!
でもさぁ
こんだけあると
養殖よりも安いとか?」
「相場のものだから
何とも言えないけどね。」
「多く獲れるようになったのは
沼津だけなの?」
「そうじゃないらしいんだよ。
三重に知り合いの魚屋がいるんだけど
彼のSNSの投稿でも
増えているから
訊いてみたら
多くなったって言ってたよ。」
「へぇ~。」
「海水温が上昇したのが
一番の理由じゃないのか
っていう結論になったんだけど
南方っていうか
暖かいところの魚が増えているのは
同じようだよ。」
「どこそこ同じなんだぁ。」
「元々、縞鯵は
伊豆諸島で獲れたものが多いんだけど
定置網で水揚げされるようになったのも
海水温が上昇していることと
繋がりがあるのかもね。」
※定置網は陸から
それほど離れていない場所に
仕掛けられるのが一般的です。
海水温の上昇の原がが
我々人間の環境破壊にあるのは
確かです。
それを止めるには
のようなことが考えられます。
①エコバッグを利用
②LED照明に切り換える
③自転車や徒歩での移動
④省エネ電化製品の利用
⑤ゴミを減らす
⑥旬の野菜を食べる
(時季外れの野菜の生産には
旬の野菜生産の
約5倍 のエネルギーが必要)
このうち⑤と⑥は
マクロビオティック(玄米菜食)
の考え方に通じるものがあり

特に、⑤と⑥に関する
箇所もあります。
ひとりひとりの力には限りがありますが
少しでも、実践することが出来るなら
大きな力となり
自然の恩恵に少しでも
預かれるようになるはずです。
だとしたら
そのための努力を
惜しむわけにはいきませんし
料理を通じて
声を出し続けます。
「定休日だから
お取り寄せグッズを
持ち込みで発送したんだね。

そんじゃ、また明日」 by ふぐとらちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が

投稿して下さっています。
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください。
バスツアー用の勘八(かんぱち)、小肌(こはだ)、目鯵(めあじ)
Vol.4187
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月26日)は

明日、明後日のバスツアー用の魚3種
についてお話しします。
今朝、沼津魚市場から戻って来ると
ふぐとらちゃんがやって来て

「おはよう、親方
おっ、カンパチじゃん
活きてる活きてる。」
「おはようそうだよ。
今朝は結構多かったんだよ。」
「へぇ~。
多いって、どれくらいのことを言うの?」
「見にくいかもしれないけど

生簀でわちゃわちゃしているんだけど

奥の生簀まで
入っていたんだよ。」
「確かに、沢山いるね。」
「この中から選んだのが

2,5キロので
今朝のは

熱海・網代(あじろ)産だよ。」
「こんだけ獲れたってことは
今が時季なの?」
「一応、夏から秋にかけて
水揚げされることが多いけど
特に、こういう小さいのは
ここ何年かは
そうでもないような気がするなぁ。」
「どういうこと?」
「海水温が上がったせいか
わかんないけど
よく見るような・・・。
ただ、旬っていうのは
人間が勝手に決めたものだから
何とも言えないね。」
「ふぅ~ん。
でも、どうして
カンパチって呼ぶの?」
「頭の間に
八の字を書いたような模様が
あるからだよ。

ほら。」
「あっ、本当だ
魚の名前って
単純なんだね。」
「まぁね。
漢字だと
勘八の字もあてるけど
この由来は分かんないなぁ。
あと、今日みたいに
小さめのものは
関東だと
“汐っ子(しょっこ)”なんて呼ぶよ。」
「へぇ~。
あと、仕入れて来たのは?」
「伊東産の目鯵と

有明海産の小肌だよ。

有明海っていうか
佐賀産ね。」
「ふぅ~ん。
県外の人のための豆知識ってことで
熱海・網代と伊東は
お隣さんなんだよね。」
「そうだよ。
補足説明、ありがとうね♬」
「えへへ・・・♬」
目鯵、小肌の仕込みの前に

勘八を締めるため
頭を覆(おお)うと

「どうして

頭を隠すの?」
「頭っていうか
目を隠すと
動かなくなるからだよ。」
「そうなんだぁ。」
「締めるから
離れていてね。」
「うん♬」
頭の付根に包丁を入れたら

体温が上昇して
身焼けするのを防ぐため

氷を入れた海水に浸け
死後硬直を遅らせるため

脊髄に針金を通し
神経を抜きます。
しばらく、このままにして
ある程度まで
冷えたら
海水から取り出しておきました。
「そう言えばさぁ
親方って

メアジやアジ

コハダみたいな小魚を仕込むのが
意外と好きなんじゃね?」
「そうだね。
料理の世界の始まりが
鮨屋だったから
小物を仕込むのが
割と好きだね。」
「小物って?」
「小物っていうのは
小魚、貝類とかを言うんだよ。」
「ふぅ~ん。」
「日本料理って
意外と細かい魚を仕込む機会が
少ないんだよ。
だから
これらの仕込みを好まない料理人って
意外と多いんだよ。」
「そうなの!?
似たような業種なのに・・・。」
「鮨屋って専門職で
日本料理って何でも屋だからね。
ただ、鮨屋って
ふぐ類、鱧(はも)みたいな
特殊な魚は扱わないけど
魚のスペシャリストみたいなもんなんだよ。」
「似て非なるってこと?」
「そうだよ。
玉子焼の焼き方も
違いがあるしね。」
「どんな風に?」
「口じゃ説明出来ないから
実際に焼いた時に
話してあげるよ。」
「はぁ~い♬」
勘八を卸す前に

小肌と

目鯵の下処理をし
目鯵だけは

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが
水洗いしてくれました。

「おはよう、真由美さん♬
こういうのって
たいへんじゃね?」
「ふぐとらちゃん、おはよう♬
こういう単純な作業って
意外と好きだから
平気だよ。」
「そうなんだぁ。」
そんな様子を尻目に

酢〆にするため
小肌を開き
塩を振っておき
塩が溶けるまでの間に

目鯵を開いておき
最終的に
目鯵は明日と明後日の
バスツアー用の揚物に使うため

しんびき粉をつけておきました。
先程の小肌は
塩を洗い流したら
酢につけたのち

旨味を加えるためと
出て来た水分を吸収するため
昆布で挟んでおき
冷蔵庫へ。
小肌は明後日のバスツアーの刺身用です。
小物の後が
勘八です。

鱗(うろこ)が細かいので

包丁を使って
鱗を取っていき
この方法を
すき引きと呼んでいます。
頭を落とし
はらわたを抜き
水洗いしたら

中骨にに残っている血のかたまりを

取ります。
すぐに卸す場合なら
不要な作業ですが
この勘八も
明後日のバスツアーの御席に使うため
氷詰めにしておくからです。
今度は
中骨に針金を刺し

さらに

血抜きをすると

わずかながらも血が・・・。
血は内臓と同じなので
残っていると
生臭みの原因になるので
取り除かなくてはなりません。
ただ、脂が乗る
大きい魚の場合
締めてから
えらだけ抜き
氷入りの海水に浸けておくことで
内臓脂肪を身の脂肪に
回らせることもします。
使い勝手、魚の違いによって
どれがいいとは
一概には言うことは出来ません。

下処理とを完全に終えると

ふぐとらちゃんが
「頭の部分の身が
盛り上がっているんだけど・・・?」
と、訊いてきました。
「身が活きているから
こんもりとしてくるんだよ。」
「へぇ~。
鮮度の違いって
こんなところにも出るんだね。」
「ビックリでしょ?」
「うんうん♬」
その後

腹にキッチンペーパーを詰め
身全体を包んだら
弱めの真空パックをし

氷詰めにすると

「明後日まで
お寝んねして
美味しくなってね~。」と
ふぐとらちゃん。
この状態なら
一週間は鮮度を保つことが出来ますが
美味しく食べられるのは
2、3日後で
良い状態で
バスツアーのお客様にお出し出来そうです。
「明日のバスの御席の準備も出来たね

そんじゃ、また」 by ミニふぐちゃん
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【sea級グルメ全国大会 in 沼津】開催のため、連休の沼津魚市場
Vol.4185
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
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天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
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【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月24日)は

28日(土)と29日(日)が連休になる
沼津魚市場についてお話しします。
ホームグランドの沼津魚市場は

毎週土曜日が休みで
月に何度か
火曜日が休みになり

今日は休市日でした。
休市日の沼津魚市場は
こんな感じで

写真は21日(土)の様子です。
その日

魚市場周辺を走っていると

どこそこに

こんな看板が

立っており

28日(土)と29日(日)は


開催されるとのこと。の看板は
何年も前から立っていましたが
自分にはまぁ~ったく関係ないので
気にも掛けていませんでした。
が、しかし

改めて
魚市場の休市日を確認すると

28日と29日が
連休になることが判明。
気付かなければ
29日は
間違いなく
魚市場に行く予定でした。

「気付いて良かったじゃん、親方。」
と、ふぐとらちゃん。
「そうだよ、そうだよ。」
「でもさぁ、今までに
市場が休みの日に
うっかり行っちゃったことはあるの?」
「無いよ。
ただ、次の日が休みなのを忘れて
仕入れしなきゃならないものを忘れたり
仕入れたものを置き忘れたことはあるよ。」
「マジで!?」
「マジだよ。」
「そういう時は
どうするの?」
「どうもこうも
色んなパターンで乗り切った。」
「それって
どんな感じなの?」
「覚えている限りで言うね。
①時間が早い時は
近所の魚屋さんにお願いする
②こちら方面に配達がある業者に
お願いする
③自分で取りに行く
④あきらめる
ってとこかな。」
「へぇ~。
ってことは
どうにかなるんだぁ~。」
「大体ね。
③みたいな場合は
休市日でも当番がいて
用意してくれる問屋もいるよ。」
「④みたいに
あきらめた場合は・・・?」
「他の食材に差し替えたよ。」
「そうなんだぁ~。」
「たださぁ、今度の連休は
悩ましいんだよ。」
「どうしてなの?」
「31日にバスのお客さんが来るから
その時に出す刺身用の魚が
どうなるか
気になるんだよ。」
「天気予報は見た?」
「天気っていうよりも
波、風があるかないかが
大事なんだよ。」
「どういうこと?」
「時化(しけ)ると
漁に出られないからねぇ。」
「そっかぁ~。
ってことは
漁師って
ただの自然相手とは違うんだね。」
「そうだよ。
海は少しでも間違えれば
命の危険もあるわけだし・・・。
漁師の知り合いも
何人かいるからじゃないけど
『漁師の仕事をなめんじゃねぇぞ。
レジャーの延長じゃねぇぞ。』
ってことなんだよ。」
「親方、ちょっと怖いけど・・・。」
「漁業に限らず
一次産業をないがしろにし過ぎなのが
たまんなく腹立たしいんだよ。
ってことは
食を軽く見過ぎにしているわけだから。」
「そのことは
前から言っているよね。」
「そうだよ。
だからこそ、一次産業の隣にいる
料理人が声を大にして
言わなきゃならないんだよ。」
「そうだね。
親方が吠え続けるよう
僕達も煽るよ。」
「ガンガン煽ってよ。」
「少しは落ち着いた?」
「まぁね。
このことになると
つい熱くなっちゃうんだよね。」
「まぁ、熱血料理人だけに
しょうがないんじゃね。」
「そういうことにしおくか。(笑)」
「うんうん。」
28日、29日の催しは
どんなものかは分かりませんが
折角の機会なので
お時間のある方は
我がホームグランドに
お出掛けしてみて下さい。
「オリジナル調味料のボトルが
届いたんだね。

そんじゃ、また明日」 by 熱血君
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
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ご興味、ご関心のある方は
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定休日の仕入れ&仕込みは、ONLY葉血引(はちびき)
Vol.4184
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こよなく愛す
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志村弘信です。
今日(10月23日)は

休日出勤日に仕入れた
葉血引(はちびき)について
お話しします。
明日(24日)は

ホームグランドの沼津魚市場が
休みなので

定休日でしたが
今朝は仕入れに行って来ました。
地物の魚の売場は

まずまずの入荷状況。
目に留まったのは

伊豆・下田産の
葉血引(はちびき)でした。

葉血引は

目鯛(めだい)の外道として
水揚げされることが多く
今日も然りでした。
仕切られた葉血引は

2本入と1本入があり
目星をつけ
競りを待つことに。
競りの結果

目星をつけた
2,3キロのものをGETし
魚市場から撤収。
『佳肴 季凛』に戻ると

「おはよう、親方
一匹でもハチビキを
仕入れて来たんだね。
っていうか
今日は休みじゃね?」
と、熱血君。
「そうだよ。
明日は市場が休みだからね。
仕込みは、葉血引だけだから
お気楽極楽~♬」
「早く終われるよう
頑張って~。」

鱗(うろこ)を取り

水洗いをしたら

半身だけ卸し
残りの半身は
骨付のままに。
卸した半身は

脱水シートを乗せ、冷蔵庫へ。
骨付の身は

中骨に残っている
血を取り除いたら

中骨に
針金を刺すと

残っている血が

出て来ました。

「結構、残っているんだね。」
「そうだよ。
血は内臓みたなもので
取り除かないと
生臭くなるから
丁寧な下処理が大切なんだよ。」
「よく言っているもんね。」
血抜きを終えた身は

弱めの真空パックしたら

氷詰めにし、冷蔵庫へ。
最後に氷を詰めると

「ハチビキちゃん、バイバイ~
冷たいけど
美味しくなるから
我慢してね~。」
頭や中骨などのあらは

焼いてから出汁を取るため
今日は冷蔵庫へ。
そして、包丁を砥ぎ始めたのは

8時半前で
今日の休日出勤は
これにて終了です。
ただ、来週の月曜日と
次の日の月曜日は
お弁当の仕込みや
バスツアーの準備などもあるので
3週連続の休日出勤が決まっています。
どの程度の仕込みになるかは未定ですが
願わくば
早く終わらんことを・・・。
「それでも、この後
真由美さんとお出掛けしたんだね。

そんじゃ、また明日」 by ふぐとらちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
当店のお取り寄せや
通販の商品などを召し上がった方々が

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ご興味、ご関心のある方は
御覧ください。